英国のFinancial Times紙は27日「次期戦闘機の共同開発は新たな日英同盟に発展する可能性がある」と主張したが、次期戦闘機に対する日本の民族主義的な感情論は想像以上に強いと付け加えている。
参考:The fighter jet that could create a new alliance between the UK and Japan
この戦闘機に関する協議がどれだけの虚勢や国家意識が絡んでいるか、どんなに強調しても足りないほどだ
朝日新聞や日経新聞は今月18日、日本、英国、イタリアの3ヶ国が年内に次期戦闘機の共同開発で正式合意すると報じていたが、この枠組みが成立した背景についてFT紙は「次期戦闘機に対する日本の民族主義的な感情論は想像以上に強く、米国当局との協議は中国の脅威に対抗するため戦闘機を開発するという根本を忘れて『誰が戦闘機を開発するのか?』『誰が開発パートナーであるべきなのか?』という問題にすり替わってしまい、開発した技術の主権を重視する日本が英国との協力を選択した」と明かしている。
戦後日本の安全保障は米国の軍事力や軍事技術にほぼ依存してきたが、第二次大戦時に名を轟かせた「零戦」に匹敵する戦闘機の独自開発を夢見ており、1980年代後半にF-1の後継機=F-2を独自開発しようとしたが貿易摩擦の問題を背景にした米国側の圧力で計画が潰され、日米共同でF-16ベースのF-2を開発することになった。
そのため防衛当局者はF-2の後継機=次期戦闘機に国産設計の採用を主張、さらに米国依存を減らすため英国との協力を模索していたにも関わらず、日本はトランプ政権の圧力を受けて次期戦闘機の共同開発パートナーにロッキード・マーティンを選択してしまったが、日本と協力範囲について協議した関係者は「F-22やF-35に使用された技術を次期戦闘機に使用するのではないかと日本側の懸念(国産技術の採用制限やソースコードへのアクセス拒否によるブラックボックス化した次期戦闘機が出来上がることを拒否)により交渉は行き詰まった」と明かしているのが興味深い。
最先端技術を独占する米国のやり方に不満をもつのは日本だけではなく、国際戦略研究所の関係者も「軍事技術に対するアクセスは米国と同盟国の間で常に問題になってきた。米国の立場から言えば何十億ドルも投資した技術に同盟国がフルアクセスすることを望まないのは理解できるが、逆に同盟国からすればフラストレーションが溜まる」と言及しているが、日本の場合は「ここに民族主義的な感情論が加わる」とFT紙は指摘。
米海軍の元上級将校は日本の次期戦闘機を巡る交渉について「この戦闘機に関する協議がどれだけの虚勢や国家意識が絡んでいるか、どんなに強調しても足りないほどだ」と証言、さらに日本当局との協議に直接関与した米企業の関係者は「(日本との協議中に)この戦闘機を何故作るのかという根本的な理由を忘れているように見えることがあったし、強化された中国軍の脅威に対抗するための装備が必要だという考えが抜け落ちていた。ただ『誰が戦闘機を開発するのか?』『誰が開発パートナーであるべきなのか?』という問題にすり替わってしまった」と述べている。
つまり日本の防衛当局者にとって次期戦闘機の開発は過去の遺恨を晴らす側面が強く、日米の政治的合意を覆しても戦闘機を構成する技術主権を取り戻したかったのだろう。
英伊との協力は米国との協力と比較して自由度の面で優れていても「国際共同開発」特有の問題に直面する可能性がある
