米海軍はニーズが高いサイバー戦争技術職の再入隊ボーナスを「10万ドル=約1,540万円に引き上げた」と報じられており、一部の暗号技術職も6万ドル、医療職も9万ドル~10万ドルのボーナスを受け取れるらしい。
参考:Navy offers some sailors $100,000 to reenlist
2024年度の採用目標は4万人、どこまで目標に迫れるかは未知数
先進国の大半は新兵の確保や定着率の改善に苦戦しており、給与の大幅な引き上げ、勤務年数に応じたインセンティブの提供、返済しなければならない奨学金の肩代わり、除隊後に利用できる住宅ローンの金利優遇、需要の高い職種に対する再入隊ボーナスなど様々な施策を取り入れているが、米海軍もニーズが高いサイバー戦争技術職の選択的再入隊ボーナスを「10万ドル=約1,540万円に引き上げた」と報じられている。
選択的再入隊ボーナスとはニーズの高い能力を有した下士官に与えられる「契約延長ボーナス」とも言うべき存在で、ボーナスの額は能力のニーズを加味して毎年見直されるため一律ではなく、勤務年数によってもボーナス額が変動するのだが、海軍全体で22名しかいないサイバー戦争技術職のボーナスが一律10万ドル(変更前は勤務年数10年以上で6万ドル、6年~10年未満で7.5万ドル、1ヶ月~6年未満で6万ドル)に、暗号技術の言語職も4.5万ドルから6万ドルに引き上げられ、一部の医療職も9万ドル~10万ドルのボーナスを受け取れるらしい。
さらに海軍は新兵に対しても給与とは別に1万ドルの入隊ボーナス、契約で定められた勤務年数を消化すれば追加ボーナス(最大3.5万ドル)を支給し、退役後も住宅ローンの金利優遇、州政府や一部の大手民間企業で採用優遇、民間企業による特別な割引(車の購入、レストラン代金、結婚式の費用などありとあらゆる物やサービスが対象)を受けられるなど特典が多いものの、それでも新兵確保に苦戦しているため入隊年齢を42歳に引き上げ、首や耳にタトゥーがある場合でも入隊を認める特例を設け、以前の薬物検査で陽性だった場合でも再検査までの期間を短縮した。
これらの改善策がどこまで有効かは未知数だが、2023年度は3万7,700人の目標に対して3万1,834人しか集まらず新兵が約6,000人ほどの不足している。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Danny Kelley/Released
海軍の新兵が42歳って凄いな。
誠意は金
資本主義というのは、金を惜しみ人を切り、困ったときには金を積むわけです
これを素晴らしいことのようにいいますが、はたして本当にそうなんですかね
結局、金がすべてみたいな考えをもろに上層部が出してるわけですよね
金があれば、家も買える 大学も行ける 結婚もできる 支払いを催促される生活とはおさらば・・・
それは中東戦争みたいなしくじりをしたときに
お金のために入隊した末端の兵士には精神的ダメージが大幅に上乗せされるわけです
自分の欲得のために、一般市民を大量殺戮の片棒を担いだなんて一生深い傷から立ち直れるわけないのにね
あのさぁ~
じゃあシベリアでも行って、どうぞ
未だに、資本主義と社会主義が対立していてその親玉がロシアという周回遅れの常識が定着しているようでは困る。現に中国は共産国家でありながら最も資本主義化に成功したわけだし、北欧は政体としては社会民主主義に入るわけだし。私たちの世界の「社会主義国家」は平等な国家を表しているわけではなく実態は独裁国家を主に表しているように、私たちの「資本主義」も実際は特権階級や新しい貴族に支えられているもので民主主義よりむしろ相性がいいんだよね。標榜した理想と実態が真逆なことは政治の世界ではよくあること。
それか、資本や経済の否定としてシベリアという表現をしたのか。でも、「ヒト、モノ、カネ」のバランスが今の社会や経済は崩れてきていて、カネに重きを置いた結果(GDPやインフレによる資本成長の達成)、移民問題や韓国程度の西側の4.5%程度のGDPしかないロシアの産業を崩せなかったり色々な社会問題として還元されているのは面白い。資本の否定は出来なくても、あまりにもカネに主義を置きすぎて経済発展を最優先した結果30年後多くの欧州の国がイスラム教徒が多数派になりイスラム国家に変貌してしまうといった事例への警鐘に思えて面白いけどね。
米軍内部には、無数の理不尽さがあって、それが入隊者を減らしてるわけです
それを一切解決するつもりがないから、賃金引上げのような策に出てるわけでして
そもそも財源も結局は国庫なわけでしょう 上層部にとって厄介な構造改革や改善なんてなんもないわけです
私は賃上げで米軍の定員確保は絶対無理だと思うわけですが、
今後は確実に 「貧しいから」「お金が欲しいから」「市民権が欲しいから」
という入隊者は確実に増えてくるわけです
しかし、愛国心も兵役に対する覚悟もない人々を集めたところで、将来のトラブルの火種を盛大にばら撒いてるだけだと思います 間違いなく悲惨な結果になりますよ
やっぱりこの傾向はベトナム戦争以降からでしょうか。
国籍目当てに必死に戦うこともありますが(WW2の日系人のように踏み絵として)、今の移民はどうなんでしょうね。
市民権欲しさの外国人と金目当ての雇われ兵隊ですか。なんだかローマ帝国が衰え始めた頃に似てきているように感じるのは私だけでしょうか。
アメリカは、インフレで給料が上がり続けていますからね。
プロンプトエンジニアはコードを書けなくてもいいですが、非常に高い収入を得ている事が話題になりました(円安ですから円換算で、今より収入が多いでしょう)。
サイバー戦争技術職は、彼等よりも高いレベルであり、民間(GAFAMなど)と人材の奪い合いですから人が集まらないのも仕方ないでしょうね。
(2023年5月18日 年収5000万円! ChatGPT操る「プロンプトエンジニア」って? NHK)
Forbesの記事を見てたら、米国で学位無しで高収入の得られるブルーカラーって記事があって、放射線技師が年収1500万円とか、円がいくら安くなったかとしみじみ感じました。
日本の技師の3倍近く貰っているのでしょう。まああちらは医療保険とか家賃なんかもクソ高いので同列には論じられませんけど。
必要な技能に対して金を払うのは大変結構なことだけど、薬物検査の規定を甘くするのは如何なものか。軍が薬物汚染されて南米みたいになっちゃ不味いでしょう。
>海軍全体で22名しかいないサイバー戦争技術職
に意外感があって驚きました。恐らく資格職なのでしょうが、どういうスキルが求められているんでしょうかね。
自衛隊でこれに相当する技術職は何名いるのだろうと気になりました。
軍隊というのも所詮は官僚組織なので自由を求めがちなITに強い人材というのは定着しにくいものです。
日本でそこそこやっていくには、まずエクセルのif関数からスタートするとつぶしが効いてお得なので若い人はぜひ頑張ってください。
世の中には信じられない程ネットの知識がない人たちがいるので、エクセルをマスターすれば冗談抜きで上位1%のIT人材ですよ。