FT紙は14日「ウクライナ軍が来週中にもドニプロからヘルソンまでを奪還する可能性があると西側当局が予想した」と報じたが、ヘルソンを含むドニエプル川北岸地域を奪還するような動きが確認されているかは謎だ。
参考:Kremlin-appointed Kherson leader seeks Russia’s help to evacuate civilians
今回の戦争でメディアやアナリストの予想は尽く外れているので、話半分ぐらいだと思っておいた方がいい
日本メディアもFT紙を引用して「ウクライナ軍が(早ければ今月後半にも)州都ヘルソン市を奪還する可能性がある」と報じているが、FT紙はヘルソン州の住民避難に関する記事で「ウクライナ軍が来週中にもドニプロからヘルソンを奪還する可能性があると西側当局が予想した」と言及したに過ぎず、他の海外メディアやアナリストはこの報道に懐疑的な反応を示しており、本当にヘルソンを奪還するような動きが確認されているかは謎だ。
Twitter上では「ヘルソン州でウクライナ軍は新たな反撃が始まった。マイラブ~ボロゼンスキー間を突破する砲撃を加えている」という情報が15日夜に流れたが、これ裏付ける視覚的な証拠も続報もなく、Telegramのロシア人チャンネルも当局の圧力でほぼ更新が止まっており、戦場の霧はますます濃くなっているという印象を受ける。
管理人は「ヘルソン奪還」というポジティブな報道を否定したい訳ではないが、今回の戦争でメディアやアナリストの予想は尽く外れているため、FT紙の報道も話半分ぐらいだと思っておいた方がいいだろう。
因みに10月09日~10月15日(ウ軍発表によるロシア軍兵士の戦死者数2,620人)は前線の状況に変化が少ない1週間だったと個人的には感じている。
7月末以降に記録されたロシア軍兵士の戦死者数と戦線での動き | ||
07月31日~08月06日 | 1,230人 | HIMARSでヘルソン州のロシア軍を攻撃 |
08月07日~08月13日 | 1,500人 | AGM-88HARMの投入、クリミアでの爆発 |
08月14日~08月20日 | 1,500人 | クリミアでの爆発、ケチル市で初めて防空システムが作動 |
08月21日~08月27日 | 1,500人 | HIMARSでヘルソン州のロシア軍を攻撃 |
08月28日~09月03日 | 2,550人 | 29日に南部司令部が反撃開始を宣言 |
09月04日~09月10日 | 3,200人 | 6日頃にハルキウ州で反撃を開始、バラクレヤとクピャンスクを解放 |
09月11日~09月17日 | 2,000人 | イジューム解放、ハルキウ州のロシア軍がオスキル川西岸まで撤退 |
09月18日~09月24日 | 2,050人 | オスキル川を渡河してリマン方面への反撃を開始 |
09月25日~10月01日 | 3,310人 | オスキル川沿いやリマン周辺で拠点を解放 |
10月02日~10月08日 | 2,450人 | リマン解放、ヘルソン州で反撃、ロシア軍が撤退を発表 |
10月09日~10月15日 | 2,620人 | クリミア大橋爆発、ロシア軍による都市攻撃 |
追記:イゴール・ガーキン氏は特別軍事作戦に参加するためウクライナに向かった可能性が高く、ウクライナの複数の組織はガーキン氏に5万ドルの賞金(行きたまま拘束できた場合)をかけている。
関連記事:1ヶ月以上に及ぶウクライナ軍の反撃、今後も攻勢を維持?それとも再編成?
