米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は13日、ロシアはキーウ方面からの撤退と同じように「ハルキウ周辺からも部隊を撤退さようとしている」と報じて注目を集めている。
参考:Russia is pulling back from Kharkiv, Ukraine’s second-largest city.
ロシア軍はキーウと同じようにハルキウ周辺からも部隊を撤退させようとしている?
3月末にロシア軍は首都キーウを含むウクライナ北部戦線を放棄して撤退、第二段階作戦と称したウクライナ東部戦線(主にドンバス地域)に戦力を集中させているが、ウクライナ第二の都市ハルキウ周辺の占領地域は維持して州都への砲撃を続けきた。

出典:GoogleMap キーウ方面からロシア軍が撤退直後の大まかなルハルキウ周辺の戦況/管理人加工
しかし4月中旬頃からウクライナ軍はハルキウ周辺で反撃を開始、徐々にロシア軍に占領されていた街や拠点を奪還して州都の北側に布陣していた敵を国境近くまで後退させ、東側に布陣していた敵はドネツ川の対岸まで追い払うことに成功しており、ハルキウ周辺に残ったロシア軍の支配地域は残りわずかだ。
ウクライナ軍参謀本部は「Kozacha Lopan方面の敵は塹壕を掘るなど防御を固めている=ウクライナ軍を引き付けるため粘るという意味」と指摘していたが、ウクライナや西側当局者はニューヨーク・タイムズ(NYT)に対して「ロシアはキーウ方面からの撤退と同じようにハルキウ周辺からも部隊を撤退さようとしている、恐らく撤退させた部隊をイジューム方面に振り向ける可能性が高い」と明かしたらしい。

出典:GoogleMap 最新の大まかなルハルキウ周辺の戦況/管理人加工
つまりハルキウ周辺でウクライナ軍が急激に失地を回復しているのは「意図的な撤退への動き」と噛み合った成果であり、ロシア軍もドネツ川を防御ラインにして「ハルキウ州東部」だけでも死守したいと考えているという意味だ。
ただ米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は「ハルキウ周辺で見られるウクライナ軍の反撃はキーウ方面で見られた反撃に似てきているが、ここでもロシア軍が同様の決断(撤退)を下したかどうかを判断にするには時期尚早だ」と指摘しており、果たしてハルキウ周辺のロシア軍はどのような動きを見せるだろうか?

出典:Генеральний штаб ЗСУ 榴弾砲M777を使用するウクライナ軍の様子
余裕があるならハルキウ周辺に留まり続け「ドンバス地域への敵戦力集中」を阻止した方が得策と思われるが、余裕がないなら優先度が低く見込みのない戦線を整理した方が得策で、ロシア軍の置かれた状況は恐らく後者だと管理人は思っている。
追記:ウクライナ参謀本部は13日、Slobozhanske(ハルキウ州)方面におけるロシア軍の主な取り組みは「ハルキウからの確実な撤退」と「ウクライナ軍部隊がイジューム方面の背後に到達するのを阻止」することで当該地域のウクライナ軍へ砲撃を行っていると発表した。
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※アイキャッチ画像の出典: Головнокомандувач ЗС України 榴弾砲M777を使用するウクライナ軍の様子
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ロシア軍の東部大攻勢とやらは結局ないままハリコフ方面軍敗走かよ
東部大攻勢を主張してた専門家(笑)
ひどい!やったじゃん!やったじゃん大攻勢!!。(ロシア軍心の叫び)
ほ、ほらっ、実際に起こりうる様々な可能性を大衆に指し示すのも、立派な専門家の仕事だから…