まだ日本、英国、イタリアは次期戦闘機の共同開発で正式合意した訳では無いが、日本の次期戦闘機と英国のテンペストプログラムを統合するには幾つか乗り越えるべき問題が残っているとFT紙は指摘しており、①具体的には日本と英国が要求する戦闘機のサイズが異なる点、②知的財産権や輸出規制を巡る問題が未解決な点、③開発費用の分担比率が合意に至っていない点、④日本に米英に匹敵するセキュリティ審査システムがない点だ。
①と②の問題は答えについて言及されていないためスルーするが、開発費用の分担比率が合意に至っていない点についてFT紙は「日本と英国は開発費用の削減を迫られているためイタリアに出資額の増額を求めているが、巨額な開発コストを加味するとイタリアの出資額を増額するというアイデアは苦戦するかもしれない」と述べ、日本に米英に匹敵するセキュリティ審査システムがない点についても「日本に完全な情報公開が出来るか英防衛産業界は疑問視している」と言及している。
米英が完備するセキュリティ審査システムとは「機密情報にアクセスできる人間の調査や資格制度」のことで、防衛産業界で機密性の高い研究や開発に従事する人間はこの審査をパスして資格を得る必要があるのだが、これに匹敵する審査システムが日本にないため「開発した技術情報へのフルアクセスを認められない=日本の開発環境はスパイや不正を働くものが混入しやすい」という意味だ。
FT紙は他にも色々言及しているが、個人的に気になったのは「英国と協力することで日本は戦闘機を自由にアップグレードすることができるようになる。このような共同開発は前例のないことだが失敗するということはありえない」と元統合幕僚長の河野克俊氏が述べている点で、英伊との協力は米国との協力と比較して自由度の面で優れていても「国際共同開発」特有の問題に直面する可能性があるため、必ずしもバラ色の未来が約束されている訳ではないと思っている。
関連記事:日本、英国、イタリア、年内に次期戦闘機の共同開発で正式合意か
※アイキャッチ画像の出典:BAE
民族主義かあ
それはまあ、無いとは言えないかもな
でも日本人にはそこまで生々しい意識があるわけじゃなく、まだまだ戦闘機開発に於いて半人前の自国を、一人前に近付きたいと言う割と純真な願いなのだと思う
英米は自国で開発し続けて久しいし、野心めいた成長願望はとっくに通り過ぎているのだと思うが、日本はまだその位置には行っていないし、今その野心を現在のみを考えた合理性で潰すわけにも行かない
もっとも、中国相手にしている最中に、その野心を最優先にするわけにいかないのも確かで、この英国の指摘は無視もできないな
うざく絡んでくるのが国内外にもいるしねぇ。
たぶん全体の共同開発までは行かないとは思ってる。
うざい反応を既存で使えるパーツやら開発支援ソフトやらは別として実質的に一国で建造してねじ伏せないといけない通過儀式に近い側面があるしね。
民族主義って答えに繋がるのは納得いかないなぁ
米国君はさぁ、、、制限が多すぎるんすよ
これから無人機と連携が肝なのに連携?うちの製品、部品を買ってくださいよ(値段高↑整備もうちの指定技術者使ってね☆)
供給?あぁ…あれ議会の都合で調達打ち切りになりました!生産ラインがもう閉じてるのでアプデ費用が高くなります
運用?制限はもちろんありますよ
ついでに我々が技術者派遣してゴリゴリで管理するんで😁
とか色々問題がありすぎるんですよ
顧客が望んでいないものを追加していった結果がロッキード不採用に繋がったわけで…
それを民族主義がどうのこうのとか訳のわからない結論に至って、レッテルを貼るのやめてもらえませんかね?
