ウクライナ侵攻から383日目を経過、露ワグネルはバフムートとスラビャンスクを結ぶ幹線道路「M03」沿いに北上、ウクライナ軍はバフムート周辺のオリホヴォ・ヴァシリフカやミンキフカで敵を撃退したと発表した。
クピャンスク方面の戦況
クピャンスク方面では「ドヴォリチナとマシュティフカで敵を撃退した」とウクライナ軍参謀本部が発表しており、オスキル川の対岸にあるドヴォリチナへの攻撃が登場したのは初めてで、フリャニキフカをロシア軍が支配しているのはほぼ確実だ。
ただドヴォリチナへの攻撃はオスキル川を渡河する必要があるので、恐らくロシア軍の威力偵察ではないかという見方が強い。
どちらにしてもロシア軍がオスキル川東岸地域に足場を築くためマシュティフカやシンキフカの制圧を狙っているのは確実で、ウクライナ側の情報源も「前線が近づいてきたため当局はクピャンスク東岸地域に住む市民の部分的避難を開始した」と報告している。
バフムート方面の戦況
バフムート方面は中々興味深い進展を見せており、露ワグネルはバフムートとスラビャンスクを結ぶ幹線道路「M03」沿いに北上、ウクライナ軍参謀本部は「オリホヴォ・ヴァシリフカ、ミンキフカ、ザリズニャンスキー、バフムート、ボダニフカ、イワニフスキーで敵を撃退した」と発表した。
特にミンキフカへの攻撃が確認されたのは初めてで、露ワグネルは守りの固いボダニフカやクロモヴェの突破を諦めて「さらに外側からバフムートの包囲を試みているのではないか?」という予測もあるが、オリホヴォ・ヴァシリフカやミンキフカは依然としてウクライナ軍が保持しており、バフムート周辺の前線に目立った変化はない。
但し、バフムートの市街戦ではワグネルが部分的に前進を見せている。
アルテモフスキー金属工場を巡る戦いは現在も続いており、MiG-17モニュメント付近ではウクライナ軍がロシア軍の攻撃を撃退、モニュメント近くをウクライナ軍の車輌が通行している様子が視覚的に確認(リンク)されているので、同地域をウクライナ軍が保持しているのは確実だ。
バフムート南ではワグネルが前進を見せており、特にバフムト川沿いに北上するワグネルの部隊はバフムートの行政庁舎まで約800mの地点に到達(一時的なものか定着したのかは不明)している。
ドネツク(アウディーイウカ)方面の戦況
ドネツク(アウディーイウカ)方面でもロシア軍の攻撃が活性化しており、ウクライナ軍参謀本部は「アウディーイウカ、カムヤンカ、シェヴェルヌ、トネネキー、ペルヴォマイスキー、ネーベルズキーで敵の攻撃を撃退した」と発表した。
ロシア側の情報源が主張するベゼルやクラスノホリフカの制圧を示す視覚的な証拠は見つかっておらず、アウディーイウカ北東の状況は今のところ不明だ。
最近のロシア軍はアウディーイウカ市内のウクライナ軍施設(恐らく弾薬庫や物資集積地など)を積極的に攻撃しており、仮にベゼルやクラスノホリフカの制圧が事実ならアウディーイウカの状況も楽観視できない。
ドネツク(マリンカ)方面の戦況
ドネツク(マリンカ)方面では「クラスノホリフカ、マリンカ、ポブジェダ、ノボミハイリフカ、ヴーレダーで敵の攻撃を撃退した」とウクライナ軍参謀本部が発表した。
この戦線は特に変化がなく「いつも通り」と言えるが、ポブジェダとノボミハイリフカに少しだけロシア軍が近づいている。
以上がウクライナ侵攻から383日目の戦況で、やはりバフムートが最も動きの激しいホットスポットと言えるが、アウディーイウカの状況も注視していく必要がある。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ロシア軍部はバフムートでウクライナ軍とワグネルの共倒れを期待している。
プーチンはそれを拒否していないが、肯定もしていない。
と どこかの外信記事で見かけた気がします。
翻訳が悪かったのかもしれないが、今のバフムートの状況を説明しやすいような
見てる限りじゃやっぱソレダール軸で攻撃してるよねえ。
M03周辺の制圧範囲が増えればそれだけ自走砲がより自由に動き回れるし。
何で道路に沿って動くの?泥で移動できないのか?
