ドイツ軍の弾薬備蓄量は戦争が始まると数時間~数日しか保たないレベルまで急減、しかも弾薬製造企業が発射薬を手に入れるためのリードタイムが14ヶ月に達しているため、弾薬の増産体制が整うのは最速で2024年頃になる見込みだ。
参考:German defense minister comes under heavy fire over ammunition shortages
参考:Deutschland fehlt neue Munition – und ist dabei abhängig von China
弾薬の増産体制が整うのは最速で2024年頃、中国企業がリンターコットンの供給量を増やすことに応じたの話
ドイツ軍の弾薬備蓄量は極秘事項なので正確な数は不明だが、DieWelt紙は「ウクライナに大量の弾薬を提供したためドイツ軍の弾薬備蓄は戦争が始まると数時間~数日しか保たない」と報じており、さらに2つの致命的な問題のためドイツ軍の弾薬補充は危機的状況にあるらしい。
1つ目の致命的な問題は「弾薬製造企業の生産能力」がウクライナに弾薬を提供した国の発注で埋め尽くされており、ドイツは発注競争で出遅れたため弾薬の納期で我慢を強いられる=いつ発注した弾薬が届くのか未知数な点で、2つ目の致命的な問題は弾薬の生産量を増やそうとしても欧州の弾薬製造企業の殆どは「リンターコットン」の供給を中国のサプライヤーに依存しているため「中国がリンターコットンの供給量を増やさない限り増産は不可能」という点だ。
COVID‑19の影響でリンターコットン輸入に慢性的な遅れ(COVID‑19前は約3ヶ月前後→現在は6ヶ月~9ヶ月)が発生、弾薬製造企業が発射薬を手に入れるためのリードタイムは現在14ヶ月に達しており、DieWelt紙は「中国資本に買収された火薬企業は半年ほど前から欧米企業に発射薬を供給しなくなった」と報じている。
つまり発射薬の入手に14ヶ月のリードタイムが発生するため欧州企業の増産体制が整うのは最速で2024年頃になり、そもそも中国企業がリンターコットンの供給量を増やすことに応じなければ増産計画自体が「絵に描いた餅」という意味だ。
因みにランブレヒト国防相は危機的な弾薬備蓄量に対する批判を交すため「直ちに弾薬を購入するための資金を供給してほしい」と要請したが、リンドナー財務相は「問題の原因が何処にあるのかよく調べた方がいい、これは資金不足のせいではなく不明瞭で矛盾した調達計画や官僚主義的な発注プロセスに問題がある」と断られ、連立を組む緑の党も「ドイツ軍の弾薬備蓄量がNATOの目標値からかけ離れていたことは以前から知られていた問題だ。なぜ侵攻から9ヶ月間もあったのに最優先で弾薬補充の問題に取り組まなかったのか」と批判している。
金さえ支払えば直ぐに弾薬がドイツ軍の倉庫に納品される訳ではないので、2月24日の時点で弾薬補充の問題に取り組まなったのは失態(リンドナー財務相は過去数ヶ月の予算審議の中で追加弾薬の必要性にランブレヒト国防相がは一切言及していなかったと証言)としか言いようがないが、2023年度予算が成立すると多くの国がさらに弾薬を発注する可能性が高く「限られた生産能力」を奪い合う形になるので、ドイツ軍の問題は世界中の国にも当てはまる問題だ。
因みにCIAのヘインズ長官は「正確な数値は提示できないが、ロシア軍は生産量よりも多い弾薬をウクライナで消費していると信じている」と述べており、国防総省は11月に「ロシア軍は1日最大20,000発の砲弾を発射している(ウクライナ軍は6,000発~10,000発という情報がある)」と明かしている。
関連記事:ドイツ外相、欧州で戦争は発生しないと信じて国防予算を削減し過ぎた
関連記事:ドイツ軍の再生に投じられる1,000億ユーロ、問題は行き過ぎた官僚主義
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
9月の日経の記事で自衛隊の火薬工場を国主導で2023年までに稼働するって話が出てましたな
おそらく撤退した企業の工場を買い上げるんでしょうが
リンク
こういうのは日本も無関係じゃないんだよね
徹甲弾の材料であるタングステンの生産量は中国が8割以上
中国を敵に回したら弾が生産できなくなる
そりゃアメリカもタングステンじゃなく自国で生産できる劣化ウラン使うわな
