欧州関連

ポーランド国防相、K2×180輌やFA-50×48機を購入すると認める

ポーランドはブラスザック国防相は「韓国からK2、FA-50、K9を購入予定でまもなく詳細が発表できる」と明かし、国内メディアだけでなく海外メディアからも大きな注目を集めている。

参考:Wicepremier Błaszczak: Kupujemy południowokoreańską broń. Będzie to 48 samolotów myśliwskich FA-50 oraz co najmniej 180 czołgów K2
参考:Poland to buy jets, tanks and howitzers from South Korea, says minister

ブラスザック国防相が初めて韓国側との契約内容を具体的に言及したため国内外のメディアも大々的に報じている

現地メディア(Sieci誌)の取材に応じたブラスザック国防相は「米国から調達する最新のM1エイブラムス導入について我々は良い契約を交わしたし、中古M1エイブラムス導入でも非常に優遇された条件で契約を結ぶことが出来た。この戦車の少なくともT-72の2倍~3倍の戦闘力がある」と語り、SEPv3バージョンにアップグレードされたM1A2×250輌とアップグレードをスキップしたM1A1×116輌の導入契約に満足していると述べた。

出典:Public Domain

ポーランドが設計に携わりライセンスも購入したT-72は終焉を迎えるのか?というSieci紙の質問に対しては「構成部品の一部をロシアから購入する必要があるT-72は新規製造の可能性を失っており、ポーランド軍のギャップを埋めるためT-72を再生産するというアイデアは行き止まりで打開策の見通しが立たない解決策だ。我々は最終的に366輌のM1エイブラムスに加えてブラックパンサーと呼ばれる韓国製のK2戦車を導入する」とと明かし、第1次バッチとして韓国から180輌のK2を受け取り「国内でK2製造も行う予定だ」と付け加えた。

さらに「韓国製装備は米国製装備と互換性が確保されている、K2以外にも榴弾砲やFA-50を導入するため交渉中でまもなく詳細が発表できる。韓国から調達する3個飛行隊分(48機)のうち1個飛行隊分を2023年中に受け取れるよう最終交渉が行われている最中であと少しで合意に達するだろう」と述べており、韓国メディアや米国メディアが報じていた内容とほぼ一致するが、ブラスザック国防相が初めて韓国側との契約内容を具体的に言及したため国内外のメディアも大々的に報じている。

出典:Norsk hær K2NO

余談がポーランド空軍のMiG-29とSu-22の後継機には元々M-346FAとFA-50が浮上、M-346FAの強みは練習機としてポーランド空軍が導入済みのM-346と共通性がある点だが、FA-50の強みはF-16と同じ米国製照準ポッド「AN/AAQ-33」の統合を終えている点で、MiG-29とSu-22の後継機に近接航空支援=対地能力を重視していたためM-346FA(詳細不明の照準ポッドが統合されている)ではなくFA-50の方が効果的だと判断したのだろう。

さらにFA-50は窒化ガリウム技術で製造された韓国製レーダーの統合を含む大規模なアップグレード=Block20の開発が確定しており、コンフォーマル・フューエル・タンク(密着型増槽/CFT)、空中給油能力、空対地巡航ミサイル(ノルウェー製のJSM、トルコ製のSOM、ドイツ製のKEPD350-2、KF-21向けに開発中の国産巡航ミサイルが統合候補に挙がっている)の統合も含まれているため、将来的な発展性においてもFA-50に軍配が上がったのかもしれない。

出展:Leonardo S.p.A 軽攻撃タイプのM-346FA

もしEUがウクライナ支援のためポーランドの取り組みに資金提供を行うなら「M-346FAの方が有利=EUの資金なので欧州製に支払いを限定してくる可能性が高い」と噂されていたが、M-346FAを破ってFA-50が欧州に進出してくることにイタリアはショックを受けているだろう。

追記:ブラスザック国防相は来週韓国と契約を締結すると発表した。

関連記事:ポーランドがK2の追加供給を要請、輸出規模は580輌から880輌へ増加か
関連記事:米メディア、韓国からポーランドへ140億ドル規模の武器輸出が間近に迫っている

 

