中国のグローバルタイムズ紙(環球時報の英字版)は、ロシアが開発した第5世代ステルス戦闘機「SU-57」の改善点を指摘した。
参考:Su-57 has finer craftsmanship; weapons bay needs improvement
ステルス機のはずなのに?SU-57のウェポンベイに隙間がある?
中国のグローバルタイムズ紙(環球時報の英字版)は、現在、ロシアで開催中の「MAKS国際航空ショー」に地上展示されている第5世代ステルス戦闘機「SU-57」を観察し、これまでのロシア製航空機と比較しても、機体表面の仕上がり(リベットによる凹凸がないという意味)が素晴らしいと褒めた。
しかし、機体下部に設けられたウェポンベイの開閉扉が閉じた際、左右の扉が完全に一致しておらず、隙間が生じており、このような部分はステルス性能に悪影響を及ぼすため改善が必要だと指摘した。
正確に言えば、MAKS国際航空ショーに展示されていたのは「SU-57」の輸出バージョンである「SU-57E」という建前だが、SU-57は未だ量産機は存在せず、地上試験機を含めても試作機は13機しか製造されていないため、輸出バージョンの「SU-57E」は実機が存在しないと思われる。
MAKS国際航空ショーに展示されていた「SU-57」の機体に書き込まれたナンバーは「057」で、これは「T-50-7」と呼ばれる地上試験機である可能性が高く、グローバルタイムズ紙が指摘したのはウェポンベイの問題を抱えるSU-57は、飛行可能な試作機ではないと言うことになる。
この地上試験機は一体どのような目的の試験に使用されたのか不明だが、もしかするとウェポンベイはダミー(本来の構造を搭載していないハリボテ)の可能性もあり、量産機がこのような雑な精度で出荷されることは無いだろうと思いたい。
もし、ウェポンベイの開閉扉に隙間が生じるような量産機が出てくるのなら、ロシア人は「ステルス」について、もう一度勉強し直す必要があるというのは冗談だが、折角、一般向けに初めて「SU-57」を公開するためMAKS国際航空ショーに展示するのだから、このような見っともない部分は「良い意味」で隠せばいいのに・・・と思うのは管理人だけだろうか?
もしかするとロシア人にとって、ウェポンベイに生じた多少の隙間など「ジオングの足」程度の認識なのかもしれない。
ロシアは攻撃ヘリが600km/h以上の速度を出すための解決策を見つける
あと一つ、MAKS国際航空ショー関連で気になる話がある。
参考:Российские конструкторы нашли решение по разгону боевого вертолета до 600 км/ч
ロシアの航空機メーカーであるカモフの設計者は、攻撃ヘリが600km/h以上の速度を出すための解決策を見つけて、すでに特許を取得したとMAKS国際航空ショーで発表した。
一般的にヘリコプターの最高速度は技術的な限界もあり350km/h前後が一般的だ。
これ以上の速度を可能にするには、米国のシコルスキーが現在開発中の複合ヘリコプター「S-97」がプッシャープロペラを装備して、水平飛行時400km/h以上の速度を出すことが出来るというが、今回、ロシアのカモフが発表したのは600km/h以上の速度を出すためのアイデアだ。
カモフは600km/h以上の速度を達成するための解決策について、一切詳細を明らかにしなかった。
カモフは現在、お得意の二重反転式ローターを用いた高速ヘリ「Ka-92」を開発しているが、これも「S-97」と同じプッシャープロペラを装備して、水平飛行時400km/h以上の速度が出るらしいが、到底、600km/hには届いていない。
果たして、どのような解決策を見つけたのか気になるが、もしかしたらプッシャープロペラではなく、エアーウルフのようにジェットエンジンで加速するのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:Dmitry Zherdin / CC BY-SA 3.0
YF-23もベイがずれてたな
試作機なんてそんなもんよね。
ウエポンベイはあのょな大面積の扉をマッハを超えた速度域で開くわけで、トンデモナイ応力と機体に対する空力挙動の変化羽与える。
その開閉を数秒でしなければならないからアクチュエーターも駆動電力も大出力なものが必要になる。そして閉じた後はピタッと合わせ目が合わなければステルスには戻らない。
ステルス機を作る上で最も重要な技術の一つ、日本はそれの技術開発も終了したようだが。
しょ、初期生産機に不具合があるのはF35も同じだったから(震え声)
記事にもありますが、問題の展示機は「T-50-7」と呼ばれる地上試験機(※)なので、これのウエポンベイが上手く閉まっていないからと言って「不具合」と報じる中国側の報道はやや無理筋だと思います。
実際、飛行しているSu-57に問題は生じていない様ですし。
それよりも、カモフがヘリの最高速度を600km/hまで出せる新技術をどの様にして考え出したのかについての方が興味深いですね。
※なお「T-50-7」は、元々「T-50-6-1」と呼ばれていて、本来試作6号機になるはずが、2014年4月に試作5号機「T-50-5」が起こしたエンジン火災事故に伴う修復用の部品取りに使われてしまった為、残ったパーツを用いて地上試験機にコンバートされた機体。
尚、試作6号機は別に「T-50-6-2」の名で新造された模様。
過去、「ロシア半導体の父」と言われる研究者が、インテルプロセッサーの数倍の処理能力を安価に達成できるが開発費が足りないと嘆いていて、西側の研究者もその実現可能性に太鼓判を押していたが、いざ出来上がってきたものは数世代前の処理能力にも届かないポンコツだった。
やれば出来まぁす、には気をつけなければならない。
ノズルが丸いんだからその間にあるウェポンベイが多少隙間あったとこでねぇ…?
なんて冗談はともかく隙間空けたまま超音速で飛んだら負圧で扉吹っ飛びそうだし
こりゃこの機体だけの問題なんじゃなかろうか?
あと換気ダクトがエンジンに真っすぐ直結している為にステルス性が低くなっているのも欠陥だよね。
F22とかF35とか換気ダクトにカーブをかけてエンジンとつながっているのにね。
これは機体の空力設計そのものから変えないといけないからね・・・・・・
基本はF-14と同じで、平べったい機体が揚力を発生させる設計。Su-27やMig-29は、F-14を固定翼にしたモノと考えればよい。それをそのままステルス化したらSu-57になる
我が国も24DMUで同様の設計だったので、レーダーブロッカー次第では十分なステルス性を発揮できるのかもしれない(?)
要は、湾曲ダクトや直線ダクトにレーダーブロッカーにしろ、様々な飛行条件でエンジンが十分空気を吸えて回らなければ、そもそも戦闘機として成立しませんから
Su-57もストレートでなく微妙にカーブしてるダクトです。ダクトの延長が長くなり重量の増大や吸気効率が悪化するのを嫌ったためにあのような設計になったようです。ステルス対策としてはレーダーブロッカーと反射した電磁波をダクト内側面の電波吸収体に誘導して減衰させる仕組みで十分なVLO性能が確保できると見込んでるようです
言うは易く行うは難し
展示用のモックアップじゃね?
発泡スチロールで出来てるんだろ