中国海軍は電磁式カタパルトを採用した国産空母「003型(2021年進水予定)」の就役に向けて新しい空母航空団の準備を進めている。
直ぐに中国海軍の空母打撃群や空母航空団が米海軍レベルに到達することはないが、結局は時間の問題
中国は現在、旧ソ連製空母ヴァリャーグを改装した空母「遼寧(5万3,000トン)」と国産空母「山東(5万3,000トン)」を保有しているが、どちらとも艦載機の発艦にスキージャンプを用いるため航空機の性能をフルに発揮できない状況が続いている。
しかし中国は電磁式カタパルトを採用した国産空母「003型(2021年進水予定)」を建造中で、同艦が完成すれば艦載機の発艦重量制限が大幅に緩和されるため艦上戦闘機「J-15」は12ヶ所の機外ハードポイントに各種空対空ミサイル、ラムジェット推進の空対艦ミサイル「YJ-91」や各種精密誘導兵器を満載して発艦することが可能になり、さらに遼寧や山東では運用不可能だった航空支援用途の大型固定翼機も発艦可能になるため空母打撃群の戦闘能力は一気に高まるはずだ。
問題は「カタパルトを採用した国産空母に載せる航空機を中国は準備しているのか?」だが、米メディアは003型が就役する頃までにはカタパルト運用に対応した新しい中国海軍の空母航空団が登場すると予想している。
米メディアの予想によれば新しい空母航空団には空軍向けのJ-11Bに施された各種アップグレードを取り入れカタパルト運用に対応した艦上戦闘機「J-15B(もしくはT)」が配備されるらしい。
特にJ-15BにはJ-20の最新バージョン「J-20B」にも採用されている推力偏向ノズル付きのWS-10や米軍が恐れている長射程の国産空対空ミサイル「PL-15(最大射程250km)」などを採用してくるのではないのかと予想しており、もし米メディアが予測した通りになればJ-15の新型機は非常に手強い相手となるだろう。
補足:中国は今年7月、中央軍事委員会副主席の張又侠将軍を含む軍上層部が出席した式典で新しいバージョンの戦闘機「J-20B」の除幕式を執り行ったと報じられ、このJ-20Bは初期型の問題点であった機動性を改善するため「推力偏向ノズル」を採用、設計当初に予定されていた基準を満たす機動性に達したらしい。因みに香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は新しいJ-20Bの量産が始まったと報じている。
さらに新しい空母航空団にはJ-15Bを補完するためステルス戦闘機J-31の艦載機バージョンが配備される可能性が高く、米海軍が第4.5世代戦闘機F/A-18E/Fと第5世代戦闘機F-35Cを同時運用しているように中国海軍も非ステルス戦闘機のJ-15Bとステルス戦闘機のJ-31を同時運用すると予測しており、米海軍のEA-18Gに相当する電子戦機J-15D、米海軍のE-2Dに相当する早期警戒機KJ-600も電磁式カタパルトを採用した国産空母「003型」が就役する頃までには実用化させてくるはずだ。
要するに中国は米海軍の空母航空団をそのままコピーした構成で新しい空母航空団を作り上げようとしていると言う意味だが、中国はステルスドローン「Sharp Sword」をベースに艦載機バージョンも開発で同機は偵察・監視用途以外にも使用可能で対地・対艦攻撃任務や航空支援任務に用いられるだろうと米メディアは推測して「中国海軍の空母打撃群は米海軍やフランス海軍と遜色のない空母航空団を備えるはずだ」と評価している。
補足:中国の瀋陽飛機工業集団が開発したステルスドローン「Sharp Sword」はステルスドローンプロジェクト「AVIC 601-S」で開発された計6種類の内の1つで、米海軍の空中給油機能を備えたステルスドローン「MQ-25」とは異なり、2つのウェポンベイを持っているためステルス性能を犠牲にすることなくミサイルや誘導爆弾など攻撃兵器を携行できる。ただスキージャンプ方式の遼寧や山東で運用する場合は発艦重量の制限に引っかかるためウェポンベイに何も搭載できない=つまり偵察・監視用途にしか使用できないらしい。
ただ電磁式カタパルトを採用した空母「003型」とカタパルト運用に対応した新機材が揃っても運用体制を確立したり対応戦術の開発や検証に時間がかかるため、実際に「戦力」として計算できるようになるには多くの時間が必要になると管理人は思っており、直ぐに中国海軍の空母打撃群や空母航空団が米海軍のレベルに到達することはないだろう。
しかし中国海軍が米海軍のレベルに到達するのは時間の問題なので、日本近海を中国海軍の空母打撃群が跳梁跋扈するのは避けられないのかもしれない。
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皆様、1年間お仕事ご苦労さまでした。
管理人も本日で仕事納めなので当サイトの年内更新も本日を持って終了、来年の1月3日ぐらいから更新を再開する予定(本当に戻ってこれるのか謎)ですが、新型コロナの影響で特に出かける予定もないため酒でも飲みながら暇つぶしに更新するかもしれません。
どちらにしても航空万能論GFを覗いてくれた多くの方に感謝を、そして良いお年を!
