セルビア大統領府は9日「フランス訪問中のブチッチ大統領がダッソーと協議してラファール購入で合意した」「2ヶ月以内にマクロン大統領の立会のもとで契約に署名する」と明かし、この決定は旧ソ連製のMiG-21やMiG-29から西側製戦闘機への移行を意味している。
参考:Званична посета Републици Француској
ファール導入だけを見て「セルビアが西側に接近した」と解釈するのは間違い
クロアチアのプレンコビッチ首相は2021年5月「(ラファール導入を決めたことで)我が国に対する如何なる野心も退けることが可能になった」と発言、これに反応したセルビアのブチッチ大統領は「自分たちが強くなったと連中は錯覚しているが、もうすぐセルビアに何が到着するのかを知らない。我々は彼らが発表したものよりずっと早く手に入れるだろう」と述べ、テファノヴィッチ国防相も2021年12月「ラファール導入を大統領に提案した」と明かしていたが、セルビアは2ヶ月内にラファール購入契約を締結する見込みだ。
La France est attachée à l’avenir européen de la Serbie, un avenir qui s’écrit dès maintenant.
Француска је посвећена европској будућности Србије, будућности која се сада пише. pic.twitter.com/61Aqzv7bAV
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) April 8, 2024
セルビア大統領府は9日「フランス訪問中のブチッチ大統領がダッソーと協議してラファール購入(恐らく12機)で合意した」「2ヶ月以内にマクロン大統領の立会のもとで契約に署名する」と明かし、この決定は旧ソ連製のMiG-21やMiG-29から西側製戦闘機への移行を意味しており、ロシアが提案していたSu-30SMを退けた格好とも言える。
但し、軍事的中立を掲げるセルビアはNATO加盟(平和のためのパートナーシップにのみ参加)を望んでおらず、欧米からHMMWV、C-295、H145M、SA341H、Mistral、GM400、GM200、AN/TPS-70等、ロシアからKornet-EM、Mi-35、Mi-17、Pantsir-S1、Repellent-1等、中国からCH-95、CH-92、HQ-22、HQ-17、H-200、JSG-100等を調達して安全保障の影響力を分散させているため、ラファール導入だけを見て「セルビアが西側に接近した」と解釈するのは間違いだろう。
因みにセルビアへのラファール輸出が決まれば運用国は9ヶ国(フランス、ギリシャ、クロアチア、エジプト、カタール、アラブ首長国連邦、インド、インドネシア)に広がり、同機の受注残は150機を超える見込みだ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Nathan Lipscomb
ラファールの生産数は年間15機程度、増産してもその1.5倍程度とすると完納されるのは随分先になりそう。
旧ソ連機を使っていた国が西側機に乗換え始めると、F-35は無いから当面ラファールとF-16の一騎討になりそう。
ダッソーはFCASの導入は2050年以降にずれ込むと想定しているようなので、今後の需要を見込んでラファールの大幅増産と改良に踏切るだろうか。
生産数はF-15・16・18より1桁少ないので、西側標準機の一つとしてもう500機位売れてくれてもいいと思う。
フランス政府などから、製造ラインの増強要請(実質圧力)が来てそうな気がする
フランスはホントに売るつもりかな。不注意では?。
表現悪いけれど、セルビアを”釣る” つもりなら、
釣り餌ではなく、ご褒美にしたら?。
利口な魚なら、餌は食い逃げするものだし。
納入はかなり先でしょう。
ただ、ラファールが納入されたら退役するMiG21や29をウクライナか、NATO加盟国に売却なり譲渡するって言ったら、最優先で納入されるかもしれないし、そうなれば西側への接近が確定ですけどね。
安くてそこそこの性能なら、4.5世代機にもまだまだ市場は大きいなと感じさせるニュース。
今から4.5世代機を新造する国を馬鹿にはできない。
4.5世代機はまだ使えると言うより、5世代機とは補完関係にありますね。
4世代機はあらゆる点で3世代機を上回っていたけど、5世代機は4.5世代機に劣る部分を解消できないので。
兵装を機外装備できないので対地攻撃力や偵察力で4.5世代機に劣る。
増槽を装備できないので航続力で劣り、脆弱な給油機は前線に近づけないという制約がある。
(バディポッドを積んだ4.5世代機はより前線まで近づける)
高価格かつステルス塗装が脆弱なため、近接航空支援には現実的に使いづらく、使っても搭載量が少ない。
ステルス性のため空力が犠牲になり、特にF-35は機動性やスーパークルーズ能力が劣る。
結果として空対空専用機に近く、マルチロール機として使いづらい。
アビオニクスやネットワーク機能は4.5世代機でもアップデートや偵察ポッド等で補強できる。
実際ラファールが用兵者から高評価されているのはセンサー性能(特にSPECTRAによる高精度なパッシブ探知)と状況認識力。
4.5世代機の役割を無人機が代替するような時代が来るまでは、5世代機と4.5世代機は車の両輪のような関係になると思う。
ユーゴスラビア時代からフランスとの繋がりはありましたよね。(ガゼルヘリのライセンス生産、Novi Avion計画へのM-88エンジン提供等)
それより、仮想敵国であろうクロアチアと同じラファールかと思ってしまいます。
フランスから天秤に掛けられたら残るのは自分側、との自信があるのですかね
フランスの兵器販売に節操を求めるのが間違い。
姉妹機のタイフーンがあれなのとは大違いだよね。
ロシアとの関係をどうするんだろうね?
今までは南欧唯一の親露国家でしたが今回のウクライナ侵攻にもロシアに賛同しなかったですし…