要衝シュシャが陥落したことを受けてアルメニアとアゼルバイジャンはロシアが提案した和解案に同意、9月27日に勃発したナゴルノ・カラバフ紛争は終結を迎えた。
45日間続いたナゴルノ・カラバフ紛争は実質なアルメニアの全面降伏で幕を閉じる
アルメニアのパシニャン首相は9日、要衝シュシャを失ったことでアルツァフ共和国(旧ナゴルノ・カラバフ自治州が独立国だとして名乗っている国家名)の首都ステパナケルトへの補給路を失い戦争継続が不可能と判断してロシアの和解案に同意、ロシア、アルメニア、アゼルバイジャンが停戦協定に署名して9月27日に勃発したナゴルノ・カラバフ紛争は終結を迎えた。
Սիրելի հայրենակիցներ, քույրեր եւ եղբայրներ. անձամբ իմ եւ բոլորիս համար ծանր, չափազանց ծանր որոշում եմ կայացրել:…
※パシニャン首相のFacebook
この協定によってアルメニアとアゼルバイジャンは現時点で戦闘を停止、ロシア軍の平和維持軍と入れ替わる形でアルメニア軍はナゴルノ・カラバフ地域から撤退と同地域の支配権を放棄するため実質的にアルメニア側の全面降伏に近く、パシニャン首相は自身のFacebook上に「私個人や我が国民にとって非常に厳しい決断で言葉では言い表せないほどの苦痛だが、現状況における最善策」と述べているが「これは勝利ではないが敗北でもない」とも言っている。
補足:ロシア軍の平和維持軍はラチン回廊に展開する予定で派遣期間は5年間
しかしパシニャン首相はナゴルノ・カラバフ地域の死守を再三主張してきたため、協定署名に不満をもつ国民が「ナゴルノ・カラバフの土地は明け渡さない、裏切り者のニコル(パシニャン首相のこと)は何処だ」と叫びながら政府庁舎に押し入り建物を占拠するなどアルメニアの首都エレバンは大混乱だ。
※停戦協定受け入れに反対を叫ぶアルメニア国民
ただ協定を受け入れることによって平和維持軍がナゴルノ・カラバフ地域とアルメニアとの交通路を確立、同地域に孤立しているアルメニア系住民を安全にアルメニア領へ移送することができるためパシニャン首相が主張する「現状況における最善策」というのも頷けるが、これまでアルメニア国防省はナゴルノ・カラバフ地域での戦闘を優位に進めていると主張、要衝シュシャの陥落さえ否定していたので政府発表を信じていた国民が怒るのも無理はない。
どちらにしても45日間続いたナゴルノ・カラバフ紛争は終結を迎え、アルツァフ共和国の首都ステパナケルトは激しい地上戦を免れることが出来たが、軍事的に優位だと25年以上信じられてきたナゴルノ・カラバフ地域の防衛線はUAVを本格的に投入したアゼルバイジャン軍によって簡単に突破されてしまうなど多くの教訓を残した戦いだった。
今後状況が落ち着けばナゴルノ・カラバフ紛争の検証が行われ、なぜ一方的にアルメニア側が押されたのか見えてくるだろう。
関連記事:首都に迫るアゼル軍、ナゴルノ・カラバフ側がシュシュ陥落を認める
追記:アルメニア国防省が「戦いを止める時が来た」とコメントを発表、ナゴルノ・カラバフ地域を失うことを認めたがアルメニア軍が敗北したと認めていない。さらに今回の戦いで劣勢を強いられたのはアゼルバイジャン軍のせいではなくトルコの直接支援や数千人規模の傭兵が原因だと非難している。
因みにロシア、アルメニア、アゼルバイジャンが署名したロシア語の協定書がネットに出回っており、この協定書によればアルメニアはナゴルノ・カラバフ地域がアゼルバイジャン領の一部であることを宣言した国連決議に従う条項が含まれており、停戦時点でアルメニアが支配しているアゼルバイジャン領を引き渡す期日は12月1日に設定されている。
Quick map: Azerbaijani control in southern Karabakh as is. Kelbajar district should be delivered before 15th November, Agdam dst before 20th November, Lachin dst before 1st December, road from Khankedi/Stepanakert to Armenia – under Russians,+Russians at LoC between Az and Am pic.twitter.com/yMUca0Cl5G
— Liveuamap (@Liveuamap) November 9, 2020
※アイキャッチ画像の出典:アゼルバイジャン国防省が公開した動画のスクリーンショット
良い実験場だったね
言い方が草
このままアルメニアの国民が停戦を受け入れるかな?早晩、第二次なんて事になるかも?