(なお、そこから何が正しいかを判断するのは受け手側の仕事)
そして結果だけ見て「外れたじゃん(笑)」とか言う奴が出てくると。
結果が全てだろ。世の中結果が全てだろ。結果は嘘をつかない。結果を出せない奴は信用を失う。
だから人は結果を重視する。結果で人を判断する。過程やそれに付随する情報なんて受け手からしたら関係ない。 故に、己の発言には責任が伴うんだよ。 好き放題言いたい放題言って、結果が間違って、そんなん俺の知ったこっちゃねーって逃げるのは卑怯だろ。
受け手が予測して解説する人間に求めるのは「結果」だろ。
気象予報士の予報がが毎回毎回間違ってたら、ダメだろ。 視聴者が気象予報士に求めてるのは予報を当てるという「結果」だよ。
いやこれ数えきれない人命の掛かった本物の戦争の話なんですが…ギャンブルの当たった外れたレベルの話だと思ってるの?明確な根拠が無いのに「東部大攻勢は無い」とか言っちゃう方がヤバいでしょ…
ロシア軍は東部で機動戦をしてウクライナ軍の統合作戦部隊を包囲殲滅するつもりでした。うまく行きませんでしたが、専門家の予想は間違ってはいなかったと思えます。
「東部は開けた平原が多いのでロシア軍有利」という予想は外れましたが、ロシア軍が予想より不甲斐なくウクライナ軍が予想よりうまくやった結果であって、特に米軍側の専門家などが悪いケースを予想するのは意味はあるでしょう。楽観的な予想をして援助がぬるくなるより良いということです。
各局がニュースで毎日のように戦況を軍事の専門家に解説させてるけど、専門家の意見ってだいたいハズれてるよな。
軍事評論家も大学の教授も研究機関の偉い人も元自衛隊将校も
「○○の可能性が非常に高い」は、だいたいハズれてる。 言い訳はウクライナ軍の予想外の反抗とロシアの予想外の弱さで片づけられる。
侵攻は起こらない
数日で負ける
ヨーロッパはウクライナを見捨てる
ドローンや無人兵器はロシア相手には役に立たない
生物化学兵器が使われる可能性が高い
マリウポリ(アゾフスタル製鉄所)は直ぐに陥落する
ロシアの戦勝記念日にプーチンが何か重要(戦争宣言?)なアクションを起こす
全部ハズれてんじゃねぇかw専門家の予測で当たってることのほうが少ない。
起きた後の結果についての解説はそりゃナンボでもできるだろうが、起きる前のことについての予測はだいたい外れてる。
東日本大震災のときもそうだったけど、専門家も言ってることってマジでアテにならんよな。
知識ひけらかしてるだけでマジで何の役にも立ってねぇ…。 専門家も間違った事や紛らわしい事言ったら、自分の信用と経歴に傷がつくから、何重にもオブラートに包んで、予防線を張りまくったうえで、推測の範囲内で当たり障りのないことしか…それもかなり「ふんわり」とした事か言わないので、断定口調で言うことは殆ど無い。
まぁ、情報が少なく限られてるので、仕方ないっちゃ仕方ないんだろうけど。 まぁとにかく、専門家の言ってることって素人が見てもわかるようなことしか言わないし、何ならこいつ等要らないんじゃね?って思う。
専門家もいろいろですが、たとえば米シンクタンクの戦争研究所の予想はこれまでおおむね当たっていますね。東部攻勢について「損耗した部隊を十分な再編制なしに投入している」「ロシア軍の士気や指揮統制に問題がある」ということで、包囲作戦が成功することを最初から疑問視していいました。
ロシア側も、各国の情報部やシンクタンク等の分析を見た上で次の対応を考えている所がありますので…
連載漫画家が敢えて読者の展開予想から外したストーリーへと話を振って行く様なもんですわ
(そして、しばしば逆張りが過ぎてグダグダになるのも…)
確かガーディアンの記事に、ロシア軍内に対ウクライナ戦への従軍を拒否する動きが出てるとあったので、兵力不足を補うための戦線縮小もありそうな話
