欧州関連

ヘルソン市郊外で聴こえる銃声や爆発、30日もHIMARSによる攻撃が続く

ウクライナ軍の反撃発表から一夜明けたヘルソンではHIMARSによる攻撃が続いており、ヘルソン市郊外でも「銃声や爆発が聴こえる」と報告されているが、ロシア軍もS-300を使用してムィコラーイウに大規模な攻撃を仕掛けている。

参考:В оккупированном Херсоне прогремели несколько взрывов
参考:Massive shelling of occupiers with 16 S-300 missiles of Mykolaiv led to destruction, damage to buildings, transport infrastructure – Kim

ヘルソン市郊外で銃声や爆発、ウクライナ軍部隊がヘルソン市に近づいている?

ウクライナ軍の反撃が始まったヘルソン州では30日もアントノフスキー橋やロシア軍の拠点に対するHIMARSの攻撃が相次ぎ、ヘルソン市郊外でも銃声や爆発が聴こえるため「ウクライナ軍部隊がヘルソン市に近づいている」と指摘する声がある。

実際、ウクライナ軍は反撃初日にヘルソン市から約15km離れたNovodmytrivkaを奪還しており、ここからヘルソンにウクライナ軍が向かっていても不思議ではないが、最も可能性が高い銃声や爆発の原因は敵支配地域に浸透した特殊部隊やパルチザンによる仕業(もしくは無人機を迎撃する銃声?)だろう。

逆にロシア軍はムィコラーイウにS-300の迎撃弾を16発も撃ち込んでおり、キム州知事はメディアに「29日午後15時以降にムィコラーイウは敵のS-300による大規模攻撃を受け、民間施設や交通インフラに大きなダメージを受けた」と明かしている。

出典:Telegram 30日朝にヘルソンで確認された爆発

ただ徒歩以外でアントノフスキー橋やノーバ・カホフカ水力発電所に架かる橋は通行不能なので、この状態が続く限りドニエプル川に分断されたヘルソン州北岸へ展開するロシア軍への補給は限定的=HIMARSの攻撃を免れた弾薬や燃料の事前備蓄に頼るしかなく、ここではウクライナ軍が投射火力でもロシア軍を上回る可能性が高い。

常に圧倒的な投射火力量に支えられてきたロシア軍にとって「著しく不利な戦場」でどこまで抵抗できるのか注目されるが、背後をドニエプル川で遮断され橋も破壊されているという恐怖に兵士が抗えなくなった時、ヘルソンの前線は「秩序なく一気に崩壊するのではないか」と管理人は勝手に想像している。


追記:ついにウクライナ軍がアントノフスキー橋の直ぐそばで運行していた渡し船を攻撃し始めたらしい。

関連記事:ゼレンスキー大統領、ロシア軍は逃げ出すか降伏するかを選択する時が来た
関連記事:ウクライナ軍が南部で反撃開始、ロシア軍の防衛ラインを一部地域で突破か
関連記事:ヘンソンとノーバ・カホフカで大規模な爆発、ウクライナ軍は航空戦力を投入か

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

ウクライナ軍の攻撃を恐れるロシア人、深夜にも関わらず駅に市民が殺到前のページ

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コメント

    • 名無し
    • 2022年 8月 30日

    ヘルソン自体にはロシア軍も大部隊配置してるみたいだけど補給がね……。
    古来背水の陣はいいこと基本的にはないからな。

    17
      • hoge
      • 2022年 8月 30日

      人数が多いということは同時に兵站への負担も大きいことも意味していて、むしろ戦闘力にマイナスに影響する可能性すらありそうですしね。

      8
    • パセリ
    • 2022年 8月 30日

    今こそ督戦隊の出番やね(白目)
    少数民族や貧困層が国外でいなくなる分には歓迎だろうしヘルソンは徹底交戦するやろうね

    1
    • ムタ軍曹
    • 2022年 8月 30日

    SNSだとこの反抗作戦について状況の分析が二分されている。ロシア情報筋からの情報を伝えているアカウントでは、既に反抗失敗した派、5つの攻勢軸のうち、4つは失敗した派、寧ろロシアに押し返されている派、砲撃だけで進撃は無い派などがいる。ウクライナ側は報道官の発言くらいで情報がほぼ無い。順調に攻勢するにしてもドニエプル河までで長くは続かないはずだから、占領地域の状況でどちらが真実を語っているかすぐに判断できそう。

