キーウ方面の戦線を縮小したロシア軍が今後戦力を集中させてくるのはドンバス地域で、ここを巡る戦いで重要なポイントになってくるのがイジュームを巡る攻防だ。
ドンバスの戦いを左右するイジュームの攻防、どうやらロシア軍に奪取された可能性が出てきた
ロシア軍はキーウ方面やチェルニーヒウ方面の戦線を縮小、ドンバス解放(ルハーンシク州やドネツィク州の行政区分全体を掌握することを指す)に重点を移しているが、ここにはウクライナ軍の中で最も装備が充実した合同部隊作戦(Joint Forces Operation/ドンバス地域防衛のための専門部隊)が布陣しているため侵攻開始から38日が経過してもドンバス全域を掌握するに至っていない。
中々突破出来ない合同部隊作戦の防衛ラインを背後から崩すためロシア軍はイジューム攻略に本腰を入れ始め、この地域の攻防がドンバス戦線における最も重要な戦いとまで言われてきたが、どうやらイジュームはロシア軍に奪取された模様(公式発表はないものオープンソースの資料からイジューム陥落を主張するアナリストが増えてきた)で、ウクライナ軍はMala KomyshuvakhaとSukha Kam’yankaでロシア軍の南進を食い止めている状況らしい。
ここを突破されるとドネツィク州の中心都市スラビャンスクを背後から突かれる可能性があるので何としても現状で食い止めるか、イジュームまでロシア軍を押し戻す必要がある。
ただロシア軍はキーウ方面やチェルニーヒウ方面から撤退させた戦術大隊(BTG)を再編してドンバスに移動させる可能性が高く、少なくないロシア軍部隊を釘付けにしているマリウポリが陥落すれば合同部隊作戦は南からの攻勢にも対応を迫られるため、ドンバスでの戦いは「どちらかというとロシアに分がある」のかもしれない。
勿論、首都を巡る戦いから解放されたウクライナ軍も増援を送るはずなので戦いの行方を予想するのは困難だが、何とか踏ん張ってロシア軍を押し戻して欲しいところだ。
追記:管理人も後方に撤退して再編成(飲酒)に入る予定、戦場復帰は未定
関連記事:ウクライナ軍の反攻、キーウ近郊のロシア軍をほぼ一掃することに成功
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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せめてドネツク・ルガンスク・クリミア連結した範囲はロシアとれないと国内向けでも和平案だせないでしょうからね。
ロシア式一撃講和論なのかもしれない。南東でどこかで戦果を上げて交渉での条件を吊り上げたい、みたいな。
講和はしないんじゃないかな?ジョージアとの南オセチア紛争も講和に至っていないし、我が国日本もロシアとは平和条約を結ばぬまま断交一歩手前よ。いつでも戦争できるように「休戦」に留めるんじゃない?そうすれば北朝鮮の「先軍政治」のように権力を維持できる。
この戦い次第でウクライナの運命が変わる。
神よ 彼らに勝利を
士気は高いが火力と航空優勢に不安があるウクライナ
航空優勢も含めた重火力はあるが、指揮通信がダメダメ、補給も拙いロシア
勝敗はやはりNATO諸国がどれだけの装備を支援するかにかかっているのか
一応地の利があるとはいえ、今度は攻めないといかんからそのための編成にするのも時間がかかりそうだな
ウクライナ支援国も戦車・装甲車・自走砲などの大型兵器を送る流れになっているので
前線に届けば巻き返しが始まると思うがデカブツは運ぶのが大変だから時間かかるわな
東部の反撃で重装備を消耗しても西側供与で充足の確約あるなら温存不要で鹵獲品の最戦力化も手助け受けれるならどんどん鹵獲狙おうぜ的なね