我が国で生産改修が容易な機体という点は重要ですよねぇ
その点に拘るのを民族主義と言われたら、そうでしょうねとしか言えませんし
そもそも真に民族主義にこだわるなら、共同開発もしなかったと思います
念願の完全国産戦闘機を作るのに、他国の技術は必要ないってな具合で
協力体制作って手を借りてる時点で、指摘は的外れだと思いますよ
セキュリティは早急になんとかしないと。防衛だけじゃなくて国家全体の問題だからなあ
英FT紙に対しては「第二次大戦後の日本の航空産業の歴史を知ったら、次期戦闘機に対する日本の民族主義的な感情論がどれほど深刻かが分かるだろう」と言いたいですね
と言うか、次期戦闘機に限らず国産航空機に対する日本人航空関係者の感情は想像を絶するものが有ります
何しろ敗戦から7年間、航空技術がレシプロからジェット機へと様々な分野で大変革していた時期に日本は米国によって航空技術の開発・研究を一切禁止された結果、世界に対して致命的な技術的ハンデを背負ってしまったのですから
少し前に三菱がMRJの開発に失敗しましたが、その根本原因も「国産旅客機を何としても開発したい」と言う感情が冷静な経営判断を妨げた結果ですし、逆にホンダが数十年に渡って航空機開発事業を執念深く進めてホンダジェットへと結実した原動力も「自らの手で国産航空機を」と言う感情でした
だから英伊もそんな日本側の感情を上手く利用しつつ、米英に匹敵するセキュリティ審査システムが無いと言った問題点を指摘してキチンと解決して行かないと、次期戦闘機開発は修羅場になると思いますよ
イギリスこそF35開発のレベル1参加国なのに、わざわざテンペストを別に開発しようとしてるのは何故でしょうか。似たようなものじゃなかろうか。。
この記事でも触れられているが機密情報の保護は官民問わず重要であり、日本も法整備を急ぐべき。
特に法や規定を犯して故意に機密情報にアクセスしたものに対しては
逮捕後以降に面会制限、弁護士への接見制限、弁護士の行動規制も含めた形にしないと
現状だと弁護士や面会者経由で機密情報が洩れる可能性もある。
機密情報へのアクセス前の事前の誓約による自己の弁護権利放棄は、
どこまで今の日本で認められるのか、十分な検討がいるかと。
民族的自尊心を満たすためではなく自由世界防衛のためF-35以上の戦闘機が必要だから福祉を削って大金を投じてでも作らざるを得ず、本当に困っているんですよ。日英伊をこのような状況に追い込んだ中露が全部悪いとちゃんと書くべきだ。
民族意識云々言うなら中露2カ国の方がよっぽどですよねぇ…
中国がF-35に対抗可能な機体を作ってくるのは避けられず、当然ロシアやイランにも輸出されるだろうに。民族的感情がどうこうと書き立てるFT紙の民族的感情の方が民族的だ
所詮はアングロサクソンですからねぇ。正直、米国の次期戦闘機もイギリスのテンペストも「中国軍の脅威に対抗する」という具体的な目的よりも「俺たち(米英)の技術の方が一番優れてる」ことを証明するマウンティングになっている気がするんだよね。
あのエンジンが出来た時点で日本にステルス機を作る実力があるのは明らかで、レーダーその他の技術にしても日本に実力がないと喧伝しているのは一部の民族主義者かFCAS関係者だけでしょうね。
日本(特にミリオタ界隈)だと「英国と組めて万歳や!米国なんていらんかったんや!」という声が大きいようですが(私見)、あちらからどう見られているかというのはこれまであまり語られていないようなので、これはなかなか興味深いお話ですね。
国産戦闘機に対する日本人の期待感というか特別感は存在すると思うし、F-2の共同開発を今でも愚痴ってんだから英紙の指摘は当たってるよ。
民族主義以前にアメリカのサポートがあまりにも悪くて自衛隊に実害が出ている
部品を注文しても届かず用廃になった兵器もあるし、ソースコード非開示により修理や近代化改修もできない
じゃあアメリカに依頼しようとしてもできません遅れますが多く話にならない
うんまぁこれは外から見たら結構目につくだろうね
驕りと矜持が混ざったみたいな感情は政治家と防衛関係者と技術者に結構あるでしょ
MRJみたいなうんちっちにならないことを願うばかり
シンプルに航続距離の長い戦闘機が必要でF-35はそうじゃないというだけだろう
情報セキュリティって言うが
アメリカなんて軍民問わずバンバンハッキングされ、最近じゃ前大統領が機密情報盗んだあげく杜撰な管理をしていて世界の笑いものじゃないですか
米国がセキュリティに強いなんて幻想ですよ
中ロのサイバー攻撃ばかりが問題視されるが、じゃあ我らが同盟国米国はどうなんでしょうね?
国内の米軍基地やら大使館領事館利用して盗聴やらGAFA利用して盗聴やらいろいろあるでしょうね
結局中ロに対するガードを固めてもアメリカ経由で情報流出すれば意味がない
浄水場の仕事リモートでやってたらハッキングされて添加物の数値を危険値まで上げられたのは笑えねえけど笑えたな
米国が情報を奪われると中国諜報能力の脅威となるが
日本が奪われるとスパイ天国らしいセキュリティ体勢の不備となる
これも米国信仰の一種だわな
そもそも法整備が進んでない日本はアメリカ様と比較出来る立場に無いのでは。。。?
