トルコは「第5世代戦闘機=KAANのプロトタイプが6月までに初飛行を行う」と説明していたが、トルコの防衛産業庁の長官も14日「KAANの開発、検証、量産準備の各プロセスが計画通りに同時並行で進展している」と述べて「本物のプロトタイプ=P1」を公開した。
参考:Turkey Releases Imagery Of Second Prototype Of Kaan Fighter
サウジアラビアの戦闘機に対する投資と需要はF-35、GCAP、KAANのどれかになる見込み
Turkish Aerospace Industries(TAI)は2025年5月、AviationWeekの取材に「トルコの安全保障に対する脅威評価に基づき、空軍はF-35であろうとタイフーンであろうと一定レベルの能力と即応性を維持しなければならないが、50年~100年後まで独立を維持するには自前の防衛装備品をもつ必要がある」「国産エンジンを開発することで米国の国際武器取引規制=ITARからKAANを出来るだけ除外することが重要だ」「同時にトルコはITAR Freeによってプラットホーム輸出における自由裁量権を獲得できる」と力説。
トルコにとって本格的な戦闘機開発は初めて、しかも第5世代機とエンジンを同時並行で開発するため潜在的な開発リスクは非常に高く、競合するF-35Aと同等もしくは匹敵する能力を実現できるかも現段階では怪しいが、トルコは地域大国から大国になることを目指しているため「KAANの能力が仮にF-35Aの80%に留まったとしても武器システムの主権確保の方が重要」と主張しており、初期型は米国際武器取引規制(ITAR)の縛りがあるF110搭載バージョン、後期型は国産エンジン=TF35000を含む米国製技術を完全に排除したITAR フリーバージョンになる予定だ。
KAANのプロトタイプはF110を搭載して2024年2月に初飛行したものの、この機体=P0は元々「格納庫でのロールアウト用に製造されたデモンストレーションプラットホーム」を飛行可能なように改造したもので、飛行テストを行う本物のプロトタイプ=P1、P2、P3を製造中、これよりも高度な能力を備えたプロトタイプ=P4、P5、P6の製造も計画されており、トルコのディフェンスメディア=SavunmaSanayiSTは23日「KAANのプロトタイプ=P1が6月までには初飛行を行う」と報じていた。
📍 Ankara | TUSAŞ Tesisleri
✈️🇹🇷
Millî Muharip Uçak KAAN Projemiz kapsamında, KAAN hangarımızı ziyaret ederek tam boy statik test uçağımızda gelinen son aşamaya ilişkin kapsamlı bilgi aldık ve sahadaki çalışmaları yerinde inceledik.
2024 yılında ilk uçuşunu icra eden ve ilk… pic.twitter.com/mipIGkTtSs
— Prof. Dr. Haluk Görgün (@halukgorgun) February 13, 2026
トルコの防衛産業庁のハルク・ギョルギュン長官は14日「我々はKAAN専用格納庫を訪問して包括的な説明を受け、現場での作業状況を詳細に視察した」「2024年に初飛行を成功させたプロトタイプ、今後飛行予定の機体、そして静強度試験機が一堂に会した事実は開発、検証、量産準備の各プロセスが計画通りに同時並行で進展していることを裏付けている」「KAAN納入に向けた事業の国内サプライチェーンは20以上の都市、300社以上の企業、5,000人を超えるハイレベルな専門人材を擁する規模にまで拡大した。また国産エンジンの開発および段階的な能力拡張も断固たる決意で継続されている」と言及し、本物のプロトタイプを公開。
AviationWeekは「塗装済みの機体がP0、左がP1、右が新しい地上試験機だ」「P1機は未塗装で垂直尾翼下部のパネルが未装着であるものの外観上はほぼ完成している」「F110×2基もすでに搭載済みだ」「P1はP0から細かな設計変更が施されている」「エアインテークはコックピットの中間点付近から後方に再配置され、インテーク自体も大幅に大型化されている」「キャノピー前方にはアセルサン製赤外線捜索追跡システムを収めるハウジングが、機首下部には電子光学照準システム用のハウジングが装着されている」「機首に国産のAESAレーダーが搭載されているかは不明だがレドームにピトー管は見当たらない」と報じている。
İŞTE GURUR ! | 3 ADET TÜRK İNSANLI SAVAŞ UÇAĞI KAAN YAN YANA!
— KAAN’ın P1 ve Tam Boy Statik prototipleri yan yana görüntülendi.
