フランスのパルリ国防相は22日、火災で大きく損傷した攻撃型原潜「ペルル」を修理して艦隊に復帰させることを発表した。
参考:Naval Group will repair French ‘Perle’ nuclear sub damaged by fire
火災でダメージを受けた原潜を冒険的な手段で再生させるフランス
フランス南東部のトゥーロンで大規模なオーバーホールを受けていたリュビ級原子力潜水艦6番艦「ペルル」は今年6月、艦内で発生した火災によって大きなダメージを受けたため海軍への復帰は難しいと考えられていたのだがパルリ国防相はペルルを修理して艦隊に復帰させることを発表、その斬新(?)な修理方法に注目が集まっている。
火災が発生した当時、オーバーホールを受けていたペルルは全ての搭載品(原子炉、核燃料、武器、魚雷発射管、ソナー、バッテリー、電子機器等)が取り外された状態だっため火災による被害は最小限に抑えられたかに見えたが、ペルルの船殻に使用されている高張力鋼(80HLES)や耐圧殻が14時間も高温の火災に晒されたため船体に歪みが発生、潜航時の水圧に耐えるための「強度」が失われてしまった。
[#InterventionSNAToulon] Suite remplissage des fonds en tranche avant SNA Perle par de la mousse, et intervention équipes de marins-pompiers, le feu est maîtrisé.
Recherche éventuels d’autres foyers se poursuit, compartiments de propulsion n’ont pas été touchés. pic.twitter.com/BKpRk7Vw2m— Préfecture maritime de la Méditerranée (@Premarmed) June 12, 2020
そのためペルルの廃艦や仏海軍の原潜運用体制見直しは避けられないだろうと見られていたが、フランスは昨年退役した2番艦「サファイア」の前部船体と火災の影響を受けなかったペルル後部船体(原子炉を含む)を合体させてペルルを艦隊に復帰させると発表して周囲を驚かせている。
フランス海軍によれば、ペルルの再生には船体切断やサファイアの前部区画結合、約70本の艦内パイプや130本のケーブル接続など非常に複雑な作業が必要だと説明しているが、作業を担当するDCNSはペルルとサファイアの結合作業と本来行われる予定だったオーバーホールを実施して「2023年の夏までに新しいペルルを海に戻す」と豪語している。
補足:仏メディアの報道によればペルルの修理費用は約1億2,000万ユーロ(約150億円)と見積もられているが、火災事故を起こしたDCNSが5,000万ユーロ(加入していた保険から)を負担するため、フランス海軍の実質的な負担は7,000万ユーロで済むらしい。
これは管理人の予想なのだが、ペルルを廃艦にして昨年退役したリュビ級原子力潜水艦2番艦「サファイア」を現役復帰させることをフランス海軍も真っ先に検討したと思うが、サファイアは2019年7月から原子炉区画の解体工事が始まっており、工事を中断して原子炉を元に戻すのが不可能なほど解体作業が進んでいたのだろう。
要するにフランス海軍が攻撃型原潜5隻を維持するためには何としてもペルルを艦隊に復帰させる必要があり、リスクが高くてもサファイアの前部船体とペルル後部船体を合体させるしか選択肢が無かったのだ。
なかなか冒険的な手段を選択をしたフランスだが、素朴な疑問が一つある。
個人的にサファイアの前部船体とペルル後部船体を合体させ再生した潜水艦を「ペルル」と呼んで良いものなのか疑問に感じてしまう。頭の相当する前部区画がサファイアのものなので再生した潜水艦もペルルではなく「サファイア」と呼ぶか、ニコイチで生まれる潜水艦なので新しい艦名を付けたほうがいいのではないだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:public domain リュビ級原子力潜水艦5番艦「アメティスト」
テセウスの潜水艦ですねえ…
後部胴体と搭載機器はぺルルなんだからテセウスの
船じゃないんじゃ?
それな
ペルセウス…は苦し過ぎるか。
ズビアンのようなことが100年後にまた行なわれるとはw
しかしこの原潜の乗員は生きた心地がしねぇなぁ・・
5隻体制維持、という理由は分かるけども潜水艦を繋ぎ合わせるのは…聞いたことがない、
大昔の駆逐艦でなら前後を合体させた、大破した船首をすげ替えた、なんて話はあれど大丈夫かな
核燃料交換の際に船体を切る要領と思えば…出来なくは無いだろうが、本来想定されていない以上不安すぎる
海で事故って船員もろとも藻屑にならないことを祈るかぎり
そんなおっかない潜水艦、乗りたくないな。
水兵がストライキ起こすぞ。
サファルルですね
分かります(笑)
フュージョンッ!!