自衛隊の情報が抜かれた!ってニュースちょくちょく出てるし
ロシアくんのヒューミントで教本やら何やらを抜かれてるのが何度も何度も発覚してるよね
核技術も簡単におもらししちゃってソ連が核保有国になったんだよなあ・・・(遠い目
法整備したら自動的に流出が止まるわけでもないでしょう
そもそもアメリカというのは外国人に、市民権と金を与えて軍事研究させることもあるわけですからね
構造的にスパイが増えやすいと思うし、それを法律で抑えようってのもなんだかなあって
あとスパイ防止法は、相手が上級国民とかだと効力を発揮しないわけです
大統領とか上下院議員とか、米軍幹部とか防衛企業幹部とかね 組織と金で全力で守るわけですから
トランプも結局有耶無耶だし、ロシアに国うってたフリンは恩赦
日本だってスパイ防止法やりたい与党が一番某教会に侵食されてたわけですし
それでも対策のための法制度があるかどうかは結構な違いだと思いますが。
対策していても漏れることはあるが、対策しないよりは対策したほうがいいに決まっている。
一飛行機好きからすると、現在開発中の飛行機は全部成功してもらいたいんやけど、テンペスト≒F-3が”必ず成功”する保証はどこにもあらへんのが辛い。
Typhoonが成功した機体か?って聞かれたら微妙どころやあらへんし、ワイお気に入りのBAC Lightningの英国面を引き継いでいたら洒落にならんよねって感じやな。
過去に英国と共同開発した相手が英国をどう罵っているかを調べると気分が重たあなってまう。
F-3は米国の次期戦闘機とハイエンドを競うモデルになる予定なんやから、輸出をするとなると最大の敵は米国製になるわけで、イスラエルと同じく米国に最高に贔屓される英国と違い、日米地位協定に表れるような扱いを受ける日本のF-3では競合相手として踏み潰しにかかってくるとしか思えんのやね。(自分らに銭が入らん以上は助ける義理がないのがアメリカンファーストやし)
それに『英国と協力することで日本は戦闘機を自由にアップグレードすることができるようになる。このような共同開発は前例のないことだが失敗するということはありえない』って、英国相手にそんな甘い認識でいとったら、紳士面した悪魔に鴨扱いされるだけですがな。
内外の理由で輸出は、無理やろう。
なんやかやと学ばなあかん事も多いんやし、しっかり勉強してもらいまひょか。
成功は、そこからやな。
「失敗する=国産兵器が載せられない」ぐらいの意味でなら・・
民族主義云々、というよりはさ
F2トラウマでしょう。そのせいなのかどうなのか、イマイチなF2は思ったよりも早く退役するみたいだしね。
イギリス、イタリアと海千山千の駆け引きは大変だねど、アメリカのゴリ押しよりはまだマシですよ(苦笑)
一応、銃の所持と同程度の身元調査はされるようだよ
自由なアップデートという意味では心配していません。
ただし、販売利益の分配という意味ではアメリカ以上に厳しいでしょうし、性能も完成時のハイエンドとはいかないでしょう。
それでもチャレンジする価値はあるのでは?
