米陸軍が採用を予定しているトラック搭載型155mm榴弾砲の試射試験にフランスのネクスターも参加すると表明した。
参考:Nexter’s CAESAR joins pack competing in US Army’s mobile howitzer shoot off
トラック搭載型155mm榴弾砲が一堂に会して性能評価を受ける米陸軍の試射試験にフランスも参加
米陸軍は既存の155mm牽引式榴弾砲を更新するため機動性、致死性、生存性の3点が優れているトラック搭載型の155mm榴弾砲を求めており、2021年にアリゾナ州ユマ試験場で実施する実射試験に参加できる企業と榴弾砲を募集中で、この実射試験に英国のBAEシステムズ、イスラエルのエルビットシステムズ、セルビアのユーゴインポートが参加することが決まっている。
52口径155mm榴弾砲を備えた「カエサル」を開発・製造しているフランスのネクスターも同試験に関心を表明していたが、英国のジェーンズに対して「来年実施される米国での試射試験に参加する」と語ったため、米陸軍が採用を予定しているトラック搭載型155mm榴弾砲はBAEシステムズ、エルビットシステムズ、ユーゴインポート、ネクスターの4社で争われることが確定した。
ただネクスターは米陸軍が来年実施する試射試験に半自動装填装置付のカエサル8×8ではなく砲弾の装填アシスト機能しか備えていないカエサル6×6を試射試験に持ち込むとジェーンズが報じているため、米陸軍に提案されるトラック搭載型155mm榴弾砲は自動装填装置付きのアーチャー(BAEシステムズ)とノーラ B-52(ユーゴインポート)、半自動装填装置付きのATMOS(エルビットシステムズ)、砲弾の装填アシスト機能付きのカエサル6×6(ネクスター)に分かれてしまった。
果たして米陸軍はシステムが複雑で整備や信頼性にまだ疑問符がつくものの省力化に有利な自動装填装置を選ぶのか?それとも信頼性を重視して半自動装填装置もしくは砲弾の装填アシスト機能を選ぶのだろうか?
良くも悪くも米軍が採用するということは「ある種のお墨付き」としての効果があるため、もし米陸軍が自動装填装置付きのアーチャーやノーラ B-52を選べばシステムが複雑で整備や信頼性に懐疑的な評価を払拭することに繋がるが、逆にATMOSやカエサル6×6を選べば自動装填装置に対する懐疑的な評価は「米陸軍さえ採用を見送った」といって存在感を増すかもしれない。
そのため今回の試射試験に基づき米陸軍が何を採用するかでトラック搭載型155mm榴弾砲のトレンドが決定づけられる可能性もある。
因みに同試験に参加が噂されている最後のプレーヤーは米陸軍と軍用車輌製造を手掛けるAMゼネラルが協力して開発した簡易自走榴弾砲「ブルータス」だが、これは中型戦術トラックの荷台に155mm榴弾砲を搭載しただけのもので、海外企業が提案する本格的なトラック搭載型155mm榴弾砲よりも構成が超絶シンプルなためもしブルータスが採用を勝ち取れば海外からの参加組はガッカリすることだろう。
米メディアのDefense Newsは「韓国や日本も実射試験に参加してくるかもしれない」と期待しており、19式装輪自走155mmりゅう弾砲の開発・製造を担当している日本製鋼所は米陸軍が来年実施する試射試験についてどの様に見ているのだろうか?
関連記事:米メディア、米陸軍の実射試験に「19式装輪自走155mm榴弾砲」参加を期待
関連記事:BAEシステムズ、米陸軍に装輪型の155mm自走榴弾砲「アーチャー」を提案
※アイキャッチ画像の出典:public domain カエサル6×6
真に米陸軍が要求してるのって、高地にM777とトラクターを別々にヘリ空輸して現地で合体できるトラクターでは?
カエサルとブルータスが有利だと思う。
トラック自走砲は、敵の対砲兵射撃が着弾する前に、しこたま撃ってトンズラってのが基本の動きだから、カッコよさ無視で砲をトラックにポン載せで構わないんだろうが、バースト射撃だけは、それなりの速度で出来ないと、投射量が厳しくなるのでは?
(M777すっごい発射速度のろいやんと言っている。)
採否はともかくとして、腕試しで参加して自己の実力を測るのは良い事だとおもう。
記事をまともに読みなさい、こいつのコンペはストライカー旅団用の榴弾砲だからストライカーが活躍できない所は関係ないでしょ。
アフガンの様に、道路の隣に高い禿山が無数にある地形だと、装輪式で移動中にヘリで砲塔だけ山頂に持って行きたいという要望があったり。アフガンだとストライカーと一緒の陸戦兵器もヘリ輸送が基本だったりする。
管理人さんには悪いけど、日本製鋼所は19式装輪自走155mm榴弾砲を今回の米陸軍のコンペに参加させる意思は無いと思う
理由としては、まず車台がドイツMAN社製である事から勝手に輸出が出来ないと考えられる事(輸出にはドイツの許可が必要と考えられる)
従って、米陸軍のコンペに参加するには車台を一から用意する必要が有り、要らぬ費用と時間が掛かる事になる
次に、今回のコンペでは米陸軍が提供する155mm榴弾砲「M777」の砲身を統合する必要が有るが、それでは日本製鋼所側のうまみは全く無くなるので、参加する理由が無い(19式の搭載砲は、99式自走155mm榴弾砲を流用した物である為)
米メディアは無責任な事を言っているが、こっちは「本気でコンペに参加させたいなら、M777と統合するのを諦めろと米陸軍に言ってやれ!」と文句を言いたいね
それよな。プライムが三菱で車体を重装輪、砲周りをJSWなら可能性はあったかもしれんけど。只、理由として車体がMANの8×8トラックだから難しいというのは同意しかねる。MAN8×8は米軍でも採用事例があった筈だから然程影響は無いと思う。ドイツも米軍の装備品調達で自国製のトラックが使用されるのを否定する理由も特に無いし。
其処についてですが、もしかしたら19式の車体にMANの戦術トラックを使っているのは「19式の輸出を前提としていない(自衛隊向けのみ使って良い)」と言う条件で契約しているのではと疑っています
ドイツって、米国向け以外の兵器輸出では結構厳しい条件を課していて、それで戦車の輸出が出来ないとか、中東諸国向けには輸出し辛いとか言う事例がありますから(その割に、以前クルド人弾圧を理由に兵器禁輸をちらつかせていたトルコに対しては、現在EUの制裁による武器禁輸に反対の立場ですが)
>19式の車体にMANの戦術トラック
輸出に関しては攻撃的な側面が強すぎて政府もメーカーも最初から考えていないでしょう。MANを使っているのはいつも通り数を作れないからで、目標とする総重量や砲撃によるダメージに耐えうる車両開発して調達するとかだとユニットコストや交換パーツ含め費用かさむと考えた方が自然では?