今の政権が倒れると再戦あるかも。
そして、パシニャン政権は大本営発表繰り返した影響で早晩倒れそうという・・・
と言ってもアルメニアの経済力だと軍の再建すらままならないだろうしどうだろ。
相手はオイルマネーでどんどん強くなるアゼルバイジャン軍だし。
まあ、代わりにテロは激化しそうだけど。。
これからが本番ってことですね。
現在過半数を超えているとは言っても、今後ナゴルノ・カラバフ地域にアルメニア系住民は済めない可能性も高いし、警察は強めの監視体制を引くだろうから、住民の不満も高まるだろうし。
ロシアの仲介でアルメニアへの回廊を確保するのは、暗に「民族移動」がありうると認めているようなもの。
アルメニアが空軍力を確保できるような状況があれば、今度は国境線の書き換えに向かうんだろうなぁ。
前向きに見れば、民族浄化の血が流れないように逃げ道の確保に努めているとも言えます。
虐殺が発生すれば国際社会の受け止めがガラリと変わり、問題がいっそうややこしくなる。それは背後のトルコもロシアも望むところではないでしょう
うーん、前向きねぇ?
本来は悲惨なことが起きないようにアゼルバイジャンは努力するべきというか、防がなきゃいかん。
「無理だよね」ってことでしょこれ。
財産を失い住んでる土地を追われるってのはそれ自体悲劇で、アゼルバイジャンは非難を受ける性格のもの。
後半については同意するけど、できないから発生した難民の避難路を確保してるとしか思えないなぁ。
そもそも、今回の係争地の正当性自体がわれわれ部外者には何とも口出しし難いから、とりあえず戦火の収まりを肯定するしか言いようがないです
>とりあえず戦火の収まりを肯定するしか言いようがないです
もちろんそこは同意します。
今回勝ったのがアゼルで戦場はナゴルノ・カラバフ地域(アルメニア)なので、アゼルが本気ならば抑え込めることと思いますが、歴史的なことを考えると。。。
なので、「これからが本番ってことですね。」っていうわけです。
撤退するのはナゴルノ・カラバフだけ?それとも実効支配してた土地を全面返還なのかね
後者だとしたらアルツォフ共和国は滅亡か
アルメニア人はとりあえず安全に本土に避難できるけど、アルメニア本国は政治・経済ともにしばらく混乱しそうだな・・
ちなみに今朝アゼルがロシアのMi-24墜として話題になってた
アルメニアの国会議長が車から国民に引き出されてリンチされて意識不明との情報が。
パシニャン首相は調印のためソチに飛んだけど、そのまま亡命するかもという話も。
アルメニア国内荒れそうだなぁ・・・
盟主ロシア「しらんぷり」
国連「日本は金払いが悪い!プンプン!」
世界の警察の頂点「バイデンはインチキィィィィィ!!」
ロシア「ちゃんと何度も停戦仲介しているし、これから平和維持軍だって寄越すだろ?」
だってさー、アルメニアって独立後は凄い西側寄りだったんだよ?