今はそうですが、日中国交正常化以前、鄧小平の市場主義経済導入までは、もちろん自衛隊やNATOの補給の話でも、中国がどうこうなんて話はまったくなかったのです。
またさらに日中国交成立以後は、日本は中国を仮想敵と考えるどころか、巨額の政府開発援助を中国本土に行い、開発を支援し、観光政策では
「爆買い中国人」
を当てにし、労働力を移民に頼ろう、という考えだったのです。
自衛隊の仮想敵は、長らく
「ソ連軍」
であり、配備も北海道中心でした。
国交正常化、中国市場へに参入以後、中国製のタングステンやリンダ―コットンも初めて輸入できるようになり、今に至って、NATO軍の弾薬補給が中国次第という状況で大変、ということになったわけですが、ドイツはそもそも天然ガスも、ソ連崩壊以後ロシアに頼っていたわけで、要するに対・ロシアの戦争などは、まったく想定外になっていて、遠く離れたアフガニスタンに兵士を派遣したりしていたのです。
中国に補給を頼らない自衛隊の装備、配備といえば、これは要するに日中国交正常化以前に戻そうという話になります。
しかし今は日本国内のマスクでさえもほとんど中国製、中国頼みなのです。
1972の日中国交正常化以前に戻す。言葉で言うのは簡単だけど、ゴールは遥か彼方だな。でもやらないと、戦わず降伏せざるを得ない状態になりかねないから、やるしかない。
日本の国益としては、中国はしばらくコロナで内輪揉めしてくれているのがありがたいのだけど…
タングステンは民生用にも大量に使用しています。
その中で砲弾に使われる量など全体量からすればごく僅か
例え中国が生産量の8割以上のシェアを持っているから言って
砲弾に使われるタングステンの8割を中国に押さえられている
理屈にはなりません、それこそ民生用の備蓄の一部や国家備蓄
から回すだけでも、かなり量を補える筈です。
ええ…かなり笑えない話だな。欧州が中国脅威論の
浸透に時間を要したのは聞いているけど、未だにこの体たらくとは…農産物だからすぐに解決する事は難しいのだから対策は早めに手を打たなあかんやろ……というか、日本は大丈夫なのか心配になってきたけど、ちょろっと調べただけじゃあ分からない……。
2021年の世界の綿花の生産量の22%が中国、22%がインド 米国が13%
そして中国の生産量の8割以上が新疆ウイグル地区での生産らしい。
ドイツは人権問題を取るか火薬を取るか、どうするのかな?
コットンリンターのことは今まで知らなかったのですが、火薬の原材料なんですね。
人権問題が取り沙汰される中共新疆の綿花に依存する弾薬生産…ブラックジョークみたいな話ではあります。
しかし、こんな事態になってはしまいウクライナにはまことに気の毒ですが、サプライチェーンをはじめ有事体制についての問題点が炙り出されたことは西側諸国にとっては幸いだったと思います。
本邦も目に見えて対応のペースを上げてはいますが、さて間に合うかどうか。
装薬は未だに綿火薬だったのか。
セルロースが欲しいだけなら、廃古着をかき集めて原料に出来ないのかな。
品質が安定しないと精密射撃に使えないかな。
綿の時給率がほぼ0%の日本もコットンリンターの輸入国だが、輸入先はインドとブラジルが40%ずつで80%。アメリカから18%。後は中国らしい。中国のはグラフだとちょこっとしかないが。
ただ衣服とかの産業用のがメインだろうから、どれだけのコットンをニトロセルロースというかシングルベース火薬にしているかは不明。詳しい人がいたらお願い。
日本が輸入したニトロセルロースはタイ産がほとんどで、次いで韓国から輸入しているようだが、1億5千万円くらいの輸入量だから大した量ではない模様。てか主に塗料とかの火薬以外の用途だろうけど。
生産される弾薬量が少ないから現状のコットンリンターで足りているのか、実は輸入のデータ外なのか、はたまた謎の技術でもあるのか。
追記:
数字はGD Freak!の昨年の輸入データによる。年ごとに輸入量に差があり昨年は15461トンだが、この10年間でも年によっては3万トンオーバーしたり、2万トン越えなかったりまちまち。輸入額も10年前から右肩下がりなので、冬物衣類など国内需要に左右されてる模様。
いくらNATOという集団安全保障体制を構築してるからと言っても
この弾薬備蓄の心許なさはなんなんだろう?
