インド太平洋関連

台湾で6月末に退役したHAWKシステム、米国経由でウクライナに移転か

台湾の中国時報は14日「6月末に国軍から退役したHAWKシステムを米国が買い戻してウクライナに送る予定だ」と報じており、軍の在庫には数百発のホークミサイル(最終バージョンのフェーズIII)があるとも指摘している。

参考:台美重大「另類軍援」合作! 我除役百枚鷹式飛彈防禦烏克蘭領空
参考:Taiwan’s Hawk missiles reportedly being sent to Ukraine via US

台湾メディアは「政府による特別な承認が無い限り余剰装備の売却は出来ないことになっている」と指摘

台湾の中国時報は14日「6月末に国軍から退役したHAWKシステムを米国が買い戻してウクライナに送る予定だ。米国は昨年中に国家安全会議の上層部と接触して『退役するHAWKシステムのウクライナ移転』に関する了承を取り付けていた」と報じており、軍の在庫には数百発のホークミサイル(最終バージョンのフェーズIII)があるとも指摘している。

出典:Xuan Shisheng/CC BY-SA 3.0 台湾空軍から退役したHAWKシステム

HAWKシステムは既にスペインがウクライナへの提供を決めているが、これに台湾分が加われば迎撃弾不足の解消に役立つ可能性があり、台湾も「退役後のHAWKシステムをどうするのか」で悩んでいたため、米国の申し出では台湾にとっても魅力的だったに違いない。

因みに台湾国防部は報道に関するコメントを拒否したが「保有兵器の処分は規定に基づいて行われる」と述べており、台湾メディアは「政府による特別な承認が無い限り余剰装備の売却は出来ないことになっている」と指摘している。

関連記事:スペイン、防空システムを要求するウクライナに改良ホークを提供

 

※アイキャッチ画像の出典:Outisnn/CC BY 3.0

イスラエルのメルカバ売却先、ウクライナにT-72Bを提供したモロッコ前のページ

ウクライナ空軍は24機~36機のF-16を要求、将来的には150機程度が必要次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    米国はカーブル空港までの安全を保証しない、英仏は自国民保護のため空港外に兵士を派遣

    自国民や協力関係にあったアフガニスタン人を国外退避させる輸送作戦につい…

  2. インド太平洋関連

    最大の特徴は無人機の統合、インド陸軍が次期歩兵戦闘車の調達に関するRFIを発行

    インド陸軍は旧ソ連製のBMP-2を更新するため次期歩兵戦闘車(Futu…

  3. インド太平洋関連

    矛盾する国益、ウクライナ問題がロシアとインドの関係に亀裂を生じさせる理由

    プーチン大統領は習近平主席と手を組むことで西側が最も恐れていた露中連携…

  4. インド太平洋関連

    信頼性と将来性が明暗を分ける、インドネシアもA330MRTTを選択

    空中給油機導入を検討してきたインドネシアは「A330MRTTの取得を決…

  5. インド太平洋関連

    西側最大の砲兵戦力を保有する韓国、NATO事務総長がウクライナ支援強化を要請

    訪韓中のソウルでNATOのストルテンベルグ事務総長は「韓国にも弾薬提供…

コメント

    • 名無し
    • 2023年 7月 14日

    市民をミサイル攻撃から守るためと表明すれば、日本でも反発少なそうだしいけませんかね。

    60
      • nachteule
      • 2023年 7月 15日

       ウクライナの状況見ていると日本の改善ホークミサイル渡すのはあり得る話なのか?むしろ日本の防空レベルだと有事に備えて残すって考えの方が健全じゃないか。1年は経ってないが去年もマクレガーで訓練してるし、世界1か2位の防空密度を持ち射程によるカバー範囲が広く保有数量が多い台湾だからこそのホーク退役だろう。
       渡せるなら03式中SAM改の数が増えて新近SAMの道筋が見える5年後とかじゃないのか。後NASAMSや台湾のLujian II 防空ミサイルシステム位の展開が容易でコストが安い中距離防空システムの導入何とかなりませんかね。
       

      4
    • 戦略眼
    • 2023年 7月 14日

    当然、特別な許可を出す。

    14
    • 分析
    • 2023年 7月 14日

    ロシアより物量ありそうな中国軍担当正面の台湾軍から、余剰装備をウクライナに送るのは大丈夫なんですかね。。
    ホークでも音速すら出せないドローンには十分対抗可能ですよね

    14
      • a
      • 2023年 7月 14日

      当然このほうが得と思えるような裏取引が行われてるのでしょう
      実際にどんな内容なのかはわかりませんが
      部品不足で供給が遅れてる兵器の優先供給だとか
      これまで輸出していなかった兵器の解禁だとか(F-35やイージス艦など)
      有事の参戦の確約とかね(台湾関係法に防衛義務の記載は無い)

