ロッキード・マーティン、ボーイング、サーブの提案書類が出揃い、いよいよカナダの次期戦闘機選定が動き出す。
参考:These three companies submitted bids for Canada’s fighter competition
時間がかかれば掛かるほどF-35Aが有利になっていくカナダの次期戦闘機選定
カナダのCF-18A/B後継機問題の経緯を振り返っておくと、前首相ハーパー氏が率いる保守党はCF-18A/Bの後継機にF-35Aを採用すると2010年に決定したのだが、自由党はF-35プログラムに出資しているからと言う理由で調達コストが1億ドルを越えるF-35Aを導入するのは費用対効果が悪すぎると主張して「F-35A導入撤回」を掲げ選挙に勝利したためCF-18A/Bの後継機問題は振り出しに戻ってしまう。
自由党が選挙に勝利した当時は、今ほど中国やロシアの脅威が問題視されていない平和な時代だったので「周辺に潜在的な敵対国が存在しないカナダに高価な第5世代戦闘機は必要ない」という認識が支持を得ていたため、自由党のトルドー新政権はF-35Aよりも費用対効果の高いF/A-18E/F導入を進めたのだが、ボーイングが民間旅客機市場で競合するボンバルディアの「Cシリーズ」が不当に低価格で販売されているのはカナダ政府が違法な助成金で開発を支援しているためだと米商務省に訴えたため、ボーイングが製造するF/A-18E/Fの導入も御破算になる。
結局、このような迷走を続けている内にロシアや中国の脅威が高まり、当初高価だと批判していたF-35Aの価格は値下がりしてしまったため提案依頼書(RFP)を発行してオープンな競争入札で再度CF-18A/Bの後継機を選び直すことにしたのだが、昨年7月に発行したRFPを受け取ったエアバスとダッソーは「条件が不公平過ぎる」と言って撤退してしまった。
補足:カナダは提案された戦闘機を3つの要素で評価すると言っており、その割合は戦闘機の能力評価が60%、戦闘機のコスト評価が20%、カナダ産業界への再投資やオフセット契約の評価が20%で構成される。エアバスが提案するタイフーンやダッソーが提案するラファールが戦闘機の能力評価で第5世代戦闘機のF-35Aよりも高い評価を得るのは難しく、残りの40%を占めるコスト評価やオフセット契約の評価でF-35Aを上回る評価を獲得する必要があるのに、カナダは欧州製戦闘機のみに追加コストが必要な改造を要求しているため、改造の必要がないF-35AやF/A-18E/Fとの競争条件が「公平ではない」と言っているのだ。
そのためF-35Aを提案するロッキード・マーティン、F/A-18E/F BlockⅢを提案するボーイング、グリペンEを提案するサーブだけが提案書提出に応じることになった。
カナダ政府は当初、提案書の提出期限を今年の3月末に設定していたのだがサーブが期限に間に合わないと言い出したため6月末に延期、今度はボーイングが新型コロナウイルスの対応に忙殺され期限に間に合わにと言い出したので7月末に再延期したのだが、今回は3社とも提案書提出に間に合ったようだ。
カナダは今後、各社から提出された提案書の中身を吟味したのち2022年までに勝者を決定、戦闘機の引き渡しは2025年から開始される予定だと説明している。
サーブはカナダ国内でグリペンEを製造するとアピールしており、ロッキード・マーティンは採用したF-35Aが退役するまでにカナダ国内で15万人の雇用を創出することが出来ると主張、ボーイングはCF-18A/Bのインフラをそのまま活用することが出来るのでコストを節約することができると言っており、果たして誰が勝者に選ばれるのかは蓋を開てみるまでは分からない。
それでも敢えて予想するなら、性能で他の機種を圧倒しながら調達コストも手頃になってきたF-35Aだと管理人は思っている。
追記:ボーイングがカナダに提案するF/A-18E/FのCGイメージをTwitter上で公開
We have submitted our #SuperHornet response for the @RCAF_ARC ’s Future Fighter Capability Project.
