ウクライナ軍と戦うロシア軍も弾薬不足に悩まされているが、NATOの高官もニューヨーク・タイムズ紙に「大半の加盟国がウクライナ支援で武器・弾薬の備蓄を使い果たした」と明かした。
参考:U.S. and NATO Scramble to Arm Ukraine and Refill Their Own Arsenals
2万ドルのドローンを迎撃するのに15万ドルのMANPADSを使うようなことはせず、もっと経済的で効率的に戦え
冷戦終結による平和の配当を受け取ったNATO加盟国は国防予算を削減、10年後にテロとの戦いが登場すると削減された国防予算は対称戦ではく非対称戦に投資され、長期に及んだアフガニスタンでの戦いも「戦車や大砲に重きを置いた欧州の陸上戦」とは程遠く、NATO加盟国は「膨大な火力が戦場を支配する戦争」の発生を信じなくなり、ウクライナ侵攻が発生した2月時点で大半の加盟国の武器・弾薬備蓄は所定の半分以下だったらしい。
しかもNATO加盟国は計400億ドル相当(フランスの国防予算に匹敵)の武器・弾薬をウクライナに提供してきたため、NATOの高官は「30ヶ国の加盟国中20ヶ国は備蓄していた武器・弾薬の大部分を使い果たしてしまった。しかし残り10ヶ国、特に主要国(フランス、ドイツ、イタリア、オランダ)であればまだ提供できるものがある」とニューヨーク・タイムズ紙に明かしたが、これは「自国の安全保障にリスクを負わない余剰分が残っている」という意味ではなく、どこまでリスクを受け入れるのかをNATOが強制するのは不可能だ。
NATO規格の155mm砲弾についてもニューヨーク・タイムズ紙は「各国によって製造方法が異なり、この砲弾をNATO規格対応の榴弾砲や自走砲で使用できるかテストしていることは稀だ=本当に互換性があるのか未検証」と指摘、各国の備蓄に眠る砲弾も「購入国によってウクライナへの移転を承認する国と拒否する国(スイスやイタリアなど)があるため法律的な問題もウクライナ支援を複雑にしている」と付け加えている。
因みにウクライナ軍は最大6,000発~7,000発の砲弾を1日で消耗するが、米国の砲弾生産量は月産1万5,000発に過ぎないため根本的に備蓄を取り崩さない限り「ウクライナ軍が要求する弾薬ニーズに応えることは不可能」という意味で、このまま備蓄(11月23時点で155mm砲弾を92.4万発、エクスカリバー砲弾を4,200発、105mm砲弾を18万発、120mm迫撃砲弾を13.5万発)が減り続ければ台湾や韓国での戦争に対応した備蓄分に手を付ける必要があるらしい。
追記:米国政府はスティンガーが不足しているため「2万ドルのドローンを迎撃するのに15万ドルのMANPADSを使うようなことはせず、もっと経済的で効率的に戦え」とウクライナに強く要求している。
関連記事:欧州、ロシアの次の狙いはウクライナを支援する我々の武器不足
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
>追記:米国政府はスティンガーが不足しているため「2万ドルのドローンを迎撃するのに15万ドルのMANPADSを使うようなことはせず、もっと経済的で効率的に戦え」とウクライナに強く要求している。
とは言うものの、何か良い策でもあるのかしら?
「言うは易く行なうは難し」だと思うけど。
金と命とのトレードオフで、人命で贖えという意味ですね。
これが安全保障政策を怠っていた国の現実ですので、
日本もよくよく勉強すべきですし、今の時点で勉強できるはずの日本は幸運でしょう。
まぁ核の傘なんて口約束を真に受けて腑抜けている国に期待するのは失望しかなさそうですけれど。
スティンガーの在庫が無くなればウクライナ人の命が消えることになるんで、対ドローン対策の効率化は死活的に重要ですよ。カウンタードローンの研究は現地や西側諸国で急速に進んでますが、スティンガーの在庫が無くなる前に前線へ研究成果を反映しなくちゃなりません。それまでの時間稼ぎをウクライナに要求するのは西側諸国だけでなくウクライナ自身の寿命に繋がるとは思います。
日本国財務省特別戦車突撃隊ですね。わかります。>人命で
ニューヨークタイムズは経済は得意だから、なんでもかんでも経済視点のみで考えるために、ニューヨークタイムズのいうことは話半分にきかないと駄目だて思う。
NATO高官も結局アメリカ軍のNATOに肩書きある軍人だろうが左官級まで高官扱いするから、アメリカ軍の左官級だと軍内の噂話しか知らない人も多いですからね。
戦争しているアメリカみたいな軍隊だと肩書きだけ位昇進して働きに報いることも多いですから、実際に肩書きに見合った権限持っているかですね。左官級はアメリカ軍に多いが実際に権限持っている役職と権限持っている高官はすくない。
別に武器や弾薬不足の話はこれが初めてじゃないんだし、そこまで身構えて警戒しなくていいんじゃない?