何より、歩み出す事が大事。
つまり金を出せ開発と製造はしてやる。あと許可もてめーでとれといってきたアメリカに切れたと
痛い所突かれたね
日本人て何故か自分たちがバキバキに近現代新興宗教にハマってる事や民族主義的思想をナチュラルに持ってる事だけは自認出来ない
まさか未だに国際企業レベル政府レベルでもそこまでゴリゴリに思想に浸かってるとは思わなかったけどね…
そういうの民族主義とかの問題じゃなくて、アメリカと組むメリットが減ってきてデメリットの方が大きくなったっていう極めて単純で合理的な話だよ。
それをわかってないアングロサクソンのやつらの方がよっぽど民族主義的だよ。
>「英国と協力することで日本は戦闘機を自由にアップグレードすることができるようになる。このような共同開発は前例のないことだが失敗するということはありえない」
まあ失敗とは何ぞやという話を始めれば、まあ失敗するということはありえないですけど、それ以前に飛ぶものができないとシャレにならんわけで。したほう
アメカスブリカスも上から目線だな。
やる気のないプラン提示してるからこうなってんだろ。ぶっつけ本番、スケジュールに間に合わないテンペストも議会承認されるか不透明な現実性のないF-22の焼き増しプランもお呼びじゃない。
それを民族主義とすり替えてんじゃねーよ。
日本の金で技術開発するつもり満々だしどうせこちらの技術は全開示、アメリカの技術は不開示、ガチガチに管理になる。アフターサービス?製造ライン?そちらが金出さなければ維持しません。改修するごとに議会承認必要です。
うんな機体いらないし有事に即座に部品増産して稼働率維持できない機体なんぞなにが対中国なんだよ。
確かロッキードの提案ってF-22の機体にF-35のアビオニクスとソフトウェアをくっつけるって提案だったか。
10年後くらいに開発されるであろう中国空軍の次世代機相手に、最悪1対6の数的不利で立ち向かわなくといけなくなるF-3のプランとしては性能不足も甚だしい。J-20相手なら問題なく対抗できるだろうけど、そもそもF-22が母体では航続距離も足りない。
あと米軍のF-22のアップデートのための開発を日本の金使ってやろうっていう魂胆がミエミエでホント腹が立つ。そんなふざけた提案するなら15年前にF-22を輸出しろって話だ。
なんていうか米国にしても英国にしても日本の国防環境が想像できてないように見える。英国との共同開発はほとんど消去法の結果みたいなものなのに。
そもそも共同開発するかも不明って言う。
コンポネートの共同研究ならソフトウェアとかねじとかケーブルとかので終わる可能性すらあるしね。
米軍関係者に「共同開発を英国に取られたのはオレたちが悪いんじゃない、現実を直視できない日本が悪い」みたいな言い方されても…
まぁ正直に「自分らが殿様商売しすぎて逃げられました」とも言えないか(笑)
FTの言わんとしているところや懸念は分かりますが、FSXが辿った経緯を考えたら日本勢にある種の熱意じみたものがあったとしてもそれは当然と思います。FSXは防衛庁(当時)や産業界が純国産の汎用戦闘機を作るというために20年計画で準備を積み重ねてきたもので、練習機ベースの改造実験機まで作って実現させようとしていた訳です。それが突然米議会で通っただけの条項に従ってあれよと撤回させられてしまった訳ですから、関係者一同思うところはあるでしょう。
あとこれは結果論ですけど、00年代後半に航空自衛隊が推し進めていたF-22採用が米国に拒絶されていなければ今の時期にF-Xの開発はしていなかったと思います(少なくとも制空戦闘機は作っていなかっただろう)。豪州空軍も同じ問題に直面していますが、結局のところ「フラストレーション」の結果が日本のF-Xに繋がっているんです。
あと機体仕様策定の項目はちょっとよく分からないですね。共同開発方針が出る前のFXは中国との有事を念頭に置いたORに基づいて長大な航続距離と大ペイロードの機体を作るという方針でしたが、小型高機動方針のテンペストと統合するために方針を再考にかけている訳で、それを方針が揺らいでいると捉えたのであれば流石に謂れのない批判でしょう。
兵器の開発と輸出の話題のたびにモヤモヤする事なんですが、いい機会なので付け加えておきたいです。