関連記事:ロシア、ヘルソン州西部からの撤退を条件に一時的停戦を模索か
※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ロシアンブロガーが弾圧を受けているのは情報を集める側としては痛いですね
といっても彼らが流す情報は嘘が多いので、話半分ぐらいに考えてましたけど
宇軍が情報統制してるから動きが判らない。ミルブロガーの情報はロシア寄りで希望的観測が多いから、ISWでも眉唾扱い。
慌てずとも11月に入れば冬服の配布状況とか装備や環境で両軍の差が出て来るし土地もしまってくるだろうから、宇軍が有利になるかと思うし。無理せず確実に獲っていってほしい。
へルソン方面だとロシアが三重の塹壕と第二次大戦ぶりの戦車よけのコンクリート片と対戦車地雷埋めた広範囲の陣地つくっているから、ウクライナ軍も電撃的な突破はしにくい。
一部を歩兵で突破後は片付けるのしないと戦車が進撃できないですからね。
逆にロシア軍はウクライナ軍の設置した地雷に突っ込んで自爆していますね…
リンク先は、その映像で1台のロシア軍のMT-LB装甲輸送・牽引車が登場。移動する先の路上にはウクライナ軍が設置した10個ほどのTM-62対戦車地雷がはっきり見える。しかし装甲車の操縦手は地雷原が見えていないようで速度を落とすことなく直進し、最終的に地雷を踏んだ装甲車は爆発し、巨大な火の玉に飲み込まれた。
爆発煙がおさまると部品が周囲に飛び散り、破壊された装甲車とともに一人のロシア兵が何が起きたか分からないのか呆然として地面に座り込み、その後は力なく後方に歩いて行く様子が記録されている。イギリスのデイリー・メール紙では、とある退役軍人の話として「対戦車地雷は敵の戦車のドライバーから見えないように地中に埋める。動画の状況だと肉眼で見えるにもかかわらずその道を進んだ」とし、「訓練を受けた兵士が地雷を踏みに行くことはない。ロシアの兵士たちが正常な訓練を受けなかったことがわかる」と語っている。
畑に龍の歯みたいなブロックをトラックから落してゆき、対戦車壕を掘って奥に阻止線の歩兵塹壕がありその奥に丸見えのPAK陣地をこさえてる動画を見たなぁ…。感想はクルスクの丘に巧妙な縦深陣地でドイツ機甲師団を追い返したご先祖に謝れと言いたいですね。龍の歯は戦車が乗った時に土地にめり込むと意味が無いから地中の基礎をしっかり作る。戦車壕は足止めになるか。反撃の主力のMANPADを抱えた歩兵が潜む塹壕とPAK陣地が丸見えなのは頂けないかな。
塹壕は砲撃有りきで地下2層くらいの気合が入った構造にしないとしぬし、奥に逃げられる支線もない。砲座も丸見え…。
WW1の歩兵浸透戦術で抜けるし、今だったら反撃拠点を砲撃とドローンで虱潰しにして、地雷原は通り道だけ除去すれば問題ない。なんだろ、仕事してるアピールかな?
動員されたばかりの新兵使って、ロクな指示が出来ない体制で地下2層なんて無理でしょう。
旧日本兵ならできるかもしれないが、ロシア人はそんな器用でも真面目でもない。
何にしてもウクライナ軍が頑張ってロシア軍を削った結果ですね。
あれ偵察写真やら、ロシア軍自体が宣伝のための空撮動画を出してるやつと思うけど
塹壕:直線で退避壕も連絡線もない第一次世界大戦式(初期型
対戦車障害物
ただ直線に置いて、運んだトラック1台分の幅明けてから、また直線に、それが100mほど離れたところに2セット
あの作りでは対戦車障害物として機能がとても低いです
1列だけなので簡単に乗り越えられてしまう、しかも固定が雑なので戦車なら押せば動くと思われる
致命的なのが、防御線の
端っこが切れてて、そのまま平地なのでそちらに迂回すれば良いだけ
(どこの劣化マジノ線だよ、、)
感覚マヒし始めてるけど一週間の戦死者が2000~3000人ってかなりえげつないような・・。
湾岸戦争(1990~1991=合計7か月、30週くらい)のイラク軍の死傷者数が20,000~35,000人とかですからね。本来は驚くべき状況、感覚の麻痺を自壊すべきと同意します。
ロシア軍の歩兵使い捨ては伝統ですが、それにしても摺り潰されていくペースが半端ないと感じます。
が、独ソ戦でもロシアは戦い抜いたことを考えると、ロシア戦力抹殺ペースはせめてこの十倍は欲しいところ。
多分、この冬に飢えと寒さでロシア兵の死亡ペースは急上昇していくとは思いますが、底抜けバケツに水を注ぐように、劣悪装備なロシア兵が戦いにすらならず自滅していくことを強いることこそが、終戦への唯一の道と思います。そういう意味では、この冬もウクライナ軍の反撃ペースは続くでしょう。
>因みに10月09日~10月15日(ウ軍発表によるロシア軍兵士の戦死者数2,620人)は前線の状況に変化が少ない1週間だったと個人的には感じている。
只、ウクライナ側発表のロシア側の戦死者数が前週の10月02日~10月08日の2,450人よりも増えている事から、戦闘自体は激しさを増していると思います
これは、ロシア側もイランから導入した徘徊型ドローンによる攻撃の動画をしばしば配信している事からも裏付けられると思います
恐らく、ロシア側は前線を維持する為に動員兵とイラン製ドローンを注ぎ込んでいるのではと考えていますが、そうなるとウクライナ側は無理をせずにロシア軍の攻撃を削り続けて行けば、いずれロシア側の戦力が擦り切れる時が来ると思います
ロシアより少ないとはいえウクライナにも相応の死傷者が出てるはずだけどイマイチ数がわからない
防衛ラインを構築し始めたロシアに対してウクライナ側の補充要員が足りなくなったりしないのかな?
