トルコの防衛産業「STM」は沿岸海域の浅瀬運用に特化した小型潜水艦「STM500」の設計コンセプトを公開して注目を集めている。
参考:STM’nin 500 tonluk kavramsal denizaltı tasarımı ortaya çıktı
トルコの防衛産業が発表したリチウムイオン電池を搭載した小型潜水艦STM500
STMはトルコ海軍や輸出向けのフリゲート艦や潜水艦の開発・建造を請け負っている防衛産業で、これまで建造してきた潜水艦(レイス級潜水艦/214型潜水艦)とは全く異なる沿岸海域の浅瀬運用に特化した小型潜水艦「STM500」の設計コンセプトを公開して注目を集めている。
このSTM500(基本排水量500トン)はエーゲ海や黒海などの沿岸海域=浅瀬運用に特化した設計で発電用のディーゼルエンジンとリチウムイオン電池を備えており、予備を含めた8発の魚雷やミサイルに加え6人チームの特殊部隊を運搬することができ250m以上の海中で30日間の運用が可能らしい。
さらに興味深いのはオプションでAIP機関を追加することが出来る点と水中無人機(UUA)や無人航空機(UAV)の運用にも対応している点だ。
STM500の主要項目 | |
基本排水量 | 500トン |
水中排水量 | 540トン |
全長 | 42.0m |
全幅 | 4.2m |
最大速度 | 18ノット以上 |
巡航速度 | 5ノット |
最大潜航深度 | 250m以上 |
連続運用期間 | 30日 |
魚雷発射管 | 4基 |
弾庫容量 | 4発分/発射管と合わせると計8発 |
最大収容人数 | 乗組員18人+特殊部隊6人 |
STM500の運用用途は対潜水艦戦、機雷の敷設任務、偵察・監視任務、特殊部隊を活用した沿岸地域に対する作戦、UUAやUAVを用いた任務などが挙げられており、500トンというサイズは沿岸海域の浅瀬運用にピッタリで費用対効果が優れているとSTMは主張している。
今のところUUAやUAVを用いた任務が何なのかは不明だが、米海軍やフランス海軍は戦場認識力拡張や偵察・監視用途で潜水艦から水中発射する無人航空機の採用を進めているのと同じ流れなのかもしれないので非常に興味深い。
余談だが沿岸海域の浅瀬運用に特化した小型潜水艦の実用化はフランスやイタリアで進められており、実際にイタリアはペルシャ湾で運用する小型潜水艦(艦橋のないデザインだという以外詳細は不明)をカタールからの発注で2隻建造中(訓練システムやサポートを含む契約総額は1.9億ユーロ/約245億円)だ。
※アイキャッチ画像の出典:STM STM500
小さいのに、色々詰め込んでいるなあ。
500トンで魚雷8発だとめっちゃ効率いいね。
18人ってことは三交代制で6人で運用するのか
大変だなぁ
イスラエルなんかは潜水艦特殊部隊でイランタンカー襲撃しまくっとるね
両国とも公表してないのであまり知られていないが
最近のペルシャ湾でのイランによるイスラエル傭船タンカーへの攻撃はこの報復だと思われ
近海専用として割り切ってコスト圧縮はいいと思うんだが
500t乗員18人で30日はきつそうだ
2直制で普段2週間頑張って3週間位が限度じゃないかこれ
あと予備浮力が足りなくない?
