ウクライナはロシア軍のミサイル攻撃を阻止するための防空システムが不足しており、この問題について最高議会のエゴール・チェルネフ議員(安全保障・防衛委員会の副委員長)は22日「独自の中距離防空システムを開発中でテスト結果も良好だ」と明かした。
参考:Похожи на HAWK. У Украины есть свои новейшие системы ПВО средней дальности, – нардеп
独自の中距離防空システムが今年の冬場に間に合うなら非常に効果的だろう
ロシア軍は安価なイラン製無人機と高価なミサイルを併用したインフラ攻撃を昨年9月に開始、この攻撃は暖房のためエネルギー需要が高まる冬場が終わっても続いており、約10ヶ月間の攻撃でロシア軍が発射したミサイル(Shahed-136を含む)の数は3,070発(内2,448発を撃墜)に達している。
首都周辺にはパトリオットシステムやSAMP/Tが配備されている可能性が高いため、キーウに対するロシア軍のミサイル攻撃は完璧に近い形で阻止されているものの、地方都市の保護は防空システムの不足で十分なものとは言えず、オーデサ、ムィコラーイウ、ヘルソン、ドニプロ、キロヴォフラード、リヴィウ、フメリニツキー、ハルキウなどでは攻撃の被害が増加しており、3日連続で攻撃を受けたオーデサでの迎撃率は平均64%(18日88%、19日58%、20日47%)で、1月から6月までの平均迎撃率=77%と比較しても10ポイント以上低い。
そのためゼレンスキー大統領は「パトリオットとSAMP/Tの追加供給があればオデーサを保護することができる」と訴えていたが、この問題について最高議会のエゴール・チェルネフ議員(安全保障・防衛委員会の副委員長)は22日「独自の中距離防空システムを開発中でテスト結果も良好だ」と明かした。
チェルネフ議員は「このシステムはパトリオット、SAMP/T、IRIS-Tの類似品ではなくHAWKシステムに近いと思う。システムのテストは非常に順調で迎撃弾も既に開発済みだ」と述べたが、この防空システムの実用化時期や量産化時期に関する見通しには触れていない。
反攻作戦を開始したウクライナの政府・軍関係者は「年末までに戦争が終結する可能性」に言及すると同時に「戦争が続く可能性」にも備え始めており、空軍のイグナト報道官は「エネルギー需要が高まる冬場にインフラ攻撃を強化してくるかもしれない」と警告している。
ロシア軍は約10ヶ月間で1,454機のShahed-136を消耗したものの、ゼレンスキー大統領は昨年10月「ロシアがイランに発注したShahed-136の数は2400機だ」と指摘しており、これが事実なら「ロシア軍はShahed-136をあと1,000機手に入れる」という意味で、ロシア国内にShahed-136を製造する工場を建設中という噂もあるため、独自の中距離防空システムが今年の冬場に間に合うなら非常に効果的だろう。
因みにロシア軍は23日未明にKalibr、Kh-22、K-300P、イスカンデルK、イスカンデルMを使用してオーデサを攻撃、まだ詳細は不明なものの被害が発生しているようだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
日本もホークやスパロー持ってるはずなんだが送らないの?
岸田じゃ無理なのかな・・・
国民感情的にも増税なんかよりよっぽどハードル低いと思うんだがね(呆れ)
真に邪魔なのは公明党な気もしますけどね。ウクライナに兵器を提供するのに反対な自分が言うのもなんですが。
今月頭に行われた両党の論点整理にて「防衛装備移転三原則の『5類型(救難、輸送、警戒、監視、掃海)』ならば、正当防衛を可能とする武器搭載は可能ではないかとの公明党との意見の一致がみられた」とあり、次の協議は秋頃になるとのこと。
そもそも論としてそこで国民に殺る気がないから公明が槍玉に上がらないのだ
自国の防衛体制を低下したければ推進すれば良い。台湾と事情が全く違う、ホークなんかまだまだ現役だしウクライナで旧式兵器ですら使い道があるのが分かっているのに送れって言うの?