これまでのウクライナ軍の戦い方から考えると、ロシア軍とは対照的に防御が固い場所を無理攻めする事はせず、HIMARS等の砲兵火力で補給線を潰してから包囲する事を重点的にやっているので、少なくともウクライナ軍の死傷者はロシア軍の数分の一程度ではないでしょうか
むしろ、ウクライナ軍が恐れるべきはロシア軍部隊よりもイランからの徘徊型ドローンだと思います
わかりやすい解説どうも。
スターリンクは怪しいながら砲弾の在庫はまだまだ余裕ありそうですし
ウクライナの死傷者を減らすのは欧米の対ドローン兵器の充実次第になるんですね。
スターリンクはアメリカが費用を負担するらしいですよ。
ウクライナ軍の戦い方はHIMARSや、榴弾砲で遠距離で攻撃して、弱ったところに歩兵を展開し、拠点を奪還という作戦なんで、そこまで損失はないかと。神風ドローンを注意しとけば比較的死者は少ないかもしれませんね。
これでマリウポリあたりまで打通できれば南部もクリミアも終わったようなものだが、さすがに仮想戦記すぎるかな
今でも俄然ウクライナ有利とはいえロシアがしぶとすぎる
すでにヘルソン州東部にはパルチザン解放区があり鉄道道路の輸送はできなくなっている だから無理な攻撃で死傷増やすのは避けている。
クリミア大橋の破壊によって補給状況がどう変わるか見ているのでは?
ウクライナ軍はいつもまず敵の兵站を見てから戦略を立てている。
ヘルソンはつんでるにしてもほかの南部地域がどうなるかは
少し様子を見ないとわからない。
橋の破壊前にかなりの戦力が南部に入り込んでいるのは間違いないので。
ヘルソンをこのまま干し殺しにするのか、ザポリージャを叩くのか。
ウクライナ軍には余裕があるので選択肢がある。
最も効率よくロシア軍を削れるのはどこか?
英国で訓練していた第2波の1万人が帰国してるので、再攻勢はまもなくはじまるのではと
期待しています。
ウクライナの情報統制もここに来てまた厳しくなってるのでも、そろそろか?という気が
するんだげど、期待しすぎ?
