日本関連

陸上自衛隊、米海兵隊、米海軍、米空軍の「V-22オスプレイ」が編隊を組んで空を飛ぶ

陸上自衛隊が、米国のニュー・リバー海兵隊航空基地で訓練中のV-22オスプレイの様子を公開した。

参考:陸自V-22(オスプレイ)の教育訓練の状況

米海兵隊、米海軍、米空軍、陸自のV-22オスプレイが一緒に空を飛ぶ

ティルトローター方式による垂直離着陸が可能なV-22オスプレイを導入する陸上自衛隊の隊員が、米国のノースカロライナ州、ジャクソンビルにあるニュー・リバー海兵隊航空基地で、米海兵隊から訓練を受けている様子が公開された。

ニュー・リバー海兵隊航空基地には、2000年3月海兵隊向けのMV-22オスプレイを初めて受領した「第204海兵中型ティルトローター訓練飛行隊(VMMT-204)」が配備されている基地で、同飛行隊は7年(3年間の飛行停止期間を含む)の歳月を掛けてオスプレイの訓練方法を確立させた先駆者的存在だ。

2019年3月から同基地へ派遣されている陸上自衛隊の隊員は、第204海兵中型ティルトローター訓練飛行隊からV-22オスプレイの訓練を受けており、米海兵隊、米海軍、米空軍、陸自のパイロットが一緒に飛行し、日米の相互運用性を高めていると陸上自衛隊は説明している。

陸上自衛隊が輸送機として17機導入する「V-22B」は、米海兵隊向けの「MV-22B」と同じタイプだが、今年の3月、日本政府は海外邦人救出や警護活動用として「V-22B」と別に、米空軍特殊作戦コマンドが使用している特殊作戦用「CV-22」輸送機を導入する方針を固めた。

出典:public domain 米空軍所属のCV-22

この特殊作戦用「CV-22」は、米海兵隊向けの「MV-22B」をベースに、AN/APQ-186 地形追従レーダー、AN/ALQ-211電波妨害装置、AN/AAQ-24赤外線ミサイル妨害装置、主翼に新しく燃料タンクなどを追加し、夜間における長距離特殊作戦遂行へ特化した機体だが、もし本気で導入を考えているのなら米国への発注を急がなければならない。

なぜなら、V-22オスプレイの生産ラインは、もう間もなく閉鎖されるかもしれないからだ。

6月にフランスで開催されたパリ航空ショーでボーイングは、V-22オスプレイのバックオーダーが少なくなり「生産の終了が近い」と警告し、V-22オスプレイの購入を検討している顧客は、早めに発注を行う必要があると話した。

ボーイングは、現在までに、米海兵隊向けに360機、米空軍向けに54機、米海軍向けに48機、陸上自衛隊向けに17機の受注・製造を行ってきたが、輸出に関しては「完全に期待はずれ」であることを認めた。

もし、海外の顧客がV-22オスプレイを購入するには、2020年9月までに国防総省の国防安全保障協力局からLOA(FMS契約の受諾書のこと)の発行を受けなければ、先にV-22オスプレイのバックオーダーが尽き、生産ラインが閉じる可能性がある。

FMS契約の手続きは非常に時間が掛かるため、2020年9月までに受諾書発行を受けるためには、恐らく2019年中、もしくは2020年初頭までにオスプレイの購入要求を米国に打診しなければ間に合わないだろう。

ボーイングによれば状況が変わらない限り、これがオスプレイを購入するための「ラストチャンス」と言っている。

果たして日本政府は、生産ライン閉鎖する前までに、特殊作戦用「CV-22」の発注を滑り込ませることが出来るだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:陸上自衛隊

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 7月 18日

    自衛隊は「CV-22」を何機導入予定なんだろ?
    少数だろうとは思うけど

    • 早期警戒機に
    • 2019年 9月 16日

    V-22にE-2Dの機材を積んで、早期警戒機にしてやれば、まだまだ売れるのに。

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