ロシアの国防省は、全翼機タイプの無人戦闘支援機「S-70オホートニク」が初飛行を行った際の映像を公開した。
参考:Watch New Russian Stealth Assault Drone’s First Flight
ロシアの無人戦闘支援機「S-70オホートニク」の初飛行映像が公開される
ロシアが開発中の無人戦闘支援機「S-70オホートニク(ハンターとも呼ばれている)」は、ロシア初のステルス戦闘機SU-57を開発したスホーイが設計・開発を担当しており、ロシアが進めている第6世代機開発プロジェクトの一つだ。
外見上の特徴は、米国の無人戦闘攻撃機「X-47」(開発中止)によく似た全翼機タイプだが、S-70は機体重量が20トン(離陸重量25トン)もあると言われ、非常に大きいというよりも、もはや有人戦闘機(F-15並)と同じレベルの大きさだ。
このS-70は、全長14m、全幅19m(20mという説もある)、兵器搭載量は2~3トンの兵器を2つのウェポンベイ内に収納し、SU-35に搭載されている「AL-31」もしくは、「AL-41」が1基搭載されていると言われている。
今まで不鮮明な写真でしか「S-70オホートニク」を知ることが出来なかったが、今回公開された「S-70オホートニク」初飛行の映像で、機体の形状や、エンジンの搭載形態などが非常によく分かる。
初飛行を行ったのはプロトタイプのためなのか分からないが、エンジンの排気ノズルの処理が行われておらず、機体後部に突き出したような格好をし、このままでは機体形状によるステルス性能が損なわれるだろうし、何よりも赤外線探知を避けるための処理が何も行われていないように見える。
もし赤外線対策を行うなら、B-2やX-47のように機体に埋め込み、排気温度を下げるための何らかの工夫が必要になるが、ロシアのステルス戦闘機「SU-57」の排気ノズルの例もあるので、ロシアはこのあたりには気を使っていないのかもしれない。
1分11秒と非常に短い映像だが、軍用機の初飛行映像をロシア(旧ソ連)がYouTubeで公開するという、一昔前では考えられない、何とも便利な世の中になってしまったものだ。
この記事とは関係はないが、米空軍研究所とクラトス・ディフェンス社が共同で開発中を行っているステルス無人戦闘機「XQ-58ヴァルキリー」について、米空軍が正式に発注するかもしれないというニュースが流れている。
クラトス・ディフェンス社は、米空軍が年末までに20機から40機程度のXQ-58ヴァルキリーを発注するだろうと語り、これを見越して、既に搭載エンジンの発注を行ったと言っている。
XQ-58ヴァルキリーは、LCAAT(低コスト航空用航空機技術)プログラムに基づいて開発され、1機あたりの価格は300万ドル(約3.3億円)程度という低価格で調達でき、100機以上の発注があれば、1機あたり200万ドル程度(約2.2億円)まで価格が下がると言われている。
米空軍が採用している無人偵察機「MQ-9 リーパー」ですら、1機あたりの価格は1300万ドル(約14億円)もするので、如何にXQ-58ヴァルキリーが安いかよく分かる。
果たしてロシアの「S-70オホートニク」は、どれぐらいの価格になるのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:
ロシアにはKGBパワーがあるからタダで調達できるよ
???「ソ連式の方が効率的だ」
エースコンバットで出て来そう(笑)しかしデザインはかっこいい!これから先無人戦闘機どうしでの戦いが当たり前になるのかな?!
国内向けの政治宣伝でしょうね、実用にはまだまだ先...
全翼機なのに着陸の姿とか、かっこいい!
これが無人機なのも驚きだ。
しかし、ここのライターは見識が深く広く読み応えがある。
興味深い話題を有り難う。