潜水艦もスマホ感覚で作れる時代がきたのか
500トンクラスの潜水艦に30日とか…
究極の引きこもりになって社会復帰出来なくなりそう
将来はこれ自体が無人潜水艦になりそう
最近のトルコの軍事事情を見てるとやりかねない
ベトナムやフィリピンが欲しがりそう
中々面白いアイデアだと思う
一隻当たりの人数減らせばその分ローテーション組みやすいし船の数も増やせる
潜水艦乗りが減ってる日本も近いうちに似たような潜水艦作るかもしれない
なんかエーゲ海やキプロスを巡って対立するギリシャを意識して計画されてるな。
500t級でも、キプロスにあるトルコ系の北キプロス共和国を基地にして、シリア及びキプロス島沿岸域と、キプロスとトルコの間の東地中海(未開発のガス田が存在する)で活動することを視野に入れてるんでしょうね。
ブリッジの後ろにベッドがあったりしそうw
むしろベッドにコンソールかあったりして
あまり軍事に関係ないようで関係あるかも知れないが麻薬組織が密輸に使っていた潜水艇の話題を思い出した
そういう用途の潜水システムが高度化していったら厄介だな
外国の潜水艦情報を見て思うんですが日本の潜水艦は対潜型に特化した艦ばかりみたいですけど任務の多様性とか持たせないんですかね?
太平洋戦争でシーレーンの重要性と潜水艦の恐ろしさを痛い目に会いながら学んだから
日本は帝国の頃から潜水艦に力入れてるだけ。対潜型に特化してる訳でもないしシーレーンがどうたらとか言う訳でも無い。冷戦でアメリカが露払いをする為に対潜能力を強化させただけ。戦後すぐに対潜空母を日本に持たせようとしたのはソ連との睨み合いが始まっていたから。
実際これからは多用途化すると思うよ
潜水艦の特殊部隊運用は海自潜水艦隊OBからもよく提言されてるし
対水上戦もあるのでは?
海自は「伝統墨守・唯我独尊」「石橋を叩いて渡らない」ほどの我が道を行く組織なんで、構想はあっても具現化するのはまだまだ先じゃないかな。
対潜特化ってどこを見てそう思ったのかな、魚雷が深深度対応している位しか潜水艦に特化した機能は無いと思うんだけどな。潜水深度・搭載ソナー・静音性なんて対潜だけに限った性能ではないし、対潜に特化するならハープーンは不要。搭載する魚雷の炸薬だって260kgも要らない、対潜考慮した軽魚雷の炸薬が40kg前後台なのを見れば確実性を高めたとしても100kg位で十分でしょ。
日本の潜水艦は日本近海より以遠での潜水艦単独での活動にも考慮した艦としか思えない。
30日間潜航ってのはちょっと吹かしてないか。耐圧深度が全然違うとはいえ、そうりゅう型や214といった通常動力型潜水艦の連続潜航日数の上限がだいたい20日から30日と言われている。サイズが減っても最小限の乗員区画や発動機室や魚雷管室は圧縮できないので、充電池や物資区画を削ることになりそうだけど…
そうとうの自動化が行われてるだろうし最低運用人数とかは公表されてる18人よりもっと少なくても行動可能なのかもしれいない
もちろん減る分だけ即応性も戦闘力も落ちるだろうけど、警戒・監視やUUAやUAVの展開ハブだけやらせるならかなりの少人数でも行けるんじゃないかな
もし18人+特殊部隊運用でも30日ですとかだったら流石に盛ってるだろって思いますねw
元記事の方だと『18名の乗組員に加えて、6人の特殊部隊チームで250メートル以上の深さで30日間運用でき・・・』と言う内容が記載されているようですね。
google翻訳なので何か誤っているかも知れませんが。
元記事では30日「潜航」ではないんだ?
ちょっと見てみる。
読んだ。箇条書きに近いニュアンスじゃないかな、これ。
乗員最大18人+6人、最大潜航深度250メートル以上、無補給連続運用可能日数30日(連続潜航ではない。209型は50日)、ならそれなりに納得。
特殊部隊員6人も下手すると予備の魚雷4発と排他かも。
長魚雷2本分の収納スペースを3つに仕切れば特殊部隊員1人装備毎詰め込むには十分だろう。
もちろんその状態で長期潜航する訳じゃなくて、こっそりちゃっちゃと運んで降ろす前提ね。
トルコ製兵器は第三世界で
東南アジアの日本車みたいな地位を確立しそうだな
UAVといい快進撃絶好調の今のトルコ防衛産業はなんでも作れそうな気がする。
500トンでディーゼルとリチウム電池とAIP?
どう考えても狭いし30日の潜航なんて無理やろ。