安全保障分野で米国との関係が悪化するサウジアラビアは「ドイツフリー」の戦闘機を求めてラファールに関心を示しており、独自の技術体系をもつフランスや中国は「サウジアラビアが脱米国製兵器を決断するかどうか」に注目しているかもしれない。
参考:Rafale, SCAF : les tentations embryonnaires de l’Arabie Saoudite
参考:Suudi Arabistan Almanya’nın ambargosu sonrası Rafale yolunda
参考:Scholz: Germany won’t deliver Eurofighters to Saudi Arabia in near future
参考:L’Arabie Saoudite pourrait se venger des USA en se tournant vers la France
参考:Saudi Arabia mulls French fighter jet purchase amid strained relations with US after cut in oil production
参考:Saudi Arabia-China Defense Relations: Al-Otaibi and Shangfu discuss air defense, laser systems, and drones
参考:Saudi Arabia-Air Force: Speeding up talks with China on the FC-31 program
サウジアラビアが米国製兵器への依存を断ち切ると決断すれば「相当量の交換」が必要で、フランス、中国、ロシアにとっては目が離せない状況
サウジアラビアは2006年に72機のタイフーン導入で英国と合意、途中で機体価格の値上げ問題などを経験したものの2017年6月までに72機全ての引き渡しを完了、これを受けて両国は48機の追加で合意したものの、ドイツは「ジャマル・カショギ氏殺害事件に対する説明に納得できない」と理由でサウジアラビアへの禁輸措置(タイフーンを構成する部品の1/3がドイツ製)を発動、ここにイエメン内戦に対する批判も加わり、ショルツ首相は先月「サウジアラビア向けのタイフーン輸出を直ぐ承認することはしない」と言及。
ロイターは独政府筋の話として「この問題を連邦議会の任期が切れる2025年まで議論しない」と、政府文書を入手した現地メディアも「政府はイエメン内戦が終結するまでサウジアラビアに対する輸出許可申請を認めない方針だ」と報じており、米国のバイデン政権もイエメン内戦や人権問題を理由にサウジアラビア向けの武器輸出を純粋な防衛機器に限定する方針を掲げているため、サウジアラビアは武器取引先の多様化と国産化に乗り出している。
ここに食い込もうとしているのが中国やロシアで、特にサウジアラビアと中国は第5世代戦闘機、無人機、徘徊型弾薬、レーザー兵器、防空システム、電子戦システムなどの取引について協議を進めており、FC-31=J-35に関しては「契約がまとまる可能性がある」と噂されているものの、FC-31が入手できるのは当分先の話なので「ドイツフリー」を求めてラファールに関心を寄せているらしい。
仏La Tribuneは昨年末「サウジアラビアがラファールの調達に関心を示し、この話が実現すれば100機~200機の取引になるかもしれないが同国の関心はまだ初期段階のものに過ぎず、まだ契約の話をするのは時期尚早だ」と報じたが、ドイツがサウジアラビアへの禁輸措置を当面解除しないと判明したためラファール導入が現実味を帯びてきた。
さらに米上院は石油減産に踏み切ったサウジアラビアに対し「石油価格の上昇でロシアを支援している」と批判し、純粋な防衛機器に限定されていた武器輸出の凍結をバイデン政権に要請しているため、中東や北アフリカ地域のメディアは「サウジアラビアの米国離れは加速した」と見ており、この状況について中国メディアも関心を示している。
サウジアラビアと米国の関係がフランスとの関係にとって変わるのかは不明だが、もしサウジアラビアが米国製兵器への依存を断ち切ると決断すれば「相当量の交換」が必要になるため、中国やロシアもサウジアラビアの状況に注目しているだろう。
もし欧州まで突き放せば紅海に面したサウジアラビアは中国やロシアの影響を大きく受けることになるため、この問題は「安全保障で中国やロシアに接近するならサウジアラビアを切り捨てればいい」という簡単な問題ではない。
