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早ければ2021年初め? 中国海軍の電磁式カタパルト採用空母が進水間近

中国メディアは最近、建造中の国産空母「003型」について2021年初めにも進水すると報じて注目を集めている。

参考:China’s 3rd aircraft carrier ‘progressing smoothly’

中国海軍初の電磁式カタパルトを採用した国産空母「003型」は進水間近か?

中国海軍には現在、ウクライナから旧ソ連の未完成空母「ヴァリャーグ」を購入して改装した「遼寧(5万3,000トン)」と初の国産空母「山東(5万5,000トン)」が就役しているが、どちらもスキージャンプによる艦載機の発艦方式を採用しているため航空機の運用能力に大きな制限(主に発艦重量)があるのが欠点だ。

この欠点を解消するのが電磁式カタパルトを採用した国産空母「003型」で2020年中にも進水するのではないかと噂されていたが、中国メディアは最近、建造中の国産空母「003型」について2021年初めにも進水すると報じて注目を集めている。

出典:Public Domain ジェラルド・R・フォード級空母の建造風景

空母「003型」の建造は空母「山東」とは異なり大規模なブロック工法を採用して建造が進められているため建造期間を大幅に短縮することに成功、幾つかの艤装工事も同時並行で行われているため進水後の艤装工事期間も短縮できると言われており、艤装工事に約5年必要な米国のジェラルド・R・フォード級空母(満水約10万トン)よりも短時間で戦力化することを狙っているのだろう。

中国海軍は空母「003型」について詳細を明らかにしていないが、商業衛星によって撮影された写真を元に算出された空母「003型」の大きさは全長320mと言われており、305m(315mという説もある)と言われる空母「山東」を上回り、確実に8万トンを超える重量級空母になると予想されている。

中国は電磁式カタパルトを採用した国産空母「003型」で使用する固定翼タイプの早期警戒機「KJ-600」を開発中で今年8月には同機の初飛行に成功した。

出典:西安飛機工業公司

この早期警戒機「KJ-600(西安飛機工業公司製で重量は25トン~30トン)」には大型のAESAレーダーが搭載されており、これまでよりも遠方で米国のF-22やF-35と言ったステルス機を捕捉することが可能で、米海軍の空母戦力とのギャップを埋めて艦載機の戦闘能力を引き上げることが期待されている。

さらに中国海軍は今年7月、空母に搭載して運用可能な戦闘機「J-15」が初めてバディポッドを使用した夜間空中給油訓練を完了させたと発表、これにより中国の空母は24時間いつでも空中給油を伴う航空作戦実施が可能になるため実用性と運用性を大幅に強化することに成功しており、電磁式カタパルトを採用した国産空母「003型」+早期警戒機「KJ-600」+バディポッドを使用した昼夜を問わない空中給油能力の3つが揃えば中国海軍の空母運用に関する実力は米海軍レベルに近いと言っても過言ではない。

残る問題は空母「003型」の就役時期で、これは初採用された電磁式カタパルト次第だと管理人は思っている。

仮に大きな問題なく電磁式カタパルトの艤装が進むのなら2025年前後に就役してくるのではないかと予想しているが、電磁式カタパルトの艤装や実用部分で躓けば米国のジェラルド・R・フォード級空母と同じように長期間の試行錯誤が始まり就役が2030年頃にずれ込むかもしれない。

特に電磁式カタパルトの実用化は中国が参考にする手本が存在しない=米国も実用化に向けて各種テスト中(一応実用化への目処はついた模様)なので、ある意味中国の自力が試される部分だと言っていいだろう。

果たして中国の国産空母「003型」の就役は、電磁式カタパルトの実用化は問題なく進むのか注目される。

 

※アイキャッチ画像の出典:flickr rhk111 / Public domain

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    アメリカとしても空母キラーを開発する理由が正当化されたね、米空母と同規模ならば躁艦回避能力も同大ゆえ
    命中させられるはず
    ただ、電磁カタパルトに必要な電源の確保はできるのかね、スホーイ由来は重たいだろうに

    3
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      F18やF14に比べたら浮かせ易いと思う。油気圧式ではないから最大射出能力が発電力に依存するけど、フォード級の電磁カタパルトの出力は旧式と大差無いから通常動力でゴリ押せば問題ないと思う。どのみち風上に全力で航行するから機関構造の差は少ないはず。

      3
      • HY
      • 2020年 9月 15日

      「遼寧」も「山東」も今回の「003型」も空母建造能力の蓄積と中華空母打撃軍を養成する前衛艦でしょう。「004型」か「005型」で原子力機関を搭載すれば、それがアメリカで言う「ニミッツ級」として量産されることになると予想します。

    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    ついに中国側の本命が登場か。記事の通り電磁カタパルトはアメリカでさえ手を焼いてるし、戦力化が遅れるよう祈るしかないな