正面装備はともかく人的資源は供与が無理なんで特別ドンバス支隊を孤立させ失わせんじゃねえぞ捕虜与えると交渉材料にされっぞって事では
ロシア軍が進出しても突出部や兵站を叩かれて撃退されるパターン
前進に多大な犠牲を払い、再編中に反撃を受け続けてジリ貧もパターン化
上から押せ押せ言われて捨て石ごとく前衛部隊ぶつけたらなぜか防衛手薄で突出できちゃった所じつは本隊投入を待ち受けたキルゾーンなだけでは
ここが守れたら、ロシアの完全負けだろうな
逆に取られたら、負けは負けでも、政治的に誤魔化せる負けくらいになるかも
守りきる→防衛の有利さを利用したロシア軍すり潰し→ロシア軍撤退
となれば西側としては理想だろうが…流石にロシア軍もこのままとは思えない
管理人さんもこの一ヶ月大変だったろうし、ゆっくり休んで毎秒更新して欲しい。
いたわっているように見せてしれっとロシア軍以上の鬼畜要求
ロシア軍はキーウでは撤退したと言っても重装備も多数失っていますし、それどころかかなりの部隊が包囲殲滅されている様子ですから、果たしてドンバスに転進できる部隊がどれ位あるのやら。
撤退しても嫌がらせ位はするだろうから、ウクライナとしては首都防衛部隊をある程度残す必要があるのも辛いところですね。
撤退した筈のロシア軍が戻ってきたり、ベラルーシが絶対に動かないっていう保証があればいいけど、そうでない以上、キーウ防衛隊をある程度残さないといけないのがウクライナの辛いところですね。嫌がらせ程度のミサイル攻撃くらいはありそうだし。
戦力分散を強いられているのがウクライナ側という…
補給・休養は大切です。
ごゆっくりなさって下さい。
復帰をお待ちしております。
しかし広域で見るとマリウポリがもはや点みたいですね……
イジューム方面への進出は、逆に見ればロシア国境から補給線を伸ばさなければならず、ドネツ川やその支流の橋の所在地からルートを容易に予想されて待ち伏せに遭いやすいわけで、ウクライナ軍がハルキウ方面から南に押し返してくると「イジューム・ポケット」が出現する諸刃の剣でもある。
キエフ東方に進出してきたロシア戦車師団をウクライナ軍が押し返している状況で、それが終わった時にスムィの解囲を優先するか、ドンバス転戦を優先するか。
ここ最近の連投お疲れです
ゆっくりメンテしてください
管理人に栄光あれ
ISWの4月1日のレポートによると、イジュームはドンバス地方というよりはハリコフを包囲されないために必要だったという見方ですね。しかSiロシア軍はハリコフの包囲を諦めたようなので、イジュームがロシアに取られたことを大ごとだとは考えてないようです。むしろ、これまで守ることに成功してハリコフの包囲を防いだと「よくやったよ」という書き方でした。
ロシアはキエフ周辺のユニットを再編して他の戦線に投入しようとしているけれど、「これらの劣化した部隊がロシアが大規模な攻撃作戦を成功させることを可能にする可能性は低い」というのがISWの見立てですね。
今回の戦争の進展が独ソ戦にだぶって見える。
首都への攻勢とその失敗、補給の限界による戦略目標の縮小。
侵攻を受けた側への西側の軍事支援。
ドンバスへの攻勢はロシアにとってのツィタデレ作戦となるか。
首都キエフの危機は一応脱したものの、多方面に同時に対処する状態は変わらない。
首都側とハリコフ側は、これからロシア領に向けて攻めていく訳で、
これは、聖域を残した状態で攻めるのだから、難儀なことだ。
ロシア側は、自国領内からだろうと、遠慮なく撃ってくるに違いない。
ドネツク・ルガンスクもいずれそうなるだろう。歩兵による掃討戦になるだろう。
出来れば、ベラルーシに寝返ってもらいたいものです。そうすれば、首都側の敵の聖域がなくなる。
クリミアは、ロシア側を半島内に追い込んでから、ケルチ海峡の橋を落としペレコプ地峡を封鎖して、兵糧攻めだろうか。