西側にとって不利な報道が間違いであって欲しいって心理は理解できるけど。
揚げ足取りですまんけど3/3で間違ってるんで突っ込んどくね。
左官:建物の壁や床、土塀などを、こてを使って塗り仕上げる仕事、またそれを専門とする職種のこと。
佐官:軍人のうち、佐のつく階級にあるものの総称。
2万ドルのドローンでも15万ドル以上の損害を出す可能性もあるんでなんとも言えない。
ロシアも撤退したトヨタやルノーの工場から半導体とか接収してそうでローテクの急造兵器ならまだ作れそう、
ここは双方我慢のしどころだね。
発電・送電施設やられて工場とか含めて広域停電すれば15万ドルとか余裕で消し飛ぶよねぇ。
これって米国がケチってんじゃなくて、スティンガーの備蓄がやばいから考えて使えって意味じゃないの?
15万ドル以上の被害出るかもって言う理屈もわかるけど、使い切ったら後がないと言うのも現実だよ。
低速のドローンには、投網かドローン同士をぶつける
デコイと網ででドローンホイホイを作る
hpmで回路を焼くなどコスパに優れた対策が求められる
捕獲型は民生用であるな
落下気にしなきゃRWSとかと連接してはたき落とした方が早いんだろうが
リンク
イスラエルが軍事支援としてウクライナに対し同国のSMART SHOOTER(スマート・シューター)社が提供する電子補正式の光学照準システム「SMASH(スマッシュ)」を提供しています。これは内蔵されたAIが目標を識別し、弾が当たるか当たらないかを判断して射撃支持をする照準装置で、これにより「ワンショット・ワンヒット」という精度の高い射撃を実現。また射撃補助のアルゴリズムを偵察用の小型ドローンを撃墜するのに特化した「ドローンモード」も選択できるのが特徴です。
ウクライナ軍ではSMASHを遠隔操作できるようにしたSMASH HOPPER(スマッシュ・ホッパー)を偵察用ドローンに搭載することで対ドローン撃墜任務に充てている様です。スマッシュ・ホッパーは昼夜機能する自動スキャンと目標検出機能を備えており、夜間や悪天候など視界の悪い状況でも監視業務や無人機攻撃などができます。対応する武器はM4やM16など5.56mmNATO規格の自動小銃またはM24やTRGなどのライフルに対応可能です。
NATO諸国から小火器の支援を受けてドローンの扱いにも慣れているウクライナ軍にとっては頼もしいシステムなのは間違いないでしょう。
ドローンに対抗するためにV1を迎撃してたイギリスみたいなやり方はダメなんですかね?
V1はパルスジェットエンジンで煩いし遅かったから撃墜できてたので、小さく静音で見つけにくい小型ドローンとは比較しにくいかと。
前に記事にされていたドローンを捕まえるドローンみたいなのが進化すれば可能かもしれませんが。
ウクライナも戦闘機による迎撃はやっていますが、航空優勢が取れるエリアが畫られているので局地対応なのでしょうね。
V1の迎撃もスピットファイアが主翼を触れさせて姿勢制御を崩す事も多用さていたそうですが、Mig29にそこまでは要求できないでしょうね。
よし、今こそ阻塞気球の出番だ!
