米国とNATOはロシアが要求した安全保障協定に関する回答文書を提出、事実上ロシアの要求にNOを突きつけた格好だ。
参考:NATO’s response to security guarantees handed to Russian ambassador in Brussels
参考:US offers confidential response to Russia’s ultimatum for NATO amid Ukraine crisis
ウクライナに直接侵攻するのか?外交交渉を継続するのか?をプーチン大統領は決断する可能性が高い
ロシアは米国に新しい安全保障協定に関する回答を文書にして提出するよう要求、ラブロフ外相は「回答の内容がモスクワを満足させられなければ大規模な措置をとる」と発言しウクライナ侵攻を間接的に示唆していたが、ロシア外務省は水曜日に「駐モスクワ米国大使から回答文書を受け取った」と発表した。

出典:@SecBlinken
この回答文書について米国のブリンケン国務長官は「秘密交渉は外交交渉における最大のチャンスなので回答文書の内容を公に発表するつもりはない」と記者団に語っていたが、水曜日の記者会見で「NATO加入のドアは開かれているという原則を維持する」と述べおり、NATOのブリュッセルのロシア大使に安全保障協定に関する回答を文書を手渡し「NATOへ加入するかどうかを決定するのは各国の権利だとする原則を維持する」とストルテンベルグ事務総長も述べているため米国とNATOはロシアの要求にNOを突きつけた格好だ。
つまり米国もNATOも「NATOの東方拡大、東欧諸国からの戦力引き上げ、ウクライナへのミサイル配備禁止といったロシアの要求は受け入れられないが、引き続きロシアの安全保障に対する懸念を解消するため協議したい」と提案しているという意味なのだが、ロシアのペスコフ大統領報道官は「提案した新しい安全保障協定の内容はワンパッケージで意見の相違を1ヶ月も1年も議論したくない」と語っていたため外交交渉に見切りをつけてラブロフ外相が言及したような措置=ウクライナ侵攻に乗り出す恐れがある。

出典:President of Russia
興味深いはラブロフ外相が回答文書を受け取った同じ日に「ロシアはキューバ、ベネズエラ、ニカラグアと軍事協力を含む戦略的パートナーシップ強化で合意した」と発表した点で、ウクライナのNATO不加盟確約が得られなければ米国の裏庭に同じ安全保障上のリスクを作り出すと脅している点だろう。
これが回答文書に対する反応なのかどうかは不明だが、恐らく安全保障上のリスクを解決するためウクライナに直接侵攻するのか?外交交渉を継続するのか?をプーチン大統領は決断する可能性が高く、これから1~2週間の間に軍事的緊張が最も高まるだろと管理人は予測している。
関連記事:ロシアがウクライナ侵攻を選択した場合に課す制裁の中身、SWIFT排除は一先ず除外
※アイキャッチ画像の出典:Jens Stoltenberg
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そらせやろ感しかない
こんなんチンピラが辺り睨み回して「いまガンつけただろコラァ!」って喧嘩売りに行くのと同じで、口実作るために言ってるにすぎないでしょ
驚くべきは2022年にもなって世界大戦やってた頃とお作法が何も変わってないロシア(プーチン?)だわ
開戦時期について小泉悠氏は2月10日〜20日ぐらいと見ていて
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米政府は現在から2月中旬までの期間が怪しいと考えている模様
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ウクライナとの時差は7時間なので、現地4~5時は日本時間だと11~12時。
お昼のニュースで戦端が開かれた事を見ることになるんだろうな。
このまま行くと第二のキューバ危機が起きそうですね。
もしキューバにロシアが開発中の超音速ミサイルを配備されると無視はできないでしょうし。
第二のキューバ危機的なものが起きるかどうかはともかくキューバが噛むかは微妙じゃないです?
ICBM用のHGVも開発済みなんだし、ロシアがあえてキューバを巻き込むとすれば意図的な政治メッセージを発するためくらいなもんで、戦術・戦略的意味は当時と違ってほぼ皆無かと
キューバはキューバでそんなことしたら今以上に苛烈な経済制裁が待ってるのは確実なわけで
それを埋め合わせておつりがくる程度の見返りをロシアは提供しないといけないけど、今のロシアにそこまでの力はあるのかというと微妙では
キューバはロシアを守るためのミサイル配備なんて内心煩わしく思ってるんだろうけど、この10年でアメリカとの融和が幻想にすぎないと思い知らされた今は、地政学的にどうしてもロシアのパワーゲームに付き合わざるをえないんだろうなあ。
トランプなら未だしも、バイデンと交渉して何か決まるわけがない。
ロシアは、何がしたいのか?
というか、作戦が失敗しているのでは?
プーチンにとって、本当の交渉相手は中国なのかもね。
中国の一帯一路による経済的影響力が、東ヨーロッパや中央アジアへ及んでいることを、ロシアは不服に思っているはずだから。
カザフスタンの件といい、北京オリンピック前で中国が大人しいときに、事を起こして、中国に警告してるのかも。
深読みしすぎかもしれませんが。