コソボ当局とセルビア人住民の間で発砲があり、セルビア共和国のブチッチ大統領は「コソボに住むセルビア人を守るためあらゆる手段を講じよ」と指示、これを受けてセルビアの治安部門や軍は最高レベルの警戒体制に入った。
参考:North Kosovo: Shots fired near NATO patrol amid tensions
参考:Serbia places troops on ‘highest’ alert amid Kosovo tensions
参考:Serbian troops along Kosovo border placed on combat alert
参考:Serbian army shifts to ‘combat readiness’ amid growing Kosovo tensions
NATOが事態をエスカレーションさせないよう呼びかけたが、これを無視したセルビア側の行動によって緊張感が高まっている
セルビア共和国から分離・独立したコソボ共和国にはセルビア人が多数派を占める地域が幾つかあり、ここに住む人々はコソボ側の統治を受け入れておらず道路をトラックやバリケードで封鎖することがよくあるのだが、25日に「コソボ当局がズビン・ポトク村のバリゲードを撤去しようしてセルビア人住民と戦闘(銃撃戦)に発展した」と報じられ、コソボ当局はこれを否定したもののNATOのコソボ治安維持部隊(KFOR)は「ズビン・ポトク村で発砲があった」と発表。
これを受けてセルビア共和国のブチッチ大統領は「コソボに住むセルビア人を守るためあらゆる手段を講じよ」と政府に指示、ガシッチ内相は警察や治安部隊に完全な戦闘準備を行うよう命令して「所定の作戦計画に基づき同部隊は陸軍参謀総長の指揮下に入る」と発表、国境沿いで最高レベルの警戒体制に入ったためコソボ軍も同じように警戒体制に入ったらしい。
陸軍参謀総長もブチッチ大統領と会談後「コソボから約10km離れたラスカ(軍の駐屯地がある)に向かった」と報じられているため、国境沿いにはセルビア軍も動員されている可能性が高く、海外メディアは「NATOが事態をエスカレーションさせないよう呼びかけたが、これを無視したセルビア側の行動によって緊張感が高まっている」と報じている。
関連記事:中国製防空システムの欧州進出が成功、セルビアがFK-3を調達
※アイキャッチ画像の出典:MO и ВС 27日にラスカ駐屯地を訪れたミロシュ・ブチェビッチ国防相
既視感しか感じない。歴史は繰り返す。
バルカン半島は世界の火薬庫(迫真)
もう、あっちこっちで戦争の火種がくすぶるな
・ロシアによるウクライナ侵攻(ウクライナとロシア)
・ナゴルノカラバフ紛争(アルメニアとアゼルバイジャン)
・キプロス紛争(ギリシャとトルコ)
・シリア内戦(ロシアやイランなどが支援する政府軍とトルコやアメリカが支援する反体制派)
・中印国境紛争(中国とインド)
などロシアのウクライナ侵攻をきっかけに段々と世界大戦前夜と化してきましたね。
これに中国が台湾侵攻を実行したら確実に第三次大戦となりそうです。
セルビアは何回失敗したら気が済むのか
セルビアは、EU加盟を希望していなかったか?
何やっているのか?
セルビアはコソボ紛争の一件でNATOに相当恨みを持ってますからな。コソボ側の行った残虐行為は見て見ぬふりして、セルビアだけ悪者にされたんだから。
EUに入るために妥協できるような関係性ではない。
本質的なコメントではないですが地図の国名表記「ギリシャ」は「北マケドニア」かと。
お恥ずかしい、、、修正します。ご指摘ありがとうございました。
欧州の火薬庫がまた温まってきましたね。
チトーでも呼んできますか?
バルカン半島は本気でお互いの民族を根絶やしにするつもりで憎しみあってるから怖い!