やっぱりNATO諸国は防衛費2%を守る必要があったんだね。
トランプ大統領の圧力はある意味正しかった。
日本も備蓄を急ごう。
2%にしようが武器弾薬の備蓄の方に予算回さないなら根本的に解決なんてしない。
本当にそれ。
今の自衛隊はマジで防衛戦争出来ない。
欧州での弾不足でアジア分をまわす羽目になったら、中国だけ大喜び
我が国も増産を強いられる、対応できるのか
弾薬の消費量が想定以上に厳しいのは仕方がない話でしょう。
ただ、ウクライナとNATOにはまだ取りうる手段が残されているわけでして。
①より上位の兵器を提供する。
②主要国(フランス、ドイツ、イタリア、オランダ)の備蓄も提供する
③ポーランドに認めたように周辺国で弾薬の増産を行う。
④攻勢に出るのを控え、要塞に籠り弾丸の消耗を節約する。
どれを選ぶにせよ、ロシアよりは選択肢が多いのは事実ですので、
NATOには冷静に状況を見極めて支援を継続してほしいですね。
⑤日本など、これまで支援していなかった国から迂回提供を受ける、と言う選択肢がないのは悲しい限りですが。
本当にどうにもならなくなれば無理矢理にでも休戦させる気がするので、まだやりくりはできているのでは。
休戦しても第二ラウンドまでの準備期間にしかならなさそうですけど…
両大戦の戦間期と全く同じ構図に思える。
第一次大戦で「陸戦は火力」と分かっていたのに、大規模な火力戦の再現を嫌い、観念的な機動戦を志向して砲兵を冷遇。潰したはずのドイツ復活に対応できず、火力発揮のための砲弾備蓄競争に敗れてダンケルク撤退へ・・・
アメリカが制空権とってくれるという前提に慣れきって、航空兵力が拮抗したらどうするか。という次善策がいい加減になっていたのでは?
そろそろNATOではなく、地域を問わない有志連合での航空介入の時期に来てるんじゃないか?
いくらエスカレーション云々言ってもこのまま備蓄が尽きれば緩やかな破滅に向かうだけだし、支援する体力にも限界がある以上は早期に決着へ向けた手段を模索すべきだろう。
日本よマジで装備調達見直して、ロジスティックスサポート強化して!10年前からやってれば…
もう正規軍同士の直接戦闘は起きないだろう、と体制をシフトした裏をかかれた、といった感じですが、NATO域内での武器、弾薬の保有は、有事=NATOが戦うような敵=ロシアとの直接対決、に備える為のものですから、そのロシア軍が削れるのなら、各国が示し合わせることで、もっと供給することはアリでしょう。
しかし、現代戦はほんと短時間に集中して火力を叩き込めるよう進化しただけあって、砲身寿命を使い切るほどの砲撃だってあっという間に行えてしまうのが悩ましいですね。勿論、短時間に叩きこんだ方が効果は大きいんですが。
HIMARSやエクスカリバー砲弾のような装備の使用頻度を落として、その分を無誘導ロケットや榴弾でカバーするようシフトしていくことで、軍としての能力が著しく低下してきているロシア軍とのバランスが取れてしまうかもしれませんね。
欧州各国が歩兵と大砲の戦争に対応できないのは第一次世界大戦以来一貫してそのような戦いをしないための地上戦ドクトリンを構築してきたからで、当たり前なんですよね(そして砲兵の戦争にアホみたいにカネがかかるというのも当時と同じ)。だからこそ「経済力で人命を代替する」類の兵器である戦車や戦闘機や長距離ミサイルや艦隊などを先進国では整備しているし、ウクライナはそれが無くて困っているのに「戦車や戦闘機は供与できないがもっと金のかからない戦いをしろ」というのは無理筋でしょう。NATOの手持ちの弾薬の底が見え始めた以上、あとはもうNATOやG7で共同基金でも設置して比較的生産余力のありそうな韓国やトルコなどに大量発注していくしかないのでは(正直それも需要を満足できるかというと怪しいですが)。
このペースで野戦砲や砲弾を送り続けるくらいなら、どこかの時点で見切りをつけて戦闘爆撃機や機械化部隊の装備一式を送ってしまったほうがNATOにとってもウクライナにとっても負担は少ないんですよね(それを言うならNATO軍の直接介入で迅速に終戦させるのが一番ですが)。
核戦争を招くかもしれないエスカレーションは論外だろうけど、
いまだに帝国主義やってるロシアに成果を与えるのも論外だろっていう…
所詮は他人事、戦況がヤバくなってからじゃないと増産できないんだろうか
ロシアは国家予算3割投入とか言ってるのに
実質2.5次世界大戦ですよね?