いくら非正規戦が主流になるといっても
ロシアやイランなどの仮想敵が正規戦に充分耐えうる
装備と備蓄があるのになぜこんなことに?
結果論と言ってしまえばそれまでですが
まさにドイツを筆頭に平和ボケだと思います。
しかし、冷戦後の自由主義国は目先の経済的利益優先と短期政権であるのに対して、旧共産圏諸国は独裁あるいは一党支配等で長期的視野でキャッチアップを目標にしてきた。
この違いではないだろうか。
長期的戦略に対しては独裁の方が有利であるが、腐敗や官僚主義に陥りやすい欠点がある。
個人的には自由主義の方が少しだけマシかな?と思う。
因みに日本は平和ボケではなく、左翼系の継続的な反戦運動による自縛の結果なので、ドイツとはちょっと違うと思う。
これも共産圏の妨害工作なのかもしれないが。
平和ボケってよく使われるけれどアメリカですら平時の体制で弾薬の製造ラインが休止していたくらいだし、いわゆる民主主義国家で常に戦時に備えてる国なんか無いですよ。もしNATOとして軍を動かすなら一気呵成に空陸の戦力を動員して短期決戦だからそれに間に合うだけの弾薬しか持たないと考えてもおかしくはない。ロシアのウクライナ侵略は認められないから援助はしなければならないけれど、同盟国でもないウクライナに延々と兵器や弾薬を供給し続けねばならない今の状況がおかしすぎる。
あと日本では自民党が戦後の殆どを政権党の地位にあって左翼は少数派に過ぎなかったのだから自衛力を向上させなかったのは自民党の怠慢ですね。強行採決の批判を恐れていたのならきちんと国会に諮り野党を納得させるだけの理論武装をしてなければならなかった。
ウクライナ戦争を契機にようやく防衛力強化に動いたけれど、新型兵器に飛びつくよりまずは自衛隊の定員を充足できるくらいの待遇を用意しないといけないでしょう。待遇が悪い軍隊は士気を保てないですからね。
>自衛力を向上させなかったのは自民党の怠慢ですね。
日本はアメリカからも自衛力の規制をかけられていた。それは自衛隊の歪な装備体系を見ればわかるだろう。そもそも憲法やWGIPなどもすごい足枷だしな。
また、自民党内にも親中派や親ロ派が居るわけだからな。
それをもって全て自民党のせいには出来ないだろう。欧米で禁止されてる共産党がある国なんだからね。
(因みに私は自民党支持ではないよ。)
規制を掛けられたのは70年前のハナシで
その後の装備体系や法制度は国民の選択でしょ
何でもかんでもアメリカやら共産党の責任にしてたら進歩しないよ
国民の選択と言うのならますます自民のせいとは言えないのでは?
個人的にはマスコミが国民への理解を広げる行動を怠慢したからだと思うが、さりとてマスコミもスポンサーを無視出来なかった可能性もあるからなぁ…うーん?