ナチスより先に絶滅収容所を作ったりもしてますしね。
もうずーっとこうなのでユーゴスラビアが成立していた奇跡とチトーの偉大さを思い知らされます。
チトーさんは問題を解決したわけでは無く、剛腕で抑え込んだだけなのでな
そもそも1990年代から続く一連のユーゴ紛争による死者合計よりもチトー政権化で粛清された人数の方がはるかに多いのが現実で…
コソボ政府何やってんだよ・・・道路封鎖ぐらい放置すりゃいいだろう 。
軍動かす労力あるなら迂回路でも作ればいいし、何で後から高く付くような行動するんだか理解に苦しむ。
発砲事案なんてやらかしたらセルビア側も何かしら動くしかなくなるだろうと想像しろよ。
コソボはセルビアです の列車が走ってるとこやいね
こーゆーの見てると概ね単一民族で構成されている本邦はラッキーだねって思う。。。
住民保護の名の下に…、という例が今後も続くのでしょうか
セルビアはコソボに関しては納得できないことだらけでしょうからどこまで行きますかね
「同じ民族の保護」なら、収容や移民させて自国内で保護すりゃ良いのに、何故か侵攻してしまう。
分かっててやってるんだろうが。
NATOはセルビアに対して自制しろと言ってますが、今回はどっちかといえばコソボが先に手を出してるような?
セルビアの後ろ盾はロシアですが、ロシアの状況を見てコソボが強気に出て、それにセルビアが反応したということなんでしょうか。こういうことはあちこちで起こるでしょうね。ロシア国内でもタタールスタンあたりがきな臭いです。
かも知れないし、あるいはNATOをウクライナから少しでも分散するためにロシアの内示でセルビアが側面支援として行動してるかも知れない
旧ユーゴの複雑さはお手上げだ
ロシアがセルビアに頼んだとすると何か見返りを用意する必要があり、そんな余裕あるのかなという気もします。
おっしゃる通りあそこは複雑で、どっちが先に手を出したから悪いという単純な話でも無いのでしょうね。
ロイターソースだとセルビア系が暴動起こして本国が煽ってるぽいが
[ミトロビツァ(コソボ) 27日 ロイター] – コソボのスベクラ内相は27日、道路を封鎖して抗議活動を繰り広げている北部の少数派セルビア系住民を隣国セルビアが支援し、コソボの不安定化を図ろうと狙っていると批判した。
セルビアはこの見方を否定し、コソボのセルビア系住民を守りたいだけだと強調。ブチッチ大統領は27日に「引き続き歩み寄りによる解決を追求する」と述べた。
セルビア政府は26日遅く、最近の地域情勢とコソボ政府がセルビア系住民が築いたバリケードを強制撤去する準備をしているとの認識に基づき、軍と警察に最高の警戒態勢を敷くよう命じたと発表していた。
コソボ北部のミトロビツァやその周辺では今月10日以来、セルビア系住民が複数のバリケードを築き、セルビア人の元警官が現役警察官への暴行容疑で逮捕されたのを受けて警察と銃撃戦を繰り広げるなど、緊張が高まっている。
アルバニア系住民が多数を占めるコソボは2008年、西側諸国の後ろ盾を得てセルビアからの独立を宣言。セルビアと歴史的同盟関係にあるロシアは、コソボの国連加盟を阻止してきた。
コソボ北部には約5万人のセルビア人が住んでおり、コソボ政府を認めず、セルビアの首都ベオグラードを首都と見なしている。
リンク
ソ連崩壊後の旧ソ連加盟諸国を束ねてきた独立国家共同体体制も、元はと言えばユーゴスラビアで起こってた血みどろの内戦にロシア・ベラルーシ・ウクライナの政治家がビビった結果として早期合意にこぎ着けたという部分もあるんですよね(少なくとも、CIS体制は30年間平和を維持した)。
しかしソ連崩壊で起こりうる最悪の事象とされていたロシアとウクライナの戦争が現にこうして起こってしまった以上、80年代末からの東欧革命で精算できなかった軋轢や、その時から燻っていた対立は全部が表面化・再燃し得ると考えるべきなんですかね。
民族紛争なんていうものは話し合いでは絶対に解決しない。
相手を完全に殲滅するか、居住地から完全に追い出すかのどっちか。
「平和主義者」が何を言おうと、それをやらない限りは民族紛争は永遠に終わらない。
人類「セルビア・・・銃撃事件・・・うっ頭が」