ロシアのラブロフ外相は緊迫するウクライナ情勢について「米国やNATOこそ未解決の問題を解消するための取り組みを拒否して我々との緊張を煽っている」と主張、ロシアが要求する包括的な安全保障協定に関する協議に応じることを求めた。
参考:NATO broke promises in past, new deals need to be fixed on paper
ウクライナのNATO加盟を認めないと法的な拘束力をもつ正式な文書で確約しろと要求するロシア
NATO外相会談に出席した米国のブリンケン国務長官は「ロシアがウクライナ侵攻を計画している証拠があり実行に移せばロシアに対する厳しい経済制裁を発動する」と警告したが、ロシアのラブロフ外相は「米国やNATOこそ未解決の問題を解消するための取り組みを拒否して悪戯に我々との緊張を煽っている」と主張してロシアが要求する包括的な安全保障協定に関する協議に応じることを求めた。
この包括的な安全保障協定とは「ウクライナのNATO加盟を認めない」という趣旨の協定締結に向けた話し合いに応じない限り、ウクライナとの国境沿いに展開した9万人(10万人に達したという情報もある)を超える兵力の撤収はない=交渉に応じないならウクライナのNATO加盟を阻止するため侵攻もあり得るという意味だが、興味深いのは「米国やNATOこそ未解決の問題を解消するための取り組みを拒否している」という部分だろう。
これは冷戦終結によって生じた力の空白=資本主義国家に転換した東欧諸国を取り込んで東に向かって勢力を拡大しないとロシアとNATOが合意していたことを指しており、NATOはロシアとの約束を破り東欧14ヶ国と平和のためのパートナーシップ(PfP)協定を1994年に締結、2009年までにウクライナを除く13ヶ国を正式なNATO加盟国に迎えて東に向かって拡大した問題の解消を放置しているとロシアは怒っているのだ。
ラブロフ外相も「欧米は過去に何度もロシアとの約束を反故にしてきた」と指摘して「我々が求める安全保障協定は必ず法的な拘束力をもつものでなければならない」と付け加えており、仮にウクライナ侵攻を防ぐため米国やNATOがロシアの要求に応じるなら「ウクライナのNATO加盟を認めない」と正式な文書で確約しなければならないという意味だろう。
恐らくロシアは包括的な安全保障協定の交渉で「ウクライナのNATO加盟を認めない」という以外にも東に向かって拡大した部分の修正を要求してくる可能性が高く、例えばNATOに加盟した東欧13ヶ国(特にロシアと直接国境を接するバルト三国や黒海に面したルーマニアやブルガリア)に対する戦力配備の制限、NATOに加盟していないウクライナへの軍事支援を行わないといった内容を法的な拘束力をもつ協定で確約することを求めてくるかもしれない。
まぁブリンケン国務長官はラブロフ外相と会談が予定されているため安全保障協定についても話し合いが行われると思うが、安易にロシアの要求に応じれば東欧のNATO加盟国が「自分たちもロシアとの衝突を回避したい米国や西欧の都合で売り渡されるかもしれない」と受け取りNATO自体の結束力が低下する恐れがある。
米国やNATOはロシアのウクライナ侵攻は譲歩を引き出すためのハッタリで「ウクライナを見捨てない」という主張を維持するのか、それとも「ロシアの要求を拒否すると本当にウクライナ侵攻が始まる」と考えて政治的な妥協に応じるのか注目される。
関連記事:NATO事務総長、ウクライナで発生する最悪の事態に加盟国は備えなければならない
関連記事:元ロシア外相が語るウクライナ侵攻目的、ドニエプル川を国境に東ウクライナ国家の創設
※アイキャッチ画像の出典:DoD photo by Lisa Ferdinando
そもそもウクライナはNATOに入る資格は持ってるの?
NATOに加盟する要件は、なんだっけ?
クリミアで揉めてる限り、たしか無理なんじゃなかったっけ?
もしそうならクリミア諦めたら入れるのかも?