関連記事:禁輸と不正で苦境のエアバス防衛部門、戦闘機タイフーンも空中給油機も輸送機も不振
関連記事:英メディアはサウジのGCAP参加を概ね支持、日本人アナリストは反対理由を説明
関連記事:サウジアラビアが要請したGCAPへの参加、英伊は前向き、日本は反対
関連記事:中国仲介でイラン、サウジ、UAE、オマーンが合同海軍部隊を結成か
関連記事:中国がサウジアラビアとFC-31輸出交渉、技術移転と現地生産を提案
関連記事:サウジアラビア、軍事関係強化で合意した中国と第6世代戦闘機について協議か
関連記事:低下する米国の影響力、中国とサウジアラビアが軍事関係の強化で合意
関連記事:中東諸国の取り込みを狙う中国、サウジアラビアでFC-31の売り込みを開始
関連記事:米防衛産業は真っ青、バイデン政権がサウジへの軍事支援中止を今日にも発表
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Koby I. Saunders
サウジは簡単に切り捨てられるほど軽い存在じゃないけど、自由主義陣営からしたらかなりクソの類なんだよな……。
それで民主党政権は90年代からずっとアメリカの国益を損ねている訳だけどね。
サウジの反米感情はインテリ層でもかなり根強いからな…
CNNのサウジ大学生へのインタビューの際、当局の監視の元かつ選抜された学生だったにも関わらず
CNN記者が突っ込んだ質問をしていくと反米感情が爆発寸前となり、インタビューは中止された
陰謀論やビンラディンのような反米思想でびっくりした
これまでサウジ王族は親米路線とってきたが、皇太子の代で変わってしまいそうだ
バイデンになってから明らかにサウジアラビアはアメリカをナメきってる。
あんだけ西側で騒がれたカショギ殺害事件の件もサウジ皇太子に免責なんか与えるべきではなかった。
主義と実利は分けて考えるべきですね。
生物も国家も生存能力は環境適応能力の部分が大きいので、主義と実利で反している場合には、主義に「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」してもらうべきでしょう。
日本の太平洋戦争が深みにハマったのは大東亜共栄などという主義や理想で突き進み、実利という現実問題を軽視していたからだと思います。
米英なんかはソ連の赤や中共のIS擬きゲリラなんかとそれはもう仲良くしてたわけですし、今日に於いても、見て見ぬ振りしてることなんて多岐に渡るわけで、
そも選べる、選り好み出来るような立場なのかという問題からして現実ですね。
いつもの事じゃないですか?
ニカラグアのコントラとかアフガニスタンのムジャヒディンとかイラクのフセインとか
どれだけ人権無視の極悪団体でも利用価値のある内は援助して勢力拡大させて、都合悪くなったらポイ
それが自由主義陣営の仲魔達
目の前の仇を討つために全く価値観が異なるが利害が共通するパートナーと手を組む→仇を討った後は価値観の違い、若しくは自らを脅かすほど強大化したかつてのパートナーが敵となる、はアメリカのお決まりのパターンです。現在アメリカは中国を討つためインドに接近し、イスラム原理主義者に対抗するためクルド人と手を組んでいるが、インド人もクルド人も西洋的普遍性なんて持ち合わせておらず、強大化すれば周辺地域やアメリカを脅かす存在になるかもしれない。
アメリカが真の意味で信用できる相手は、イギリスやフランス、西欧の小国のように文化的にほぼ共通する者若しくは日本やドイツのように軍事的に完全制圧した者しかいない。
サウジアラビアはつい先日も、難民を数百人国境警備隊が射殺して放置みたいな報道されてますよね
ロシアにせよ中東諸国にせよ中国にせよ、なんで資源がある国が独裁的で、欧州やら日本やら民主主義国家は資源がないんでしょうか。。
民主主義国家に資源が沢山あり、専制主義国家には資源がなければ今よりずっと平和だったのではないか
それとも、資源があるからこそ国民は独裁主義国家でも資源が売れて生活できればまあいいやと満足しがちであり、資源がないから民主主義国家になりやすいのか
何を根拠にサウジアラビアを非難しているのですか?
彼らからしてみれば「集団不法入国の現行犯」でしょう?
難民条約に加盟してないんだから他国がとやかく言うのは
ただの内政干渉です。難民の発生はその祖国の責任です。
日本などの難民に関する制度を持っている国が存在するからといって
全ての国がそれに倣わねばならぬ謂れはどこにもありません。
例えば北朝鮮の全国民が難民と称して日本に押しかけたらどうしますか?
