スプーフィング(なりすまし)攻撃や妨害電波に対する耐性が強化されたGPS信号「Mコード」に対応した軍用GPS受信機の出荷が2021年に始まる。
参考:Allies begin ordering M-Code-enabled GPS receivers
米軍や同盟国にとって非常に重要なマイルストーン、約5年遅れで始まるGPS信号「Mコード」の利用
現在、米軍や同盟国が利用する全地球測位システムのGPS信号はロシア軍や中国軍のスプーフィング攻撃や妨害電波に晒されており、この問題を根本的に解決するため米空軍(現在は米宇宙軍の管轄)はMコードと呼ばれる新しい信号に対応したGPS衛星BlockII RMを2009年までに計8基打ち上げたのだが、未だにMコードの利用は始まってない。

出典:public domain GPS衛星BlockII RM
当初の予定では2016年頃にMコードの利用が開始される予定だったのだが、レイセオンがMコードを利用するためのGPS次世代運用制御システム(GPSOCX)開発に手間取り何度も開発スケジュールが見直された結果、2023年4月までMコードの利用が不可能(開発コストも37億ドル→62億ドルに高騰)という事態に陥ってしまう。
この問題を解消するため米空軍は現在使用中のGPS運用制御システムを暫定的にMコードへ対応させることに変更、作業を受注したロッキード・マーティンの努力によってMコードの暫定バージョン「M-Code Early Use」の使用が2020年3月に承認され全てのアップグレード作業が7月に完了、今月11月から運用承認の手続きに入っており2021年に使用が開始される予定だ。
これを受けてドイツが今年9月にMコード対応の軍用GPS受信機を発注、この受信機の引き渡しが2021年に行われると米宇宙軍が23日明らかにした。
つまりスプーフィング(なりすまし)攻撃や妨害電波に対する耐性が強化されたGPS信号「Mコード(限定バージョンのEarly Use)」の使用が2021年中に始まるという意味で、米軍や同盟国にとって非常に重要なマイルストーンだと言える。
今のところ日本がMコードに対応した軍用GPS受信機を発注しているのかは謎だが、米国の軍用GPS信号にアクセスを許可されている国は58ヶ国もあるためMコード対応GPS受信機の需要は相当量になることが予想され、当面は同盟国同士が受信機を奪い合う形になるかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Matthew Gilmore
どうでしょうね、ハッキング大国中国ロシア相手に何年間ぐらい有効かな
GPSは受信しかしない完全に受動的なシステムであってリバースエンジニアリングしてしまえば後はどうとでもなる
アクセス許可もクソもない
58ヶ国もバラまいたらコード解読と民生利用は時間の問題だろう
Mコードがどんなもんかは知らんが、めっちゃ長い公開鍵配って、その鍵でのみ解錠できる時間情報コード流せばハックされない、とかの方式なんじゃないの。
リバースエンジニアリングなんて簡単に着手できるけど、計算能力が足りなくて事実上、解読できない方式。
その鍵だって結局はICチップ上に記録されているわけでして
金を惜しまずダイを電子顕微鏡なりX線分析なりすればいずれ割れる
そんなのとっくに想定済みでしょう
初期構想段階では素人レベルでの突っ込み所もあるでしょうが、将来を見通した脅威評価無しに実用段階には至らないでしょう。その道の専門家集団が自分より間抜けだという前提はどうかと。
少なくとも一定年月は技術的に破れないという見込みが無い限り採用できません。
そして破られるだろうその次を見込んで研究開発が始まっていると思いますよ。
おそらく一定期間で変化する使い捨ての暗号コード
受信側の解読キーの定期的な更新が必要なシステムなのかも
まぁどんな仕組みなのかよくわからんから想像でしかないけど
自衛隊がどうするのか謎謎ですな。
しかし11年前の衛星を10年越しで使うというのもなんか型落ち感あって大丈夫なんだろうか…。
中身が大事だとは思いますが日進月歩の分野だと勝手に思ってるので。
古い衛星のソフトウェアアップグレードで何とかなるならば、古い受信機だってソフトウェアアップグレードで何とかならないか?とも思えるが
まあ、新しい衛星を打ち上げるか、無理にでもソフトウェアアップグレードするしか現実的な手段の無い宇宙ならば兎も角、多分にセキュリティホールが発生するのを忍んでまで古い受信機を無理くり使うのはNGだろうが
あちこちに輸出される受信機のいくつかは、気がつけばモスクワと北京に流れる、そこまでは折り込み済みだと思うけど