ウクライナ軍のザルジュニー総司令官はEconomist紙に対して「問題を抱えているにも関わらずロシア軍の動員計画は非常に上手くいっており、早ければ来年の2月までに動員した20万人の訓練が終わる」と明かし、ロシア軍による再攻勢を警告した。
参考:An interview with General Valery Zaluzhny, head of Ukraine’s armed forces
最も興味深い話は何かと馬鹿にされることが多いロシア軍の動員計画についてへの言及だ
ロシア軍は「インフラ攻撃によってウクライナ側を一時的な休戦に応じさせる努力」と「ウクライナ軍の再編成を阻止する努力」を同時並行で進めており、前者の努力は巡航ミサイルや無人機による攻撃、後者の努力はバフムートやマリンカなどを含む1,500kmに及ぶ前線での活発な戦闘で「戦略的な問題の解決にならないもののウクライナ軍を消耗させている」とザルジュニー総司令官は指摘しているが、最も興味深い話は何かと馬鹿にされることが多いロシア軍の動員計画についてへの言及だろう。
この動員計画は元々「一部の兵士を投入して前線のギャップをカバーする目的」と「大半の兵士=20万人以上を春までに訓練する目的」で構成され、ザルジュニー総司令官は「ロシア軍の計画は非常に上手くいっている。第二次大戦の教訓を活かして前線から遠く離れたウラル山脈の向こう側で必要な物資の準備も行っている」と明かしたが、用意されてる弾薬の質は「あまり良くない」と指摘して戦闘能力自体は低いと予測している。
要するにバフムートを巡る戦いで「砲弾の餌」と化している動員兵は端から「時間稼ぎ」が目的で、大半の動員兵は常識な訓練(約3ヶ月間)を受けているという意味だ。
訓練を受けている動員兵は来年2月までに準備が整い「再びロシア軍が攻勢にでる。攻勢に出る場所はドンバスに限定されておらず連中がキーウ攻略に再挑戦するはまず間違いない」とザルジュニー総司令官は断言する一方で、ウクライナ軍には十分な兵士がいるものの武器や弾薬が足りないと主張し「あと戦車が300輌、歩兵戦闘車が600輌~700輌、榴弾砲が500門あれば2月23日のラインまで到達できる」と訴えており、この戦いはまだまだ終結に程遠い状況と言える。
因みにウクライナ国内でのザルジュニー総司令官人気はゼレンスキー大統領の人気を上回っており、ザルジュニー総司令官を解任して陸軍のアレクサンダー・シルスキー司令官に交代を画策する大統領府の動きを西側諸国が心配しているとEconomist紙は報じている。
追記:ロシア軍は16日に76発の巡航ミサイルをウクライナに撃ち込んだ。ウクライナ軍は60発のミサイルを迎撃することに成功したと主張(迎撃率83%)している。
関連記事:バフムートを巡る戦い、ロシア軍が市街地に侵入した可能性が濃厚
※アイキャッチ画像の出典:Головнокомандувач ЗС України
ザルジュニー総司令官の解任するとしたら、目的はなんなんだろ
人気が出過ぎて目障りになったのだろう。
トゥハチェフスキーの悲劇再来だけは避けてほしいものだ
夏頃に検事総長と保安局長官が解任された時は利敵行為を行ったスパイだったという名目でした。
国民の英雄がそうだとしたら全体の士気にも影響するでしょうし、ザルジュニー氏がそうであって欲しくはないですね。
想像に過ぎませんが、もしかしたら戦争の着地点についてゼレンスキー大統領と意見の相違があるのかもしれません。
歴史を見ても求心力が高すぎる軍司令官は権力者からしたら扱いが面倒な存在なんでしょうね。
完全な妄想ですがゼレンスキー政権が恐れている事は第一に敗戦、第二にロシアと西側が意に沿わない停戦協定を結ぶ事で、その為に総司令官の人気を利用される事を恐れているのかも知れません。
英雄ジューコフがフルシチョフに失脚させられたように、両雄は成り立たない
遠からずゼレンスキーとの権力争い、あるいはクーデターにつながる可能性はあるでしょう
その隙をプーチンにつけこまれないといいけど
只、シルスキー大将も有能な人(ドンバス戦争時代から頭角を現した人で、この戦争序盤のキーウ攻防戦でも活躍。更には今秋の東部反攻作戦の指揮もしており、一部報道では東部反攻作戦の立案者だと報じられた事も有る)なので、仮にサルジュニー司令官の後任になったとしてもシルスキー大将の方がゼレンスキー大統領よりも人気が出るのは確実な為、むしろ藪蛇の様な結果になるのでは……
未だに結構な数がバフムートで溶けてると思うけど、それらの時間稼ぎがロシアに有効に働くとは思えないな。
まあ根本的な戦力はロシアのほうが多いのは間違いないし、油断大敵ではある。