FTの元記事で指摘されているように、兵器の国産開発や輸出に自国の優位性を見出す人は一定数いて、ロシアではそれが祖国の偉大さの論拠に、韓国では世界強国への仲間入りの手段として奨励されています。日本にも、このサイトの閲覧者にも大勢居るでしょう。自分自身そういう気持ちは理解できるし、少なくとも自国の軍事技術に誇らしさを感じる気持ちを戒める必要はないと思います。
ただ、純粋に商売として見た時に兵器市場にあるのは「需要国」と「供給国」だけなんですよね。そこに優劣はないです。
日本はと言えば、広大な領海と3正面の軍事上の緊張を抱えるという意味で需要は間違いなく抱えています。それも15個の旅師団、4つの方面艦隊、世界有数の防空軍を支える膨大な需要です。
そして後者、日本は仮にも工業国ですから一部の先端軍事技術や技術的蓄積がモノを言う領域以外は開発するだけなら大抵のものは内製できます。その中で、買ったほうが安い小物は買うし、戦車や護衛艦や戦闘機などの「大物の完成品」案件は完全輸入する場合のコスパの悪さを鑑みて極力国産化を努めるという具合にやってきた訳ですよ。
自動車産業の例を見ましょう。米でも英でも日本車が売ってますよね。特に英なんか大衆車メーカーは往年に比べ大きく数を減らしましたが、じゃあイギリス人は愛知や栃木で日本人労働者が作った車を輸入して買っている=日本人の雇用を買い支えているのかといえば違って、欧州向けの日本車は欧州で製造されてるんですよね。これは、英国市場には今でも大衆車の需要があって製造基盤の誘致が出来る程度のメリットを提示できるけど、自国の開発力(メーカー)を複数維持しておけるほどの需要ではない事を意味します。需要と開発基盤の維持の可否は相関します。
防衛産業における日本の立場は、自動車産業におけるイギリスと日本の立場の中間を行き来しているものだと私は思います。兵器輸入国というのは自衛隊には国産兵器が多いが、全部を作れる訳ではなかった。特に航空自衛隊の主力戦闘機は技術的理由や経済関係への配慮からライセンス生産や輸入に甘んじてきましたが、これは欧州諸国が言うところの「公共支出の国外流出」です。そして今、米国からの輸入も共同開発も頓挫し、日本には100機超の需要と開発基盤がなおあります。民族主義だの帝国主義的野心だのを腹に抱えている人が日本に全く居ないとは思いませんが、第一義はあくまで経営的視点にあるのです。だから、前例や対米関係がどうあれその機会があるのなら日本は兵器の国産化を指向するし、それは普段欧州諸国が口を酸っぱくして言っていることと同じ理由なんだよというのを分かってもらいたい。
???
日本車は欧州でここ十数年崩壊的にシェアを落としてる筈ですが…
数年前イギリスから撤退したホンダの欧州シェアなんて現在悲しくなるレベルで、代わりに躍進してるのが韓国車と東欧メーカーだったかと
恐らくは今後国防市場でも韓国や東欧、アジア諸国が影響力をドンドン増して行くのでしょうね…
>小型高機動方針のテンペスト
また新説が出て来た。
それどこかで公式に報じられてます?
なお、
永遠の同盟もなければ永遠の敵もない。あるのは永遠の国益のみ。
の本家イギリスさんである。
第6世代機を作ろうとしてる相手にF-22のドンガラにF-35のアビオニクスを載せた第5世代機を押し付けようとしたアメリカが「中国相手に必要な性能が〜」とか言っちゃうのか
「10年後の中国にはこれで十分。アリモノの組み合わせで早期に配備しろ」というつもりだったのかもしれませんけどね。
まあF-35のblock4に四苦八苦してる今のLMに片手間でF-22+F-35を短期に仕上げるだけのリソースがあるとも思えんのですが。
かといって設計思想まで含めたF-22とF-35の資料全開示(日本側で仕上げろ、というなら必須)がされる訳もなく。
結局アメリカは日本人をかつての黒人奴隷の代用品のように見なしていて、鞭で叩けば従うと思っているのだろう
今回自分たちに逆らった件を根に持って報復してくるかもね
じゃあテンペストだのFCASだの全部消してNGADに任せるのかって話よw 結局アメリカ以外は民族主義にドップリで戦闘機開発してるのさ
まあそれは兎も角として日本がまともな軍事力と防諜を備える事を祈ってる
セキュリティが脆弱という点以外はズレている記事だと思う。
結局、F-2の時にソースコードの非開示とかやった上、カーボンモノコック技術とかAESAとか持っていったのにF-22を売ってくれなかったというのが米国不信に繋がっているんだと思うよ。
更にF-15の近代化改修でも足元みてやらかしてるでしょ?