※アイキャッチ画像の出典:한국항공우주산업

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コメント

    • 名無し
    • 2022年 7月 23日

    電化製品とかその他諸々でも韓国は国内市場が大きくないから輸出に力を入れてるのだって話あったけど軍事関係もイケイケだのう。

    16
    • 幽霊
    • 2022年 7月 23日

    こうなると韓国はポーランドを足がかりに現在東側装備を保有する国の西側装備切り替え特需に食い込めるかもしれませんね。

    21
      • 月虹
      • 2022年 7月 23日

      韓国は防衛産業の地道な研究・開発と売り込み交渉によって軍需市場における「西側装備=性能は良いが高価」という概念を見事に崩しましたからね。性能とコストパフォーマンスを両立させ、おまけにその国の実情に対応した導入方式を選べるという導入の敷居を低くすることによって海外市場における一定評価を固めつつある韓国。

      LGやサムスン電子といった韓国家電メーカーが価格と性能面から躍進し、家電業界における世界シェア1位・2位となったように韓国防衛産業も軍需産業における一定のマーケティングシェアをこれから築いていくでしょう。

      14
    • なつ
    • 2022年 7月 23日

    西側規格で開発時期が新しく安定供給が可能、その上ライセンス生産やオフセットもあり
    そりゃ売れるわな

    25
    • tarota
    • 2022年 7月 23日

    日本だと対岸の火事だがドイツやイタリアはダメージ大きそうだな

    10
    • 匿/名
    • 2022年 7月 23日

    ウクライナ戦争での軍需産業的な勝者は韓国企業かもなw

    9
    • 新・にわかミリオタ
    • 2022年 7月 23日

    努力してきた結果の成功ですからね。
    日本も防衛装備移転三原則は早急に改定して欲しいものです。

    17
      • 半分の防衛費の国から
      • 2022年 7月 23日

      ついでに、政府間開発援助で防衛関連も出来る様にして、途上国の援助ついでに生産数を維持できるようにした方が良いと思います。新しい脅威に対応するにはそれ位は必要でしょう、ロシアからのヘイトは韓国が請け負ってくれるみたいなので。

      10
      • もり
      • 2022年 7月 23日

      正直日本は自衛隊向け至上主義なんであまり他国のニーズにあった装備は機体出来なさそうなのよね

      8
        • 半分の防衛費の国から
        • 2022年 7月 23日

        ここのブログ見てると気が付くと思いますけど、現地化しないと売れないという事です、レオパルド2も採用国ごとに仕様が異なります、なので自衛隊のは日本仕様で、違う国のはその国仕様で、要は輸出仕様を提案出来ない時点でNG、ヒントはレオパルド2エボリューション(シンガポールとインドネシア)みたいに後付け装甲キットとか、JSW砲も44口径、50口径、55口径から選べますとか、トイレ付けれます(車体延長かな?)、とかね、なので自衛隊向けは余り気にしない方が良いかと。

        18
        • 新・にわかミリオタ
        • 2022年 7月 23日

        まぁ、独自性能をやめて、輸出を前提とした装備開発が出来ないと無理でしょうね。

        1
        • ネコ歩き
        • 2022年 7月 23日

        ご自身が述べ「半分の防衛費の国から」さんが述べられているように、他国のニーズに適合するカスタム化が可能な装備を今後開発していけば良いだけの話です。
        自衛隊が装備の独自最適化最優先に拘り続ければ自身の未来がありません。

        防衛装備の海外移転は行わない前提があったからこそ、国内開発装備は自衛隊の構想にのみ最適化されてきたわけです。輸出拡大を睨んだ移転三原則改定は年内の策定が予定されてますし、技術流出防止に関しても何らかの策は検討しているかと。

        今後は独自開発に拘らず協業も視野に入れ、海外移転にも配慮した防衛装備を広範に検討・研究開発されていくと思われます。UH-2はその最初の例かと。

        1
          • 匿名11号
          • 2022年 7月 23日

          ただ、1年前とは情勢が違うからなあ。

          今後、防衛費を2%以上に増やすというなら、国内向けの需要は増えるわけだから、まずはその調達をなるべく取りこぼさぬよう、ここ数年は独自最適化装備に注力するのはアリだと思う。

