インド太平洋関連

インドネシア、トルコから多連装ロケットシステムで使用する弾道ミサイルを導入

トルコのRoketsanは5日「インドネシアから戦術弾道ミサイルKHANの受注を獲得した」と発表、Roketsan製の多連装ロケットシステム「MBRL」で使用されるKHANはHIMARSで使用するATACMSに相当する。

参考:Türkiye to export long-range artillery missile Khan to Indonesia
参考:Indo Defence 2022: India secures first contract for naval guns with Indonesia

インドネシアがATACMSに相当するKHANをどこで使用する想定で導入するのかは謎だ

トルコのRoketsanが開発した戦術弾道ミサイル「KHAN」はトルコ軍向け「BORA(射程780km)」の輸出バージョンで、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)の規制をクリアするため射程は280km制限されているが、それ以外部分はオリジナルのBoraと同一の性能(そもそも性能に関する情報が少ないので良く分かっていない)を備えている。

KHAN/BORAはRoketsan製の多連装ロケットシステム「MBRL」から発射可能なので「HIMARSで使用するATACMSに相当するミサイル」とも言えるが、インドネシアがKHANをどこで使用する想定で導入するのかは謎だ。

トルコとインドネシアは多層式防空網の中距離と長距離のシステムについても「合意(何を合意したのかは不明)」したと報じられており、国産のHİSAR-BやHİSAR-Uの供給で合意した可能性がある。

出典:ASELSAN HİSAR/ヒサール

HİSAR/ヒサールと呼ばれるトルコ製防空システム群は15kmまでの空域をカバーする近距離の防空システムHİSAR-A(一部は廃止されHİSAR-Bに統合予定)、25kmまでの空域をカバーする中距離のHİSAR-Bまでを実用化、2025年頃までに弾道ミサイルの終末迎撃にも対応した長距離の防空システムHİSAR-Uの開発を終え、国産VLSを搭載するイスタンブール級フリゲート(3,000トン)や建造計画が進むTF2000級駆逐艦(7,000トン)への搭載も予定されている。

因みにインドのLarsen&Toubroはインドネシアから40mm艦砲「Teevra40(40mm/L70NATO弾を使用)」の受注を獲得、これでインドは2ヶ国への武器輸出を成功(初輸出はフィリピンへのブラモス)させたことになる。

関連記事:トルコ、新たに開発した短距離弾道ミサイル「TAYFUN」の試射に成功
関連記事:武器輸出を推進するインド、アルメニアから多連装ロケットシステムを受注

 

※アイキャッチ画像の出典:Roketsan

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コメント

    • ブルーピーコック
    • 2022年 11月 05日

    ボラは寒くなってくると脂を貯めて美味しくなるからな。

    それはそれとして、インドネシアがどこに向けるために買うのか分からないという管理人さんの疑問は分かる。射程280kmだとオーストラリアには届かず、フィリピンにはパラワン島にしか届かない。残るはマレーシア、シンガポール、パプアニューギニアくらいだが、やはりパプアニューギニアか?分離独立の紛争中だし。

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