平和ボケってよく使われるけれどアメリカですら平時の体制で弾薬の製造ラインが休止していたくらいだし、いわゆる民主主義国家で常に戦時に備えてる国なんか無いですよ。もしNATOとして軍を動かすなら一気呵成に空陸の戦力を動員して短期決戦だからそれに間に合うだけの弾薬しか持たないと考えてもおかしくはない。ロシアのウクライナ侵略は認められないから援助はしなければならないけれど、同盟国でもないウクライナに延々と兵器や弾薬を供給し続けねばならない今の状況がおかしすぎる。
あと日本では自民党が戦後の殆どを政権党の地位にあって左翼は少数派に過ぎなかったのだから自衛力を向上させなかったのは自民党の怠慢ですね。強行採決の批判を恐れていたのならきちんと国会に諮り野党を納得させるだけの理論武装をしてなければならなかった。
ウクライナ戦争を契機にようやく防衛力強化に動いたけれど、新型兵器に飛びつくよりまずは自衛隊の定員を充足できるくらいの待遇を用意しないといけないでしょう。待遇が悪い軍隊は士気を保てないですからね。
核持ち赤い大国による侵略では短期決戦用本気支援ができない、となると台湾も同じ状況になりそうですがさて…。
戦後長らく話し合いと協調が正しいという政治に対する国民のコンセンサスがあったからで自民党に押し付けるのはいかがかな?、国民を新聞等マスコミと読み替えるのがより正確ですが 。あと左翼は免責されませんよ。「安保破棄して日本は東洋のスイスになれ、中立国なら自衛隊は不要」「アメリカの核兵器は侵略用、中国の核兵器は防衛用だから問題ない」「他国に攻められたら国連軍に護ってもらえばよい、自衛隊は不要」革新政党と進歩的新聞のかつての発言です。都合が悪くなって言わなくなったり、慌てて取り消したりしましたが、どれだけ害悪を垂れ流したか思い出して欲しいものです。
弾薬は数年で大量確保できても正面装備・人員は厳しいから、弾薬費を削って部隊規模を過確保する。
少ない備蓄でも数万規模の損害を与えられるから相応の抑止力はある。
NATO想定では空爆で叩く目標まで砲撃してるから砲弾消費量が跳ね上がる。
その他色々、平時の備蓄としては十分だと想定してたんでしょう。
きな臭くなってから開戦までの数年で弾薬を調達すればいいって想定も大きいのでは?
現状の日本も、最悪の想定が現実味を帯びて半狂乱で対応を急いでますね。
少なくとも一国で戦う覚悟の国とは違うって話。北朝鮮もそうだろうし、火薬にも消費期限があるんだから沢山作って長期保管とか流石にリスクあるだろう。一番の理想は毎年大量に消費して貰う事だけど、それも難しい。
先進国でガチの戦争しているのは米国ぐらいだろうし欧州の国々がガチに敵対するとしたらロシア以外に無くて集団防衛になるし、西側の価値観で攻撃される弱小国ならそもそも兵器量が少なくて済むからそれなりの備蓄量になるんだろうな。
>>「中国資本に買収された火薬企業は半年ほど前から欧米企業に発射薬を供給しなくなった」と報じている。
火薬という燃料と並んで国防の大前提となる会社が他国の支配下に入ってしまっているのはかなり恐ろしい話だわ
ロシアではなく中国だからスルーされたんだろうか?
今やmade in japanのタグですら中国産という時代に
リンターの不足だけが問題なら市場にストックが豊富にあるリントを使えば良いんじゃない?となるので他にもいろいろ遅延要因はあるんだろうな。
どれもこれもすべてがメルケル政権の置き土産
そのメルケル政権はほとんどのドイツ人が16年も支持してたわけ
よく政権のせいって現実逃避はどこでもみかけるけど、
議会制民主主義国での責任は投票権のある国民が全て
これを政権が悪かってなんて思考停止し逃げて、反省なにもないのが続くとどうなるかは日本人は
民主党政権を選んで思い知ったけど、それでも根本的に変わるには被害が少なかった
ドイツ人は、今はジワジワだけど、20年後にイスラム教政権ができて本当に思い知る事になるかもしれない
日本の政治を見れば民主党政権が担っていたのは短期間だけ
自民党体制と言われるほど自民党が国を支配していたのに、ちょっとの間政権をとっていた民主党のせいにすることこそ思考停止でしょ
親中で防衛に関わる問題を与党内部から反対して時間を遅延させる行為等の様々な妨害工作を行ってきた公明党
防衛問題は票にならないからと真剣に取り組んで来なくて、統一教会という韓国の情報機関の管理下にある組織と癒着してインテリジェンスに深刻なダメージを与える自民党
スパイ防止法然り、票にならないからと自民党が避けてきた問題をすり替えて野党にレッテル貼りするな
民主党がだめだったら自民党、自民党がやらかしたら民主党、こうやって相互に政権交代をするからこそ政治が腐敗せずにすむんだよ