ネオナチが議席持っていたりして、EUも全面的に味方できないってのもある。
正直なところEUが対露防衛用にと提供した軍事物資や資金を横流ししまくってブチ切れさせているから、最低でも自国の金で相応の対露防衛軍備整えない限り加盟するどころかまずNATO加盟の議論すらされることはないと思う
ロシアは、これ以上攻め込めないだろう。
今の展開を続けるだけでも、相当しんどいはず。
警戒を緩めず、暫く放置でいいと思う。
実行に移す気でいるなら、コロナの混乱の間にするのがアメリカの介入を抑える最適期間なんで、今回本当にやるかもしれんよ。
北京オリンピック終わってから台湾とウクライナの同時ってのが二正面作戦強いられるアメリカの不利益なので時期的にあり得そうでヤバい気がしてる。
あと誘発要因としては日本の南海トラフ地震かな。そこからチャンスとばかりに台湾有事が起きてアメリカがかかりきりになってる隙にとウクライナ侵攻が起きて、と。
ロシアじゃなくてプーチンはいままで侵略戦争で国内の立場向上してきたので、
効果が薄くなったら同じような方法をする選択肢ししか無くなってる
ウクライナやバルト三国なんかは明らかにロシアが嫌だから自由意志で西側についてきたクチなのに(厳密な事を言うとポーランドもハンガリーもチェコも他の殆どの国もみんなそう)、あくまでソ連時代の地図にこだわるんだなぁロシア。現地政府の意向を完全に無視して米国と直接交渉で国境を決めようとしてる姿勢はもはや帝国主義。
プーチン政権の統治はソビエト崩壊=東側の敗北という図式を否定し欧米に対抗することを外交政策の柱にしてきたけど、2021年現在もうソ連時代を知ってるのは30より上だし、崩壊後の苦境時代を全く覚えてない世代も成人し始めてる。長いプーチン政権下でも年々反政府的なデモや政治勢力は増えている(呼応して取締は厳しくなっている)というし、豊かさを代償に雪辱戦と国家の栄光を求める政策にも限界はあるよなぁ。
何となく、ロシア世論が戦争やソ連の復古から離れていく前に少しでも有利な条件で西側と条約したり前線を押し上げておきたいというような焦りすら感じるな。
なるほど、自由意志で条約や合意は自由に破ってよいと
まあ、ロシア時代まで遡ればポーランドもフィンランドも帝国領だけどな
NATOはNATOでたまには陸上戦力を展開しかえすくらいのことはしてもいいんじゃないの
欧州は今コロナでヤバヤバなので、いざというときのために本土にとどめておきたいのかもね(特に軍医)
ここでウクライナを助けるような行動取ったらウクライナが今まで通りで大丈夫と考えて汚職対策しなさそうだからなぁ
むしろウクライナに自分の立場を理解させるいい機会と思っていてもおかしくなさそう
そもそも、今までも何度か先に戦力展開したせいでロシアを刺激して結局戦力バランスを崩して緊張を高めてるので、基本悪手ですよ。
東欧が西側に流れたのなんてソ連時代の悪夢のせいじゃないか。
とはいえロシアとしては条約という使える道具は使い潰すしかないんだろうな。
いつまで強気で入れるか見物だけど、中国と違ってあんまり暴走はしなさそう。
まあイメージだけだけど。
NATO加盟国でもないウクライナの為に、火中の栗を拾ってまで
露助とドンパチなんてしないやろ、NATOは
ロシアがそういうと良うことはつまりNATOに加盟させれば良いわけだな
ソ連崩壊直後は、ロシアもNATOにっていう機運も微かにはありましたからねぇ
もういっそロシアもNATOに入ればいいんじゃね
中国に対抗しようぜ
>もういっそロシアもNATOに入ればいいんじゃね
ただの加盟国ではロシアのプライドが許さないでしょうね。
ウクライナで揉めているのも、西側(NATO)がロシアのプライドに傷をつけたことが原因ですし。
あと、今のロシアと中国は冷戦中と違って政治思想で対立しておらず、むしろ政治体制は似通っているので対抗するメリットがありません。
まぁその通りなんだけど、沿海州や中ソ国境地域の労働力は完全に中国だよりだし、ロシアも少子化→人口減であることを鑑みると今の図式のままで21世紀後半まで行っていいのかという気はするね。
もう30年もすれば頼みの軍事技術も中国に抜かれるだろうし、そうするとロシアは埋蔵資源1本足になるしな。
中国とはつかず離れずぐらいで行かないと飲み込まれるぞ。
そもそも、北満州や沿海州は北京条約で清朝から奪った物だし、シベリアもしかり。
中華に喰われるのは、自然だな。
モンゴル帝国の様に欧州に迫るか?