— Uçağın burun, iniş takımları ve hava alanındaki tasarım değişiklikleri dikkat çekiyor: pic.twitter.com/OPY1CQsqxz
— SavunmaSanayiST.com (@SavunmaSanayiST) February 13, 2026
因みに、トルコメディアは2024年12月「サウジアラビア軍のルウィーリ参謀総長がアンカラを訪問し、両国は大規模な防衛産業協力について協議した。サウジアラビアは2030年代に向けた戦略の一環としてKAAN×100機の取得を検討している」と報じ、あるアナリストは「戦闘機購入への関心を示すことは影響力と友情を買う最も簡単な方法で、潜在的な売り手にも『我々には他の選択肢がある』とアピールすることができ、交渉過程の立場を強化することに繋がる」と指摘したものの、2月の首脳会談に向けて「サウジアラビアがKAAN開発に投資を行う」という噂が流れた。
エルドアン大統領も会談後「KAAN開発には中東諸国から好意的な反応を受け取っている」「この分野においてサウジアラビアとの共同投資計画があり、我々はこのパートナーシップをいつでも実行に移すことが可能だ」と言及し、サウジアラビアの投資に期待を寄せている。
AviationWeekも「今回の公開はサウジアラビアによる投資への期待が打ち砕かれた(首脳会談で合意を発表できなかった)数日後の出来事だった」「それでもTAIは数ヶ月以内にサウジアラビアが投資することに楽観的な見方を示している」「これはエルドアン大統領が投資の可能性を示唆したためだ」と報じている。
サウジアラビアの戦闘機に対する投資と需要はF-35、GCAP、KAANのどれかになる見込みで、誰がサウジアラビアから支持を取り付けるのだろうか?
関連記事:インドネシアはKAANのITAR Free型を導入、国産エンジンは2032年までに完成
関連記事:トランプ大統領、サウジアラビアに対してF-35やエイブラムスの売却を承認
関連記事:インドネシアがトルコから第5世代戦闘機を購入、KAAN輸出契約を締結
関連記事:トルコの第5世代機開発、KAANは100年後まで独立を維持するに不可欠
※アイキャッチ画像の出典:Prof. Dr. Haluk Görgün





















もし開発出来たのならば、アフリカ諸国、東南アジア、中東と市場が大きいので開発は頑張るでしょうね。
もう日本もさGCAPなんか見限ってトルコ製無人戦闘機とKAAN導入しちゃいなよ。
GCAPもこのままじゃ第2のFCASやら第2のF35と化す可能性大なんだし。
一番重要で一番難しいエンジンを並行開発の見切り発車してるKAANなんて第二のテジャスと化す可能性大だけど?
作れるものや代替手段あるだけ日欧なんかよりだいぶだいぶマシじゃん
GCAP試作機の初飛行は28年とか言ってるし、イギリス政財界の混乱を見るにその予定に間に合うかも怪しいもんだ
そも第五世代戦闘機自体3カ国しか作れる国がないのに、横から作れない他力本願の国が偉そうに説教してるの情けなくならないんですかと
共同開発を他力本願とは言いません。
ステルス実証機のX-2を飛ばしてますしレーダー、エンジン等の基礎技術は全て待っていますから日本は作れない国じゃないですよ。
KAANがロールアウトしたって言うならわかりますが、やっと実験機飛ばしてる段階でGCAPのスケジュールの話をするのは意味ないのでは?
2028年試作機初飛行を「話にならんほど遅い」と評価するのは斬新ですね…
まだ始まったばかりのこの段階で作れない他力本願だの何だの言うのはそれこそ現場を知らずに偉そうで情けなくないか?