          他国との軍事協力のツールや、陳腐化、過度のガラパゴス化で役に立たない装備になることを避ける刺激としての防衛装備移転は必要だと思うが、今、韓国と張り合って輸出拡大に邁進するのはいかがかねえ。血を吐いて走るマラソンを競うことになりかねん。

          1
    • まさお
    • 2022年 7月 23日

    韓国の新製品と需要時期がマッチしましたね
    他国は既存のアップデートかペーパープランですし

    2
    • けい2020
    • 2022年 7月 23日

    韓国軍の導入計画が削減されたり方針色々変わってるから、最低限の生産ラインしか維持してない現状があり、
    ポーランドの方針見てると、180両って3年ぐらいで導入計画じゃないかと思うんだが
    韓国軍への納入残もまだあるが、それ止めてポーランドの向けに集中するのかな

    ポーランドに生産基盤・技術を移転し終われば問題ないけど、K2PLの開発要員どうするのとかわからん所
    (K2の開発チームは数年前に解散済みで、次期戦車の開発チームの話しもないから離散しそうなんだよな)

    1
      • あばばばば
      • 2022年 7月 23日

      生産ラインは1ライン1交代が、1ライン2交代に増えるそうですので、現状より年間生産数は増えるでしょう。
      K2開発チームが解散していると報道されてますが、アルタイ開発協力やK1、K2戦車の近代化改修の開発が行われているので、なんだかんだ多くの開発人材が現代ロテム社と協力会社に残っていそうです。

      2
      • やうやう青くなりゆく瀬戸際
      • 2022年 7月 23日

      ノルウェーやポーランドへのK2戦車売り込み時にK3戦車開発への参加を呼び掛けてました。
      K2開発チーム解散についてはADD(国防科学研究所)がK2開発時携わった人員は他の兵器の研究業務へ異動したのであって退職したわけではないと説明してました。
      売り込み先に合わせたK2戦車の仕様変更は継続しているので現代ロテムは開発人員を確保しているのではないかと思います。

      3
      • ぽわうふふ
      • 2022年 7月 23日

      韓国軍向けK2戦車は第二次量産分が今年一月に納入完了しました。
      第三次量産分54両は2023年までに納入される予定です。
      第四次量産については事業妥当性検証中です。

    • エニグマ軍曹
    • 2022年 7月 23日

    誰も述べていませんが、韓国製戦車がM1エイブラムスを元に開発されていることも、ポーランドがK2の導入を決定したことの要因の1つとも考えられます。もしかするとレパード組の戦車需要を10式で埋めることができるかもしれません。まあ夢みたいな話ですが。

    2
      • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
      • 2022年 7月 23日

      先の記事でポーランドのK2導入数が最大880輌になるとの説を考慮すると、10式が食い込む余地は無いと思いますが……。
      後、もしかするとポーランドにK2が納入されたら、今度は玉突きでポーランド陸軍が持っているレオパルド2(A4が130輌、A5が105輌、PLが12輌保有)がウクライナへ送られるかも知れませんね。
      既にウクライナへ送られたとの噂があるPT-91(232輌保有)が無くなれば、ポーランドの手元にロシア製戦車は無くなりますし、T-72をウクライナへ供給した際の代償としてレオ2を貰う約束を反故にされたポーランドとしてもこれを機会にレオ2をウクライナヘ送ってレオ2PLへの改修計画を中止すれば、将来的にポーランド陸軍戦車部隊の陣容はM1系列とK2系列の二つ(リース中のチャレンジャー2は除く)に整理出来ますから、ポーランド的には「ウクライナへの支援とドイツへの意趣返し」が出来ると言う一石二鳥の策になるかも知れません。

      4
        • エニグマ軍曹
        • 2022年 7月 23日

        M1→K2、レパード→10式って構図の話だったんですけど…むしろポーランドが10式を導入するなんて全く思ってませんよ。
        それとK2を880輌導入する話はあくまで可能性であって、慎重に考えたら200輌とか納品した時点でアップグレードとか新型がどうのこうので揉めそうなのであまり現実味のない内容かと。

          • 幽霊
          • 2022年 7月 23日

          ポーランドはK2PLとしてライセンス生産の予定ですからアップグレード等はそちらで行うのでは?

