SAABは「通信やGPSを受信ができるバラクーダ迷彩ネットをDSEIに出展する」と発表、特定周波数のみを遮断するシールド材が組み込まれているため「マルチスペクトルに対する保護」を維持しながら柔軟な情報共有が行えるようになる。
参考:Saab’s new camouflage feature solves communications challenge
参考:Saab debuts camo net that lets soldiers’ radio signals pass through
マルチスペクトルに対する保護を維持しながら柔軟な情報共有が行えるようになる
SAABのバラクーダ迷彩ネットは不可視光線の波長帯(近赤外線/NIR、短波赤外線/SWIR、熱赤外線/TIR、レーダー/RR)を遮断する能力が優れているため、戦場で装備や陣地を敵センサーから保護するのに役立ち、ウクライナに提供されたCV90にも装着されているバラクーダ迷彩ネットが装置されている。
問題は保護された内部からの通信やGPSの受信も遮断するため、この手の作業は機器を持って迷彩ネットから離れるか、通信アンテナを迷彩ネットの外に出す必要があったのだが、SAABは「問題を解決した新しいバラクーダ迷彩ネットをDSEIに出展する」と発表。
新しいバラクーダ迷彩ネットには特定周波数のみを遮断するシールド材(周波数選択性表面=FSS)が組み込まれ、レーダーシステムで使用される高周波の電波のみを遮断し、迷彩ネットで保護された内部から通信やGPSの受信が出来るようになるという寸法だ。
SAABは「マルチスペクトルに対する保護を維持しながら柔軟な情報共有が行えるようになる」と述べており、9月12日に開幕するDSEIで新しいバラクーダ迷彩ネット(ULCAS-FSS)を披露する予定で、SAABはULCAS-FSSの量産を行う予定らしい。
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※アイキャッチ画像の出典:SAAB ULCAS-FSS
陸自の偽装網のライセンス元が同じくSAABで製造が太陽工業だが、今回のは艦載レーダーの前においてあるアレのように選択的透過性があるようだ
初期のサンアントニオ級のマスクアレイとかが代表的
マジックミラーと似たようなモノだろうか
映らないマジックミラー号がついに……
マジックミラー号が超ハイテクなのか、バラクーダが以外にローテクなのか謎は深まる…
マジックミラーのミーム汚染が酷くてワロチ
今度の戦争はデコイ、偽装が主役と言っていい状態になりそう
歩兵や車両用に、簡易なギリースーツ(!?)みたいなものが良いですね。
ウクライナでの動画を見ると、休憩中(?)でも遠慮なく狙われるようだし。
電子レンジの扉についている網目状のマイクロ波遮断材みたいなものだろうか
特定の周波数のみを遮断だと、敵は対策として透過する周波数帯のレーダーを使ってきそうですが。
その点はどう対応するんでしょうか?
レーダー側の周波数を大きく変える改造は簡単ではないので、その都度対抗してアップグレードするのかな?
メタサーフェスをググると面白い事が知れるかもしれない
無線やGPSで使われてる無線は一般的に使われるレーダーより波長が長いので解像度が落ちます。空飛んでるステルス機相手なら役に立つかもしれませんが、ノイズの多い地上の車両相手ではあまり役に立たないかと。
またGPSや通信は全体が透過してなくても「隙間」がある程度あれば十分機能するでしょう。高架下とかでもGPSは普通に使えますからね。
ですので全遮断タイプに部分的に選択透過タイプを混ぜれば「透過する周波数帯の電波を使ったレーダーでも形が判別できないけど通信やGPSは使える」ネットは出来るかと。
>無線やGPSで使われてる無線は
無線やGPSで使われてる電波、の編集ミスです…
こうして、一見すると昔と同じカモフラージュネット、兵士の軍服であっても、その機能はまるで別物というのは面白い変化ですね。ギリースーツも可視光への擬態だけでなく、赤外線域もきっちり擬態しないといけなるし、空からドローンに捜索されることを前提に動かないといけないから、兵士を育てるのはより一層大変になっていきそう。
赤紙一枚で連れてこられた召集兵と、きっちり教育・訓練を終えた兵士の力量差はこの先、どんどん開いていくでしょうね。
技術の進化は、本当に凄い…。
偵察衛星からも、この仕組みならば偽装できますから、凄い時代ですね。