カップリング名みたいで草
その場合、命名規則的には(後ろ)×(前)になるのでは…
ペルファイヤでいかが?
強度ガタ落ちだろうなあ・・・
リュビ級って、5番艦と6番艦は船型が変わったんじゃないの。2番艦のサフィールと6番艦ペルルでうまくつながるのかね。
1990年前後に1番艦から4番艦も改装されていますので問題にならないかと。
ベルファイアに一票
絶対のりたくねえ。
煽ってきそうな名前だな(風評被害)
敵艦の後ろをとったらピンガーを連打するんですかね?
結局上手くいかず改修費用が無駄になるだけだな
21世紀も20年近くたってズビアンみたいな話聞くとは思わなかった。しかもよりによって原子力潜水艦で
人類の思考が進歩してないのを嘆くべきなのか、技術的に進歩したおかげでできるようになったと喜ぶべきなのか悩ましいところ
恐らく音紋はぺルルのままでしょうから、ぺルルでいいんじゃないですかね。ぺルルぅ!
変わると思うよ。
船体の歪から、変な音が出たりして。
なかなか楽しい話
フランスの造船技術が見えてくる
サファイア再就役はできないのか
昔F-18をニコイチした国が有ったような?
ブッピガァン!(合体する音)
某アニメから版権要求されそうw
いや、アニメでは合体なんて日常茶飯事だけどさ…
シュフラン級が揃うまで隻数を妥協した方が良いのでは
サファイアが既に解体中だったのなら除籍済てことでしょ。
解体中の除籍艦サファイアの前半部と現役艦ぺルルの後半部を接合して再生するわけで、艦名がぺルルになるのは当然かと。
今回のは理屈はそうなんだけど感情としてなんか不思議な感じがするんだよね
車で言えばエンジン載せ替えたらエンジン積んでた車の名前になるみたいな感じが…
書類上、サファイアと命名されていた除籍済リビュ型原潜のパーツを流用して損傷したぺルルを修復する、ことになっていると思います。
流用されるパーツは艦体前半部丸ごととはいえ、書類上はフランス海軍攻撃原潜サファイアではないということかと。
まあ船も潜水艦も作るときは輪切り状態を繋げていく訳だから…
修理が上手くいったらぺルルとサファイアの繋ぎ目辺りに
ここでぺルルは終わり、サファイアが始まるってプレートがつけられそう()
2020年にもなって新しいニコイチ軍艦が生まれるとはなあ
音紋が変わって有利になる部分とかある?
五月蝿くなるだけでは?
元々輪切りの船体を繋ぐ方式で建造するわけだし然るべき場所でつなぎ合わせれば問題なさそうに思える
完成してみたらなんか長くなった!or短くなった!とかしてもそれはそれで面白いのでぜひやってみて欲しい
俺もそう思う。
潜水艦だから特殊な気がするだけで、元々の工法に従った手法だから同型艦ならあり得るとは思う。
ただ、金属疲労の程度というか分布は各艦違うだろうから、その辺は気になるかな。
幾ら何でもリスク高過ぎませんかね
くっつけられるなら修復した方がよくない
深度限界を浅く見積もればなんとかなるだろ、いまフランスの攻撃原潜はどの辺をパトロールしてるのかね
船体を切断して延長部分を挿入するなんて普通にやってること潜水艦でも例はある 問題なんてない
就役して2〜3年でまた問題が起きそう
根拠は特にないが
もうフランス艦なだけに「フランケン」でいいよ!
日本でおなじことやったら艦名にこいち
海自で「しらね」が火災で消失したブリッジ周りの機材に、退役した(だったか、退役させた)「はるな」からCICを移植した事があったけど、そうしたニコイチだとは…
建造中のスコーピオンの船体を輪切りにして、間にミサイル区画突っ込んで叩き伸ばしたジョーヂ・ワシントンという前例もあるし、同型艦同士での継ぎ足しなら問題ないでしょ。多分、きっと。