衣食住の面倒を見きれますか?工作員が紛れていないと言い切れますか?
彼らが日本で犯罪を起こさないように四六時中監視できますか?
国家運営とは子供の絵空事ではありません。
西側諸国の価値観では難民を拘束の上強制送還ならまだしも即射殺はNGです。
内政干渉言うなら日本もウイグルにとやかく言えませんね。
ウイグル弾圧問題は中国政府の責任だから彼らを責めていいでしょ?
エチオピアの失政により発生した難民についての責任を何故サウジが負うのですか?
国境侵犯を目論む数百人を(警備隊員の負傷なども無しに)一度に拘束できますか?
数百人を強制送還の旅費はだれが払いますか?西側諸国の価値観が国際基準であり
他の地域はそれに従えという啓蒙主義発想が疎まれているから未だにロシアに賛同して
取引を続ける国が存在するのですよ。
難民を殺すことはサウジアラビアの責任だからサウジアラビアをせめてよいですね。
難民を受け入れないことと、難民を殺すことが同じ意味のはずがありません。
「国内のルールに基づき、警備員が身を守るためにやむを得ず実施した。」という話ならば、責められないのでは。
それこそ欧米の国々は「自称」死刑廃止でも、実態としてはは躊躇なく危険な犯人を射殺するでしょ。
「はずがない」とかで「西側諸国の価値観」とやらを根拠もなく押し付けても意味はないでしょう。
サウジアラビアの国内で不法入国者相手にやってるなら裁けるのはサウジアラビアの法だけでは。
国連やら人権団体やらが文句を言う事は出来てもそれ以上の事は出来んでしょう。
もちろんこの件を見て個人がどう思うかは別問題で、自分個人としてはクソ行為だと思うしGCAP参加したいならそーゆーとこ何とかせいや、とは思いますが。
難民かどうかは受け入れるサウジが決めること。
サウジが難民認定しないならただの不法侵入者でしかない。
これは西側も同じ。
難民条約に入ってようがいまいが、根拠なく殺したらただの殺人ですし、数百数千人に及べば大量虐殺です。
不法侵入の罪が裁判なしで即決死刑なんですか?
モラルがソ連以下なんすよ。ソ連はまだ悪いと理解できてたからやってはいたが否定しましたけど、あなたはそもそもしていいことと理解しているので。
北朝鮮の難民が万単位で流入を企図しても、殺して良いわけじゃないです。
それやったら拉致問題とか吹っ飛びますよ。
どっちもどっちにすらならない。
殺すつもりで拉致してないだけ北朝鮮のがマシなんで。
撃退が誘拐より悪いというのならきっとそうなんでしょうね^^
不法越境者の排除の為の実力行使は刑罰じゃないから即決死刑呼ばわりは馬鹿杉
単に犯罪者を制圧してるだけで国家主権行使の範疇
不法越境は世界的に見て重大犯罪なんで無警告での射殺でも妥当と言う他ないし
犯罪者である不法越境者の実力排除より国家主権の侵害も甚だしい違法な拉致の
方がマシとか気が狂ってるね
難民の虐殺は内政干渉ガーでは済まない問題。ウイグルも同じ。国内の問題だろうが非人道的な行いは批判されてしかるべきこと。
非人道的なのは国民を弾圧したエチオピアであって、他所者を撃退したサウジアラビアではない。
難民を生み出したエチオピアと、その難民を虐殺したサウジアラビアの両方共に非難すれば良いんじゃないの?
非難で解決するとは思えないが。
まあ、サウジアラビアも、フーシ派に相当な事をされてるので同情はする。
スンニ派とシーア派を仲良くさせるのは無理。
イランに対抗するにはサウジアラビアを切るわけにもいかんが、民主主義国は人権無視も出来ない。
だから西側ではフランスこそが死の商人だとあれほど…
カダフィやフセインイラクにも売ってきた実績で人権状況に配慮しないで兵器を売る
アメリカは兵器輸出のハードルが高い国
これで人権を語るという、面の皮の厚さでは中国と良い勝負だよな
RHA換算900mmくらい
昔、リビアの内戦でカダフィ軍の傭兵がF2000やG36みたいな銃を持ってた。ヨーロッパ全体として無節操に武器を売る癖があるんでしょう。
フランスはフランスで次はドイツと組んでるしな
それを考えるとロシアか中国の方がサウジ視点では楽かもしれんぞ
やはりGCAPに入ってもらっちゃ困る相手だな。
下手すると米製の機材やシステムがサウジ絡みでリリースされないなんて事に成りかねない。
中国ズッポリになられたら困るのは確かだが、かと言ってGCAPに参加させても中国と手を切るわけで無し、メリットよりもデメリットの方が大きいよ、やはり。
これはまあそうだよなぁ。
オイルマネーは魅力だけど、それに隠れたデメリットがデカすぎる。
英伊は賛同って言ってたけど、風向きも変わってるんじゃないかな?
