ギリシャメディアは最近、トルコのインジルリク空軍基地に保管されている米国の核弾頭をギリシャのクレタ島にある米軍基地に移動させようとしていると報じて注目を集めている。
参考:Is the US about to move its 50 nuclear bombs from Turkey to a Greek island?
トルコに保管してある戦術核兵器「B61」をギリシャに移転させるかもしれない?
トルコとシリアの国境に近いインジルリク空軍基地は米空軍とトルコ空軍が共同使用しており、NATOのニュークリア・シェアリングに基づいて同基地には米国の戦術核兵器「B61」が推定50発保管されていると言われている。
この核兵器をギリシャメディアは地中海におけるNATO最大の海軍基地「スーダ海軍基地(ギリシャ領クレタ島)」に移動させる準備を米国が進めていると報じて注目を集めているが、最初にこの話を報じた米国の保守系ニュースサイト「Washington Examiner」は核兵器の移転には触れていない。
Washington Examinerの記事によればウィスコンシン州選出で上院外交問題小委員会の欧州担当委員長を務めるロン・ジョンソン上院議員が「最悪の自体に備えてインジルリク空軍基地からの撤退準備を進める必要がある」と語ったと報じており、インジルリク空軍基地の代替案として距離に近いスーダ海軍基地のプレゼンス強化を主張しているが戦術核兵器「B61」の移動に関しては触れいない。
そもそもインジルリク空軍基地に米国の戦術核兵器「B61」が保管されているという事実を米国やNATOは公式に認めていないため「核兵器の移動」について触れないが、インジルリク空軍基地からの撤退は公然の秘密と言える戦術核兵器「B61」の移動も含まれていると考えるのが自然だろう。
但し、代替案として浮上しているスーダ海軍基地は航空戦力を運用するための滑走路や設備がない港湾施設(深海港)のみなので、航空機に搭載して使用する戦術核兵器「B61」を移動させたところで使いみちがないので、もう少し情報を補完して考えるとスーダ海軍基地ではなくクレタ島のハニア国際空港(軍民共用)にインジルリク空軍基地の機能を移転させるというのが真実なのかもしれない。
因みにインジルリク空軍基地に駐屯する米空軍の第39基地航空団には固有の航空戦力は割り当てられておらず、在欧米空軍機やNATO加盟国の空軍機の支援を行う部隊しか駐屯していないが、地理的にロシアや黒海に近いため有事の際の重要性は非常に高く、NATO加盟国の防空ユニットが持ち回りで基地の防空任務にあたっている。
この機能をギリシャ空軍と民間航空機が共用使用しているハニア国際空港に移すとなると、そう簡単な話ではなく戦術核兵器の保管庫も必要になるため、実際にインジルリク空軍基地の機能移転を実行に移せば誰が基地建設費用を負担するのかNATO内で問題になるはずだ。
Washington Examinerもワシントンがインジルリク空軍基地の移転を真剣に考えているとは考えにくく、飽くまでトルコとの関係が悪化した場合に備えてスーダ海軍基地の強化しても、インジルリク空軍基地の機能を補完する程度にとどまると見ている。
そのためインジルリク空軍基地に保管されている戦術核兵器「B61」を移動させなければならない自体に陥れば、ギリシャ領のスーダ海軍基地に移動させるのではなく米国本土に持ち帰る可能性が高いだろうと管理人は予想しているが、トルコと対立しているギリシャにとってインジルリク空軍基地から戦術核兵器がギリシャ領内に移動してくることはNATO内で力関係に影響するため、頭越しにB61が米国本土に移動するのは複雑な気分なのだろう。
TCG GİRESUN fırkateyni ile İngiliz muhribi HMS ARGYLL tarafından 11 Eylül 2020 tarihinde Doğu Akdeniz’de deniz eğitimleri gerçekleştirildi.#MSB #TSK pic.twitter.com/LGN1vN39VU
— T.C. Millî Savunma Bakanlığı (@tcsavunma) September 12, 2020
追記:ギリシャとトルコがNATO加盟国と共同軍事演習を行いまくり「互いに味方が多い」とアピールしている戦いに英国が参戦、トルコが東地中海で英国海軍の23型フリゲート「アーガイル」と共同演習を行ったと発表した。英国がトルコとの共同演習に踏み切った真意は不明だが、管理人的には英国がトルコの肩を持つと言うよりも、NATO加盟国が挙ってギリシャ側と共同演習を行いトルコを追い詰めようとするのでバランスをとったのではないかと思っている。
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Cory W. Bush/Released インジルリク空軍基地に到着した米空軍のF-15E
そこで何故煽り性能だけは突出しているイギリスが参戦してしまうのか
あなたEU抜けましたよね?(フラグ
フランスがギリシャについたなら、イギリスは対立するトルコにつく・・19世紀からのブリカス外交はいまだ健在だなw
マジでそれが理由ならば、ブリカスまじブリカスだなw
フランスがギリシャの肩持ったから逆張りしたに1ジンバブエドル
インジルリクはイランから近すぎるので、短距離の弾道弾や巡航ミサイルに脆弱という話もある
昔から外交は大正義なのがイギリスだから、これはトルコワンチャンあるか?
今ならタイフーンもアップデート決まって不良債権じゃなくなってきたし、F-35が手に入らなさそうな現状なら、ギリシャのラファールに対抗して売り込めそう
対ロシア抑止力を落とさない為、イタリアやドイツ、イギリス等ヨーロッパ内の別の米軍基地に移転するのはどうでしょうか?
あとトルコはいい加減全方位敵に回すのを止めなさい。
「核兵器を」移転するという意味。
まあ次世代戦闘機その他ブレグジットのゴタゴタでフランスとは利害が対立してるわけだし、フランスへの嫌がらせのつもりで火遊びしてるだけなのかも。
米軍基地ってどこにでもあるんだなあ
核基地が減ると近隣のイランやロシアが喜ぶから、動かさないと思う。
本当に動かすと米国がトルコを見限ったと受け取られて、NATO離脱の引き金になりかねないし
あくまでギリシャ側がご都合よく解釈してると読むべき
英国の英国らしさ大好き
人間的なドロドロ感がこれ以上ないくらいに出てる
火事場には儲け話が転がっていることを一番よく知っている国際社会のハイエナ君
ここでEUじゃないけどNATOではあるイギリスが来たかあ
まーためんどくせえ立場のやつ参戦してきたな
イギリスがまた余計なことして酷い事になる予感
英仏ときたからには次、ドイツがどいつの肩を持つかで決まる…負ける側が