ピンチになった時だけ「ロシアよ助けてくれ」とかかさ、ロシア的にはふざけんな!って感じだよ。
日頃からロシアの顔を立ててたら、絶対違った展開になってたと思うよ。
欧米に傾倒していたのは独立直後の一時期だけで、90年代カラバフ地方に侵攻したあとは安全保障をロシアに頼っている。でなきゃグルジアやアゼルバイジャンみたいにCSTOから離脱してるよ
歴史的経緯やきっかけがどうあれ、数年前のウクライナや今回の紛争で明らかになったように、「武力によって領土を切り取る」事態が21世紀の今でも容易に発生するのはかなりショッキングですね…
アゼルバイジャンから見れば原状回復では。
アルメニアが先に武力で領土切り取ったのを取り返した形ですし、
クリミアを切り取ったロシアに相当するのが、アルメニアの方ですし。
だからこそ、ロシアもEUも表立ってアゼルバイジャンを止めようとしなかったわけで。
アルメニアは自治領地域の独立承認を、国際的に取れなかったのが最大の失敗では。
アルメニアはやり過ぎたんだ、90年代の紛争でナゴルノ・カラバフ自治州だけじゃなく周辺地域まで制圧して返還してない。おまけにアゼルバイジャン系住民を追放&ジェノサイドと来たら、国際承認なんかとても取れない。
ナヒチェヴァンと交換という選択肢は無かったのかな。歴史的経緯知らんけど
全く有り得ないだろw
竹島と対馬を交換するようなものだ
この戦争は、領土、民族、宗教が絡まった怨恨で行われていた。
当事者同士は、これで終わったと考えていないだろう。
次は、アルメニアに有利な環境が整うときか?
日本側があくまでもいわゆる「尖閣」諸島の独占的占有に拘るのならこの事例を見れ迄もなく戦争は避けられない。
既に中国が実効統治を積み重ねている事実を無視することなく和平的解決を目指すよう日本側には忠告したい
中国は核心的利益を手放さない
3点
要再提出
小熊維尼(くまのプーさん)
平反六四(天安門事件の名誉回復を)
解救維吾爾(ウイグルを救おう)
習包子全人類公敵(習肉まんは全人類の敵)
光復香港 時代革命(香港を取り戻せ、革命の時だ)
天滅中共 暴政必亡(天は中共を滅し、暴政は必ず亡ぶ)
神田伯山一門に弟子入りしなさい、勉強しないとな
共産党が台湾に大陸を返還して解散するのが本筋では?
平和維持軍が何故かそのまま駐留軍になるんですねわかります(棒)
本当に駐留軍になってくれたらアルメニアは歓迎だろうな
トルコ軍ではないんだ。まあ、アルメニアが絶対に反対するか。
今回の紛争はこれで終焉に向かいそうだけど、またいつの日か争いが起きるのでしょうね。WiKiでちょっと調べただけでも、アルメニア系とアゼルバイジャン系の骨肉の争いは、長く続いているみたいだし…。
その2国に限らず、あの辺はそれこそ1000年遡ってもキリが無いからな
自爆ドローンがとても有効に使われた戦争だった。
お金のかかる飛行場が不要で、使い捨てだから重整備・近代化改修のコストを考慮しなくていい当たり、弱小国の航空戦力として活用が一気に伸びそうだ。
いざ空対空戦闘なれば簡単に落ちるけど、どこからでも飛ばせるから攻撃時に航空優勢が必要でないのも運用にプラスだね。
ドローン最強説が出来た紛争だったな
戦車は不要だとか、これからの戦争は無人機が主役とか
とはいえ、先進国の正規軍相手じゃこうもうまくいくまい
そういうレガシー固執を持ち出してると老害扱いにされるよ
すでに話の流れからずれてるし
出遅れ気味の日本ですら、電子戦部隊の拡充や、近距離防空用のレーザー兵器の開発が加速したわけだから
2,3歩進んでる国とかドローン対策どこまで進んでるんだろうね
トルコはアゼルバイジャン並みにメシウマ、ロシアはEUぶってた裏切者が結局は頼って来たんで失笑、イランも国内のアゼル系がご機嫌。
難民は国外に逃げなさそうだし、アルメニア以外はみんな幸せ。
アメリカ「お前ら一回ウチの停戦勧告シカトしたのは忘れないからな?選挙終わったらトルコへの制裁強化な。」
しかも、売電さんと民主党は、エルドアンの様に強引な指導者とは絶対合わないだろう…
こうやとて火種をくすぶらせたままで終わり、そして続くと。
民族主義を語る限り、平和って永遠に来ないんだね
暴発してるのは今の所国民だけか
アルメニア軍は宮城事件を引き起こした旧帝国陸軍よりは賢いみたいだな
旧帝国陸軍は支那派遣軍が健在で中国では負けてないし本土決戦でワンチャン、的な空気があってイキってたから。。
アルメニア軍はというと、目と鼻の先の戦場でフルボッコにされた上に、このままだとステパナケルトが落とされるのは目に見えてるので、
ここで引くしかないと判断したんだろう。(停戦交渉に応じれば幾分かの領土は残るだろうし)
イスカンデルか何かをアゼルバイジャンの首都バクーにぶっぱなした説があるからまだ結論だすには速い
賢いというよりも、アゼルとの実力差にうちのめされてるのかも
詳しくは戦後検証待ちだけど、敗けるからには敗ける理由があるはずだし
で、一番得をしたのは、誰だってばさ?