今のロシアは欧米に対してイキっていますけど、中国に対しては普通にビビっていますね。
軍事技術も抜かれている分野が多いですし。
ただし中国はロシアのことを非難せずプライドを傷付けていないので、ロシアとしては今の図式を維持しようとしています。
ロシアには選択肢が殆ど残っていません。
ロシアにとってはモスクワまで迫るNATOが脅威。
中国と国境を接する極東ロシアは、前者よりも優先度が低いんだよ。
ウクライナは欧米に幻想を持ちすぎなんだよ
NATOに入れた東欧諸国は広範囲に渡ってロシア領土と接してない
あんな広範囲に渡ってロシアの領土に接している国がNATOに入れるわけないし、汚職や内政問題をロシアに転化し煽った結果が国土喪失だから同情できないわ
ロシアの影響を最小限に留めたかったら核を放棄するべきではなかったな
主権が~って言うけど現実は各国のパワーバランスで決まるんだからそれを含めて国家の舵取りしていかないとね
>ロシアの影響を最小限に留めたかったら核を放棄するべきではなかった
核を撤去していなければ、間違い無く横流ししていてだろうとの個人的確信が有る。そうであれば、世界の混乱は現在の比ではなかっただろう
ウクライナの様なコウモリ腐敗国家は、東西の緩衝地帯がお似合いだ
あんま調子に乗んなよロsケがよぉ・・・
ウクライナ問題は、先に手を出したロシアに分が悪い。
クリミアを強奪して、東部ウクライナまで侵略すれば、ロシアはさらなる経済制裁で
一気に消耗させられる。窮して中国と組めば、インドとの関係も悪くしかねない。
すでにロシア経済は欧米からの経済制裁で衰弱しており、強硬派ラブロフ外相の発言は、
自身の進退問題も絡んで、我慢の限度に差し掛かっていることの表れかも。
少し前に欧州で飛び交っていた”12月1日ウクライナ侵攻”は、結局なかったね。
プーチンの外交政策の主柱が明確に西側への対抗になったのはここ10年くらいの話で、寧ろ2000年代は西側と折り合いをつけつつ旧ソ連圏を繋ぎ止めるのがメインだった。
それのプーチンの教訓が「西側は協調したところでロシアを対等な大国とは看做さない」だったのが大きい。
既に位置づけは影響力が幅広い地域大国ぐらいだしな
戦争が起こらないに越したことはないものの、もしNATOの非介入が確定してウクライナが譲歩したとして、ロシア的には軍事的圧力をかけた目的が達成される上に、棍棒外交の成功を中国も勿論興味深く参考にしてるはずで。
勢力均衡論的な世界観がグローバルで展開される、難しい時代ですねぇ…。
そもそももはや「対等な大国」ではないしね。
ソ連時代の遺産と大国のプライドだけで生きていけるわけがないでしょうと…
ロシアも中国も外交が下手になってないか?
こんなで脅しをかけたら反対にNATO側も退けなくなるだろ。
どちらも個人集権独裁国家になってるんで、独裁を維持するために
独裁者個人のメンツとか立場が優先しないといけなくなってるので、国内政治でも外交でも選択肢を自ら狭めてしまってる
中国は外交が下手になったというか本性を現しただけだと思う。
本性を現した理由は自国の国力が増大して自信がついたからでしょうな。
中国としては今までが雌伏の時だったと考えている。
とはいえ、昔の中華帝国全盛期だった時の方が、まだしも外交はマシだった様な気がするがね……
朝貢貿易でも、気前良く大盤振る舞いしていた訳だしさ。今は、恫喝でのメンツ張りと収奪しかしていないだろう
中国は清の時代に列強の支配を受けたのがトラウマになっていて、「ナメられたら終わり」と考えていますからな。
朝貢貿易の頃の中国は世間知らずだったとも言えます。
ロシアは歴史的にヨーロッパで列強に揉まれていますし、粗暴な振る舞いも多いものの基本的には外向きな国ですが、中国は超大国の歴史も長いものの基本的には中国という枠の中で争いを繰り広げてきた内向きな国。
ロシアは理解した上で相手国を踏み抜きますが、中国は相手国の事情を本質的には理解できないまま、外に出てこようとしているのではと。
中露共に外交下手そうに見えて、荒っぽいなりに2カ国の間でも経験値の差はありそうですね〜
まぁ米国の21世紀の外交も大概なとこもあるんで…
この問題についてちゃんと知識を得たい人は小泉悠著の「現代ロシアの軍事戦略」(ちくま新書) を読んだ方がいいと思う。
どうしてもネットの情報は情緒的感情的なものが多いので。
学生時代に図書館で氏の著書読んで、Twitterフォローしに行ったら全裸中年男性!って連呼してて複雑な気持ちになりましたねー
>>「欧米は過去に何度もロシアとの約束を反故にしてきた」
ロシアには鏡が存在しないというブラックジョークかなw
ぷーさん「鏡よ鏡よ鏡さん、ウクライナ問題で正しいのはだーれ?」
鏡「アメr」
プーさん「(カチャッ)」
鏡「欧米は過去に何度もロシアとの約束を反故にしてきた、常に正義を貫いているのは我が偉大なる祖国です」
印象で語る前に調べるべきだな
まさに然り
日ソ中立条約の結末を調べれば、ロシアの言う約束や国際条約なんてなんの意味も持たない事が解る
数十万の非武装の国民を戦後に殺された日本人なら
それを言うなら、参戦を要求したアメリカやイギリスがもろに絡んでくるんですが?
それに、日本も条約を破って参戦することを目論んで関特演やりましたよね。
馬鹿の一つ覚えで日ソ中立条約の件しか出してこないのが勉強不足の証拠ですよ。
攻め込んだ事実と攻め込もうとした意図を同列並べるのは詭弁だよ