>米メディアは無責任な事を言っているが、こっちは「本気でコンペに参加させたいなら、
「文句を言いたいね」とか何様なんですかね。向こうの記事だと「装輪自走砲の候補として可能性がある」レベルの話で別に参加すべきだって煽っている訳ではない。
期待はされても売る側がやる気ないからなあ・・
ブルータス、お前もか
でも、一番まともだと思うが。
この手の自走砲は、簡易さが利点。
高性能な自走砲なら、それこそM109A7で良くなる。
19式は完成品ってわけじゃあないからなぁ。
参加はしないだろうけど、できれば参考出品してくれないかな。外部で同一の評価軸で評価されるのは良い経験になると思うんだけどね。
ダメ元で参加して恥をかいても、それも修行のうちさw
自衛隊以外からのキツい評価を受けないと、国産兵器は伸びないよ
恥かくの?
取り敢えず参加して実力なりを見極めるのもありかと。
採用の内容次第では韓国のK9自走砲のライバルになるかも
トラック自走砲は背後に置いて前線を撃つ役、K9は前線に置いて背後を撃つ役(つまり敵トラック自走砲を狩る役)だから、ちょっと役回りが違うのよね。
日本製鉄所が実写試験に参加させて、ノウハウが得られればいいな。頑張れ。
なんて、耳障りのいいことを前回の記事で言ったけど、おそらく参加させないんでしょうね。
無駄なコストがかかると言っても、陸上装備は相手国の要望に対して改修するなんてざらにあると思うのですが。
その場合、リスクが高まるのは当然でしょう。
意思を見せてほしい
まだ終わらないという意思を
撤退などしないという意思を
参加は無いと思うが理由はコスト云々ではなく日本政府が陸上装備の輸出をそもそも認めていないから。
売ろうとしてるのは海空のものだけ。
理由はおそらく日本が売った装備が民間人の殺傷に使われては堪らんと考えているから。
故意で無くとも結果そうなれば日本の世論が沸騰する可能性があり政府はその辺かなり慎重になってると思う。
武器輸出をやめたのも輸出した自動小銃がIRAのテロで使われた証拠が出ちゃったからだしね。
せっかく武器輸出が出来る世論の形成に成功しつつあるのにそれを台無しにされてはかなわん、てとこでしょ。
採用されるかどうかより、こういうコンペに参加することに意義がある
日本はそんな段階じゃないかなと思う
なんせまだ輸出に当たって求められるノウハウがまだまだ蓄積されていない
それに他国と装備を比較できるのは日本にとっても有意義なデータとなるだろうしね
出すに当たっては国として予算付けてあげないとダメだとも思うけどね
勝つ見込みが余りないならメーカーには負担になるし
取り敢えず予選突破、よければ入賞を目指すってところでしょう。
何事も経験を積んで行くことは必要と考えます。
重量的にパラディンとどっこいどっこいなんじゃないか。足回りの整備が楽なトラックの方が経費削減になっていいと思うがHVPでC-RAM的な防空をするには背負い式では射撃角度が全然足りないように思える。それに半自動装填じゃタイミングが取れないから採用されないんじゃないか。
M1128は自動装填だから、自動装填の有無より重量を気にしている気がする。M1128が19t弱でC-130で運べる重量を基準にしているとするとそれ以下のカエサル、ブルータスが有利と思える。19式は25tだからこの時点でアウトではなかろうか。
カエサルの発砲シーン動画で初めて見たけど、発砲直後に車体が浮くんだな
どれもこれも6輪型も8輪型もあるのに車体規模が一律じゃないのが意味不明
BAEのだってアーティキュレートでなくHX77の新型だろになぜカエサルも新型8輪でないんだ?
どうせストライカー重迫のカードムと同じくエルビット製のが選ばれるからか?
歩兵戦闘車2ブラッドレーの後継と同じであれこれ縛らずにメーカーの裁量に任せるって話じゃないの?ただ、どこまで具体的な要求あるのか何を重視するかはっきりしていない気はする。旋回可能な角度はカエサル参加するならそれほどじゃない気はするけど、将来的に長射程砲弾運用を前提にするなら軽量なカエサルだと強装薬使用時の角度ってよりシビアになるんじゃないか。輸送機への積載や他の装輪車両との随伴能力とかの各種要望を実際運用してみてより理想に近いやつをそのまま採用するかブラッシュアップしてもらって採用とかするんじゃないかな。参加メーカーは海兵隊採用とか見越してテストに臨む所もあるだろうし陸軍採用不可でもセールスにつながる可能性はあると考えているんじゃないだろうか。