米海軍は、洋上で活動する空母へ補給物資をとどけるための輸送機「C-2 グレイハウンド」を更新するため、V-22オスプレイを改造した「CMV-22B」を開発中だ。
参考:Behold The First Image Of A Navy CMV-22 Osprey That Will Replace The C-2 Greyhound
C-2の後継機として開発した艦上輸送機「CMV-22B」が抱える問題点
現在、米海軍の空母に補給物資や人員を輸送する任務にあたる輸送機「C-2 グレイハウンド」は、1960年代に開発中だった早期警戒機「E-2」を改造して開発された艦上輸送機で計58機が製造されたが、初飛行から55年が経過し、機体も老朽化しているため更新用の機体を用意しなければならないが、海軍に後継機開発を決意させた問題は別にある。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Christopher R. Jahnke
現行の輸送機C-2では、F-35Cに搭載されているエンジン「F135-PW-400」の輸送が不可能で、F-35Cの空母運用に影響を及ぼすことが予想され、最低でもF-35Cの空母運用が始まる前に、この問題を解決する必要に迫られたのだ。
そのため海軍は、早期警戒機「E-2D」をベースにしたノースロップ・グラマン案と、V-22オスプレイを改造したベル案を検討した結果、V-22オスプレイを改造した「CMV-22B」を選択することになったのだが、米国では「CMV-22B」が「F135-PW-400」を上手く運べないのではないかという疑念が指摘されている。
海軍は昨年、燃料と貨物を搭載してたCMV-22B(約26トン)を空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」に発着艦させるテストを行い、無事にテストをクリアしたと発表したが、もっとも重要視している「F135-PW-400」の搭載能力に問題が生じた。

出典:public domain F135
通常、F-35C用エンジン「F135-PW-400」を海上を航行する空母へ送り届けるには、金属を腐食させる塩分を含んだ風から精密機器を保護するため、海軍標準のコンテナに密閉した状態で輸送する必要があるのだが、CMV-22Bの貨物室には寸法上、このコンテナが収まりきらず、海軍はエンジンをむき出しの状態で輸送し、塩分を含んだ風が吹き荒れる飛行甲板上で積み下ろしを行わなければならない。
しかも、機体の一部を分解しなければ「F135-PW-400」をCMV-22Bから積み下ろしすることが出来ないと言う。
さらに、現行のC-2は着艦後、場所をあけるため直ぐに主翼を折りたたんで、タキシングしながら駐機スポットへ自力で移動することができるが、CMV-22Bは主翼とメインローターを折りたたむとタキシングすることが出来ないため、これを移動するにはC-2よりも多くのプロセスが必要になる。
結局CMV-22Bは、空母への「F135-PW-400」輸送プロセスが複雑で、しかも海軍標準コンテナが収まりきらず、着艦後のフライトデッキ専有時間がC-2よりも増え、結果、空母の発着艦作業を妨げる要因になる可能性が高いと指摘されている。
この問題には海軍も気づいており、解決の手段を探しているらしいが、現実的にはCMV-22Bをこのまま採用するしかない事情がある。
F-35Cの運用開始は2021年に予定(空母カールヴィンソン)されており、それに合わせてC-2の退役も始まるため、問題解決のために残された時間は殆どなく、今直ぐにでもCMV-22Bの製造に「GO」を与えたなければ間に合わなくなるのだ。
海軍上層部を悩ませている空母「ジェラルド・R・フォード」ほど「大きな問題」ではないかもしれないが、現場の将兵にとってCMV-22Bは、歓迎すべき相手ではなく「厄介者」として映っているかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:public domain CMV-22Bのコンセプトアート
今更ですか? と
それにしても、やはりV-22は何をするにしても中途半端なサイズだよなと。まともな車両が載せられない癖に、人員輸送には大きすぎるという
F-35BのエンジンはMV-22(アメリカ海兵隊向けの輸送型)での輸送試験が実施済みですね。
記事タイトル:
Shaping a New Capability for the Osprey: Delivering the F-35 Engine to the USS Wasp 06/14/2015
Cと、Bではエンジンの分割できる単位が違うのかな?
距離は短く、時間は長くかかるがCH-53では運べる?
進行中補給(Underway replenishment UNREP Replenishment at sea)、VERTREP
予備エンジンて何基必要なんだろ?あんなデカい空母なんだから20やそこらは余裕で入りそうなのに。
普通に搭載してる
V-22でのエンジン空輸は作戦海域近傍などでの海上補給(進行中補給)の話
これ以外にもその他の機材、燃料の海上補給の仕組みがあるんですって
今まではどうしていたか? F414(F-18E/F)/F404(F-18A/B/C/D)は直径が細い(80㎝ぐらい)なのでC-2 グレイハウンドで運搬できたが、F135は直径が130㎝ぐらいと太いので無理。
船上のメンテショップじゃ出来ないオーバーホールとかなのかな?
オーバーホールごとに作戦機に取り付けたまま陸上基地に持って行かせて、エンジン取り外して、オーバーホール終わった他のエンジン積んでまた戻るとかやってられんなー
まぁ本当今更何を言っているんだ?という気が
昔、エンジンを鉄製のフレームでできたリグに固定してc-2というか、空母上で運んでる途中の写真を見たことがあるけど、エンジンは剥き出しだった気が
今回はそもそも飛行中から剥き出しみたいだけどw
bのエンジンはベアリングで二箇所エンジンの筒の部分の向きが変わるところがあるんで、そこから分離できるんじゃないかな?
>bのエンジンはベアリングで二箇所エンジンの筒の部分の向きが変わるところがあるんで、
>そこから分離できるんじゃないかな?
なるほど
もう予備部品空母に積んだ方が早くない
そりゃ積んでるだろうけど半年とか作戦海域に張り付いてる間の消耗品全部積んでたらスペース圧迫するし
戦闘で破損したりして正規のメンテサイクルより早く消耗する時もある
その度いちいち帰港してられないでしょ
C-2がはつひこかから55年と書かれてますが、今飛んでるC-2は、80年代後半に再生産された機体ですね。E-2Dベースでまた再生産すればいいのに。