ロシアは現在開催中の「MAKS国際航空ショー」に、伝説の戦闘機「SU-47」を引っ張り出してきて展示し、来場者を驚かせている。
参考:Su-57’s ‘Experimental Predecessor’ With Exotic Wing Shown at MAKS-2019 Air Show
F-22さえ登場しなければ、SU-47が実用化されていたかもしれない
SU-47の原型は、旧ソ連時代にスホーイ社がソ連海軍の空母で運用するための前進翼機の艦載機として開発された「SU-27KM」だが、ソ連崩壊による資金不足により開発中止、艦載機にはカナード翼付きの後退翼機「SU-27K」が採用される。
その後「SU-27KM」はスホーイ社の自己資金により開発が継続され「S-37」として1997年に初飛行、2001年のMAKS国際航空ショーに出品される際に「SU-47」に変更されたが、その後、本機を採用する動きもなく、SU-47を改良発展させる動きもない。
これは米国で開発された「F-22」が第5世代機戦闘機の必須条件に「ステルス」を掲げたため、ロシアもステルスを追求しなければならなくなり、ステルスに不利な「カナード翼」を採用したSU-47をベースにするのではなく、新たにT-50(後のSU-57)として新規に機体の開発が始まったので事実上、SU-47の開発は中断された状態だ。
しかしSU-47でテストされた多くの技術が、SU-57に生かされているため、SU-47はロシアの第5世代戦闘機の基礎になったと言える。
今回、このSU-47が久々(2013年以来?)にMAKS国際航空ショーに展示され、訪問者を驚かせている。
MAKS 2019 Surprise Appearance: The Mysterious Sukhoi Su-47 Berkut Re-emerges. Story and video: https://t.co/UCmxkHat4r pic.twitter.com/Hz1Z4H7Yso
— The Aviationist (@TheAviationist) August 27, 2019
もし米国がF-15の後継機に「ステルス」を取り入れたF-22ではなく、空中機動性をより追求した戦闘機を開発し実用化していれば、機動性を追求したSU-47が実用化されていた可能性もある。
米国が本格的な「ステルス」を戦闘機の設計に持ち込まなければ、ユーロファイター・タイフーンも、ラファールも、今以上に評価が高かったかもしれないし、もっと海外輸出で成功していたかもしれない。
結局、それほど「F-22」が提示した第5世代機の条件は衝撃的だったという意味だ。

出典:U.S. Air Force photo by Heide Couch
最近、軍事関係のニュースに頻繁に登場する「ゲームチェンジャー」という表現があるが、米国が実現した「ステルス」こそ本物の「ゲームチェンジャー」であり、これほど分かりやすいゲームチェンジャーは、ステルス以来、新しく登場していないように思える。
もし、現時点でステルスに次ぐ「ゲームチェンジャー」を選べと言うなら、ロシアの巨大津波を起こす核搭載魚雷もあるが、これは核兵器を搭載したICBMと同じ使えば最後の「ゲームセット」に近い兵器なので、やはり「極超音速ミサイル」が最大の候補者に挙がるだろう。
もしかしたら近い将来、極超音速ミサイルよりも衝撃的な「何か」が登場するかもしれないが、管理人の想像力では思いもつかない。
航空万能論GFを読んでい頂いている方々は、現代の「ゲームチェンジャー」候補に、一体何を挙げるのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典: Yevgeny Pashnin / CC BY-SA 3.0 2013年のMAKS国際航空ショーで飛行するSU-47
