香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は15日、F-15Jアップグレード契約について「日本とボーイングの契約自体が中国を怒らせる可能性が高い」と指摘している。
参考:Japan’s Boeing super interceptor jet deal ‘likely to anger China’
中国空軍の優位を覆すものではなく「両国の戦力バランスに大きな変化をもたらすものではない」という見解で一致しているのが興味深い
空自衛隊が運用しているF-15J(J-MSIP機)のアップグレードは紆余曲折の末、改修費用を3,970億円に圧縮できたため来年度予算案に関連費用を盛り込む方向で最終調整に入ったと報じられてるが、一足先に国防総省はボーイングに対してF-15 Japan Super Interceptor Programを開発するための契約(4.71億ドル/約540億円)を昨年末に授与した。

出典:Boeing
これを受けて香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は15日、米国と日本のシンクタンクと中国の専門家の話を掲載しており中々興味深い。
米国のランド研究所で上級研究員を務めるティモシー・ヒース氏は日本のF-15Jアップグレードついて「中国は日本が日米同盟を頼りに地域秩序の維持を試みていると受け取る可能性が高いが、このアップグレード自体は両国の戦略的バランスに変化をもたらすほどのもではなく日中間の軍拡競争に拍車をかけるだけだ」と述べている。

出典:L.G. Images
元海兵隊の大佐で日本戦略研究フォーラムの上級研究員を務めるグラント・ニューシャム氏は「これはF-15Jの有用性と寿命延長を確保するための慎重なアプローチで、能力を飛躍的に高めている中国空軍と比較すると根本的な空自の能力向上には繋がらず、日本は米軍の合理的で効果的なパートナーとしての役割を果たすためだけに集中している」と指摘、さらに「日本は中国の軍拡が米国をアジアから追い出すためのものか、地域を支配するためのものか、日本人に復讐するためのものか慎重に判断しようとしている」と語った。
中国の軍事評論家として度々サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙に登場する宋忠平氏は「老朽化が激しく一部の機体には安全性の問題も生じており激しい空中戦に耐えられるのか疑問で、これをアップグレードして本当に中国の脅威になるとは思えない」と述べているが、3人ともF-15JSIについて程度の差はあるものの「中国空軍の優位を覆すものではなく両国の戦力バランスに大きな変化をもたらすものではない」という見解で一致しているのが興味深い。

出典:Photo by Staff Sgt. Miguel Lara
ただサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は「日本とボーイングの契約自体が中国を怒らせる可能性が高い」と指摘しているが、これは日本が米国の歩調に合わせているという政治的な側面での話なのでF-15JSI自体の能力が中国を怒らせるという意味ではないのだろう。
関連記事:動きだした日本のF-15J改修事業、国防総省がボーイングにF-15JSI開発契約を授与
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Duncan C. Bevan
「両国の戦略的バランスに変化をもたらすほどの」機体って
F-22の完全アップグレード版のことになるのかな?
それともS-400みたいな長射程対空ミサイルをあちこちに配備するほうが
中国にとってはバランスが不利益になるのかな
広大で国が自由に使える土地がいっぱいあれば長射程SAM大量配備は効果的だと思うんだけど、日本だと基地出るときたいてい人目に付くじゃん?
国内にたくさんいるであろう中国のスリーパーに即位置バレして本国に伝達されるんじゃないかな。道路から演習場に入った後も市販のドローンで航空偵察し放題。
下手するとなんも考えてない自国民にツイッターで上げられそうw
本気で日本を守るには戦略原潜を配備してSLBMや巡航ミサイルによる抑止力を確保するしかないと思います
通常戦力で中国と競っても軍事力の源泉である経済規模の差で太刀打ちは不可能です
ミリオタとしてはF-15改修は面白いんだが現実的な防衛力として人民解放軍空軍相手にかなうもんではないよなぁ…
しかし中国優位が変わんないのならば怒る理由がない、
日本ははっきりと米国の軍事同盟国なんだから、いまさら何をいわんかや
近代改修なんだからちょっかい掛ける方からしたら邪魔でしかないやん?
