モロッコ国防省は20日、フランスからミサイル防衛システム「SAMP/T(Surface-to-Air Missile Platform/Terrain)」を導入することを発表した。
参考:Morocco to purchase missiles, missile defense system from France
ミサイル防衛システムにパトリオットではなくSAMP/Tを選択したモロッコ
当初、モロッコはロシアから防空システム「S-400」導入を希望していたのだが米国の圧力によって断念、結局モロッコはMBDA傘下のユーロサムが開発した「SAMP/T」を導入することになった。
このSAMP/Tは艦対空ミサイル「アスター」の陸上配備型で航空機や巡航ミサイルだけでなく短距離弾道ミサイル迎撃に対応した「アスター30 Block 1NT」も運用することが出来る。弾道ミサイル迎撃能力は米国のパトリオットが使用するPAC-3弾とほぼ同等(迎撃高度約2万メートル前後)で新たに中距離弾道ミサイル迎撃に対応できる「Block 2BMD」の開発も進行中なのだが、実はモロッコは米国からパトリオット購入を打診されていたのに敢えてSAMP/Tを選択したという点が非常に興味深い。
モロッコはフランスの保護領(実質的な植民地)だったのだが両国関係は良好でフランスからの兵器購入も少なくないのだが、モロッコの兵器需要の大半を抑えているのが米国でモロッコはここ数年だけ見てもM1エイブラムスM1A1SAを222輛、最新のM1A2Sを162輛、F-16Vを25機購入しており、さらに40機保有するBlock52をV仕様へアップグレードを行う契約まで結んでいる。
フランスもイタリアと共同開発したフリゲート艦「FREMM(アキテーヌ級駆逐艦)」をモロッコに輸出しているが陸と空は完全に米国に独占(若干中国製が混じる)されているため、当然パトリオットを購入するものだと思っていたのにSAMP/Tを選択したということは兵器調達先の維持=バランスをとったのかもしれない。
その結果、モロッコ軍の戦闘車両は米国製(M1)やロシア製(T-72BK)や中国製(VT-1A)が混在するが、航空戦力は米国製(F-16)、海上戦力はフランス製(FREMMやフロレアル級フリゲート)とオランダ製(シグマ型コルベット)、防空システムは中国製(HQ-9B)とフランス製(SAMP/T)で構成されることになる。
こう見ると果たして中国製の防空システムからF-16をどのように識別するのかが気になるが、恐らくIFFでの識別は困難なのでもしかしたら無線による口頭確認なのかもしれないと考えると何となくジワジワ来るものがある。
※アイキャッチ画像の出典:Z3144228 / CC BY-SA 4.0 シンガポール軍のSAMP/T
ムハンマド6世(アキテーヌ級)にアスター15積んでるから完全新規ってわけでも無いのかも
ジワジワ来る、わかる(笑)
モロッコのみ(他はトルコ?)が保有する、東西入り混じってのデータ。
東西、紅白問わず。
入手したい筈。
それを狙ったのか知らん?
基本は保険だな
どの国とも関係悪化に備える意味で
フランスは、無償で提供すべきだな。旧植民地に・・
西欧のODAは、完全な自国製品ウリのシナ流貿易政策だからな
知らない人間や忘れがちな人もいるが実はフランスは太平洋国家
他と比べると目立たないがフランスもなかなかの死の商人だよな
知らない人間や忘れがちな人もいるが実はフランスは社会主義国家
>無線による口頭確認なのかもしれないと考える
レーダー職人の朝が早くなりそう