この時期は特に
泥もありますが、道路の外は地雷だらけでマトモに進めないんですよ。
バフムート周辺でウクライナ軍が反撃に成功したらしいとの情報があります
ウクライナ軍参謀本部の定期報告でパラスコビウカでロシア軍を撃退した
との報告があったそうなのですが
このサイトの戦況図で見るならば、そこはロシア軍支配地域の真っただ中です
何故そんな場所でロシア軍を撃退したとの報告があがるのか、謎だったんですが
ウクライナ軍が反撃に出てそこまで到達しているらしく
激しい戦闘になっているという話です
しかし、他の情報ソースからはまだこの話は見つからないため
まだ半信半疑ではあります
M03号線から装甲車部隊で南下したんですかね。
元陸将の磯部氏や渡辺氏が自分ならそうすると言っていました。
そうなるとドヴォバシリフカ・ベルヒフカ・ヤドヒネあたりのロシア突出部が逆に包囲できる。
そしてバフムトと違って囲まれた部分は防御陣地になっていない。
ただ磯部氏はウクライナに予備がないから、それができないんだろうとのこと。
もしかしたら、来たばかりのレオパルドで実行したんでしょうか ?
そうだとしたら
高橋杉雄氏は支援戦車の逐次投入は悪手だと言っていたのでそれで良い事なのか。
まだ何も分からないので仮想の話しです。
TKTさんをちょっと真似してみました。
最早バフムート周辺のウクライナ側の情報源の信用は皆無だ
なんら視覚的証拠もなければ、単なる憶測でしか物を言っていない
あなたの言ってることははっきり言ってTKTと同レベルでしかない
TKTさんはあれで情報の精査レベルは高いよ
ロシア有利の情報でもツリー元みたいな程度の低い嘘っぱちにはほぼ引っかからない
まあそういう確度の高い情報を元にして妄想をぶちまけるから頭が痛いんだけど
「えーい、バフムトはもう包囲しなくていい。ほっといて先へ進むぞ」って事?
今更になってそうする動機は何だろうね?
単純に硬いところは迂回しているだけでは ?
今回の攻勢も正面攻撃ONLYをやめてから前進しだしました。
逆に包囲したから正面の押し上げが始まるんだろう
後方連絡線が圧迫されて戦闘効率の下がった市内の部隊を半月くらいかけて締め上げていくつもりなんじゃない?
まあロシアも泥濘で陣地転換が困難なうちに市内の掃討を完了するために急いでるだろうけどそれくらいの時間感覚で動いてるはず
バフムトの地下要塞、というのは、旧・ソ連のはだいたい巨大な工場街の地下、というのが多く、マリウポリでも、セベロドネツクでもそうであり、バフムトではまさに今、激戦中であるアルテモフスキー金属工場の地下がそうなのでしょう。
住宅街や、商店街の地下には要塞のようなのは作りにくいはずです。機密の保持にも問題があり、財閥・オルガリヒのことを考えても、バフムト城の本丸は工場街でしょう。
バフムトの地下要塞化にはNATOも協力しているといわれ、いろいろとロシア軍の手に渡るとまずいものもあるかもしれません。
旧・ソ連の地下工場要塞への潜入攻撃というと私はどうしても、過去にプレイしたプレイステーション2の
「メタルギアソリッド3」
を思い出してしまいます。まさかバフムトの地下にメタルギアが隠されているわけではないでしょうが、ロシア軍による攻撃自体は似たような感じかもしれません。
南から北上しているというワグネル社の部隊は、市役所の市庁舎の屋上に旗を揚げたいのでしょう。軍事的な意味はなくても、政治的には大きな意味を持つかもしれません。
M03号線道路に沿ったミンキフカへの攻撃は、バフムトへの増援や補給の阻止を目的としたものではないでしょうか。
司令部はアゾム工場の地下だろうな。
ただすでにチャシブヤールに司令部は撤退してるかもしれんが。