中国を怒らせようが怒らせまいが軍拡は続くんだから
日本としても粛々とできる対応をするだけでしょ
というか、バランスに変化がないならむしろ軍拡の程度としてはちょうど良いという話になるのでは?
経済力や政治体制的に軍拡競争に日本単独で付き合うのはそもそも無理なんだから、米国にとって合理的パートナーであるのも当然の話だし
70年アメポチ続けてきた日本にいまさら怒るとか中国はまともに日本を分析する気があるのか?
中華5世代機がハリボテで、役に立たないって見方もあるようですが
だとすれば、怒り狂うのはもっともな話し
なんか台湾と同じポジションになりつつあるのかな
装備は次第に旧式化し、軍事バランスを配慮した装備だけアメリカから購入できるっていう
F-35が今回は調達できているけども、政治・経済環境次第で将来は似たような装備を調達できないかも…
そもそも売れる弾がF-35が最上位な時点で…
F-35否定してしまったら、米国の航空戦力そのものが中国のそれに劣ると言ってるに等しいが…
さすがに、中国にはF-35を超える戦闘機は持ち合わせていないし、
当面の間、F-35Block4や5を超えることはできない
特に通信や電子戦では西側が中国のそれを大きく凌駕してるのは間違いないし
block5なんか、何時になるのだろう?
Block4の構成要素ですらいつ完成するのか不明で、いちおう2030年頃らしいと言われてるけどBlock5に至っては現段階で存在もしてないよ。
ブロック4の一部がもう実行段階に入っているので、4・5年の内にはブロック5の話も見えてくるのでは?
中共うんぬんはおいといても、航空戦力がまるで足りないよなぁ。
改修とは別にF-15EX か、F-35を追加導入してもいいと思う。
イヤもう不要。
あるとしたらF35Bの追加くらいかな。
既存機というよりF3の随伴機で嵩上げするでしょ。
航空優勢、海上優勢は数では穴埋め出来ないのだから、非対象戦でやるしかない。
中共海軍には、電子戦と長射程の対艦ミサイル、中共空軍には電波妨害で連携をとらせず、島に配置したミサイル&空自が分散して生き残りながら戦う。
そう言う態勢を作り見せつけて何とか抑止していくしか無い。
自衛隊は非対称戦めっちゃ苦手そうだよね・・
中国の方がむしろ得意な気がする。那覇基地の滑走路に中華航空を「誤って」不時着させたり、レーダーサイトに「なぜか」ドローンが突っ込んだり。
それくらいなら平気でしそう。
蛇足だけど、中華航空だと台湾の「チャイナエアライン」だね。
まぁ、騙しにきてるような社名だけど。
大陸の中国のフラッグキャリアは「中国国際航空(エアチャイナ)」
なるほど確かに弟がエアチャイナで上海に出張行ってたわ
くらうんさん
実際未だに地上戦でも昔のままのやり方らしいしね…
F-15EXって日本の立場≒先進国の軍備が相手だとコスパ最悪と言って差し支えないよ
飛行時間当たり飛行コストは2万ドルと推定され、F-35Aのアメリカ軍実績(1.8万ドル)上回り、ユニットコストでも1億ドルを下らない
その代わりボムキャリアーとしては優秀だけど、敵の防空システムが弱ければという前提があるので、日本の敵には全く適用できないっていう
そも価格だけで考えてもPre-MSIPをJSIにした方が安い次点で…。
なんでこんなコメントなのか意味不明。
中国の庶民レベルについては日本についてのマトモな分析が無いんだろうかね。
普通に何十年も使用してたらアップグレードくらいはするだろうしF4EJ改みたいなもんだ。バカらしい。
改修は敵SAM射程外から安全にASM攻撃できる能力をF-15Jに付与することが目的で、戦略的軍事バランスを変化させ得るのは今後導入や開発を行うスタンドオフミサイル群ですね。
