米海軍の原子力空母「ハリー・S・トルーマン」は、深刻な艦内電力システムのトラブルを解消し、3ヶ月ぶりに海へ戻ってくる。
参考:Truman Repaired, Prepares to Return to Sea
艦内電力システムのトラブルから空母「ハリー・S・トルーマン」が復活
今年の8月末、米海軍の原子力空母「ハリー・S・トルーマン(10万3,800トン)」は、艦内電力システムに深刻なトラブルが発生したため、同艦を中心とした空母打撃群は空母が「ない」という異例の編成で、母港ノーフォーク海軍基地から海外展開のため出撃していった。
担当者によれば、空母「ハリー・S・トルーマン」の問題解決に取り組んでいると話したが、修理にどれほど時間がかかるのかという質問に「分からないので答えられない」と話したが、11月12日、米海軍は空母「ハリー・S・トルーマン」の艦内電力システムに関する修理が完了したと発表した。

出典:public domain 乾ドッグに横たわる空母「ハリー・S・トルーマン」
米海軍は、艦内電力システムの問題を引き起こしたコンポーネントを特定し交換、テストを行い問題が完全に解決したことを確認できたため、船に乗組員や航空機を船に戻して、海へ戻すための努力を続けていると語ったが、いつ海へ戻り、いつ空母打撃群へ合流するのかについては明らかにしなかった。
現在、東海岸には空母「ハリー・S・トルーマン」を含め6隻の空母が配備されているが、どれも身動きが取れない状況に陥っていた。
米海軍は東海岸に空母「ハリー・S・トルーマン」、空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」、空母「ジョージ・ワシントン」、空母「ジョン・C・ステニス」、空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」、空母「ジェラルド・R・フォード」を配備している。
しかし、空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」と空母「ジョージ・ワシントン」はオーバーホール中で、空母「ジョン・C・ステニス」はオーバーホールを受けるためのドックが空くのを、艦載機パイロットの空母着艦資格取得を支援する活動を行いながら待っている状態だ。

出典:public domain 建設中に乾ドックに座っているジェラルドR.フォード
空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」はオーバーホールを終えたばかりで、乗組員やパイロットの訓練が必要で、2020年初頭までは海外へ展開することは不可能で、2年前に就役したはずの最新鋭空母「ジェラルド・R・フォード」は、動力部の欠陥を解決するため1年以上ドックで過ごし、最近、やっと海へ戻ってきたばかりで、何時になれば任務に投入できるようになるのか誰にも分からない。
空母「ジェラルド・R・フォード」が本当の意味で就役していれば、大西洋に米空母が不在という事態は避けられたはずだが電磁式カタパルトや、艦内エレベーターの不具合が未解決で、米議会は海にいるよりも港やドックで過ごす時間の方が長い新型空母のことを「原子力停泊艦」と呼び海軍を非難している。
どちらにしても、米海軍にとって東海岸に割り当てられた空母の中で、ハリー・S・トルーマン以外は動く事ができない現状を考えると、厳しい戦力のやり繰りが続くことになる。
※アイキャッチ画像の出典:public domain 空母「ハリー・S・トルーマン」
ライトニング空母を推す人らが出てきても仕方ない体たらくよねぇ
推してもいいですか?
空母自体が損耗考えたら過去の遺物じゃないかな
対艦ミサイルの発達の前には脆弱すぎる
米軍ですら実戦だと、空軍で先に制空権奪ってからの補助的運用しかしていない
対空母艦隊との艦隊決戦でも有るなら必要だろうけど
テレビで見ましたけどドックから出ても作戦行動可能な資格を取らなきゃいけないんですよね
アメリカ=「ジェラルドR・フォード」級「ジョンF・ケネディ」建造中、「エンタープライズ」および4番艦計画中。
中国=初の国産空母「山東」就役、カタパルト装備(?)の002建造中。
インド=初の国産空母「ヴィクラント」建造中、カタパルト装備(?)「ヴィシャル」計画中。
イギリス=「クイーン・エリザベス」級「プリンス・オブ・ウェールズ」建造中。
日本=「いずも」「かが」空母化改造計画中。
むしろ建造ラッシュであり、世界の海軍は空母を時代遅れとは評価していないと思います。
確かに対艦ミサイルの発達は空母にとって脅威ですが、そのプラットホームに対する攻撃に最も適しているのもやはり空母だということでしょう。
ただまぁ、STOVL機というかF-35Bだのみの計空母や揚陸艦が多かったり。