実はKAANを導入するにあたっての一番の問題は、使える兵装が下手するとミーティアと無誘導兵器、トルコが開発した兵装しか使えない可能性が有るんで。日本の対艦ミサイル等を使えるF-2の後継機のGCAPの機体の代わりはほぼ無理なんですよねー。
いや途中で「やっぱ無し」にすることのめんどくささを知らないのか。
共同開発なんて障壁は普通にあるなかGCAPはうまく行ってる方でしょ。それを今さら投げ捨てるとか正気か?F-35にしても失敗作とは言えない。
サウジ、インド、インドネシア、この辺りは次世代戦闘機タニマチ化してますな。ま、ネシアはアレですが。
GCAP完成機の顧客リストからサウジ分が減ると英伊の士気が下がりそうです。
上でも言われてますが結局エンジン次第なんですよね、他国の影響を受けずに生産、販売出来るのって。幾ら機体やアビオニクスを開発した所でエンジン供給国にお伺いたてないといけない時点で飛べない使えない飾りにしかならない。トルコにはぜひ自前のエンジンを完成させて欲しいです。
中国、韓国、トルコ、インドが自国発のエンジン開発に邁進する中、日本はいまだに官庁が開発許可のお伺いをアメリカ、ヨーロッパに立ててるのを聞くと本当に悲しくなりますね
冷戦以降日本経済を衰退させた連中に頭を下げ、中露相手の弾除けに自ら成り下がってるなんて悲劇的すぎるでしょ
防衛装備庁とIHIが開発したXF9ターボファンエンジンはF-2に搭載されているF110の3割増しの出力を発揮していてアメリカ製エンジンと比較しても遜色ない性能です。
ステルス実証機のX-2も作っていいますし少なくとも自国のオリジナルエンジンを作れていない韓国、トルコ、インドよりは遥かに先行しています。
共同開発はメリットがあるからやるのであってお伺い立ててるやってるわけではありません。
XF-9量産化してF-2に載せられないかなぁ
エンジンの試験用に搭載でも良いので、見てみたいですね。
単純に考えても出力重量比は1,15程を見込めるので、イジってみる価値はあるかと思います。
これでGCAP FCASより早く出来たら、
トルコより何でそんな遅いのになる。
逆にエンジン、アビオニクス不完全なら
やっぱり無理してるなになる。
どうなるでしょうね。
2011年に計画スタートで初飛行が24年、運用開始が30年代なので大体19年〜
GCAPが18年スタートで35年運用開始予定なので17年でまあこんな物なのでは
そうしてみると、どっこいどっこいですかね。
韓国といい、トルコといい、いとも簡単に戦闘機を作っちゃったよね。
しかもそれなりの性能を持った機体を。
純粋に戦闘機開発なんて実はそんなにハードル高くないんじゃないか?
政治的な問題や本気で取り組む姿勢の有無がハードル上げてるんじゃないかと思う。
KAAN、KF-21共にまだ試作機の段階ですし極端に言うならガワだけ作って飛ばしただけです。
この後アビニオクス、ウェポンベイ、ネットワーク等克服しなければいけない課題は沢山あると思います。
両機とも最終的には自前のエンジン搭載が目標ですが、それが配備されるのはGCAP(大幅に計画遅延しない限り)配備より後になる可能性高いです。
韓国とトルコの機体は4.75世代ぐらいの機体
現行世代一歩手前辺りなら、その気になれば単独開発は出来るのかもしれません
ただ米国や日英伊や独仏が求めている(というか保有する必要に迫られている)のは、5.5~6世代くらいの次世代機ですしね
韓国もトルコも実は2000年代の初め位には戦闘機の開発計画があった。本格的に開発がスタートしたのは2010年代になってからだけど。
確かに作れるかもしれないですけど、武装についての親和性が無いと限られた兵装しか使えないので他国に輸出はしづらいんですよね。
自国で生産するミサイルで空対空、地、艦と一通り揃えている国が殆ど無いですし。
>戦闘機を作っちゃった
現状の両機がはたして”戦闘機”と呼べる状態にあると言えますかね
十分な推力と舵があれば飛べてしまうのは模型飛行機見れば分かる
”カタチ”は第五世代機風で空も飛べるけど、レーダーもFCSも無いでは…
いともたやすく行われるえげつない開発。
開始から少なくとも15年以上、輸入エンジンでウェポンベイみたいな革新技術は後回し、外形はステルス機としては極めて「保守的」なF-22をほぼ踏襲。
がんばってることを否定はしないけど、これを理由に「ハードル高くない」ってのは違うと思うなぁ。
記事にあるような進捗状況(最初のプロトタイプ=P1の初飛行もまだ)の段階で「作っちゃった」と言うのはどうかと。
>KAANの能力が仮にF-35Aの80%に留まったとしても武器システムの主権確保の方が重要
出力、燃費、発電力、寿命、メンテナンス性と課題は多いですが挑戦しなければ扉は開けれないですし成功すればリターンは大きいのでトルコには頑張って欲しいですね。
本来はエンジン開発してから機体の設計すべきなんでしょうけど、それやったらいつまで経っても物にならないでしょうからね。
「努力した人が必ず成功するわけではないが、成功した人は必ず努力している」
って誰のセリフでしたっけ?
気になったので調べました。ベートーヴェンだそうです。
良い言葉ですね。
調べたら、たぶん「はじめの一歩」で読んだんだと思いましたw。
しかし、試作機を作る勢いがすごいのは確かですね。
日本もGCAPのドンガラ試作機作って飛ばせるだけ飛ばしちゃえよ。
英国に「お前らが進めないなら勝手にやるぞ」ってメッセージで。
実際それ位強気に出てもいいと思う