    14
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      アメリカ海軍は電磁カタパルトに対する要求が過大すぎて実用できてないところもありますからねえ、
      対象艦載機をを限定すれば、中国でも実用可能なのではないかと思います。

      6
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      工事中の「火災」で全焼してしまえば良いのに。米艦が焼けたのだから、中共の空母も燃えるべきだ…

      8
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      中国は何年も前から出来たって発表してきたけどいっこうに出来ない
      アメリカより先に実用化する事はない

      2
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    中国も電磁カタパルトでトラブって批判祭りになったら面白いのに

    7
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    相手の失策に期待するようになったらおしまいだし、
    国力あるんだからたとえスケジュール遅延しても予算や開発リソース注ぎ込んでごり押すでしょう

    こりゃいよいようちの国も経済犠牲にしても本気で防衛力強化に国力注ぎ込まないといけなくなったな
    国家の独立と経済的繁栄、どちらが大切かは議論の余地すらないとはいえ…

    31
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      独裁国家に蹂躙されれば経済どころか命も危ない。経済的繁栄を含む全てを守る為にこそ防衛力が必要ですね。

      15
        • 匿名
        • 2020年 9月 14日

        国防の担保なくして経済基盤はないことを常識としているのは.一般人では研究者か軍オタくらいのもの・・・

        14
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    KJ-600のアンテナはアクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)式で、性能はE-2Dに匹敵するという話もある。
    電磁カタパルトの話も含めて全部本当だったら、中国海軍はかなりのステップアップに成功したことになる。

    16
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    動力が非原子力の空母で電磁カタパルトの電源を安定供給出来るのか、作戦時艦載機の射出を繰り返し行えるのか中国の技術が問われる。

    14
      • 匿名
      • 2020年 9月 15日

      足りない分は甲板を太陽電池で覆うことで補ってたりして。

    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    日本としては、中露同様にミサイル開発が空母戦力増大への1つの答えですね。

    16
      • 匿名
      • 2020年 9月 15日

      あと誘導上昇機雷ですかね。深々度化も研究中の様ですし。
      防衛にしか使えない兵器で、日本以外まともに運用も研究もしてないから対策が難しいかと。

      2
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    アメリカを真似た空母打撃群中心の編成は将来アクセス拒否戦術の鸚鵡返しで封殺されるだけだと思うのですが。

    7
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      でからこそ胡散臭いんですよ、彼らの「できる」は。

      5
      • HY
      • 2020年 9月 15日

      だから先んじて南シナ海に人工島を建設し、尖閣や台湾を狙っているんですよ。中華空母打撃軍ができるころにはアジアの海が中国の海になっているように。

      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      張り子の虎でしかないアクセス拒否戦術の実効性が高くないなんてことは中国自身が一番よくわかってるからな。

    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    中国って電磁カタパルトを陸地に作ってテストしまくってたんじゃなかったっけ?

    4
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    どう見ても空母にしか見えない大型艦艇に、高速滑空弾やシーバスター弾頭が突っ込むポンチ絵が出てますから、バッチ来いって感じですがな
    作戦能力を獲得する頃には、本邦の新型対艦ミサイルシリーズも実戦配備されてくるでしょう

    7
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    相手の嫌がることはしませんとぬかした首相がいたが
    自らを弱者と認め いかに効率よく敵の嫌がることが出来るか
    を追求するのが日本の国防になる

    22
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      戦争もケンカも、相手の嫌がることをやる、すなわち弱点を突くのが原則
      現代戦から会戦、艦隊決戦が消えたのも、正面きって全面衝突する前に姑息な作戦で戦闘を決するのが必然だから。
      命がけの争いに卑怯もくそもあるもんかい

      24
        • 匿名
        • 2020年 9月 15日

        ただ敵を倒すために敵を増やすのは下策なので、
        クラスター爆弾やら便衣兵やらやらん方がいい事はありますよ。

        3
          • 匿名
          • 2020年 9月 15日

          そのどちらも中共の得意とするところだから恐ろしい
          巨人なのに巧みに小技を繰り出してくる戦の達人だよ

          4
      • 匿名
      • 2020年 9月 15日

      >いかに効率よく敵の嫌がることが出来るかを追求する・・・
      キッシンジャーが対ソ連政策で同じことを言ってましたね。
      結果は歴史の通りです。

      2
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    日本は中華空母用の兵器の開発は進んでるんだけど法整備のほうがね・・・

    6
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    着々とアメリカの空母機動部隊に姿を偽的散るが対潜水艦能力はどうなんだ?
    少なくとも数隻の攻撃型原潜が前方展開しないと怖くて遠洋には出れないはず。
    フォークランド紛争では双方とも相手の(しょぼい)潜水艦が怖くて主力艦を紛争海域に出せなかった。
    中国の相手をするのは最新型のそうりゅいい型、一切の反撃が出来ずに無力化されるだろう。
    相手を甘く見るのは禁物だが、日本と中国の新幹線くらいの違いはある。