ロシアからの国境に一番近く、西側からの補給も難しかったであろうハルキウが
開戦からずっと粘り続けたのは驚異的ですらありますね。
個人的にはドネツ川西側まで一旦撤退し、ロシアの補給線が伸びた所を叩くほうが戦術的には有利かと思いますが
占領地域でロシアがやってきた行為を見ると、安易に焦土作戦を取るべきではないというのも分かります。
ウクライナは地方の独立性が高く、それが今までの国家運営を難しくしたと言われますが、
今回では分散して包囲してきたロシア軍に対して、各地で頑強に抵抗することで各個撃破・拘束を実現しており
ポジティブな面が発揮されてると思います。
ただ、国境付近まで押し戻したとは言え、国境の向こうではロシアは反撃の体制を整えてるかもしれないし、
イジュームへの攻撃まではまだ時間がかかりそうですね。
ロシア軍に反攻をかけて国境まで追いやったのもハルキウの領土防衛隊だそうで、市民兵が主力だと思いますがよほどモチベーションが高くて優秀なのでしょう。独ソ戦で何回も戦場になった都市なので、市民が自分で守る伝統が特にあるのかもしれません。
マリウポリの指揮官が「メルトポリがあっさり陥落しなければこうはならなかったのに」と不平を言ってましたが、たしかにあそこは開戦早々にほとんど抵抗せずに降伏しており、それで南部戦線が一気に不利になった感はあります。都市が抵抗するかどうかは戦局に重要だなと。
日本語で読めるウクライナの戦況情報はここが1番分かりやすい。英語が読めれば別なんだろうけど、、、
英語で読むにしても米・戦争研究所(ISW)と英国防省のまとめが一番わかりやすくて、次いでOSINT勢のまとめ(Bellingcat, Oryx, Osinttechnical)を巡回したところで有効な情報の8~9割はカバーされるから英語圏でもあまり変わらんと思う。日本語にも独自のロシアメディアウォッチャーもいて補助線は十分引ける。
ウクライナをあきらめて占領地のみの確保安定に方針転換したのか、あるいは長期戦と国家総動員体制までの戦線縮小か、
プーチンの真意が知りたい
それこそ国中から兵器弾薬兵士をかき集めての、決戦攻勢作戦だったけど
攻勢限界じゃないかな
初期の段階から国内からかき集めて開戦してて、
今回は徹底的にかき集めてやったような感じだし、それだって追加が無ければね
(そもそもソ連時代の保管の怪しい弾薬が100%使えるなんて無いわけで)
南部のオデッサまで占領されると黒海への出口が封鎖されるためまずはヘルソンを奪回してほしいところですが、
聖セバストポリに近いだけに、どれだけロシア軍を後退させられるかですよね。
ハルキウ方面でウクライナ軍の進撃の速度が速いのがハルキウ市東側から北進するルートで1日10㎞以上進撃している日もある。ロシア軍はこれくらいの速度で進撃されると防衛陣地を構築する暇がないと推測される。このルートの先にはロシアの都市ベルゴロドからイジューム方面に走る鉄道があり、ウクライナ軍が鉄道駅のあるボルチャンスクを奪還することでイジューム方面に走る補給路のうち1本を寸断することでロシア軍の補給を絶つことを目指している(最短ルートの鉄道が遮断されることでイジューム方面で20個以上の大隊戦術郡を展開するロシア軍の補給能力が半分以下になることで大隊戦術郡の維持そのものが難しくなる)
ロシアとウクライナの鉄道は「標準軌(1435mm)」より更に幅広な「広軌(1524mm・5フィート軌間)」であり、ロシア軍は鉄道の警備、保守、民間から提供された機関車や貨車を運用する専門の「鉄道旅団」を10個配置している(広大な国土を持つが道路などのインフラが未発達なロシアではソ連時代から輸送の大半を鉄道に依存していた)。戦車や装甲戦闘車輌といった重量物から弾薬や食料などといった補給物資の輸送を鉄道に依存しているロシア軍にとってロシアから続く鉄道を奪還されるのは大きいダメージになるだろう。