※アイキャッチ画像の出典:Simon YANG / CC BY-SA 2.0
まず管理人には今年の感謝を
そして、中国が米式編成をパクるといっても侮るなかれ。経験に長けた米海軍をお手本にするのは当然だし、また目指すところは米国なみの機動艦隊なのだという示唆なんですから。
来年も平和でありますように!
管理人さんお疲れ様でした、また来年もよろしくお願いします
一部報道によると、12式や新型対艦ミサイルはともに射程千キロ越え、最終的に二千キロを目指すとあります
将来出現するであろう中国機動部隊に対する日本側の回答になるでしょう
空対空ミサイルが数百キロもの射程を得る時代、射程千キロの巡航ミサイルすら専守防衛の範疇に過ぎない時代に突入するのだと、声を大にして新年を迎えたいです
初コメント失礼します。
毎日更新お疲れ様でした。来年もよろしくお願いします。
あの国はやはり空母打撃群を本気で作ろうとしてるんですね。6年前はそんなことになるとは思ってなかった…
十年、二十年くらい前の本を見てみると、海自は中共艦を圧倒するとか、「自衛隊は中国とまともに戦っても数日で制空権を取れる」、「航空戦力に勝る台湾が」とか普通に書いてあったのに…( ノД`)
逆を言えば、約20年前がそうだったから、中国は努力して戦力増強を続けたんだよ
因みに、日本海軍が最初の航空母艦鳳翔を竣工させたのが1922年12月、それから19年後に日本は真珠湾攻撃を成功させている
それなりの経済発展を遂げた国家なら20年も有れば、例え見様見真似でも強敵を凌ぐ軍事力を得る事は可能なんだよ
うさぎとかめの話と同じです。日本は昼寝をしすぎました。
今年も管理人とコメント投稿者の皆さん、お疲れさまでした。
いやいや、昼寝をしていたのは日本だけでは無いよ
米国も昼寝をしていたし、ASEAN諸国や豪州でさえ最近まで本気にならなかった
尤も20年もとなると、昼寝をしていたと言うよりも「仮死状態」と言った方が適切か
管理人さん、お疲れ様でした。情報が氾濫する中で冷静な切り口の記事は非常に情勢理解の助けになりました。良いお年を
日本としては、潜水艦や対艦ミサイルを増強して、飛ぶ前に母艦ごと海底に沈める事を目指すのが良いかな?
機動戦力にはA2ADがまず考えられますからね。
後は弾道弾にどう対応するか…
おつかれさまでした。
よいお年を!
毎日、楽しく記事を拝見させて貰っています。
管理人に感謝とお疲れ様を!
来年もよろしくお願いします。
毎日、更新お疲れ様でした!
いつも楽しみに記事を拝見させて貰っています!
来年もよろしくお願いします。
sharp swordって日本だと影薄いよね。普通に脅威だと思うのだけど。
管理人さんお疲れ様でした!
来年もよろしくお願いします!
今年一年、お疲れ様でした。
色々な知識を得るきっかけとなり、大変勉強になりました。ありがとうございました。
良いお年を‼️
毎日の更新は大変だと思います。お世話になりました。
来年もまた元気で、更新していただけることをお待ちしております。
それでは良いお年を。
来年も楽しみにしています!
管理人さん、良いお年を
良いお年を!
管理人さん、お疲れ様でした。
そして、本当にありがとうございました。m(_ _)m
よいお年を。
管理人様
今年もお疲れさまでした。
大変有意義な場を提供していただき感謝致します。
ありがとうございまさした。
>本当に戻ってこれるのか謎…。
そんなこと言わないでー。
世界の軍事情勢を知ることが出来る
良いサイトだと思います。
知った所で自分には何も出来ませんが
それでも知っておきたいのです
来年もよろしくお願いいたします。
お疲れ様でした。
毎日の更新が楽しみだったので年末年始どーしよう?
公開された米国防予算から調達価格を割り出す記事とか、他ではなかなか見られない記事とか満載で毎度楽しく拝読させていただいてます。
コロナ渦でお互い大変ですが、管理人様の来年がよい年でありますよう心よりお祈り申し上げます。
一年間お疲れ様でした。
まずはおつかれさまです。
来年の更新も楽しみにしてます。
で、この状況で日本はまだ指くわえて見てるだけ?
潰せるうちになりふり構わす潰しておけば良かったのにね。
批判されるだろうが、
コロナのおかげで世界中がひどい目にあっているのに
よいお年をとか言いたくないな
来年の今頃はコロナなんか
過去の出来事になってればいいが
こんなご時世だからこそ、希望を持ちたくて言うんじゃないかな。
あなたにも、「良いお年を!」
>来年の今頃はコロナなんか過去の出来事になってればいいが
そーゆー気持ちを込めて「良いお年を(お迎えください)」というんやで。
いよいよ来年は2021年。中国が武力侵攻をする可能性が最も高い年。二階と祭英文総統、生き残るのはどっち?