          3
    • 58式素人
    • 2022年 7月 23日

    ブラスザック国防省の言う”構成部品の一部をロシアから購入する必要がある”
    の中身はどの部品のことを言っているのだろう。
    T72をライセンス生産した国はいくつもあるけれど、ロシアが手放さなかった
    或いは他所では出来なかった部品ということかな。気になります。
    現在のウクライナ戦争で、T72は主力と言って良い立場にいるけど、
    今後その部品の消耗或いは枯渇でウクライナ側の戦力の消耗が考えられますね。
    主機やミッション・操行装置・懸架装置・履帯・ERA・射統装置・視察装置・
    主砲砲身とは違うような気がします。いずれもライセンス先での実績があると思います。
    ひょっとしてカセトカだろうか。気になります。

      • 匿名希望
      • 2022年 7月 23日

      ウクライナの場合、ソ連の戦車工場があったから多少はちがうんでないかな?

      1
      • てつ
      • 2022年 7月 23日

      T-64とT-80はウクライナのハルキウで開発された関係で、ソ連崩壊後のロシアではT-72やT-90が主力になり、ウクライナでもT-64が主力になっていますから、何処かしらそんな部分ができるのでしょうね。
      今はポーランドやチェコ、スロバキア等が保有していた予備パーツで何とかしていると思います。
      なんならそこいらの残骸から取り外せるものもあるでしょうし。
      航空機でもウクライナはロシアからの予備パーツの供給が停止されるとSu-27やMiG-29の運用に支障をきたたため、予備パーツを国産化してアメリカに供給いするまでに至っていますが、そこまでできなかったスロバキアや保有する予備パーツをウクライナに送り込んでいるポーランドのMiG-29は近い将来飛べなくなるでしょう。

    • てつ
    • 2022年 7月 23日

    韓国軍への納入数は平均して年30〜40輌っぽいので、先日K2の生産能力を2倍に拡張するという記事があった事を考え併せると韓国軍への納入を合わせても何とかなるのではないかと。
    ポーランドもT-72を完全国産できていなかったのは意外ですが、既存の戦車をアップデートする能力は充分あるので、K2も技術移転後に何とかするのではないでしょうか。
    将来的な事を考えるとそっちのほうがいいし、自国生産分を自由に輸出できる契約なら尚更ですから。

    4
    • 匿名希望
    • 2022年 7月 23日

    武装すると非超音速機になるT-50でレガシーとはいえMIG-29の代替えに関しては、普通に正気かっていたくなるな

    2
      • もり
      • 2022年 7月 23日

      空対空装備のみなら超音速維持出来るしそもそもスパクルも無い機体で超音速多用はしないから問題無いんじゃね?

      6
    • 匿名
    • 2022年 7月 23日

    「お笑い韓国軍」とかで盛り上がっていた日本の軍オタネトウヨにとって、今回のポーランドへの大規模輸出は、とどめの一撃となるだろう

    6
      • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
      • 2022年 7月 23日

      そして次は、某・清谷みたいな軍事ライターや韓国厨辺りが一斉に「自衛隊も韓国製兵器を導入せよ!」と大合唱する光景が目に浮かびますわ……。

      7
    • ばく
    • 2022年 7月 23日

    FA50練習機運用で有事の際には多少攻撃もできるって使い方かと思いきやMig29とSu22の代わりかぁ…FA50で火力投射量足りるんだろうか。いつだかLMがエンジン出力面で軽攻撃機化を推奨しないみたいな話もあった気がするけど、回収でその辺も強化されるのかな?

    2
    • 似非市民
    • 2022年 7月 23日

     K2大量購入も驚きやけど、相当苦労して開発したクラブを差し置いてK9を購入する気になっているのはほんまにびっくりやで。
     ポーランドはK9の車体がだいぶ気に入ったみたいで派生モデルの開発もしてるみたいやし、使い回しが効くんやろうけどな。

     一番のびっくりはFA-50の導入で、NATO加盟国内でM-346FAを競合に勝ち取ったのなら快挙としか言えんわ。

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