    6
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      日本と中国の新幹線くらいの違い
      それって。ほとんど違いがないということ?
      彼らは与えられら技術をそのまま利用しているだけじゃない。
      常に入手した技術の限界を試験して、なぜこの手段ではここまでなのか。
      相手の最新技術とどこが違うのかを念入りにチェックしている

      そうりゅいい型とやらがあるからと言って、あまり中華をなめないほうがいい。
      そうりゅう型もロシアに容易に発見されているという未確認情報もある。

      7
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    中国軍の艦載型早期警戒機KJ600にAESAレーダー搭載し、ステルス戦闘機を補足可能で
    給油ポッド搭載で航続距離が増大
    03型空母にはアメリカ軍でもトラブル続きの電磁式カタパルトを搭載

    中国軍の脅威が増してきているのは分かるがこんなプロパガンダ信じすぎるのはアホかと
    あいつらステルス戦闘機のJ20の量産が進んでいると吹聴するが
    全然量産確認されていないぞw

      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      J-20は月産で最大4機生産することができて、安徽省蕪湖市の第9旅団(36機編成)にすでに配備済。
      今年は30機以上生産するらしく、量産は一応進んでいるよ。
      KJ-600がAESAレーダーを搭載することについてのソースは以下のとおり。

      “China’s New Carrier Early-Warning Plane Is More Than A Hawkeye Clone”
      リンク

      5
        • 匿名
        • 2020年 9月 14日

        よくライン稼働できるなあ…

        2
          • 匿名
          • 2020年 9月 14日

          人も航空機の部品も消耗品という考えであれば問題なかろうかと·····

          2
        • 匿名
        • 2020年 9月 14日

        J-20もKJ-600も米軍機に似てはいるがその性能は実証されていない。
        アフリカのテロリストはなぜ安い中国製のトラックを使わずにランクルを使うかを考えてみるべき。

        4
      • 匿名
      • 2020年 9月 15日

      とは言え中国の工業生産力の高さはやはり脅威ですな。
      それと同時に米国の工業力の没落を目のあたりにするのも悲しいね。

      2
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    まるで米中が、西太平洋で見えない陣取り合戦を展開中

    1
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    その為にも射程の長い滑空弾ブロックⅡを前倒しで配備して欲しい。
    沖縄方面の各離島基地だけで無く太平洋側や日本海等全方面に向けて日本版A2ADを・・・

    4
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    中国の軍事力発展を心から祝したい。アメリカなどの欧米列強に支配されないアジア共存圏をつくっていきたい。
    日本のようにアメリカの犬に成り下がらず、しっかりと発展して欲しい。着実に軍備を重視することが大事だ。

    2
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      中国はアジア共存圏など作るつもりは無いでしょ
      占領地域として植民地化か又は中国の一部としてその場所も中国に為る
      モンゴル共和国然り・・・
      「力を持った者は力の乱用をしては為らない」と言う事が分かっていないと思う。

      14
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      国内の自治区の自治すら尊重できないのにアジア共存とか聞いて呆れる。

      15
      • 匿名
      • 2020年 9月 14日

      逝きつくところは旧ソ連、GDPも土地の値段(取引)を除けば日本医科。
      直ぐに顎を出す。

      4
      • HY
      • 2020年 9月 15日

      現れましたね「大中華主義者」さん?あなたのような人間が出てくることは予想していました。その危険な「新アジア主義思想」が日本に萬栄しないようにしなければなりません。

      2
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    電力足りるんだろうか
    通常動力のはずだが

    4
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      消費量が増える分発電機増やすだけだろ。

      1
    • 匿名
    • 2020年 9月 14日

    相手の嫌がる事はしません(嘘です)

    しませんと言っておきながら必要とあらばしれっと嫌がる事をするのが正しい姿勢。

    8
    • 匿名
    • 2020年 9月 15日

    管理人さんも言ってるがこれをアメリカより早く戦力化出来たらいよいよ中国海軍の実力を認めざるを得ないわ
    ぶっちゃけ出来ねぇんだろうな……と思ってるが
    いずれにせよ要注目案件だね

    6
    •  
    • 2020年 9月 15日

    注視必須だが未知数の話だから何とも・・
    他方では艦載機無いって言ってるのに

    2
      • 匿名
      • 2020年 9月 15日

      今年に入ってJ-15の新しいバッチの生産を再開しましたので、当分はJ-15を使い続けると思います。

      3
        • 匿名
        • 2020年 9月 15日

        空母からの離艦問題が解決するとしても、肝心の国産エンジンはどうなっているのだろう

        2
          • 匿名
          • 2020年 9月 15日

          単発機であるJ-10にも中国製エンジン(WS-10)を搭載するようになりましたし、エンジンについては昔ほど困らないと思いますけどね。

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