民族主義云々じゃなく、自分達の振る舞いのせいで距離取られているって気がつこうよ。
というか、ジョンブルの分析もこの程度なのかと心配しにはなるな。
個人的には日本が開発した兵器の○ソみたいな情報開示はどうにかすべきと常々思っていた。
戦車や装甲車がどの程度の砲弾に耐えうるのかというのも明らかにされてないというのも国民、特に戦車兵の両親に伝えられないのは安全性の面からとても気持ちの悪いことだと思うし、兵器輸出を考慮するならそういった兵器の基本情報にアクセス出来ないのは不利になる。
NATO基準の防衛費増額を考えるなら彼らの防衛産業が一般的に開示している情報も公開すべきだと思う。
アメさんから
情報セキュリティが甘過ぎるから
共同開発のネックになると言われているのに
更にガバガバにならないか?
>つまり日本の防衛当局者にとって次期戦闘機の開発は過去の遺恨を晴らす側面が強く、日米の政治的合意を覆しても戦闘機を構成する技術主権を取り戻したかったのだろう。
F-2での開発MOUでは合意に含まれるものとされていたソースコード提供を後になって覆した実績がある以上、日本が主導権を離さないのは当然のことだと思うし、米国側が文句を言う資格は無い
>1980年代後半にF-1の後継機=F-2を独自開発しようとしたが貿易摩擦の問題を背景にした米国側の圧力で計画が潰され
この認識が民族主義的で、ペンタゴンも日本の技術力に対する懸念と日本の民族主義から共同開発が妥当だと
早期に結論を出しているんですね。だから親日派は共同開発から始めようと勧めてくれたんです。
貿易摩擦などで反日感情が高まると反日は共同開発を阻止しようとしてましたからね。
エンジンだけくれればそれで良いよが当時の日本側の割と本音では?
エンジンを作れるのはアメリカだけじゃないし、共同開発そのものより、アメリカ優位の条件になって
アメリカに技術を全く評価してもらえなかったので、プライドが傷ついただけじゃないですかね?
ステルスが日本の技術だとか尾ひれのついた話をする人がいましたね。
これだこら、全く…
国産へのこだわりという点でナショナリズムが強いというのはそのとおりだろうけど、どちらかというと国家主義であり民族主義というのは誤訳のような気がするけどね
大和民族が…!て言ってる人ほとんどいないでしょ
日本の民族構成的に外から見たらそう見える側面があるのかもしれんが、明らかに実態とは異なる
さてそれはともかく、次期戦闘機開発はバラ色というよりは、乗り越えるべきイバラの道が多数あるように見受けられるね
FTのオリジナル記事は登録してないから見れないけど、この件を扱っている外国人youtuberのコメント欄とかを見るに、イギリスは技術を日本は金を出すことでWin-Winだと考えている人たちが大半だね
実際の技術格差や当局担当者・開発者の所感がわからないのでなんとも言えないけど、イチ日本の民間人としては不安に思わずにはいられない
XF-9や試作統合レーダーなどに対する肯定的な評価がもう少し出回ってほしいものだが…
コメント欄に「英国はパートナーとしてインドの可能性もあったが、それと比べれば日本ははるかに良いパートナー」というのがありましたが、この辺がリアルな認識なんじゃないですかね。これを褒めていると感じる日本人は少ないでしょうが、向こうとしても貶しているつもりはないんでしょう。だからこそ厄介な感じはして、悪意のない小さな認識のズレが大きな問題に繋がらなければいいですが。
必要な全ての技術を自前で持っている訳ではないと思います。
得意分野と不得意分野があるでしょうし。
米国は交渉で上から目線であり過ぎたのでは。
或いは、日本のF3を使って一儲けしようと思っていたのかな。
自国用ではなく、第三国向けのロースペックモデルの位置付けで。
>>民族主義的な感情論
エンジニアは感情がないとでも言いたいのか?
その技術にはアクセス権限がありません。それを使用するなら追加料金を払いなさい。やっぱ許可降りなかったわww。他が忙しいんで納入おくれるわw
エンジニアも人間であるので気持ちよく仕事をしたいのだよ。脅威が差し迫っているのでスケジュールは厳守したい
まぁ、レオナルドは不要と考えるけどね。英国としては切れないのだろうけど