日本にとって戦後初となる国産防衛装備品の輸出交渉が新型コロナウイルス「COVID-19」の影響で行き詰まっているとThe Japan Timesなどが報じている。
参考:Manila Halts Air Defense Radar Deal With Mitsubishi Over COVID-19
参考:Mitsubishi Electric to export radar to Philippines in first defense package deal since ban lifted
新型コロナウイルスの影響でフィリピン政府との正式な契約交渉が進んでいない?
フィリピン国防省は今月4日、空軍近代化の一貫として3ヶ国(日本/米国/イスラエル)から提案されていた空中警戒管制レーダーを検討した結果、日本が提案した三菱電機製の固定式警戒管制レーダー「J/FPS-3ME」と車両に搭載された移動式レーダー「J/TPS-P14ME」を取得することを発表し、今後60日以内(5月末)に日本政府と正式な契約を結ぶと明らかにしていた。
J/FPS-3MEは防衛庁技術研究本部(現在は防衛省)が開発した固定式のアクティブ・フェーズドアレイ・レーダー「J/FPS-3」の能力向上型「J/FPS-3改」をベースにした輸出型で、移動式レーダーの「J/TPS-P14ME」は陸自の73式大型トラックに搭載して任意の地点へ移動可能な小型のフェイズド・アレイ・レーダー「JTPS-P14」をベースにした輸出型だ。
補足:フィリピンに対して提案された空中警戒管制レーダーはイスラエルがエルタシステムズは艦艇搭載用レーダー「EL/M-2238 STAR」と移動式レーダー「ELM-2288 AD-STAR」を、米国がロッキード・マーティンの「AN/FPS-117」を移動式に改良した「AN/TPS-77」を提案していた。
しかし新型コロナウイルス「COVID-19」のパンデミックによってフィリピンと日本の交渉は停滞しており、日本政府筋の関係者も「5月末までに契約を締結する予定だったが、現在交渉は行き詰まっている」と話したと「The Japan Times」が報じており、オンライン航空宇宙ニュース「Defense World Net」もフィリピンは日本製レーダーを手に入れるにもう少しだけ待つ必要があると伝えている。
今回、日本が勝ち取った総額52億6,000万ペソ(約110億円)もの空中警戒管制レーダー輸出に関する契約は正真正銘、米国やイスラエルと競合する中で獲得した受注であり、日本政府の円借款を利用した巡視船の輸出とは全く異なる意味を持っており、戦後初となる国産防衛装備品の海外輸出という点でも注目度が高い。
関連記事:水中ドローンまで装備!日本、フィリピン政府と沿岸警備隊向け巡視船の建造契約を締結
三菱重工業の子会社である三菱造船は今月6日、フィリピン沿岸警備隊向けの多目的パトロール船2隻を2022年まで建造し引き渡す契約をフィリピン政府と締結したが、これは日本の円借款(約165億円)を利用した調達であったためフィリピン政府は多目的パトロール船の建造を日本企業(ジャパンマリンユナイテッドと三井造船が参加)から選ばなければならなかった。
管理人も一日でも早く新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化して正式な契約が結ばれることを祈っているが、フィリピンでも新型コロナウイルスの影響で国内経済が混乱しているため、もし予算不足に陥れば真っ先に削減されるのは国防予算だろう。特に今回は正真正銘、フィリピンの国防予算によって調達費用が賄われるため同国の経済状況によっては最悪、調達延期や中止ということも可能性としては0ではない。
もしかしたら日本にとって戦後初となる国産防衛装備品の海外輸出実現は、新型コロナウイルスの早期収束にかかっているのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:J/FPS-3警戒監視レーダー 防衛省
2つあるソースのもう片方はともかく、「The Japan Times」って・・・
あの「The Japan Times」ですねー。
正直低金利融資であるODA供与が正真正銘の武器輸出じゃないならフランスとか韓国とかロシアとかがやってるバーター取引(バナナとか欲しくもない相手先兵器とか)とかダンピングとか贈賄とかホワイト除外を食らうレベルの国際法違反の技術移転オプションによる輸出も正真正銘とはとても言い難いのでそこまで気にすることもないのでは
日本企業に限定された入札で日本企業が選ばれたODA案件と、
海外メーカーとのガチの入札で日本企業が選ばれた本案件、
管理人さん的には位置付け異なると捉えた様ですが、個人的には同意かな。
一段ステージが上がった、と受け止めていたので。
日本は軍が出張ったテロや内戦は数えるほどで、海外派兵でも実戦経験ない国が作ったモノはそれなり、調達数の関係でお値段それなり以上、米露みたいに軍事力の提供もない、政治力の行使もあてにできないので安全保障上付き合ってもメリット薄い、技術移転には及び腰なので産業育成にもならず選挙対策にも使えない、と売れない理由揃ってるので兵器的なモノは一旦後回しにしたほうが良いかと。
円貸すなりバナナ買うなりでもして、今回みたいな調達数の影響受けにくい、ノウハウ込みのバックオフィス的なものを売ること考えたほうがいいじゃないかな。
トヨタ買って自衛隊がテクニカルとか改造して売るって下品なやり方もあるけど。
さて、この際ですから日本製はあきらめて中国製ではどうですか。
別に何も問題ないですよ。
いざとなれば、三亜あたりからリモートでメインテナンスできますから
この線、実際にありそうなんで怖い。
電力供給網と一緒に常時リモートできるので
エンジニアの出張費や宿泊費が不要、かつ24時間オンタイムオンライン対応で
フィリピン側での人件費が不要になります
リンク
>人件費が不要
殺し文句ですねぇ。
意味が分からん
食い物ならともかくレーダーとウイルスがどう関係してんだ
記事の最後に書いてあるじゃん
なんか中国が活動を活発化させてるのホント怖い…
ですね。
実際の理由はコロナだけではないのかも。
日本人的な感覚で判断するからビジネスで敗ける
言い訳言い逃れ無責任な相手だという前提で取引しましょうね、
値切るためなら嘘でもつくのが商売人でしょ?
輸出と言えば、三菱の「テラ・ニンジャ」先進サスペンション、ブラッドレーでも試されてるみたい。
ホルストマンに勝てると良いな。