真偽は不明にしても、中国が言及しているステルス塗料なるものが実現したなら、これは相当なインパクトがあるのは間違いないでしょう。何しろ形状は無視してあらゆる兵器、機材、兵士までもがステルス性を高められますから。ある意味では未だファンタジー世界のものでしかない光学迷彩の現実的な解とも言えます。
おお、ベルクトだァ。
これの艦載機verが構想されていたとはな…。
AC5のS-32がそれっぽかったな。
実を言うと、ベルクト(S-37、後にSu-47に改称)の艦載機版が構想されていた訳では無くて、S-32(Su-27の後継機)とその艦上戦闘機版であるSU-27KMの開発案が、ベルクトの前身です。
ですので、AC5に出ていたS-32とベルクトは深い関係にあります。
実は、80~90年代にロシアで計画されていた多機能前線戦闘機(MFI)計画に応じたスホーイが提出した前進翼戦闘機案がS-32であり、そのデモンストレーターとして製作された実験機がベルクトなのです。
そもそも、ベルクトはsu-27の艦載機verとして開発されたものですよ。
大型航空機や飛翔体を一瞬で破壊できるほどの長射程・高出力レーザーならステルス以上のゲームチェンジャーになると思います。何せ、一次大戦以降の航空機運用がまるっと無効になって、それこそ塹壕を掘り合う時代に逆戻りしかねないので
或いは陸海空統合の無人軍団システムなんかはどうでしょう?ロボット兵に無人車両、無人艦船、無人航空機までが統合されて軍隊の体を為したり……これはSFの読みすぎですかね
そもそも、ベルクトはsu-27の艦載機verとして開発されたものですよ。
レーザーじゃね
レールガン!
まあ高出力レーザーだろうね
実用化したら質量エネルギーが大正義の砲弾をぶつけ合う
大砲で戦う第一次大戦以前のレベルまで戦闘が原始化してしまう
曲射も可能なレールガンが実用化されたら、海の主役は再び「戦艦」(と呼べるか、呼ばれるかは別として)に戻るかも?
もっとも、極超音速ミサイルにしろ、水平線外の目標をどうやって探知し、その情報を伝えるかと言う問題は大きいですが
レールガンとか衛星軌道レーザー砲台とか神の杖とかですかね?
>衛星軌道レーザー砲台とか神の杖
軌道レーザーはまあ複数台で運用すればグローバルをカバーできるけど、神の杖は質量的に現実性がないです。
軌道エレベーターでも作ればそんなものを作れるようにはなりますが、軌道エレベーターが作れるような平和があるなら、そもそもそんな兵器も要らない・・・。
実際に米軍が次のゲームチェンジャーとして言及してるのはレールガン
現在の規模では火砲の代替にすぎないが、いずれはマスドライバーとして宇宙へ荷物を打ち出すために使用されるような技術
有効射程が人工衛星の軌道高度まで到達する時代が必ずくる
トランプを推す(笑)
航空機に限定しないのであれば、レーザー砲を挙げます。
Su-47、久々に動画を見て関心しました。アメリカのX-29やF-22と比較し、負の静安定を持たせた機体をどのように飛行制御させているのか興味あります。
極超音速ミサイルが額面通りに機能すれば、十分ゲームチェンジャーだと思いますね。戦艦→空母のパラダイムシフトが、そのまま空母→極超音速ミサイルに相当するような気がします。
あとは非対称戦争での、ゲリラ側のドローンによる航空攻撃などでしょうか。
ちょっと未来的なところでは、電磁パルス兵器による無力化攻撃など。ただいずれも実績が不十分で、大国の行く末を左右するような局面で計算できるところまでは辿り着いていませんが…
データリンクと無人機
機動性は現行のsu-35等に比肩しうるのでしょうか?
前進翼のメリットは判で押したように「翼端失速を起こしにくい」「不安定で運動性が高まる」という解説ばかりだけど、たったそれだけで強度的に不利な形状を導入する理由になると思えない。
後退翼では後退角に沿って外側へ流れてしまう気流が、前進翼では機体中心側に集まってくることで
・主翼の揚力(特に翼根付近)が高まる
・翼端渦も減って誘導抵抗が下がる
・水平尾翼や垂直尾翼の効きを高める
・翼端の捻り下げが不要になって抵抗が減る
といった効果があるのでは?と勝手に思ってるんだけどどうなんだろう。