    9
    • ブルーピーコック
    • 2022年 8月 30日

    ヘルソン奪還後はどうするんだろうか。「弾薬を満載した車輌に命中した」アントノフスキー橋が使えないならウクライナ側も車両を迅速には展開できないと思うんだが。

      • あばばばば
      • 2022年 8月 30日

      ザポリージャのE105幹線道を南下するのでは?
      ロシア軍の陸路の補給を断ち、ノーバカホフカ周辺を干上がらせるには、メリトポリ奪還とクリミア大橋の破壊がセット。これが最速だと思います。

      (秋になったら車両はどの道停滞するし、冬になったらドニエプル川が凍結して、氷上を出来るかもしれないからこっちが最速になりそう)

      2
      • samo
      • 2022年 8月 30日

      ロシア側には長距離から対地攻撃をできる武器が枯渇してる模様なので、ウクライナ側の工兵部隊による橋の復旧にも希望は持てる。
      今、ウクライナ側がロシアの砲撃射程を上回っている状況になっているわけだからこその反撃でもあるわけだし。

      1
    • TKT
    • 2022年 8月 30日

    戦いは常に最後は
    「士気」
    の問題になり、いくら性能だ、補給だ、兵站だ、編成だ、戦術だ、訓練だ、といったところで、士気が崩壊すれば総崩れとなってしまう。

    アメリカ製兵器で武装し、NATO軍に訓練されていたアフガニスタン政府軍も、アメリカに見捨てられたとわかった瞬間に士気が崩壊して、カブールはタリバンに制圧されてしまった。

    マリウポリのウクライナ海兵旅団は、このサイトに書かれていたようにまともにロシア軍と戦う前に寝返ったり、降伏したり、アゾフ連隊と対立したりして、互いに連絡も取れなくなり、一気にバラバラになってしまった。

    一方でロシア語しか話せないウクライナ人の中には、ウクライナ語を強制したり、強制徴兵を行うウクライナ政府を恨んでるのがいても決して不思議ではなく、実際に検事総長やSBUの長官も解任されていて、親ロシア派のウクライナ兵の士気が低いとも限らない気がする。

    ウクライナ軍には元・NATOや、元・SOCOMみたいな外国人義勇兵も確かに多いわけで、そういうのと戦っているつもりの親ロシア派のウクライナ兵も実際いるだろうし、ロシア語しか話せないウクライナ人は、自分のことをそもそもウクライナ人とは思っていないかもしれない。

    兵士は貧困層というが、アメリカ型の超格差社会では富裕層はもともとごく一部であり、ごく少数の富裕層が軍隊の主力になることなどそもそもありえず、アメリカ陸軍でも奨学金目当ての貧困白人や、黒人やヒスパニック、グリーンカードが欲しい外国人が多いと言われる。

    またロシア軍は少数民族が多いというが、そもそもロシア自体が数十の民族がある多民族国家であり、白人でもタタール人であったりして、ロシア語を話す白人=ロシア人とも限らず、ウクライナもまたロシア系、ポーランド系、ルーマニア系、ギリシャ系、ブルガリア系、アジア系などもいる多民族国家であり、ゼレンスキーはもともとロシア語を話すユダヤ人だ。

    イギリス軍のグルカ兵などは、貧乏なネパールの少数民族部隊だと思うが士気は高いので有名だ。昔のハワイの日系人部隊もそうだ。

    少数民族で貧困層だから兵士としての士気が低いみたいなのは、むしろ差別的な偏見ではないだろうか?

      • 鳥刺
      • 2022年 8月 30日

      >戦いは常に最後は「士気」の問題になり、
      >いくら性能だ、補給だ、兵站だ、編成だ、戦術だ、訓練だ、といったところで、
      >士気が崩壊すれば総崩れとなってしまう。

      では、士気は何によって成り立っているのでしょう?

