インド政府は国産戦闘機「テジャス」の海軍仕様機が空母「ヴィクラマーディティヤ 」への着艦に成功したことを受けて、双発タイプの新型艦上戦闘機開発に着手することを正式に決定したと現地印メディアが報じている。
参考:New Made-In-India Fighter Cleared For Development, First Flight In 6 Years
インドが海軍向けの双発新型戦闘機開発にGOサイン
インドは国産戦闘機「テジャス」を空母で運用できるよう改造した海軍仕様のプロトタイプ(NP)を開発して、2020年1月にアレスティング・ワイヤーを使用した空母「ヴィクラマーディティヤ 」への着艦と、スキージャンプ台からの発艦を成功させたので本格的な海軍仕様戦闘機「テジャスMK.2 Navy」開発に弾みがつくものと思われていたが、どうやらインドは単発機のテジャスを海軍仕様に改造するのを諦め、双発タイプの艦上戦闘機を新しく開発することに決定したようだ。
そもそも空母着艦に対応するため構造強化を施した海軍仕様のプロトタイプは予定重量を超えてしまい、海上での運用が基本の海軍としては単発機のテジャスは好みではなかったので、本当にテジャスMK.2 Navyを開発するのか謎で、双発タイプの新型艦上戦闘機開発を行うのではないかと噂されていたため本当に噂通りの結果に落ち着いた格好と言える。
印メディアの報道によれば新型艦上戦闘機は単発機の国産戦闘機「テジャス」を単純に双発化したものではなく全く別の完全な新型機として設計されるらしいが、第5世代戦闘機のようなステルス性能は備えていないらしい。さらに新型戦闘機がテジャスと同じ無尾翼+ダブルデルタ翼になるのか、開発中のテジャスMK.2と同じ無尾翼+カナード+ダブルデルタ翼なるのか、それとも全く別のデザインになるのか不明だが、少なくとも3つの機体デザインがコンピューターシミュレーションと風洞実験でテストされているらしい。
開発関係者によれば同機はF414-GE-INS6を2基搭載して、6発の空対空ミサイルを携行して2時間の任務を行うことができる新型戦闘機を10年以内に実用化することを目標にしており、2026年までにプロトタイプによる初飛行を行う予定だと話している。F414を2基搭載するということは、少なくとも推力に関しては米海軍の戦闘機F/A-18E/F並だということになる。
インド海軍は新しく開発する双発タイプの新型戦闘機で現在使用しているMiG-29Kを更新することを狙っているらしいので、空軍の海外製戦闘機調達プログラムに続いて海軍の海外製艦上戦闘機調達プログラムも国産機調達に切り替わる可能性が出てきた。
インドの戦闘機需要(数兆円規模)を見込んでいた欧米やロシアの防衛産業企業にとっては嬉しくない知らせに違いないが、インドと中国の軍事的な緊張が高まれば10年後などと悠長なことを言っていられなくなるため、状況によってはまだ海外製戦闘機調達の可能性も0ではない。
弱り目に祟り目?インドに中国軍、新型コロナ、バッタ、ハリケーンが次々と襲いかかる
余談だが、現在インドでは中国と国境未確定地域の領有権問題で両国が軍を増強しあい軍事的緊張が高まっており、既に小競り合い規模の衝突は複数回発生しているので対応を間違えれば大規模な衝突に発展する可能性があるのだが、インドは米国からの仲裁申し出でを拒否して2ヶ国による外交交渉に拘っている。
果たして2ヶ国間交渉で合意できるのか謎だが、両国が主張する軍の引き上げ条件(インドは条件なしで両軍が撤退を中国はインドのインフラ開発中止を撤退に挙げている)は差が有りすぎて上手くいくとは到底思えないが、インドが直面する問題はこれだけではない。
インドは中国との国境問題以外にも新型コロナウイルスの感染拡大抑え込みが上手く言っておらず1日7,000人前後のペースで感染者が増加して中、バッタの大量発生、5月20日から6月3日までに大型ハリケーンが2発直撃するなど自然災害への対応にも苦慮している。
そんな中でインド国防省の事務方トップが新型コロナウイルスに感染して濃厚接触が疑われるインド国防省のスタッフが隔離(ジナート・シン国防大臣は無事らしい)されるなど、対中国軍対応を行う国防省内に少なくない混乱を引き起こしており、もはや毎日がドタバタ劇の連続だ。
そんな訳で管理人としては当面インドから目が離せない。
※アイキャッチ画像の出典:Hindustan Aeronautics Limited / GODL-India 戦闘機「テジャス」
F-16でいいじゃんと言われながらF-2を開発した日本のようだな
経験を積むのは大事だよ。
F-2の開発経緯を調べてから書き込みなさい
F-16とF-2は要求性能も開発目的も適用技術も全くの別物です
この御仁にとってはモノを知らないという事は恥ずかしい事では無いのだろうな。
FSXの開発経緯を知っていたらアメリカがF-16ベースの共同開発をプッシュしたけどF-16をそのまま買えと言った事実は無い事位は当たり前の基礎知識だと思うけど。
既存の海外戦闘機と新規開発の国産FSX案を比較して、仕様を満たせるのは国産FSXのみ、との見解を日本が示した際、
米国は後出しのズルさをクレームしたけど、仕様を満たせない事は認めていますからね。
既存機ベースで一番要求仕様に近かったのは
マクダネルダグラスノースロップ(当時)提案のF-18Lベース提案機(ハードポイント増加)、、でしたっけ