ウクライナは一丸となって欲しいが、つまらん政争で荒れるのは止めてくれよ。
タダ同然で手に入れた動員兵でウクライナ(と補給を続ける西側諸国)に消耗を強いる事が出来る
これでウクライナ側の進撃を遅らせて 更に後方では春季の攻勢に向けた準備まで出来ちゃう
ロシアはやっぱり強いんやな
政治体制の違いから来る強みを存分に生かされてる格好ですね。
ロシアの兵士は畑から採れるというスラングもあながち嘘ではないようだ。
命の消耗戦となったら、そら人口の多い方が最後には勝ちますよ。
2022年にこんなもん見せられるとは思いませんでしたけど…
タダじゃないでしょうな。
動員が総動員に近ければ近いほど確実に国家としての継戦能力は致命的に損なう。
「30万人の動員」でロシアはいつまで戦えると見込んでいて、しかし実際にどこまでその見込みどおりになるのか。その時までにウクライナが音をあげてくれればいいが微妙ですね。
まあ勝敗の如何に問わずロシアの経済社会に与える影響は深刻になるから、戦後は長く苦しむことでしょうなあ。
タダより怖いものはない…
そもそも人員をカスみたいに使い捨てる国だから産業の近代化に失敗しているのではないかと…
皇帝は愚民を求め、愚民は生産性が低い
動員兵がバフムートで溶けてるというのは全くエビデンスのない都市伝説みたいなもので、視覚的に確認されたことは一度もない。
捕虜も死体もワグネルPMCか親露派のものばかり。
夏頃からワグネルが正規軍から担当を奪った聖域のような地域なのだ。
あのエリアでロシア国防省傘下の部隊が前線で確認できたものは小数であり、それは重火力支援がメイン。
今年2月に大半の職業軍人をキーウ攻略に投入しても失敗したのに、約3ヶ月間訓練を行った動員兵でキーウ攻略に再挑戦しても普通に失敗すると思います。
「ロシア軍のキーウ制圧が成功する可能性は極めて小さい=戦争研究所」
リンク
ハルゼーとスプルーアンスみたいに交代制でやっても問題無いなら司令官を休ませるのもありかもしれない。ただ、政治的な理由で交代して何かあったら、しこりになって後に響くけど。
>>武器や弾薬が足りないと主張し「あと戦車が300輌、歩兵戦闘車が600輌~700輌、榴弾砲が500門あれば。
陸自一個分相当の兵器なんて供給できる国存在するのか?
1ヵ国で負担する必要は無いんだよ ウクライナを応援する全ての国が出せば良い
日本だってやろうと思えば戦車と榴弾砲は出せるハズ
歩兵戦闘車は。。。他国任せかな
大祖国戦争再びをやろうとしてるわけですか。実際これができるのがロシアの強さの本質だから、戦略としては正しいんでしょうけど。そしてどっからか部品類を調達しているから、ミサイルも生産できてるし、まだまだやる気なんでしょう。
そしたらもう戦争をいつまでやるかは、あとはロシア国民がどの位付き合うか次第でしょうね。資源のない日本ですら4年近く戦争してるから、まだまだロシアは戦争を続けそうですねえ・・・。
先日アメリカで、ロシアへ軍事利用可能物資を密輸してたロシア人集団が摘発された事件があり
そんな感じで各国で10人未満のロシア人集団が多数密輸してて、しかも過去からやってたようだし
かなり備蓄はあるでしょうから、しばらくは持ちそうですね
そして、これからも動員続けて1000万人が肥料になっても、
ウクライナ軍人を500万人殺せれば勝ちという戦略かもです
何かウクライナの政治と軍の関係って微妙っぽいんですよね
ポーランドのミサイルの時にも「でも軍がロシアのミサイルって言ってるのを認めない訳には…」みたいなコメントしたり
あとウクライナ保安庁も絡んでいるような気がします。
そういえばトゥルチノフとかヤツェニクとかって今でも力持ってるんだろうか。
保安庁との関係もよく分かんないですよねぇ
保安庁と内務省がそれぞれ対テロ部隊という名の準軍事組織持ってたり、民兵部隊を管轄するのが国防省じゃなくて内務省だったり、あの辺を見るとウクライナってソ連なんだなあって感じます
この調子ですと、仮に終戦できたとしても、その時のウクライナがはたしてどの程度、シビリアンコントロールができているのかが気になりますね・・・・。
仮に、軍が力を持った政情不安定な国家になれば、どのみちこの地域の安定からは遠くなりそうですし・・・。
政情不安定な軍が幅をきかせる国家になってしまえば、NATOからの武器支援も減りそうですし、もしその時ロシアの第二次侵攻があれば、その時こそ、危機的状況になるという可能性も・・・。
軍人のほうが権力が上なのかな
大統領より人気がありすぎるとクーデターやら命令無視のリスクが増えてまずいと思ったのか
要するに、ウクライナ軍の将校、士官、特に将官は、
