フランスのタレスは24日、三菱重工が製造する自律型水中航走式機雷探知機「OZZ-5」向けに高周波合成開口ソナー「SAMDIS」を供給する契約を締結したと発表した。
タレスがOZZ-5に高周波合成開口ソナーを供給する契約を三菱重工と締結
日本の防衛省の技術研究本部(現在の防衛装備庁)が開発した自律型水中航走式機雷探知機「OZZ-5」は機雷捜索用の水中無人機(UUV)で、本機最大の特徴は低周波と高周波の合成開口ソーナーを両方搭載している点だ。低周波合成開口ソーナーは発見が難しいステルス機雷等を検出するのに有効で高周波合成開口ソーナーから得られる画像と統合処理することで精度の高い機雷検出能力を実現しており、フランスのタレスはOZZ-5向けに高周波合成開口ソーナー「SAMDIS」を供給する契約を締結したと発表した。
タレスのSAMDISはマルチアスペクト機能を備えているため3つの異なる角度から目標を視認することが可能で、現時点でマルチアスペクト機能に対応した高周波合成開口ソーナーはタレスのSAMDISだけだと言われている。
因みにタレスのSAMDISを搭載したOZZ-5は今月19日に進水した海上自衛隊の3,900トン型護衛艦に搭載される予定だ。
余談だが、あまり触れる機会がない世界のUUV事情について軽く触れておく。
海自が実用化されたUUVを本格的に導入するのはOZZ-5が初めてだが、世界市場でUUV最大手は日本がF-35A向けに導入を決定している巡航ミサイル「Joint Strike Missile(JSM)」を開発・製造しているノルウェーのKongsberg Defence & Aerospace AS (コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース)で、同社傘下企業が開発した水中無人機(UUV)REMUSシリーズが最も成功を収めている。
コングスベルグが開発したREMUSシリーズは2008年に実用化、同社のREMUS600をベースに開発された機雷捜索用モデルの水中無人機「Mk.18(米海軍仕様)」は2012年頃から米海軍の第5艦隊に配備され対機雷戦任務に投入されており、英海軍、フィンランド海軍、オランダ海軍、カナダ海軍、クロアチア海軍などにも採用されている。
ただ米海軍は水中無人機(UUV)をより大型化させる方針で現在「Orca」と呼ばれる新しいUUV(実際にはUUVではなくXLUUVに分類されている)をボーイングが開発しており、Orcaは基本的にボーイングが開発した「Echo Voyager(全長16m)」をベースにしているが脱着式のモジュール構造を採用することで最大26m(8トンまでのコンポーネントを追加可能)まで延長することが可能だ。
さらにOrcaはリチウムイオン電池駆動だがディーゼルエンジンを搭載しているため浮上時に発電を行いリチウムイオン電池を充電することが可能で、Orcaの最大航続距離は6,500マイル(約10,400km)=つまり数ヶ月の長期任務に耐えることができる。
そのためOrcaはコンポーネントを入れ替えることで機雷捜索から偵察任務、搭載量を生かした輸送任務などに使用することを想定しているらしい。
欧州のフランスや英国でも次世代の機雷捜索用UUV開発に取り組んでいるらしいのだが情報が少ないので管理人も詳しくは把握していない。ただ一つ言えるのはUUVはUAVに比べて脚光を浴びにくいだけで、実際には各国の海軍で何年も運用されてきた実績をもち、今後需要が大きく伸びる防衛装備品の一つだと言われている注目株だ。
出来ることなら開発を三菱重工に移して海外市場に挑戦するのもアリなのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊 3,900トン型護衛艦2番艦「くまの」
石川製作所はUUVに応用できる技術を持ってないのでしょうか?
IHIのこと?
IHIとは違う会社らしいですよ。
—-Wikipediaより抜粋—-
株式会社石川製作所(いしかわせいさくしょ)は、石川県白山市に本社を置く段ボール印刷機、繊維機械(レピア織機など)や防衛機器(機雷)などを製造、販売するメーカーである。
—-抜粋終わり—-
こいつ既存艦の中じゃズムウォルトに次ぐステルス船型しててマジすげぇのよな
イラストでも既に船型は分かってたけど写真で見ると迫力が全然違う
航空機もそうだけど、艦船にも格好良く見える角度があるのかな。
自衛艦も世界最先端なんだと確信させてくれる美しさ
あとはこのような低価格化志向の多目的艦の運用が成功するかどうか、
沿岸警備と掃海って、担当範囲が重なってるようで仕事は別だからね
うん、良い艦形だと思う。単純に美しいし、復元力も高い。バルバスバウ(でいいのかはわからんけど)も含めて全体に調和取れてる。
このサイズで長期の外洋作戦を少人数でこなすのは大変だと思うけど、そのあたりも重視した艦形なんだろうね。
はやく竣工した姿を見たい
VLSもさっさと載せろって感じ
本当なら、あきつき型もこれくらいのステルス形状になるはずだったのに・・・財務省の横やりで今に形に。
まぁ、今も十分美しいんだが。
FFMに搭載するUUV/USV関連の話で気になるのがUUVは「OZZ-5」が実用化されているけど、USVの話が三菱に公示が出ただけで音沙汰が無いのが気になる。TwitterではUSVの後日搭載という話も出てきたけど、どうなるんだろうか?
今年の9/19にusvと思わしき?船が目撃されてるな
ffm usv twitterで検索すると出てくる
その存在は知ってるんだか、どうも三菱じゃなくてJMUが開発したものらしくて写真がTwitterに上がってから、その後の動向は不明で日本海事新聞写真部のTwitterでFFM「くまの」の装備紹介ツイにVLSとUSVが後日装備として紹介されてるんだよね。
自衛隊がすでに持っている誘導魚雷や自動追尾機雷は自爆型UUVになるのか?
