ボーイングが、B-1B爆撃機を、超音速ガンシップに改造する計画を持っているという。
参考:Boeing Planing to Turn the B-1 Bomber Into a Supersonic Gunship
もはや漫画の世界かと目を疑うようなB-1Bのガンシップ化
ボーイングは5月8日、米特許商標庁からB-1B爆撃機の兵器倉に搭載でき、使用時には機外に展開する方式の40mm機関砲に関する特許第9,963,231を取得した。

引用:米特許商標庁に提出されたボーイングの資料
このシステムは、機体に大きな改造を行うこと無く、B-1B爆撃機をガンシップに変身させることができ、兵器倉に収納式なので、巡航時の飛行特性を損なうこともない。
特許には、このシステムが空からの地上支援のために使用されると説明されており、必要なシステムがコンパクトにパッケージ化されているため、B-1Bに限らず、このシステムを搭載できるだけの空間を持つ航空機なら、非常に簡単にガンシップ化することが可能だ。
仮に、ボーイングが米特許商標庁に提出した資料に記載されたB-1Bのガンシップ化を実際に行った場合、米空軍が現在運用中のC-130輸送機を改造したガンシップの「AC-130」とは比べ物にならないほど、凶悪なモンスターになるだろう。
B-1Bは、兵器倉の1つにガンシップシステムを搭載しても、他の兵器倉には通常通り爆弾やミサイルを搭載できるので、地上部隊への攻撃手段に選択肢が持てる。もちろん全て兵器倉にガンシップシステムを搭載することも可能だ。
AC-130とは比べ物にならないほど長距離を飛ぶことができ、最大M1.6で加速することが出来る。
しかも、地表を這うように低高度を高速で飛行できるため、敵に発見されにくく、AC-130には到底不可能な敵空域の奥深くまで侵入し、地上の敵部隊に対し銃弾の雨を降らせることが可能で、もはや漫画の世界かと目を疑うような、このB-1Bガンシップ計画には「ロマン」しか感じない。
しかし、現在のB-1Bの状態を考えると、実際にガンシップ化される可能性は低いかもしれない。
現在の米空軍は、作戦任務を完全に遂行可能なB-1B爆撃機を、ほとんど持っていない

出典:pixabay B-1B爆撃機
アフガニスタンやイラクでB-1Bを酷使し続けた結果、機体の構造的寿命の大半を使い果たしてしまい、米国下院議会の委員会は「現時点で、作戦任務を完全に遂行可能なB-1Bの数は、一桁に過ぎない」と、B-1Bの状況が悪化していることを認め、さらに、必要な訓練に使用する十分な量のB-1Bがなく「B-1B搭乗員の練度を維持することが難しくなっている」と指摘している。
現在、B-1Bに搭載されているGE F101-GE-102 ターボファンエンジンの寿命延長作業に乗り出しているが、この作業が終了するのは2040年頃だ。
今後20年間、B-1Bを飛ばすためには、機体構造の大幅な補強が必要で、主に「主胴体、主力付け根部分、可変翼機構、昇降舵」についての補強を行う必要があり、寿命延長作業は2019年末までには開始される予定だが、今の所、いつになれば作業が終了するのは分かっていない。
恐らく、ガンシップとして近接支援任務を行えば、機体に掛かる負担が大きく、機体寿命を大きく損なう可能性が高い。
果たして、ガンシップとして高価なB-1Bを使い潰す勇気が、現在の米空軍にあるだろうか?
※アイキャッチの出典:icholakov / stock.adobe.com
超音速ガンシップという名前が既に自己矛盾を起こしていると思うんですが、元記事でも、
・もっとゆっくり飛べないと、当たらないでしょう?
・キャノンは40mmだけ?105mmはないの?
と、逆説的にガンシップとは何たるかを説きつつ、ああAC-130Uと違って危険な空域で使えるからそこはいいね、って結論づけていますね・・・。増槽とガンポッドつけた攻撃機を数機派遣すれば事足りるんじゃないかな?みたいなことを元記事の著者は絶対思ってますよこれ。
ロマンですから。真っ当かつロジカルな弁は野暮というものでしょ
そもそも誰が操作する事になるんですかね
A-10の逆方向でCASやるならF-35シリーズでもF-16でもいいので、弾数以外にメリットが少なそうです。
B-1BはB-52よりも大量の兵器を積めますが、START II 第二次戦略兵器削減条約で核兵器搭載機能を封印したため、通常兵器を使用した戦略爆撃やCASにしか使えません。
ガンシップ化をやるとしても、B-21の配備が一定数超えたところで機体寿命を使い潰すパターンでしょうね。
今ならAIでワンチャンないかなー。
つかこういう時のAー10先生じゃないの?。
なんという荒唐無稽な内容
エリア88連載時にやってほしかった
その昔、大日本帝国海軍とかいう組織が
「陸攻の爆弾倉に重機関銃を100丁ぐらい搭載して、横一列編隊でジャングルを掃射しよう」
とかいうロマン丸出しな計画を立ててた時期があったそうな。
B-1ベースじゃガンシップ最大の強みである
目標地域を常に照準し続け、途切れる事のない火力支援
を実現するには速度が速すぎないか?
敵側に低空亜音速の対地攻撃で心理戦のストレスを与えるのでは?戦略爆撃はB-1の出番はもうないから。
作戦空域までの展開速度が超音速可能ってだけで、超音速状態で掃射するわけが無い。
航空脅威の少ない空域が主な活動領域のこの手の機体だが、C-130系には無い高速性と低発見性、ECM機器等の豊富な対抗手段は理想的な機材として地上部隊からは守護神になりうる。
が、実現するには米ソ冷戦期の核爆撃機によるアラート体制のような待機状態をB-1B戦略爆撃機に課すこととなる。F-15EとOA-10Cを待機させておいた方がよい。
「こんなこともできますし、追加生産とかしてもいいくらい優秀ですよ」
っていうB-21に少しでも対抗したいロマン全開なメーカーの色目でしょう。