100機近いF-15Jがスタンドオフミサイル運用能力を獲得すれば、中国も無視できず相応の対応を迫られます。空自の対地攻撃力を大幅に強化できるわけで、一定の抑止効果向上は見込めると思いますが。
賛成だけれどJSI改修の機数は単座のみの68機に減少させると国会答弁されてたはず
指摘ありがとうございます。確認しました。
>第201回国会 参議院 予算委員会 第6号 令和2年3月4日
○政府参考人(鈴木敦夫君) 今のこのF15の能力向上につきましては、現有のF15近代化改修機、これ九十四機ございますけど、これのうち、そのうちの単座型の約七十機につきまして能力向上をすることと考えてございます。
今中期防におきましては二十機の能力向上を行うということでございます。
立ち位置的には、F-15JSIはF-35のサポートに徹することになるからなぁ
F-35にアクセスできる随伴無人機が導入、戦力化されるであろう、2030~2040で、JSIの役割を無人機が完全に食ってしまうことになるから、JSIそのものも急速な陳腐化は避けられないしな
だからこそのあくまでの改修延命、EXが不要である理由でもあるんだけど
この記事は中国共産党配下のメディアでしょ。ならば真に受けることはない。軽く聞き流せばいい。どうせ、中国共産党にとって都合のいい事だけを書くメディアなのだから。中国共産党の為なら平気でウソを書くメディアなのだから。ナチ政権の宣伝省と同じですよ。
その辺気になったけど、継続的な読者でも無い限りはちょっと判別難しいところ
あからさまな官製メディアでは無いけど、現状はアリババグループ配下で政府資本に売られたという話もあり
政府資本配下なら確実にプロパガンダ記事だし、アリババ系列だとしてもちょっと微妙
ありし日のアリババグループで香港系メディアならある程度中立と判断できただろうけど、ジャックマーの拘束以降は共産党の統制を否定できないし
真相は藪の中
>どうせ、中国共産党にとって都合のいい事だけを書くメディアなのだから。
それはそうなんだけど、メディアを通じてメッセージを発信する機能もあるわけで。
日本のメッセージの受け手が誰かは想像もしたくないが。
航空優勢、海上優勢は数では穴埋め出来ないのだから、非対象戦でやるしかない。
中共海軍には、電子戦と長射程の対艦ミサイル、中共空軍には電波妨害で連携をとらせず、島に配置したミサイル&空自が分散して生き残りながら戦う。
そう言う態勢を作り見せつけて何とか抑止していくしか無い。
F-15JSIはF-35の弾持ち兼スクランブル要員として考えれば特に問題ないのでは?
まるでそれまで軍縮と地域の緊張緩和に勤めてたような・・・。まあ日本も北が容認された時にとっとと核持つべきでしたけど
さらに「日本は中国の軍拡が米国をアジアから追い出すためのものか、地域を支配するためのものか、日本人に復讐するためのものか慎重に判断しようとしている」と語った。
中国の目的は全部に決まってるでしょ
香港紙が中共のメッセージを伝えているとして。
F-15の改修をやって欲しくないというメッセージは伝えたいが、それをあまり強く言うと、その効果が高いと思われてしまう。
なので、「効果はないけどやるなよ」という屈折した言い方になるのかな、と思いました。(笑)
まあこの記事で日本の世論に影響があるとも思えんし、大した話じゃないでしょう。
中国の戦狼外交は相手を脅すばかりで芸がないんですよね。
みんな仲良くの前提が崩れた今ではむしろ逆効果でしかないと思います。
香港だけでなく日米のシンクタンクも、「日中の戦力バランスに大きな変化をもたらさない」という意見ですけどね。
あと、戦狼外交は中国国外向けよりも中国国内向けへのアピール。
「諸外国に対して中国共産党はこんなにも堂々と対処している」と中国国民にアピールしています。
中国はスタンドオフミサイルを相当嫌がってそうだなぁ