「元・ソ連軍」
の士官、将校であった人がほとんどであり、ロシアの士官学校や、軍事学校で教育を受けた人も非常に多いわけで、もともとウクライナ軍などというものはなく、またロシア語しか話せない人も多いわけです。
特にウクライナ海軍の士官や提督などは、クリミア併合時にそのままロシア海軍に入った人が多いと言われます。
元・ソ連軍の士官、将校を信頼できない財閥、オルガリヒが、民間の資金でサッカーチームのサポーターなどを集めて、アゾフ連隊や、スヴァボーダ連隊、クラーケン連隊などを編成し、国防省ではない内務省の国家親衛隊に編入させたのも、そのためでしょう。
そもそもゼレンスキーの身辺警護も、イギリス陸軍の特殊空挺連隊SASが行っていると言われます。
マリウポリでも、アゾフ連隊がウクライナ海軍の歩兵旅団を信頼せずに、対立したとかどうとかいうのは、このサイトでも書かれていました。
ザルジュニー将軍の方が、ゼレンスキー大統領よりどうとかいうのは、単なる人気とかの話ではなく、現実的に停戦を求めるウクライナ人が増えている、ゼレンスキーへの信頼が失われているということかもしれません。停電も続いているわけです。停電を巡ってはキーウのクリチコ市長との対立も伝えられます。
ザルジュニー将軍の2月の総攻撃の予想は、暗に停戦を促しているようにも見えます。
ザルジニーがゼレンスキーに選ばれたのはソ連軍のアカデミー出身者でない若い軍人だからだよ。
彼より年上の将軍はほぼソ連軍だからザルジニーが飛び級で選ばれた。
軍人に限らず各省庁の人事もソ連に染まった50代以上は登用せず40代以下の独立以降世代がメインの若い政権。
ウクライナ自体が40以上の民族で構成されているせいで、もともと民族紛争防ぎ治安守っている必要不可欠な軍が支持高いですよね。
民族多すぎて、大統領の支持率一桁が普通で、ゼレンスキー大統領の支持率二割もウクライナでは支持率一番高い大統領だったらしいですからね。
戦時に大統領府の動きを民間の新聞に知られるほどカバカバな訳ないからウクライナ軍人の誰かが勝手にいっている推測記事でしょうけどね。
後任候補にあがっている大将も有能で実力ある将軍だから、軍内部の派閥争いの側面もありそう。
訓練キャンプ吹き飛ばすような長い手下さい
アメリカ「絶対にやらん。」
冬戦争みたいに軍政トップの考えがズレてる可能性はないとはいえんからなあ
ロシアと停戦したら二度と領土が帰ってこないことを歴史が証明してる分徹底抗戦派のほうが発言力あるだろうけど
ザルジニーとゼレンスキーどっちがどうとかは外から見てわかるもんじゃないけど
30万人動員して20万人を訓練する時間を稼ぐ為に10万人が肉壁になるのか…
で、前線に駆り出されている動員兵は溶けること前提だからろくな装備も無いと。
鬼畜の所業。
その3ヶ月ほど訓練が長いだけの20万人も教える人がいないから一部はベラルーシでも訓練をしてる。次点が退役軍人のソビエト時代の訓練で、最悪その3ヶ月を訓練されずに終わる者も少なくはないと思う。
そして彼らの装備はと言うと緊急輸入の中華エアソフト装備でも支給されるだけマシ。3ヶ月で戦闘車両がそんな大量に再整備される訳がなく、完成品輸入も無い。
これでプーチン閣下の戦争指導で実施されるの予定バレバレのキーウ再攻略。泥濘期を過ぎる春以降でなく冬場に急いじゃうし。多分ロシア滅びるやろ・・・。
キーウ再攻略などするわけない。
理由はロシア側の戦略である包囲戦ができないし損害が大きすぎるから。
だいたい一度失敗してるのにわざわざもう一度するわけない。
ロシア側は長期戦に切り替えてる。長期戦でロシア側が優勢になるかは
正直疑問も多いが。
ついでに言うと、冬季ロシア大攻勢もないと思う。する意味がない。
スロヴィキンは疑いなく優秀な司令官だと思う。
彼はいかにロシア側の被害を少なくして、ウクライナ側を消耗させる
ことだけ考えているだろう。ウクライナ側が消耗すればそのうち降伏
するだろう、、、という目算か。まあ希望的観測だけどね、、、。
ウクライナ軍のザルジュニー総司令官はなぜこんなことを言ったのか?
理由はいくつか考えられるが、ロシアは反撃の態勢を整えているので、
さらなる支援を!という欧米へのメッセージか?
ウクライナ内部の内紛はよく分からない。もともと腐敗・破綻国家
で、内部はグッチャグッチャの国だからな、、、。
それが大きいでしょうね
攻勢に出るには昨年以上の兵員数と補給、それから練度の高い部隊に優秀な指揮官がいる
無茶苦茶な攻め方で多くを失った以上、1年経たずに全てを補充できるわけがない
宇側としては、欧米諸国の支援を獲得するのと国内向けには油断するなと言うことなのかと