      型落ちのHAWKの代わりにこのような成果を得られるのであればそのほうが得ですよ

      36
    • 黒丸
    • 2023年 7月 14日

    日本にもHAWKミサイルあったのでは
    武器としての供与が困難なら弾頭外して部品に分解して米国経由で提供できないのかな

    26
    • panda
    • 2023年 7月 14日

    自衛隊の改良ホークはまだ現役だから融通するのは難しいかもね
    更新終わるまで10年くらいかかりそう

    5
      • ASDF
      • 2023年 7月 14日

      後継ミサイルが1年で1個中隊分を調達されているから1年で1個ホーク中隊分なら融通できそうな気がする

      19
    • ななし
    • 2023年 7月 14日

    日本のナイキミサイルは…とっくの昔に廃棄されてるわな

    0
      • 半分の防衛費の国から
      • 2023年 7月 15日

      ナイキゼウス=スパルタン、スパルタンと言えばセーフガード計画、それはイージスシステムの元‥もしかして、イージスアショアを供与?それは行き過ぎ、ならば、退役したアーレイバーグ級を船体ごとウクライナの丘へ設置‥という事ですか?

    • Easy
    • 2023年 7月 14日

    いよいよウクライナ戦争が各国兵器のゴミ捨て場と化して来ました

    8
      • 牛丼チーズ
      • 2023年 7月 14日

      型落ち兵器でもゴミじゃないぞ

      65
      • AH-X
      • 2023年 7月 14日

      確かにそうかもしれませんが、戦ってる方にしたら使えるものは何でも欲しいのでは?
      これを機に予算付けて更新したい連中いっぱいいそう。

      26
      • hiroさん
      • 2023年 7月 14日

      そんな意地悪なコメントが必要ですかね。
      どの国だって自国の防衛に必要な装備は手放せないのに、砲弾は自国の弾薬庫が空になる寸前まで供与しているののでは。
      旧式だろうが何も無いよりはるかにましだと思います。

      73
      • 2023年 7月 15日

      少なくともドローン等には対応できて市民への無差別攻撃の被害が減ることが予想されるのにゴミ捨て場とは暴言では?それとも茶化しているのですか?
      ウクライナへの兵器供与のニュースに腹立たしく思うのかも知れませんが、ただでさえ荒れやすいコメント欄なのですから少しは慎みましょう。

      50
      • zeema4
      • 2023年 7月 15日

      ウクライナへ兵器が供与されるのがそんなに嫌なのでしょうか…。
      あらゆる対空装備が不足しているウクライナにはホークでもかなり有用で、台湾で退役になったからと言ってそれが世界中でも不要な装備かと言われればそうではない国もある。
      しかもこのホークはフェーズ3なので1989年に配備された型で、ロシアが使用しているようなソ連製の古い対空兵器以上の性能はある。超音速ミサイルの迎撃以外ならまだ全然使える。

      28
      • Hydra
      • 2023年 7月 18日

      悪く言えばそうなんだけど、別の意味で捉えれば各国で更新時期がバラバラで時間をかけて調達していた兵器をまとまった数で一括調達できるチャンスでもある訳で都合が付けばこの波に便乗したい国はそこそこあるんじゃないかと。

    • おわふ
    • 2023年 7月 14日

    天弓を大量生産しているとはいえ、羨ましいw
    日本にも下さい。

    2
    • .
    • 2023年 7月 15日

    ゴミという言い方は適切じゃない。片落ち兵器でも、戦争の基本は数の暴力と思い知らされたのが今次戦争。先進的なハイテク精密兵器さえあれば良いという、少数精鋭的な西側のドクトリン見直しが迫られてる。日本も旧式兵器をある程度レストア、再利用できる体制整えて良いかも

    31
      • 74式改アクティブアーマー付
      • 2023年 7月 15日

      現場「旧式兵器のアップデートしてほしいです」
      財務省「アップデートのコストをかけるだけで十分な性能向上が認められるのでしたら、それに代わる新型の購入予算は無しですね」
      自衛隊制服組「旧式のままでよいので入れ替えで新型買ってください!」

      な流れが変わると良いですね。

      6
    • RAAF
    • 2023年 7月 15日

    ウクライナもロシア・ベラルーシとの国境を接している面積が広いだけに、戦時下でなくともこの手の防御システムは何ユニットあっても有用ですしね。

    7
    • 冬戦争
    • 2023年 7月 15日

    今年の5月、6月にロシアがウクライナに撃ち込んだミサイルは1001発。数百発のホークミサイルではせいぜいもって1ヶ月。焼け石に水でしかない。ホークミサイル使い切った後のあてはあるのかな?大戦末期の日本で寺の鐘を溶かして砲弾作ろうとか国民に鍋とかフライパンを供出させて武器作ろうとかいうのと変わらない。生産が追いつかないので在庫(資産)で対応しようというもの。それをやってる時点で詰み。

    1
    • まー
    • 2023年 7月 15日

    詰んでるのはロシアウクライナ両方
    制裁解除させる以外にロシアも出口戦略などないのだから

    4
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  2. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  3. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  4. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  5. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
PAGE TOP