欧州関連

UAVの次はUSV、トルコが武装した無人水上艇「ULAQ」を発表

トルコは軍事用用途の無人航空機(UAV)開発で大きな成功を収めたが、今度は軍事用用途の無人水上艇を発表して注目を集めている。

参考:Turkey unveils 1st armored unmanned maritime vehicle

UAV開発で培った技術を手に無人水上艇市場攻略に乗り出したトルコ

トルコの防衛産業企業「Meteksan Defense」は28日、トルコ初の装甲無人水上艇(Armored Unmanned Surface Vehicle:AUSV)「ULAQシリーズ」を発表した。

ULAQシリーズの基本タイプとなるAUSVはAIによる自動制御が可能で、目標の捜索・監視に必要なEO/IRセンサーとAUSVを遠隔操作するために必要な暗号通信装置、国産レーザー誘導ロケット弾「Cirit」4発と国産対戦車ミサイル「L-UMTAS」2発を搭載、最高速度35ノットのスピードと約400kmの作戦範囲を備えており、水上監視、輸送船の護衛、非対称戦など様々な任務に対応できるらしい。

勿論、ULAQシリーズは顧客の要望に合わせてAUSVにレーダーや電子妨害システムなど追加装備を取り付けられる設計で、基本タイプ以外にも電子情報収集タイプ、掃海タイプ、対潜タイプなどを開発していくとMeteksan Defenseは説明しており、トルコはUAV開発で培った技術を応用してUSVを開発して自国の海上戦力強化や海外輸出を狙っているものと思われる。

管理人の記憶では中国あたりが輸出可能な監視用途の無人水上艇を発表していたと思うが、武装した無人水上艇は研究段階のものが多く実用化されている例は限りなく0に近い。

トルコの「ULAQシリーズ」も今年12月にプロトタイプが完成、2021年にミサイルの発射テストが行われるため現時点で実用化に成功したとは言い難いが、海外市場で近いうちに入手可能な武装無人水上艇の有力候補と言えるだろう。

問題は小型の無人水上艇が海での戦いにどれだけ効果を発揮するのかだが、10年前に戦場で小型UAVがこれほど活躍することを予見できなかったことを考えると、小型USVへの投資は可能性に満ちているのかもしれない。

日本はUAVの将来性を見誤り投資を怠ったため無人航空機分野(技術があっても製品の実用化に結びついていない)では完全に後発プレーヤーだが、小型USV開発に日本はどの様に取り組むのだろうか?

日本の場合はリソースが限られているので「モノになるのか分からない分野まで手が回らない」と言われるが、今回は日本が得意とする海洋分野の無人技術なので是非、思い切った投資で無人水上艇市場にチャレンジして欲しいと個人的には思っているし、たまには日本の良いところを見てみたい。

 

※アイキャッチ画像の出典:YouTubeで公開された動画のスクリーンショット

中東諸国へのF-35A輸出が成立寸前、米国務省が議会にUAEへの販売を通知前のページ

フランス国防省の警告、軍隊の無駄を削減すれば危機に対して無力次のページ

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    エルジアかな?

    6
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    中国は無人イージス艇(JARI-USV)を開発中ですね。

    1
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    まあ波が穏やかな地中海でなら使えるんじゃないですかね

    10
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      完全な無人機としてモノにならなくとも省力化を考える上では無駄にならないでしょうし、日本も挑戦してみる価値はありそうですね

      14
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      元船乗りの経験で言えば、どんなに穏やかに見える海でも、滑空タイプしかないモーターボートタイプでは翔潤がつけられないと思う。ミサイルの誘導性能次第では実用化できるかもしれないなーって感想しか出てこない。威嚇目的ならば有かもしれませんが。

      7
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    違法漁業対策に安価なUSVとUAVってよさそうだけどな

    13
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      海上保安庁が無人航空機の試験を最近やっていたが、無人巡視艇もその内導入されるかな?

      11
        • 匿名
        • 2020年 10月 30日

        北朝鮮等の不審船対策で水中ジェット(海水を高速噴射する推進機)タイプの高速艇が運用されていますが、船員への身体的負担が大きいので、追い回す役割は無人機に出来ればいいと私も思います。しかし海上保安庁はあくまで警察権行使しか出来ません。今後の事を考えれば日本をどのように守っていくか、法体系も視野にいれなければいけない時代になっている気がします。

        8
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    今の戦争はトルコ製兵器のいい宣伝になったろうな。

    8
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    映像見る限り不審船用なのかね?
    現代の軍艦にはとても通用するとは思えないな。

    2
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      不法移民船が跋扈している地中海を考えると、無人で監視出来るだけでありがたいのでは

      15
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      もし不審船対策でも無人で出来れば、有人の艦や巡視船が大きな脅威の対策に集中できるようになるぞ

      9
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    日本もUSVを広大な日本のEEZで遊弋させては? 
    有人島や航路船の防衛に有効であることは疑いないだろう。

    8
    • wyuki
    • 2020年 10月 30日

    ステルス性の在る船型ではなさそ~。
    でも小型なのでRCSは意外と小さい?
    ので、地中海~黒海辺りで穏やかな海上でのゲリラ活動には打って付けなのかも。
    日本海、太平洋の大きなシー・ステートでは使えるのか微妙に感じます。

    1
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      波浪の影響を受けにくいがセンサーが制限される無人潜水艇とどちらが有効なのか、まだまだ研究が必要でしょう
      無人の回天だの震洋だののイメージを感じちゃうと、不謹慎かいな?

