米国関連

岩国基地の米海兵隊「F-35B」が事故!F/A-18Dに続き1週間で2件目の「クラスA」事故

日本の岩国基地に展開する、米海兵隊F-35Bが、バードストライクが原因でクラスAの事故にあった。

参考:Bird strike causes more than $2 million in damages to Japan-based Marine Corps F-35B

F/A-18Dに続き、F-35Bが事故、クラスAの事故が1週間で2回

米海兵隊、第1海兵航空団の広報担当者のエリック・フラナガン少佐によれば、5月7日、日本の岩国基地に展開している第12海兵航空群所属VMFA-121のF-35Bが、滑走路から離陸した直後にバードストライクに遭遇、そのため緊急着陸を行ったと話した。

出典:public domain 垂直着陸中のF-35B

事故にあったF-35Bは、機体に200万ドル(約2億円)以上のダメージを受けたため、クラスAの事故に分類される。

米軍は、軍で発生した事故をA/B/Cの3段階に分類する。

人員に対する怪我を含め、5万から50万ドルまでの損害の事故をクラスCに、人員に対する恒久的な部分障害が残るほどの怪我を含め、50万ドルから200万ドルまでの損害が発生した場合、クラスBの事故に分類される。

そして人員の死亡を含め、総額200万ドル以上の損害が発生した場合、クラスAの事故に分類される。

今回、岩国基地でバードストライクによりダメージを受けたF-35Bの詳細な情報は明かされていないが、恐らくは、機体の左右にあるエアインテークか、海兵隊向けのB型特有の装備、機体上部にあるリフトファンに、野生の鳥が吸い込まれ、F-135のタービンブレードが損傷したか、リフトファンブレードが損傷した可能性が高い。

そのため、機体のダメージを回復させるには、エンジンの交換が必要になる。

出典:Attribution: Tangopaso / CC BY-SA 3.0 F-35B用のエンジン「F135-PW-600」

F-35Bが搭載するエンジンの価格は、現在生産が行われているロット11(A型・C型用が110基、B型用25基)の契約総額が約20億ドルなので、単純に計算すれば1基あたり約1500万ドル(約16億円)だ。

B型用の「F135-PW-600」は、通常型の「F135-PW-100」に比べて、垂直上昇用のリフトファンや、エンジンノズルの偏向機能など構造が複雑なため通常型よりも高価だ。恐らく1基あたり2000万ドル(約21億円)程度はするだろう。

米海兵隊にとって、クラスAの事故は、今週に入って2度目だ。

5月3日には、アイダホ州にあるマウンテンホーム空軍基地から飛び立った、第2海兵航空団所属のF/A-18Dがエンジン火災のため緊急着陸するという事故が発生した。この事故も200万ドル(約2億円)以上の損害が確実なため、クラスAの事故に分類された。

現在、岩国の事故は調査中で、完全被害評価は確定していない。

 

※アイキャッチ画像の出典:Attribution: Airwolfhound from Hertfordshire, UK / CC BY-SA 2.0

ロッキード、F-35Aを8,028万ドル(約88億円)に引き下げ!優位を失ったF-15EX導入の行方は?前のページ

推進用プロペラで高速飛行!Advanced AH-64 Block 2 をボーイングが発表次のページ

関連記事

  1. 米国関連

    米国が長距離攻撃兵器を含むウクライナ支援パッケージを準備中、GLSDB提供か

    ロイターは長距離攻撃兵器のGLSDB(地上発射型小口径爆弾)が含まれる…

  2. 米国関連

    欧州に追いつく?F-35はアップグレード実行で「第6世代機戦闘機」に到達

    ロッキード・マーティンは「第5世代機から第6世代機へは、第4世代機から…

  3. 米国関連

    ウクライナで実証されたドローンと手榴弾の組み合わせ、米陸軍も演習でテスト中

    ウクライナ戦争で多用される小型ドローンを使用した手榴弾による攻撃は「塹…

  4. 米国関連

    芳しくなくT-7Aの開発状況、量産機引き渡しは2023年から2025年以降に変更

    米軍採用を勝ち取ったボーイングのT-7A開発状況は芳しくなく、2022…

  5. 米国関連

    S-400問題、米上院議員がクアッド構成国に対ロシア制裁を10年間免除する法案を提出

    テッド・クルーズ上院議員は仲間の共和党議員(トッド・ヤング氏とロジャー…

  6. 米国関連

    豪州のアタック級潜水艦より安い? 米海軍、バージニア級原潜ブロックV建造に3.8兆円を投資

    米海軍は12月2日、ゼネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボートに対…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 5月 14日

    エイリアンの亜種に見えた・・・

    • 匿名
    • 2019年 5月 15日

    空自の事故原因は、解明されたの?

    • 匿名
    • 2019年 5月 15日

    まあ、バードストライクはしゃーないんじゃね。

    F-35Bは吸引口がでかいだけにリスク高そうw

    • 匿名
    • 2019年 5月 16日

    バードストライクは防ぎようが無さそうな事故だしなぁ
    人為的とか機体の不具合とかじゃないからねぇ

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  3. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
PAGE TOP