別に今回全く新しく起きた驚天動地の大事件、という様な内容でもないので、これで簡単に風向きが変わったりはしないと思います。
ただGCAP参加打診後の現在進行形の事態ですので、参加に反対するつもりなら交渉材料の一つにはなるかもしれませんね。
なんというかまあ酷い連中だなサウジは。
自由主義の西側と轡を並べるのもそろそろ無理なのかもしれない。
石油取引が国益になるから付き合ってきただけの間柄を「轡を並べる」と表現するのは如何なものでしょうか。
>石油取引が国益になるから付き合ってきただけ
あと、スエズまで繋がる紅海の通行権ね。アデン湾を扼すイエメンと、その内戦も同様ですよ
仮に石油が枯れたところで、スエズが物流の要衝なのは変わらないでしょうから
フーシ派が対艦ミサイルすら持っていやがるせいで、ソマリアの海賊対策に巡視船などでは不十分で、対艦ミサイル防衛能力の有る軍艦を出さざるを得ない状態になっている訳で
サウジが大国になり強くなって物を言うようになったように感じる。
元々サウジの王族は砂漠を放浪する部族の長で国を抑えられる勢力は元々なく武力も当然ない。
それがアメリカが石油利権を寄越せば一生面倒見てやるとの密約でアラブの大国の国王になった。
元々弱いから世界最強の暴力団の米国には最近まで気を使ってきた。
カショギ氏の事件のようなことは、これまではやりたくても自重してきた。
国王の代も代わり生まれた時からサウジが大国で自信がある皇太子が実権を握ったためキバを隠さなくなったと思う。
これは習近平と同じで独裁国家は力の論理なので、そうなると予想して動くべきだった。
イラクのフセインもそうだったのでしょう。
今だとエルドアンのトルコが逆コースに行きそうな感じがある。
トルコはソ連の脅威からNATOに守ってもらっている部分があり、西欧化して文明国の仲間入りを目指していたのを方向転換した。
戦前の日本も同じで西洋化しようとしたけど日露戦争勝利してから変わった。
中国に対して満州事変に勝利して勢い付き、南京でもお代わりを要求しだした。
単に軍事的に相手に勝てるからといつて無制限に侵略していった。
(通州事件などコミンテルンの陰謀はあったでしょうが、戦線を最大限拡張して行った)
大東和共栄圏も真面目な日本人を騙す口実でしかない。
インドネシアやフィリピン現地人の扱いが酷く、特にフィリピンでは米国が独立承認が規定路線であったからフィリピン人は初めから共栄圏には白けていた。
インドネシアは初めは共栄圏を信じてたが日本軍の土人扱いが酷く最終的に日本は帝国主義の手先だと見破られた。
今の日本のような自由主義国にとって独裁国家・権威主義国家は厄介で相容れない存在で、強くなってもらっては困る。
北朝鮮も強くなったら厄介な存在になるとして思えないから、どうにかして国家転覆してもらいたい。
北朝鮮も恫喝できるようになったら、昔の日本のように無制限に恫喝してくると思う。
サウジアラビアは、サルマン副皇太子への権力集中(王族の政敵排除・弱体化)に成功しましたからね。
ジャーナリスト殺害問題に触れると、外交関係の悪化に直結しています。
バイデン大統領の米国政府も、繰り返しこの問題に触れた結果、原油の増産要求を無視されています(米国のインフレ対策です)
独裁国家は、トップダウンの力が極めて強いため、フランス・ロシア・中国が商談をまとめる可能性も充分あると思います。