昨日でしたっけ? ロシア独立系メディアの「メドゥーサ」だったかが、ロシアが「ヘルソン州西部からの撤退を条件に一時的停戦を模索」とかのエントリーがありましたよね。
プーチンやロシア軍上層部の発言ではありませんが、ロシアはもうドニエプル川西岸を内心諦めているのでは? そこに陣取っているロシア軍主力は補給の安定も確保できない状況で、ウクライナ軍の砲撃に晒されて冬を過ごすつもりはなさそう。プーチン総督が「絶対死守」の号令をかけても下の兵隊さんたちは早くドニエプル川を渡りたいとしか思ってなさそう。
「来週中」というのは「?」ですが、早ければ来月初めくらいまでにドニエプル川西岸のヘルソンは、ウクライナ軍の手中に落ちるのではと勝手に思ってます。遅くとも来月末までには朗報が聞けるかと‥‥。ロシアはこの状況を打開するだけの通常戦力を新たに投入するという決め手を欠いていると‥‥。
冬服さえ届いていないとの情報もある 凍死餓死まちかと 前線兵士は交代している。
1週間で2600人戦死ってことは、1か月で1万人戦死。
戦傷者を加えたらおそらく戦死傷者は最低でも2万人。
3か月続くと6万人。
この数はインパール作戦の日本軍の戦死傷者数に匹敵する。
恐ろしい。
今週は、親ロシア系のTikTokerたちが、ワグナーがバフムートに入ったという”偽の”視覚情報を流していたり、本記事にあるように、親ウクライナ系のTwittererたちが、ヘルソン州北部で新たな反攻作戦が始まったと喧伝していたりで、プロパガンダに食傷気味だった。
面白かったのは、イーロン・マスク氏が国防総省にStarlinkの使用料を払えとねじ込もうとした矢先、彼の名前がウクライナ側の暗殺リストに載ったことがSNS上で指摘され、それにマスク氏がひどく驚き、その後で今後無期限でウクライナ政府にStarlinkを提供するとツイートしていたこと。
マスク氏がウクライナの暗殺リストを恐れたとか君の脚色だと思うが、
多くの反発を見て取り下げたにしろ、正当な要求だと思うよ。
マスク氏が多額の損害を被っていることは理解しよう。
現地の方のSNSを見ていると、夜間を中心にかなり雨が続いていて、ほぼ完全に泥濘期に入っちゃったみたいなんで、
地面は泥濘み、川は増水、霧は立ち込め視界不良と、ウクライナ軍の機動包囲戦術が使えない状況になってしまっているそうな。
北東部のクレミンナはぎりぎり包囲できると思ってたんですけど、泥濘期突入で時間切れ。
予想が外れてしまった…
カザフスタンでの会議も、プーチンの孤立感を高める結果になってしまってるし
旧ソ連の子分どもに、尊重しろとタメ口を要求されるロシアの凋落ぶり
いま大きな動きの欲しいのは、ウクライナよりも有効な手の打てないロシア側なんだなと笑う
テレグラムまわりは ガーキンがどうかは不明だが 西側が自由に観測できると認識せずに
喋っていた層が多そうだからなぁ 諸般になんともかんとも
昨今の戦死者数報告に関しては
日当たりのキャップ値の存在&リマン・バフムートでの異様な死者増を無効化して
発表している可能性が高いため 逆に少なく言ってる可能性が高そうだ
ヘルソン奪還に関しては 大打撃は入れられそうだが まだ突破するかどうかは怪しい
ただ 露精鋭がカホフカから逃げつつあるなら 時間をかけてすり潰す必要性が
無くなる事になるため 宇側も本腰入れて陥とし 年末前の最大戦果とする可能性はある
もちろん話題性も計算して もっとも有効な時期に だろう
軍を侮辱した罪で逮捕された情報もあったガーキンがウクライナ入りとは驚きですね。
自称共和国の初代国防相だった人だから、最前線で銃を取ることは無いでしょうが、どこでどんな役割を果すのかは気になります。
追加情報があればお願いいたします。
身柄確保されればウクライナだけでなくオランダも強い関心を示すでしょうし、悪党なりに覚悟はあるのでしょうか。
プーチンもそろそろ前線の慰問でもしないですかね。
仮に停戦でも起きる前にオデッサに近いヘルソン州は北東部の州よりも先に奪回してほしいと素人考えで思います。
クリミアは遠いですよね…
基本的に時間はウクライナの味方だし
補給もままならんヘルソンはこのまま囲んで放置で越冬させ、ロシア兵の凍死待った方が合理的ですらありそう
でもスポンサーにはよ結果出してくれとせっつかれてもいるんだろなぁ
スターリンクの費用でイーロンもグズり始めてるし。
8月上旬の記事を読んでからこちらに来ると、ウクライナ軍の主攻撃が他で準備されているのではないかと勘繰ってしまいます。いきなりドネツクを衝くとか、ザポリージャ付近からメリトポリに向かって東部と南部を分断するなんて、あり得ませんかね? 8月上旬にはウクライナ側は「ヘルソンで反攻開始!」を連呼していましたが。