軍事的雑学

戦闘機の次はブーツが足りない?自費でブーツを購入するドイツ軍兵士

ドイツ軍の兵士が履くブーツの底は外れ、かかとには水ぶくれができるため、兵士たちは自費でブーツを購入する羽目に陥っているという。

参考:Soldaten müssen bis zu anderthalb Jahre auf neue Stiefel warten

ドイツ軍の兵士は自費でブーツを購入しなければ足元を守れない

ドイツのターゲスシュピーゲル紙は、ドイツ軍の酷い状態は戦車や飛行機のような主要装備に限られた話ではなく、兵士が普段から身につける軍服やブーツなど基本的な装備も含まれていると報じている。

ドイツ軍を管轄する連邦国防省は3年前の2016年、古くて重く問題が多い兵士用ブーツを刷新すること約束し、新たに重戦闘用ブーツ2組、軽戦闘用ブーツ1組を兵士に配布するを決定したが、未だに多くの兵士の元に新しいブーツが届いていない。

なぜ3年も経過しているのに新しいブーツが兵士の足に行き渡らないのか?

連邦国防省によれば、ブーツを製造する産業の生産能力が限られているためとし、2022年半ばまでには兵士の元にブーツが届けられるだろうと話した。

これに対しドイツ議会の議員は、18万人の兵士に新しいブーツを行き渡らせるのに8年もかかるなんて奇怪で、これは兵士のファッションの問題ではなく安全性の問題であり、消防士がスリッパで消火活動に出動することを想像してみろと批判した。

兵士には気候や環境に合わせて、正しい「左右が揃った」ブーツを装備することが重要で、現在の新型ブーツが置かれた状況はとても恥ずかしいと付け加えた。

現在、183,000人の兵士のうち160,000人に対し1つ目の重戦闘用ブーツが供給されたが、スペアの重戦闘用ブーツは未だ届いておらず、軽戦闘用ブーツに関しては30,000人にしか届けられておらず、新型ブーツの配布方法にも問題があり、兵士の士気を低下させる原因になっているという。

出典:MoiraM / stock.adobe.com

多くの兵士の認識によれば、新型ブーツは新兵に対して優先的に供給してきたため、多くの熟練した兵士たちには新型ブーツが与えられないため、新兵よりも格下、二流兵士のような扱いを受けていると感じており、士気が低下していうと言う。

このブーツ問題の核心は、アフガニスタンやマリ、イラクに派遣されている部隊だ。

ドイツ軍が重くて、およそ機能的とは言えないレガシーなブーツを兵士に供給してきたため、欧州とは異なる環境下で使用に耐えるブーツをもっておらず、海外へ派兵される兵士は自費で環境にあったブーツを購入して使用している状況だ。

2012年にアフガニスタンから帰国した兵士の足元には、皆それぞれ異なるブーツが履かれていたため問題が表面化、2種類の新型ブーツへの更新が始まった。

この新型ブーツの内、海外に派兵される兵士が望んでいる軽戦闘用ブーツはスウェードで作られており、製造に手間がかかるため供給開始から3年経っても全数量の17%分しか供給されておらず、しかも新兵に対して優先的に供給されているため、本当に必要としている海外に派兵される部隊や兵士に届かないという意味だ。

恐らく、この問題は数量が足りないという点ではなく、少ない数量でも、必要としている部隊から供給を行えば、ここまで批判されるような話ではないはずだが、そんなことすら配慮できない=ドイツ軍という組織が硬直化していることを示す良い(?)例だろう。

 

アイキャッチ画像の出典:kaninstudio / stock.adobe.com

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コメント

    • レイシア
    • 2019年 8月 31日

    緊縮財政とは言っても、使う兵士に届かない物なら……意味がない。

    本当に兵隊が可哀想ですわ

    • 匿名
    • 2019年 8月 31日

    自衛隊も支給される半長靴が良くなくて自費でブーツ買ってるとか言う話をどっかで聞いたような…?
    先進国は兵士の給料が高いってのも問題だけどそこは削れるわけもなく悩ましいとこだね

      • 匿名
      • 2019年 9月 02日

      そうらしい。
      歩いてるうちに靴底がはがれるとか…。

        • 匿名
        • 2019年 9月 11日

        はがれません。丈夫です。

        国内で使うことを前提とした仕様の物をジプチの炎天下のアスファルトで履いたら別ですが

    • 匿名
    • 2019年 8月 31日

    陸上自衛隊も個人装備の一部は自腹とか昔から言われているけれど、ブーツの生産能力が足りないから支給に何年も掛かるとか、必要とする部隊へ優先して配備しないって言うのは無いでしょう…これはひょっとすると、軍と受注企業の間に癒着があったり、軍上層部と現場の部隊間に確執があるんじゃないか?
    そう考えないと、到底説明が付かない。

    • 匿名
    • 2019年 9月 01日

    俺も受注企業と軍上層部の癒着があると思う。とても全ドイツ軍に供給出来る程の、生産能力がある企業とは思えない。

    軍ではないが似た様な話が数年前のタイであった。タイ”全土”の警察署の建て替え工事を、政治家やタイ警察幹部に賄賂送った”地方の小さな建設会社”が受注したんだが、タイ”全土”の全ての警察署の建て替え工事を、地方の小さな建設会社では到底まかない切れず、全国の警察署を”順次”建て替え工事をしていく事になったんだが、困った事にまさかそんなに小さな会社が落札したとは思って無かったいくつかの地方自治体は、すぐに新庁舎建設工事が始まると思い、現在使ってる庁舎を既に解体してしまった。

    だが先述の通りの企業規模の落札企業では、順調にいっても建て替え工事の順番が回って来るのは数年後。さすがに数年間も”青空警察署”という訳にもいかないので、解体され掛かった半壊の旧庁舎で臨時開店しつつ、慌てて役所の一部を間借りしたりしてしのいだ。この問題が明るみに出て、入札はやり直しになった。癒着も酷いとここまでのレベルになる。

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