好き勝手やっている政治家が悪いのであって、民主党を選んだ国民が悪いと印象操作するのはやめてくれ
日本の安全保障にかかる課題のかなりの部分が自民の怠慢だと言うのには同意しますけど、しかし野党は擁護不能ですよ…
やたら自民の「親中・親韓」がお気に召さないようですが、野党第一党やその前身の政党がどのような感じだったか、お忘れで?尖閣沖漁船衝突事件の顛末とか、最低最悪という評価すら生温いくらいでしたよ。
毒キノコ食うのが嫌だから青酸カリを飲むしかなかったみたいな話をされてもね。
民主党批判されて感情的になってるんでしょうけど、論点がバラバラすぎて言いたいことが不明
メリットデメリットなどを論理的に判断しないで、全体が感情的に判断することが間違いと書いてます
>議会制民主主義国での責任は投票権のある国民が全て
人間は感情を優先する生き物なので、論理的思考を国民の半数以上に身に着けさせなければ、
間違い続ける期間が違うだけで、方式に関係なく起きるってことです
現在日本でも防衛産業のサプライチェーンの強靭化が叫ばれていて、具体的には輸出自由化によるマネーフロー確保が標榜されています。つまり軍需産業を自国軍以外の軍隊とも取引させてビジネスとして独り立ちさせようという話ですが、それをほぼ完全に達成したドイツの現状がこれなんですよね。
もちろん、それによって日本の防衛産業強靭化の措置が誤りであると言うつもりはありませんが、有事において全ての顧客が同時に買いに走った結果自国需要を捌ききれないというような事態は必ずついて回る問題でしょう(アメリカでもF-16Vの生産ラインが飽和しているし)。法改正や規制緩和で企業の自律性を高める事は出来ても、アメリカ軍がそうしているようにある程度は生産能力維持のために公費を支出しなければいけないし、それを怠るとこうなるんだという一つの例だと自分は思いました。
(それはそれとして火薬製造企業が中国資本に買収されてる開かれっぷりは一体)
西側民主主義国家の平和ボケを連呼する人が多いが、平和ボケせず経済を軍事優先で総力戦体制を維持していたソビエト連邦がどのような末路を辿ったか、北朝鮮がどれだけ国内に犠牲を強いながら体制を維持しているかを考えた方がよいのではないだろうか
その為のGDP比2%だったのでしょうけど、額面だけでは無くその中身について、きちんとした精査は必要かと思われますね。
この手のニュースを見る都度、足りないなら増産すればいいと言われますが
コロナでサプライチェーンが機能しなくなってから今日ではこれは簡単じゃ
ないんですよ
製造メーカーで調達部門勤務ですが、今は部品のリードタイムは絶望的に
長いです、特に官公庁向け製品の部材収集には大変苦労しています
官公庁向けは民生向けと違って数が極端に少なく、基本、受注生産品ですから
部材ストックなど殆ど持たないので都度発注品が主です
これがコロナ前は3ヶ月あれば余裕で手に入った部品でも今は半年以上は
当たり前、中には14ヶ月以上とか納期未定とか、新規受注お断りとか言われる
部品が多々あります。
いつのまにか中止品リストに入っていたなど笑えない話もあります(本来は半年
以上前に事前通知なのですが)
官公庁向けの製品はライフサイクルがとても長く、故に設計が古くてあまり使わ
れない部品が多く流動性が低いので、メーカーも常備在庫は持たず、大半が
受注生産で、今のご時世では作ってもさして儲からない部品はさっさと切る
傾向が顕著で、メーカーも作りたがらないのです。市場在庫調達で補ったり
もしていますが、そもそも流通が少ないので、汎用品はなんとかなっても、
カスタム品となるとお手上げです。
なにがネックでこうなったかはコロナ騒動を根っこにした複合要因と言う奴で
言い出せばきりがありませんが、この状況は部品メーカーの営業ですら匙を
投げてしまっています、まだ数年は戻らないないでしょうし、これに輪をかけた
のはウクライナ戦争です。
部品調達の世界は0か100かの世界で、どれか1点でも手に入らなければ製品は
完成しません、例え99%手に入っても1点欠けたら達成率としては0%なんです。
しかしです、部品さえ揃ってライン投入出来れば組配から検査までさして時間は
かかりません、必要な数は民生に比べたら微々たるもんです。
有事に向けての緊急調達計画は製造メーカーに対して必要な部材を優先的に
割り振る様な施策も考えて欲しいもんです、ただ予算を付けて発注すれば良いって
もんではありません。
今の部品調達は自己努力だけではどうにもなりません、メーカーから物を引っ張り
出すには国の圧力や後ろ盾が絶対に必要です、そこも考えて欲しいと思います。
びっくりするぐらいスルスル読めて、要点がよく分かって感心してしまった