お疲れさまでした。良いお年を
と言っても来年はバイデン政権が誕生したり二階が蠢動したりすると希望がへし折れるなぁ…
この大事な時期に親中派が息を吹き返してきてんのはほんとたまらんね
なんとか良い方向に進んでほしいと願ってますわ
ここに来るのは本当に日課でした。
お身体にはくれぐれもお気を付けて、また来年も是非よろしくお願いします。良いお年を。
中共のやる事は知れている。
自国には電磁式カタパルトの技術が無いから、コンピュータ・ハッキングを駆使してアメリカの電磁式カタパルト技術を盗んでいるのだろう。
トランプが怒るのも当然だ。
管理人さん、一年間お疲れさまでした!
来年もよろしくお願いします!
勿論空母が出来る事で侵略行為が具体的に実施できるのは確かやが
空で言えばB-52を作ってるようなもので、制海権を取れなければ動かせない、
前時代で言えば戦艦の位置づけが今の空母
制海権を取る為の潜水艦技術が圧倒されれば日米は終わる。
逆に言えば、アメリカは世界覇権を維持する為には
中国がそこまで行くまでに雌雄を決する必要があるのかもしれない。
管理人さま、質の良い記事をありがとうございます。
管理人さんお疲れ様でした。
来年もよろしくお願いします。
来年も世界情勢は年明けから忙しなくなることでしょう。
せめて、この年末年始をゆっくり休むことにしましょう。
管理人様、本当にお疲れ様でした。来年も続けて頂ける事を心より期待しております。読者の皆様もよいお年を。
ここの閲覧者数も中国海軍並みに増えたような・・・・。
純粋な軍事ブログ力を持つのは良いことに思う。
2020年も楽しく読ませていただきました
どうか来年もよろしくおねがいします
しかし8万5千トンの大型空母ってほいほい前線に出せるのだろうか
虎の子の主力艦が戦争時に出し惜しみされるのは世の常だし
日中は超音速対艦ミサイル並べて睨み合いして自由に出せるのは潜水艦だけで
お互いの空母は岸壁の女王やってるということもありえそう
いや、中国は空母を前線に出す為にDF-17極超音速滑空ミサイルやDF-21D対艦弾道弾を配備していると考える事は出来ないかな?
つまり陸戦で歩兵や戦車部隊の進攻を援護する為に、常に砲兵が火力支援しているのと構図は同じで、味方艦隊の作戦を援護する為に極超音速滑空ミサイルや対艦弾道弾で作戦海域を事前に制圧すると言う訳
後、虎の子の主力艦を出し惜しみした海軍は大抵戦争に負けている事を忘れてはいけない
古くは日露戦争時のロシア海軍旅順艦隊、第一次大戦中のジュットランド海戦以後のドイツ海軍や第二次大戦時のイタリア海軍が良い例
日本海軍についても、太平洋戦争時に大和型戦艦を出し惜しみしたから大和型は活躍出来なかったと解釈出来るだろう
最近だとフォークランド紛争時の英海軍とアルゼンチン海軍の動きが対照的で参考になるから、一度ググると良いよ
攻撃は最大の防御とも言うから、
今までは対艦弾道ミサイル等は米空母からの本土防衛を担う装備かと考えてたが、
これからは中国機動艦隊を護る盾としても機能することで、中国の制海圏を拡大するわけですか、
なるほど
アメリカも海兵隊沿岸連隊を島嶼部に派遣して
長距離対艦ミサイル部隊で中国海軍を牽制するようですし
睨み合いになるでしょうね
お世話になりました。
同時に、目に見える分かりやすい形での中国脅威論の材料にもなってくれそう。
多弾頭化された核ミサイルの増強とか、対衛星兵器とかサイバー攻撃などよりは。
管理人様
いつも既存メディアでは知り得ない情報を配信して下さる事に心から感謝致します!
コロナや寒さが厳しくなって参りましたが、どうかご自愛くださいませ。
来年の配信を楽しみにしてます!
一年間お疲れ様でしたm(__)m
管理人さん今年1年お疲れ様でした
来年はよい年になりますように
よいお年を
いつも面白い記事をありがとうございます。今年一年お疲れ様です。
空母に対抗するには潜水艦とミサイルでしょうか。図らずもアメリカ空母に対する中国の対策が参考になりそうですね
来年からは豪速球で軍備を拡大してきた中国軍が
張り子の虎になりますように
残念ながらその可能性は極めて低いね。
やれやれ、今まで中国の軍拡を侮って怠け続けたツケがいよいよ回ってきたね。
首都圏のインフラですら10年持たないのに機動部隊w
戦力化できる頃には老朽化している、何しろ維持費の概念がない蛮族だからね
一毛にもならないのにご苦労さん
あちらさんは正直装備増強と言うよりあくまでお古を更新している(建前)素振りのが大き過ぎてその手の楽観は出来ない。というかその言葉(装備維持)に関してはこっちも笑えなさそう()
管理人様・読者の皆様
年内は興味深い記事・コメントを有難う御座いました。
良いお年をお迎え下さい
時間の問題って…
流石に空母打撃郡の規模を米軍並みにするにはさしもの中国もその「時間」とやらをどれだけ使うことに成ることやら。