そりゃあなるでしょ。言葉選びの問題だけ。
それは違う気がする。無人機は文字通り、本来は人が搭乗して制御するものを機械を用いて自動化又は自律化した物を指す。けど、木主が挙げた誘導魚雷や追尾型機雷は本来無人であり、命中率が低い或いは受動的な兵器の命中率や確実性を向上させる為に開発されたもので、機械による制御を導入したという点は同じでもその目的やそこに至る経緯が異なるから違うと自分は思う。
それはミサイルを自爆型ドローンって呼ぶか?と同じ問題だね
エコー・ボイジャーって響きがカッコイイ、ジプシー・デンジャーみたい(小並感)
どっか未知の海域にワープされそうな名前ですね
で、女艦長なんだろw
一応・・・
30FFM(フリゲートって海上自衛隊としては新しい艦種)に搭載するのはUSV:無人水上艇で、
USV:無人水上艇に
機雷を探知するUUV 無人潜水艇
UUVが発見した機雷を処理する無人機雷排除システム を搭載
2019年から2隻/年ずつ、小計で6隻を建造予定
島嶼防衛作戦用で、(だから急いで建造)
62口径5インチ(127mm)単装砲・1門 =艦砲射撃による火力支援
機雷の掃討、設置能力 を搭載
対空、対潜はさほど・・・だって。
総計では2037年までに22隻を建造する予定だとかなんとか
P-8は磁気探査装置取っ払ったらしいけどUUV対策に影響とかないのかな。
標的の直上を通過しないと反応しないんだろ?確率的に高くないって判断したんだろね
探索対象が潜んでる潜水艦でなく動いてる潜水艦という概念なのかも知れない
海中を移動する潜水艦を見つけるレーダーが開発されようとしてる時代だからね。探知範囲が極小のMADよりそっちの方がいいんだろう。P8 は低空哨戒するわけじゃあないし。
わかっていたけど、本当にFFMに掃海任務やらすのね・・・
護衛艦は戦闘時、高出力のレーダー波や至近距離で撃墜したミサイルや砲弾の破片から身を守るため乗員は船内にいる。
逆に掃海艇は、もしも触雷した時に船内にいると中に閉じ込められてしまうので可能な限り甲板にいる。
基本のイロハや運用思想がまるっきり違うので、護衛艦隊の乗員と掃海隊郡の乗員の融和・両立は相当大変。
米海軍のLCSみたいにならないことを心の底から祈ってる。
[ffm usv twitter]で出てきたツイートや上のコメによると掃海任務にあたるのはUSVという小型艇みたいですよ
自動で掃海するUSVの記事なのになんで人が掃海する心配してんだよ
???
現状の掃海艇の掃海作業も探知に限れば、ほぼほぼ機械化・自動化されているのだが・・・
人が掃海=水中処分員のこと?
あれは所属が地方隊で、水中処分母船、掃海母艦、ヘリから展開する。FFMにも乗船させるのかは不明。
水中無人機だろうと機雷原に艦を近づけるのは同じ。
その時に木造でもFRPでもなく、全長133mもあるFFMがやれるのか?って言う話。
だから近づかないんだよ。
その為の処分用無人機だろうに。
むしろ現代の機雷相手に掃海艇が直接接近して除去するのがもう無理筋って判断だろ。
いまだに日本近海には戦時中の不発爆弾やらが転がってるのでそれの処分に既存の掃海艇は一定数維持されるだろうが大枠では削減されFFMに置き換わってるのを見れば方向性は明白でしょ。
タレスってことは、インドネシアに輸出できる可能性があったのか
コングスベルグ、タレス、まだまだある
世界市場で戦える防衛産業は育成できるのか?
どんどん自動化が進むねえ。WWIIで「機械化XXX」とかが初めて登場したが、
これからは「自動化XXX」が取って代わるのか。
その次は「無人化XXX」か「AI化XXX」だな
UUVだけのことじゃあないけど、海洋観測機器については日本企業はあまり技術ないんだよね。海洋国家だけど。。。
この分野は圧倒的に米帝と北欧カナダあたりが強い。オーガナイザーとしての軍需企業はいるけれど要素技術はまた別の話。海に親しむというか「海洋そのものを知る」ことに関しては連中の熱意には及ばんと。あの情熱はちょっとまねできん。
その話にJAMSTECの使ってる水中探査船は関係ない感じ?
えーと、コメントの意図がわからんのだけど。。。。
水中探査船があるからどうのって話じゃあないから関係ないともいえるけど、そういうことかな?
連中は在野の研究者の層が厚くてライフワークとして自費で(趣味で)自身の観測機器を作ったりしながら研究してる。当然使いやすいものを様々な環境で求めるし、対象も多様なので技術もいろいろ積みあがってビジネスになったりする。
例えば水塊、海流やプランクトンの分布の関係を観測するための自律型グライダーなんてものもある。これはUUVに転用の効く技術が使われていたりする。
まあ、当然研究所の規模も段違いなんだけれど。。。単純に言って研究者の数と他分野とのネットワークの厚みが違う。
FFMは37年まで22隻を建造するらしいが
それまでの全艦を建造契約するのは無理としても
ロット単位に分割契約して建造費を節約し
浮いた金で隊員の手当アップや不足している備品の購入に当てていただきたい
高周波合成開口ソーナーも日本で開発してほしいね