    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    FFMがUSVを運用する前提で設計されてるけど、USVの情報があまり無いのが気になるな~
    VLS同様後日装備になるんだろうか

    1
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      とりあえず最新のUSV?
      ここまで出来てて後日装備って事はなさそうだけどねぇ
      リンク

      1
      • 匿名
      • 2020年 11月 01日

      30FFMが搭載を予定しているのは対機雷戦用の「無人機雷排除システム」です。
      USVとUUVで構成されUSVは機雷探知を行うUUVとの通信確保と掃海・掃討に使われます。

      >海自、無人機雷排除システム用水上無人機(試験用)の研究及び設計を契約
      リンク

      1
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    日本はホントこの分野遅れてんなぁ・・・・

    7
      • 匿名
      • 2020年 10月 30日

      むしろUSVやUUVはかなり取り組んでる方では?

      10
        • 匿名
        • 2020年 10月 31日

        実機が一つも無いのに(強いて言えばOZZ-5が極少数)
        「かなり取り組んでる」と言われましても・・・・

          • 匿名
          • 2020年 10月 31日

          他の国の実用レベルの実機ってどんな感じ?

          2
          • 匿名
          • 2020年 11月 01日

          補足になるんだけど
          これは単に俺が知らないだけなのかもしれんが、所謂標的機やEMDといった旧来の遠隔装備品を除いた、純粋に一般的にみんながドローンと認識するような軍用のUSVとUUVを既に開発・配備している国を聞いた事がないのよね(一応その手のニュースはなるだけ見てるつもりなんだけどどこも研究中って感じだった)
          で、その中でUSV+UUVによる機雷掃海システムをFFMで実用化し、勿論その先にある長期間運用のUUVや多機能のUSVの研究も進めていく段階の日本をみて「かなり取り組んでいる」のでは?と言ったわけなのよ
          で、早い話他国でそれよりもさらに進んだレベルの実機が既に多数配備されているのならこの話は違うわけだね
          それを踏まえた上で、他国の実機はどんなもん?って聞いてるのでございますよ

          3
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    日本は不審船対策でミサイル艇作ったら荒波に揉まれてスピードでなかった、なんて問題がありましたが、このボートも小さすぎて外海じゃスピード出ないんじゃないっすかね

    3
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    北朝鮮の工作船に対抗できるだけの航行能力が日本の場合は必要かと
    複合艇よりも厳しい条件での洋上からの発進や
    輸送機やヘリから空中投下して着水発進できれば
    不審船や自爆船対策として非常にありがたいのだが

    3
    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    相手はギリシャやフランス、そしてロシア海軍ですかな?

    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    AIによる自律制御らしいが、自軍はIFFのようなもので識別するとして、民間船/人と友軍勢力、敵軍勢力の識別はできるのか?

    2
      • 匿名
      • 2020年 11月 01日

      CG映像では接近時攻撃時に遠隔操作してるし、AIでの自律制御はデータ処理や照準や航行関連じゃないですかね。
      それらの確認や攻撃操作は人間が遠隔で行うてことかと。

    • 匿名
    • 2020年 10月 30日

    言ってる側からエーゲ海で地震発生か。トルコとギリシャの沿岸で津波被害だってな。

    4
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    USVは、必ずしも動力付きの艦船型でなくても良いのでは?
    離島や沿岸、要衝などの防衛なら、ブイのような浮遊型でも問題ないはず。

    1
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      軍理論では、静的防御より動的防御のほうが有効って確立してるからフネにこだわるんだろね
      費用対効果で検討すべき余地はあるはずだが

      1
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    機雷で十分だ

    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    ビデオ合衆国…

    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    軍理論では、静的防御より動的防御のほうが有効って確立してるからフネにこだわるんだろね
    費用対効果で検討すべき余地はあるはずだか

    1
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    > たまには日本の良いところを見てみたい。

    me too
    スペースジェットの予算削減はとても残念でした。

    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    空と違って海は無人機が活用できるほどクリアではないよ。
    兵装や運行システムは無人化が可能だとしても、識別に必要な高度な判断が出来るとは到底思えない。
    鯨やイルカを誤射して問題化するんじゃないか?

    1
    • 匿名
    • 2020年 11月 01日

    見誤ったのではなく、やらないんだよ。

    • 匿名
    • 2020年 11月 02日

    UAVのほうが巡回距離も増えるし少ない数で済むし使いやすいと思うからこっちは流行らなかったんじゃないかな

    もし運用するとしても特定の場所に置いておいてセンサーとか固定砲台的運用になりそう

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