第一列島線沿いに配備されたら絶賛拡張中の海軍が自由に動けなくなってしまう
核兵器抜きで考えるなら島々って不沈空母みたいなもんだから、これがSSMだらけになっちゃうと、もう東シナ海における海軍自体、存続が無理だろうね。生存できるのは潜水艦だけかな。
ホントはセンサー次第の話なのだが、日本のミサイル誘導なら海上艦を打ち漏らさないだろう。
中国相手にはもう「どのように負けるか」を考えるべきだと思う
一番いいのはもちろん主権国家として独立を保てることだけど、たとえ国が滅ぼされても、最低ラインとして民族浄化だけはやめてもらえるようにしないといけないよね
中国は本来多民族国家を国是としてきたのに、キンペイ政権になってからは中華、そして漢民族の栄光という表現にすり変わってることに注視してくれ、つまり他民族の主権など許容しないということ、だからウイグルやチベットに対して密かにジェノサイドを仕掛けてる。
日本と違って、敗者は皆殺しにするのが中華の伝統だよ
そんな相手にお情けを期待するのは無理だよ
自由フランスとヴィシー政権みたいな両方取りも今後は考えた方が良いかもしれんなぁ
なんか迷走する野党の新しい立ち位置としてプランBとしての媚中路線もありなんじゃないかと思い始めた
なんでやねん
核ミサイル使うってーなら別だけど
通常戦力だけの戦いなら、日本は制海権とって、中国を海上封鎖すればいいだけ
日本の潜水艦が潜れて、魚雷発射できる深深度まで、中国の原潜は到達できない
どうやって日本に勝つつもりなん?
本気で滅ぼされそうとか通常兵力で確実に負けそうとかなら、日本て核保有くらい行っちゃうでしょ。
日本て結構、極端から極端に振れるイメージ。
正直、核がすべてとは全く思っていないんだけど、どうも中国とか半島国家とかは思ってそう。
ならば周辺がうざいので保有するというのもアリかもね。正攻法ならそうなるよね。
装備整えたところでトップも自衛隊も末端の国民も去勢されきってて対抗する気概なんて1ミリもないし
その気が少しでもあれば核持とうとするポーズだけでもするよね
悪いけど、一人でも戦うよ。
ああ、昔の香港はもう無くなってしまったんだなとしか
記事趣旨から少しそれるんですが、最近読んでなるほどと思ったので貼っておきます。
リンク中で指摘されてる通り中国は韓国の軍備について評価する時、警戒しているのは米軍だけであり韓国がどんだけ国産戦略兵器を積み増しても脅威とは思ってないんですよね。これと近い原理が日本の軍備評価でも適用されているのではと考えます。
つまり、地理的にも近く経済的結びつきが密接な両国は戦術領域での対決に至る以前の段階で(経済的圧迫や内政干渉や難民爆弾などハイブリッド戦の戦術だけで)屈服させられるし、仮に武力を交えるところに至っても1on1の対決なら人民解放軍の実力で完全勝利できるという理論です。日本に対する輸出規制では過去に失敗しましたが(これも量と範囲が足りなかっただけという解釈は可能)、THAAD配備後の対韓経済制裁と文大統領を北京に招聘した上で敗北宣言をさせた実績は大清皇帝功徳碑のようにロジックを補強します。
日本の場合上述の経済戦争失敗例もあるので韓国と全く同様ではなく、潜水艦定数増や空母化の折で遺憾の意を表していた気もしますが、やはり同格とは見られていないのは確かでしょう。(中国の場合は演繹的な理論構築の他に儒教的観念の序列意識なんかも影響してそうですが)
つまり何が言いたいかと言うと、中国の見解はこういう非常に難解で独特で(時に理論的ともいえない)理屈に裏打ちされている場合があり、字義どおりを平易に解釈しても意味はないという話でした。
貼れてなかった、リンクこれです
リンク
”言わせとけ”、というだけの話。
そもそも他国の防衛、軍事の話。
中国だって馬耳東風だもんな。