DSEI JAPANに出席したBoeing関係者は空自のF-15J改修機について「セントルイスの施設でシステム統合作業が進行中」と述べたが、Breaking Defenseは「F-15J改修機の納入スケジュールについて尋ねられるとBoeingや三菱重工業は口を閉ざした」と報じている。
参考:プロジェクト管理について
参考:Boeing on track to deliver fifth, sixth KC-46As to Japan this year: Exec
何となく1号機の引き渡しは2020年代末~2030年初頭、予定している68機の戦力化が完了するのは2030年代半ばのような気がする
日本政府は航空自衛隊が運用しているF-15J(J-MSIP機)の能力向上計画を含む新たな中期防衛力整備計画(31中期防)を2018年末に策定、この改修にかかる初期費用(個別の改修費用とは別物)を807億円を見積もっていたのだが、米国側は日本が改修に必要とする電子機器(レーダーのAN/APG-82(V)1や電子妨害システムのAN/ALQ-239)の部品枯渇に対する対策費用、米国では予定されていないF-15への長距離空対艦ミサイル=AGM-158C LRASM統合経費などを要求してきたため初期費用が2,400億円に高騰。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Melany Bermudez
最終的にLRASM統合を見送るなど対策を講じて改修費用を3,970億円(初期費用+改修費用の合計)まで圧縮、2022年度に関連経費と2機分改修費用として520億円、2023年度に初年度費と18機分改修費用として816億円、2024年度にJASS搭載関連費用として133億円を予算計上したが、防衛省はF-15J改修機の取得スケジュールについて具体的に言及しておらず、国防総省がBoeingに授与したF-15 Japan Super Interceptor Program関連のEPAWSS契約完了日は2028年末に設定されている。
さらに防衛省が2025年4月に公開した「プロジェクト管理対象装備品等の現状について」によれば、F-15J改修機68機のライフサイクルコストに関する見積もり額は為替レートの変動=円安の影響を受けて1兆円(2022年は108円計算で6,465億円→2023年は137円計算で7,584億円→150円計算で1兆16億円)を突破しており、現在の為替レートは1ドル143円なので見積もり想定よりも幾分かマシだが、それでも感覚的な割高感は否めない。

出典:Boeing
今回「F-15J改修機の話題」をなぜ取り上げたかと言うと、Boeing関係者がF-15J改修機を含む日本発注機の状況と見通しについて言及したからだ。
Breaking Defenseは21日「DSEI JAPANに出席したBoeingの関係者は今年後半にKC-46Aの5号機と6号機が日本に引き渡されると、日本が今年2月に発注したCH-47Fが航空自衛隊と陸上自衛隊に分割配備されると、CH-47Fに対する日本からの追加受注を期待していると、日本が進めているF-15J改修機はセントルイスの施設でシステム統合作業が進行中と述べた」と、さらにBoeingや三菱重工業の関係者はF-15J改修機の納入スケジュールについて尋ねられると「防衛省か航空自衛隊に聞いてほしいと述べて自らは口を閉ざした」と報じている。
EPAWSS以外の作業スケジュールに関する情報がないので推測しようがないのだが、何となく1号機の引き渡しは2020年代末~2030年初頭、予定している68機の戦力化が完了するのは2030年代半ばのような気がする。勿論、何の根拠もない管理人の予想に過ぎない。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Cpl. Samantha Rodriguez
自国開発が重要なのが、よくわかる。
LRASMのF-15EXでの運用の話があったが、絡むかな?
自国開発とっても大事。だがそれだけでいいとは思わない。とは言え今自国開発の部分が圧倒的に足りてないからより推進したいところ。
ボーイングの納期への揺るぎない信頼感。
しかし、F-15を対艦ミッションに使用する国って他にあるのかな。
おおよその時期として、戦力化完了時期と共にF-15J MSIP退役開始くらいか……
大丈夫か?
これ、もう改修諦めてF-15EXの列に並び直したほうが、まだ新しいだけマシなんでしょうか…
F-2のライン閉じてなければ、もう少しマシな地獄で済んだのかもしれませんが。
F-35も駄目、F-15の改修も駄目、F-2も駄目…どうすりゃいいんでしょう…
クリリンじゃないですが、「GCAP!!早く来てくれー!!」
GCAPが追い付くかな。
世の中平和だなぁ。
もちろん間に合いませんよ。
GCAPは30年代半ばの予定ですけど、スケジュール通り行く訳ありませんし。
改めて自国開発の大切さを噛み締めた、ただの心の叫びです…
それやるぐらいならFSX国産案を引っ張り出すかXF9とF-3向け試作レーダーを搭載したぶちこんだほうが方がましかと
米製の兵器の価格と欠陥と制限を考えれば政府が国産にこだわるのは当然の成り行きだ。多少時間がかかっても米製を買うよりは遥かにマシだ。しかし政治家、専門家達は「米国の方針」「米国に怒られないように」「米国と同盟を維持するために」要求に近づけるために日本の防衛方針を考えている。これは衛星国の特徴であり亡国への道に他ならない。ウクライナを見ていれば自明だ。衛星国は使い捨てられるのが運命だ。
自国を自力でいかに守るかという事に特化して外交、防衛戦略を考えるべきだ。「台湾有事は日本有事」などという内政干渉スローガンはハッキリと捨てて防衛方針を組み直さなければならない。日本は決して核保有国との軍事衝突コースに入ってはならない。台湾防衛への関与などは日本にとっては自殺だ。
タラればで他国に従属したいい加減な防衛方針でいたずらに国民の血税を消費することは国民の国を守るという意思を喪失させてしまう。国民が命を懸けて守るのに値する国にしていくが政治家達の使命だ。
ウクライナってどこの衛星国でしたっけ?
それと我が国に攻め込まんとする仮想敵で核保有していない国なんて韓国くらいですかね。
殴り合う可能性がある敵は核保有国ばかりな環境で、自力のみによる国家防衛の具体的なプランがあれば教えて欲しいものです。
EPAWSSって、日本語でどう呼んでます?
イーポウズとか、エパウスとか…
電子魔法かっこイーポウズ!
こういうの見てるとやっぱりF47は大丈夫か?となりますよね。F47の記事でF47への参加とかのコメントありましたがやはりGCAPの維持がいいんじゃないですかね。GCAPは今の所大きな問題もなく(サウジ等の問題があれど先日英国担当大臣はスケジュール維持を明言した)順調そうですし。そもそもF47とGCAPが目指す戦闘機像は一緒なのか?と言われるとそうでもない。
F-35は原状対艦ミサイルがまだ撃てない、JSMも足りていないし
自衛隊が12式能力向上型や高速滑空弾、極超音速ミサイルの開発を急いでいるのは、
航空機からの対艦攻撃が、改修遅れと中国海軍の防空能力向上で厳しくなる、という背景があるんですかね…
ASM-3対応のF-2が31機に、更に12式対応が二航空隊機分だとか。
SSMとかと一緒には撃つんだろうけど、飽和攻撃できるのかな。
対艦ミサイルについてはF-2が震災で減っちゃったので可能な限りF-35を早く対応させてほしいもんだ。
一応減ったのは非作戦機なだけましよ。
そもそも戦闘機の数自体足りてないから戦闘機なんかにやらせるより陸上から撃った方が良いというのもありそう
戦闘機はある程度防空に専念しても良いんじゃないですかね