      (兵器の)性能、補給、兵站、編成、戦術、訓練。これ総てが「士気」を支える重要な要素です。これらの裏打ちを欠いた「士気」なぞ実際の所脆弱なものです。諸要素から独立と言うか孤絶して聳え立つ「高い士気」というのは、日々弾着が逸れる事を願い塹壕足に悩む前線の兵士においては、夢想の産物のように思われますね。

      補足しますと、戦争に「説得力のある大義名分」が入用なのも、それが士気を支える重要な要素だからです。例として、邪悪な圧制を敷く侵略者を追い払えとか。そしてその大義のもっともらしさを判定するのは個々の兵士になります。

      さて、ヘルソン橋頭堡のロシア軍が、高い士気の下戦史に残る勇戦敢闘を遂げるのか、これからの推移を見てみましょう。

      30
      • 無無
      • 2022年 8月 30日

      ロスの日系人博物館に、日本人部隊の記録があります
      彼等は収容所に残された家族を思いながら人種という十字架を背負って戦場に出たのです、また勇猛果敢なグルカは貧しく、家族の生活のために戦い、コサックは名誉のために命を懸ける気風があります

      その人が守るべきものをもっているか、士気はそこに尽きるわけで、その意味で大義無きロシア側が圧倒的に不利なのは言うまでもない

      8
      • もんぱ
      • 2022年 8月 30日

      >少数民族で貧困層だから兵士としての士気が低いみたい

      ロシア兵の士気が低いのは最初からさんざん言われてるけど、その原因が「少数民族で貧困層だから」という見かたをされてるとは知らなかった。

      そういう見方をしてる人、いるの?

      11
      • らんらんるー
      • 2022年 8月 31日

      士気は戦力の倍増要素程度に考えがほうが良いのではとも思います。
      または係数として扱うか
      昔は見積に間違える例があったと聞きますが、現代でも中々シミュレーション難しい分野なのかもしれませんね

      • nojigoo
      • 2022年 8月 31日

      企業の就業者の士気についてはハーツバーグの二要因理論が有名ですよね。士気を亢進させる要因と阻喪させる要因は異なるものだと。給与や待遇では士気は上がらないけど不満があれば阻喪する、客や上司の称賛は士気を上げるけど無くても士気は低下しない。戦争における士気を阻喪させる要因は企業と同様で明らかだと思いますが、士気を亢進させる要因も似ているんじゃないかと思います。顧客や上司からの称賛に該当するのが国民からの支持と感謝で、士気を上げる最大の要因ではないでしょうか、つまり大義といわれるものですが。

      2
      • TMK
      • 2022年 8月 31日

      ロシア兵の士気が低いという情報も実際のところウクライナ兵と国民の士気を高揚させるためのプロパガンダでしょう。
      敵の士気が低いというのは古典的戦時プロパガンダの法則なんだから。
      士気と言う目に見えないものをいったいどうやって計測できるの?
      なんのエビデンスもない。
      20万人のロシア兵にアンケート調査したのかって話。
      小数の捕虜に聞いた話じゃ駄目。
      捕虜なんかとっくに士気崩壊してるんだから。
      ロシア兵の士気が低いって話を真に受ける人って戦前の米兵は腰抜けだと言ってた日本人と同じだと思うぜ。

      1
    • samo
    • 2022年 8月 30日

    この期に及んでも反撃がS-300での対地攻撃っていうのが…
    対空ミサイルに過ぎないS-300じゃ堅牢な軍事施設に効力弾は見込めないし、装甲を持った車両相手にも効果は怪しい。
    民間施設を破壊しての嫌がらせ程度にしかならない
    本当に対地ミサイルが底を付いている、もしくは補給が全くないっぽいですね

    15
    • nojigoo
    • 2022年 8月 31日

    企業の就業者の士気についてはハーツバーグの二要因理論が有名ですよね。士気を亢進させる要因と阻喪させる要因は異なるものだと。給与や待遇では士気は上がらないけど不満があれば阻喪する、客や上司の称賛は士気を上げるけど無くても士気は低下しない。戦争における士気を阻喪させる要因は企業と同様で明らかだと思いますが、士気を亢進させる要因も似ているんじゃないかと思います。顧客や上司からの称賛に該当するのが国民からの支持と感謝で、士気を上げる最大の要因ではないでしょうか、つまり大義といわれるものですが。

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