自衛隊の旧式ミサイルを安心して送れるのは運用するPre-MSIPが全て退役した後、新近SAMの運用体制が構築された時、03式中SAMファミリーでホークを代替出来たタイミング、オマケで現状ホークのカバー範囲を満たす安価で数を揃えられる中距離のIRIS-T SLMかNASAMSに準ずるシステム構築したタイミングだと思うが。
「出来ない理由を考えるのではなくーー」
安倍はこの後なんて続ける気だったのかなぁ・・・
個人的な意見ですか、供与品の横流しを警戒しているのだと思っています。変な所に横流しされて、民間人が死亡とかになれば政権がひっくり返るかもしれません。
ライセンス生産じゃあかんのかな?
新規開発だと輸出しないと開発費が改修できないだろうに。
将来的にもNATO加盟という政治的理由から戦前のようなウクライナ産兵器の非西側国への輸出は難しくなるだろうし。
いや無償ライセンス生産(合法コピー)でしょ
そんな新しいミサイルを悠長に作ってる暇無いし
恐らく秘密裏に技術供与あったんじゃないかなぁ
まあ仰るようにライセンス品だと思いますよ
クリミア大橋狙える超射程ミサイルを自分で作れるのだからホーク程度の射程のミサイルなんて余裕では
技術の大本はソ連時代の技術移転かもしれないけど、今の戦場に最適な対空ミサイルを自分で作れるなら自国生産が一番だと思う
台湾のHAWKをウクライナに送ることに関してウクライナは都合の良いごみ処理場と言う人も居たけど、やっぱり超音速ミサイル以外の迎撃にはHAWKでもまだまだ有効っぽいですわね。
HAWKでいいなら日本も持ってるし、他の西側諸国も旧式として結構持ってたはずだからパトリオットよりかなりの数送ってあげられるのでは。
シースパローを9K37(ブーク)に載せる計画は進行中と思いますが。
一つ前の2K12(クープ)を集めてはどうでしょうか、と思います。
同じようにシースパローは載ると思います。
元々、レイセオンは2K12(クープ)の改修を目指していたようですから。
2K12は後継の9K37が出来ているので、更新対象と思います。
載せるミサイルはHAWKでも良いのではないでしょうか。
誘導方式は同じSARHですから改修は可能なのでは、と思います。
とにかく、数が必要です。
SA-6ゲインフル(2K12)の運用国はまだ多いですが、手放してくれますかね。フォーブスの記事を信じるなら、東欧諸国にあるS-300もSA-6も在庫は少ないそうですが。
WIKIで見る限りでは。
ルーマニア、ブルガリア、スロヴァキアが
可能性がありそうな気がします。
装備としては、更新時期とも思います。
EUの資金又は米国の援助があてにできないかと妄想します。
元々AIM-7Fのコピーに対応してるんでないかね。>ロシア系
双方のミサイルを見比べると、
親兄弟(笑)のように似たものがありますね。
当たり前のこととは言いながら、お互いに技術を盗んだり、
盗み返されたり、参考にしたり、はあったのでしょう。
ホークミサイルと互換性があればNASAMSでも発射できるから有用性は高いと思うが、今のところどうなるのか分からんな。
アメリカ経由で台湾のまとまった数のホークが送られるからそのシステム用の補充用ミサイルをウクライナが製造するという話なんだろうな。
早い話がアメリカの援助下でのホークのコピー生産なんだけど公式ではウクライナが独自開発したという形にした方がロシアを刺激しなくていい塩梅なんだろう。NATOとロシアの代理戦争となっているけどそれでも外交上の配慮は必要という事か
ウクライナが所有しているS-300のミサイルユニットだけコピー生産する話が出てこない所を見ると、表題にある物の方が難易度が低いという事なのでしょうね。