フランスから調達した戦闘機「ラファール」は予想よりも早く戦闘準備が整うと現地印メディアが報じていおり、インドがラファールにかける期待の大きさが伺える。
参考:Rafale to land in India on 27 July, will be combat-ready early as France diverts missiles
予想を越える速度で戦闘準備が整いつつあるインド空軍の戦闘機ラファール
インド空軍に引き渡された戦闘機「ラファール」はフランスで訓練中で、当初の予定では今年の5月にインドに向けて移動するはずだったが新型コロナウイルスの影響でインドへの移動は延期されフランスに留め置かれている。しかし中国との軍事的な緊張が高まったためインド側が早急な移動を養成、フランスもこれに応じる形で今月中に4機から6機のラファールがインドへ向けて飛び立つ予定だ。
当初の予定では複数の国を経由してインドまで飛ぶ予定だったが、これだとパイロットが経由国毎に新型コロナウイルスの検疫を受けなければならないため、空中給油を駆使してフランスのイストル=ル・テュベ空軍基地から直線距離で約5,000km離れたUAEの第104アル・ダフラ空軍基地まで一気に飛び、そこからインド北部のアンバラ空軍基地に移動する計画で現地到着は7月27日を予定している。
さらに注目されるのは、フランスが年内引渡しを予定していた戦闘機「ラファール」の搭載品、長距離空対空ミサイル「ミーティア」や空中発射型巡航ミサイル「SCALP-EG」についてもフランス空軍の在庫を一時的にインドへ回すことに決定したため、機体よりも先にインドへ到着しているらしい。

出典:Copyright©2007 David Monniaux / CC BY-SA 3.0 空中発射型巡航ミサイル「SCALP-EG」
現地印メディアによれば、ラファールが最大2発搭載可能な「SCALP-EG」の最大到達範囲は500km(投下高度や飛行コースによって異なる)を越えるため、インドの領空から出ることなく中国軍を攻撃することが可能になると主張、イスラエルから調達した精密誘導ガイダンスキット「スパイス2000」と合わせてラファールの対地攻撃能力の高さを強調している。
以上のことから、インド空軍のラファールは予想を越える速度で戦闘準備が整いつつあると現地印メディアが報じる一方で、インドのある下院議員はフォーブス誌の記事を引用して「政府はなぜ128機購入予定だったラファールを36機に減らしたのか?」と政府を非難するような発言をおこない注目を集めている。
Two yrs ago @INCIndia asked why the ModiGovt had reduced UPA’s planned purchase of 128 Rafales to just 36. We never got an answer. Today Western strategic experts ask the same question as India gears up to face China in the mountains: why not more Rafales?https://t.co/8dX9KvIXEz
— Shashi Tharoor (@ShashiTharoor) July 1, 2020
フォーブス誌はインドが緊急調達を決めたロシア製戦闘機(MiG-29UPG/Su-30MKI)は西側製戦闘機に比べて対地攻撃能力(精密誘導兵器や目標指示ポッドの運用能力)が欠ける上、標高が高いラダック地域の基地では重量の重い大型戦闘機の運用が難しく所定の性能を発揮できないだろうと指摘(※)、こういった戦場環境で有利なのは軽量の戦闘機でインドは導入中のラファールを緊急調達(追加調達)すべきだったとインド政府の決定を批判しており、この記事を元に下院議員が政府を非難しているのだ。

出典:Alan Wilson / CC BY-SA 2.0 Su-30MKI
※補足:標高が高いと空気中の酸素濃度が低いため戦闘機のエンジン推力が低下し、その影響で低地と同じ滑走距離で得られる速度は低下=揚力が減少するので、戦闘機の最大離陸重量が低下=スペック通りに燃料や武器を満載した状態では離陸できないという問題
インドのラファール導入決定後の経緯まで語ると長くなるので割愛するが、このような非難は所詮は後出しジャンケンに近い(導入当時は高価過ぎると散々非難していた)ので管理人としては如何なものかと感じてしまう。
因みにロシアは中国の戦闘機に対して「インドのラファールは役に立たない」と扱き下ろし、MiG-29UPGやSu-30MKIこそインドに必要な戦闘機であると主張している。
※アイキャッチ画像の出典:public domain インド空軍のラファール
ラファールよりグリペンの方が向いてそう
ただミーティアとか搭載兵器の兼ね合いもあるのかな?
ただ中国に対抗するには数が必要なので多機種にし過ぎると導入後に苦労しそう
まあ何よりインドには気張って貰いたい
同じことを思いましたね。
山岳運用までを視野に入れて開発しているのはサーブだけでしょう。
グリペンは艦載機では無いですよ?
すまんが
グリペンマリタイムと言うのが開発中だが
存在するのだが
うわ本当だ・・・
グリペンE/Fを導入済みのブラジルならグリペンマリタイムを採用するかもな。
スイス空軍の次期戦闘機採用審査(レガホの代替)でグリペン・タイフーン・ラファールを評価した結果、グリペンは単発・小型であるため能力が限定的で、タイフーン共々「最低期待値に達せず」との評価(=F/A-18から代替するだけの価値はない)。アビオニクスでは電子戦機器の能力は高いが、レーダーとのフュージョンがないのが欠点とのこと。唯一期待値を超えたのがラファールで、実際模擬空戦でもタイフーン相手に近接でも視程外でもほぼ完勝。予算的に可能ならラファールよりグリペンを選ぶ理由はないです。
導入にあたって色々とこじれたけどラファールを選定して良かったみたいですね。
フランス単独開発だから外野(主に米独)からの横槍にさらされずに速やかに計画に移せる。
問題はあるにせよ無駄に高い買物した訳じゃなかったね。
運用、、てか実践経験ってどんなもんでしたっけ?ラファール
まぁ、互いに威嚇程度で済むことを祈ります。
戦争で死んだらあかんよどこの人間も。
13億人vs13億人はヤバイよね
数字に出されると蝗害と大差ないなって…
>こういった戦場環境で有利なのは軽量の戦闘機でインドは導入中のラファールを緊急調達(追加調達)すべきだったと
>インド政府の決定を批判しており、この記事を元に下院議員が政府を非難しているのだ。
こういう論点で政府批判をできる議員がいるってうらやましいなぁ。
どこかの島国では防衛用の武器調達を計画するだけで侵略だの脅威を与えるだの騒ぎ立てる変な議員が多くて嫌になるねぇ。
つまり何処にでも好き勝手言う困ったさんはおると言うことか。
ミラ-ジュ2000はインド空軍ではMig-27よりは大活躍していたから、ラファ-ルにも期待しているんだろな。
ミラージュ2000は爆撃機にも化ける良い子でしたからね
あ、F-3新情報
『次期戦闘機、24年度から試作=10月にも機体担当企業を選定―防衛省』
これはこのサイトでも記事にするでしょうね