コロナが無かったら中国も参戦していたんでしょうか‥恐ろしい世の中です。
戦争は相対的なものだから、西側の武器弾薬が不足してもそれ以上にロシア側が消耗してるならば問題無いわけで、これをもって「西側が追い込まれてる」事にはならない。あと、負担を押し付け合いたいが故のフカシも幾らか入ってると思う。特にアメリカは「俺らにばかり頼らず、欧州も責任持って出せるもんもっと出せと」圧かけまくってるとも聞く。
こんなこと書くとここの住人にはボロクソに叩かれると思うが、あえて書く。
西側の中間より下の層にとってもう支援は限界だと思う。
エネルギー不足での冬の寒さと物価高での生活の苦しさ、明日明後日の生活を心配して実際犠牲も出しているのにウクライナの払った犠牲より大したことない当然の犠牲と思われ顧みられない。
帝国主義に成果を与えるなって話も結局生活に余裕ある層の正しさの発露になってる
※成果を与えたことによって将来大きなしっぺ返しがあるかもそれないが、数年後の話より今の生活のほうが大事なわけよ。
今までの支援で僅かな土地を奪うのに莫大なコストを払わせられたのでからもういいのでは?
ウクライナが滅ぶことはもう無いので、後は支援あてにせず自分たちで領土奪還なり小競り合いやればいい。
他人の金を燃やしながら戦争はやめてほしい。
残酷だけどそう思う。
これはたとえ我々が侵略されても他国はそう思うでしょう。
所詮は他人事で自らの明日の生活を犠牲にしてまでも他国に尽くすには余裕の無い層には無理です
支援疲れと言っても各国ともまだGDPの0.1%ほどしか消費していないので流石にこの程度で止めるわけにはいかないかと。
米欧なんて侵攻前はロシアンマネージャブジャブのズブズブで支配層はいくら批判されても癒着をやめることはなかった
国民にはロシアから格安のエネルギーが入るから我慢しろみたいに言い訳してね
侵攻後はよほど慌てたのか急に制裁強化を打ち出しましたが、逆に支配層に対する幻滅が加速したのではないでしょうか
言ってることがコロコロ変わる、すぐ狼狽する、無能だとバレた
生活苦だけの問題じゃないと思いますよ
国境紛争程度ならともかく「侵略」なら、さすがにそうもいかんでしょうね。
「他国に侵攻し、自国領土を拡大する」やりかたを公然と肯定してしまえば、第1次世界大戦以前以前の国家間の弱肉強食の世界になってしまう。弱肉強食の世界の中で一番割を食うのは「中間より下の層」ですからね。
日本は弾薬の増産とか聞かないし・・・緊急の発注とかも、予算とかも、・・・何やってんだかwww
前の記事の米中の密約(?)は、
”今回戦争を米中に都合の良い時期まで続けさせる”
と言う意味で特にウクライナに対し犯罪的と思います。
ロシアは自業自得ですが。
本記事については、やはり空爆に移行したいですね。
コスト増を飲み込んで、Mig21やMig23/27を集めることでしょうか。
Mig29やSu27は制空や巡航ミサイル対策に回ってもらって。
いずれの機体も自前で整備できるはずです。
真剣に考えるに値しないふざけた想像だが、もし中国が台湾有事でステルス機や島嶼防衛用兵器を使ったら核、男らしく有視界戦闘だけで勝負しろなどと言ってきたらどうするのだろうか
ロシアの「戦闘機や主力戦車の供与は許さん」がなぜ通用するのかというのは自分も疑問に思います。
「○○したら核」が西側に通用するなら弾薬一発の供与も許さないとすればいいし、西側だってロシアの勝手な宣言に従う必要もない(実際に核が使用されても西側の責任ではない)。
実際のところは裏で相談してから宣言の内容を決めてるんだろうけど。
インド中国紛争みたく棍棒までしか許さんとしたら
中国は最強の部類になるのではないか?
馬を入れたらモンゴルに無双されるから排除で。
この戦争で痛感したんは、やっぱ戦争は兵站やなあっちゅうことですわ。
ウクライナ軍将兵と国民が必死で戦ってるんはわかるんやけど、序盤のキーフ直近攻防戦でもジャベリンに代表されるNATO諸国の軍事兵器援助がなかったらあの時点でoutやったわけですし。
愛国心ではT-72は撃破でけまへんし、現在の押し返しかてHIMARSなどの供給の賜物になりますしなあ。
ロシア軍が侵攻戦争下手を晒したのは意外でしたんやけど、ロシアほぼ一国でNATO諸国の兵器備蓄を枯渇させるほどの相殺兵器量を出し、まだまだやる気であるのは本当にしぶとい。
後はどちらの陣営の兵器供給が尽きるかの消耗戦になるんですけど、NATO諸国の足並みは各国の経済格差から当然に崩れるんやろうし、もしウクライナ軍が開戦前領土+クリミア半島を奪回したとしてもロシア国民が敗北を認めるかどうかは謎ですし、核が使われないとしたらロシア経済が完全に破綻するまで続くかも知れまへんなあ。