Learn more: https://t.co/dggAhLt5vh pic.twitter.com/bLMBhMGyNl
— Boeing Canada (@BoeingCanada) July 31, 2020
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Kate Thornton
スパホとグリペンが機体単価以外でF35に勝るのは難しいし、普通に考えたらF35になりそうだが、
代替案もなしにF35やスパホをほいほいキャンセルするようなトルドー政権のことだから、どうなるかこれもうわかんねえな。
トルドー氏を「カナダの鳩山由紀夫」と言う人もいるね…
服のセンスに共通点があるような...。
アメリカ「あっそ、カナダがF-35採用しなくても開発に出資した1.5億ドルは1ドルたりとも返さねえけどな」
誰かボーイング社を助けて。(無理か。)
ドイツがいるさ。(まず無理)
レガシーホーネットの部品が無いとは、ボーイングは客を粗末にし過ぎではないか。
だから、こんな窮地に陥るのでは?
これからは北極圏利権が問題になるのは確実、主な相手はロシア
カナダにF35以外の選択があるのか
候対ロシアを考えて補機対種から選ぶならF-35A以外は考えられない。
そもそもカナダはF-35開発プログラム参加国なのだから元サヤに戻るべき。
今だとF35が無難な選択じゃないのかな。
しかし、どこもかしこもF35だらけ。
個人的には後退角の浅いホーネットのシルエット好きなんだけどなぁ。
プラモデル感ある。
普通に考えればF-35だけど、政治情勢がまともでない場合だと予想外の結果が出る事がよくあるからなぁ。
ボーイングとはちょっと場外で拗れすぎでしょう。
自業自得
ボーイングは世の中を甘く見過ぎた。だからこんなピンチに陥ってしまったのだ。まさに自業自得。責任はボーイング自身にある。同情する者などいない。完全に見放された会社だ。
こうなったからにはボーイングは一度倒産して、社会の最下層でじっくりと反省して、その後、一から出直しな。
民需だと、ボーイングは日本の航空機業界にとり有力な元請けさんだから、潰れると日本も困るかと。
どうだか。
ベストセラーの767だって操縦に癖のある機体だそうじゃないか。
737が跳んだら短距離需要向けで売れるのあるのか怪しいし、
そもそも新東西冷戦で観光需要が見込めない。
「カナダは今後、各社から提出された提案書の中身を吟味したのち2022年までに勝者を決定、戦闘機の引き渡しは2025年から開始される予定だと説明している。」
選定期限を引き延ばしてうやむやにすると思う。今のロシアや中国の対外政策が続くなら二十年代後半からf35を配備しても機能するかどうか不明。
どうせカナダはアメリカの核政策に協力するから新しい核運搬機の共同開発とか言い出すと思う。22年までに決定する時点でうやむにする気満々だな。
皆さんのF-35であるべきという話は至極もっとも。
むしろこの程度の判断もできないカナダはどれほど劣化したのか・・。
移民が増えすぎたのも原因の一つにあるのかも。
かつての船で移動する頃の移民は故国との縁を切って心機一転不退転の決意で移民する人が多かったけど、LCCで気軽に移動できる今は単純に出稼ぎ、金銭目的だけの移民ばかりで新しく住まう国のためにという気持ちがなくて、そう人たちが国防や治水、農業といった分野に興味を示さないというか、自分には関係ないと思っている人が増えちゃったせいなんじゃないかと思ってしまう。
なるほど、なんか納得
FF外から失礼
もうCF-105でいいよ、、
F-15EXでもいいかも。
(´Д⊂ヽ優しいな
近代改修が行えない日本のF15を安価に買い取って貰いましょう。
でっ、その後。
F35に更新した後の余剰のF2も安価に譲渡。
これで日加はWin、Win。
無理かな。
>F35に更新した後の余剰のF2も安価に譲渡。
一体成形複合材主翼の実機耐久試験を、日本から引き継いで行わせると?