σ(゚∀゚ )オレ
「これは勝利ではないが敗北でもない」
こりゃ平和維持軍撤退直後に第三ラウンドやる気満々だよまったく
ロシア軍の監視は5年だけどさ
機甲戦力から何から何までメッタメタにやられたアルメニアが、そんな短期間で戦力を回復できるわけないよ
アルメニアが超裕福国家ならまだしもド貧乏国家だからね
開戦前の戦力まで戻すのですら数十年レベルになるかも知れん
もうアルメニアがあの地域を独力で再奪還するのは無理
もうナゴルノカラバフ全域の返還・謝罪した上で国交正常化交渉する方が経済的にマシだな。つか、この30年間で両者はもちろん露米仏や周辺国どこもその方向には動かなかったのかよ。
平和維持軍の派遣は「とりあえず」5年
戦力が十分に回復まで極力引き延ばすだろうよ
アルメニア「そうだ!ウチもドローン大量投入しよう!」
ロシア「ロシア製ドローンのテストに協力してくれるって?w」
フランス「ウチもウチも」
力のバランスが崩れると戦争が起こる、という真理が改めて実証されましたね。残念ながら、平和の為には軍事的抑止力しかない。
現代の対仏電撃戦のようですなぁ。UAVで戦争が変わったね
ナゴルノ・カラバフ地域の住人はこれからどうなるんだろう?
アルメニア人は強制的に土地を接収されて退去しなければならないのだろうか?
それとも、アゼルバイジャン国民として認められればそのまま住み続けられる?
前回の紛争で出た大量の難民に土地が与えられたりするのかね?
ツイッターでナゴルノ・カラバフ地域の領土割りの地図があったけど、
アルツァフ(ナゴルノ・カラバフ)共和国は紛争前の約4分の1に縮小して、
残りの4分の3はアゼルバイジャンが支配するのか。
こりゃあ、アルメニアにしてみれば結構エグイな。
リンク
ロシア連邦PKO軍がすでにナゴルノカラバフに入っている由。早すぎるだろう。
リンク
これからアルメニア支援に動くのがロシアしかいないならば、アルメニアの衛星国化が進むからプーチンも損はしてない
アルメニアの1人負けで終わり
「まだ終わってない」「これからが本番」って声が多いな。こんなん寧ろアルメニア対アゼルバイジャンどころか、ロシア対トルコの前哨戦にしか見えない。
実質領土を失うアルメニアは政権が倒れて混乱に陥るでしょう。最悪、ロシアに取り込まれる可能性があります。ナゴルノ・カラパフ地方ではアゼルバイジャン軍によるアルメニア人への迫害が行われるでしょう。
今後世界中で同じような「国境の書き換え紛争」が巻き起こることでしょう。アメリカが世界の警察を辞めて独裁的な地域大国が幅を利かせるようになった結果です。地球儀は毎年買い替える必要があります。
カスピ海~中央アジアへの回廊が欲しいトルコまで介入してきて、南コーカサスを舞台にロシア対トルコの直接戦争ですねわかります。
石油があるからトルコのカフカズでの影響力伸長は分かるが、中央アジアまで手を伸ばすか…?
今のトルコってテュルク系にそれほど固執してないんじゃない?
古い地球儀ながめてると、いろんな感慨に浸ってしまうよ
冷戦構造時代は、核による人類滅亡の手前と危惧されながらも、パワーバランスによるお約束と安定が担保されていだが、ニューヨーク911以降の世界は底が抜けてて何が起こるのやら見当もつかない