MDの提案は、F-18Lベースというより、ホーネット2000ベースだったような。
MDの提案は、最も簡易な改装案でも新型主翼への換装を改造項目に入れていたので、
ハードポイント増加だけだと日本の要求に対応しきれなかったのだと思います。
あと素のレガホは航続距離が短いので、その手当ても必須ですね。
最初期の提案﹙日本が自身のペーパープランを本命扱いする前﹚までは追えていないので、F-18Lベース云々がその頃の話しだったら、上のコメントは的外れになりますね。
>F-16でいいじゃんと言われながら
史実だと、当のGD自身がF-16のままでは駄目だと判断して、
・F-16XL類似なSX-1案
・AgileFalconやF-2類似のSX-2案及びSX-3案
・F404双発版のSX-4案
の4案を立案しています。
ちなみに日米共同開発がスタートした際、当初はSX-3案ベースになる予定でしたが、初期検討の段階で日本側がダメ出しして、F-16C/D Block40を元にほぼ一から再設計しています。
しかし、完成したものはF-16に毛が生えた程度の性能で
自衛隊関係者も不満を漏らしているね
対艦ミサイル4発と600ガロン増槽2つ+IRAAM2発を搭載して約450海里を往復できる性能が“F-16に毛が生えた程度”だと思うのならそうなんだろうな(皮肉)
自衛隊関係者が不満を漏らしたのは事実だろうが、その結果としてF-2はこれ迄の空自戦闘機としては異例な程多岐に渡る能力向上改修を実施しているので、不満はちゃんと反映されていると思うがね
対艦ミサイル4発は日本が自主開発をするための方便に過ぎなくて戦術的優位性があるのか甚だ疑問だし
行動半径に関しては最新のF-16がコンフォーマルタンクを装備したことで解決してしまったし
やはり毛が生えた程度なのではないかな?
>対艦ミサイル4発は日本が自主開発をするための方便に過ぎなくて戦術的優位性があるのか甚だ疑問だし
FSX仕様策定時の想定戦場は非常に悲観的なもので、それで結果を出すために求められたのが「対艦ミサイル4発」です。
その想定を受け入れたからこそ、米国も「対艦ミサイル4発」対応の米軍機改造案を提示したのかと。
>行動半径に関しては最新のF-16がコンフォーマルタンクを装備したことで解決してしまったし
つまり、ベストセラーのF-16が後の改造型で漸く追い付いた機能を、20年前に実現したと。
時間は不可逆なので、非常に意義のある、素晴らしい事ですね。
ちなみにFSXの対艦ミッション・プロファイルでは、帰投基地は発進基地の140海里﹙約259km﹚後方。
対艦ミッションの最中、発進基地が攻撃を受けて使い物にならなくなる想定です。
NGF関連の対空シミュレーションでも、遠方でかつ味方が敵機の半数と、
何処の餓島航空戦?といいたくなる様な想定が成されています。
空自さん、悲惨な想定が好きなのですかね?
まぁ、数的劣勢が予想され、且つ専守防衛故に先制攻撃も難しいので、悲惨な想定になり易いのでしょうが。
>対艦ミサイル4発は日本が自主開発をするための方便
米国も改造機の提案をぶつけて来たので、「日本が自主開発をするための方便」としては機能しなかったと思います。
F/A-18なんて案の中には、カナード・デルタ機化と、ほぼ別物にする魔改造案まであった程です。
> 行動半径に関しては(略)コンフォーマルタンクを装備したことで解決してしまった
コンフォーマルタンクってのは単に密着型な分、吊り下げ式より空力・マス・ステルス性・武装搭載数等のデメリットがなんぼかマシってだけで、ドロップタンクとは違って投棄も出来ないから、決してゼロではないデメリットを抱えたまま戦闘する羽目になるシロモノ。
天下のアメリカさんが売れ筋商品に後追いでこんな解決策(しかも自分とこでは不採用)しか用意できないなんて、
むしろ「F-2すげー」としか思えない訳ですが。
現役機で一番売れてたF-16に毛が生えて(=プラスαがあっ)てしかも日本の要求条件満たしてたなら十分だろw
対艦番長な現代版中攻な上に、ベストセラー戦闘機に類する能力。
本当に十分優れた成果ですね。
FSX関連の米国書籍で、FSX開発を高評価していたのも納得な成果ですね。
KFXとエンジン丸被りなんだけどアビオと兵装次第では天敵になるぞこれ
F/A-18が生き残っていたなら、
・価格破壊
・米国兵器使用可
な事が売りになるので、これも天敵になるかと。
米国はエンジンを人質に出来るから、なおさらです。
艦上戦闘機の開発経験が無いインドが開発出来るのだろうか?
Su-33かラファールM辺りを導入した方が良い気がする。
上の記事にあるように、テジャスMK1ベースの艦上戦闘機の試作機は開発済みです。
その知見から出てきたのが双発版テジャスの案かと。
とはいえ、仰るようにSu-33かラファールM辺りが無難でしょうね。
両方ともヴィクラマーディティアのちっこいエレベータに載らないと思うよ?
そうなのですか。
それは勉強不足でした。
ありがとうございます。
Mig-29が載るんならラファールMは載るだろ
ラファールは翼が畳めないんだよ
F2はあの時代にあの性能ですからね。
>コンフォーマルタンク
云々は大分後の事ですからね性能が良くなって当然でしょう。
F2がうんこであろうと自力で風洞すら建設できない韓国には関係ない
基礎となるデータがないのにコンピュータシミュレーションを繰り返しても
出来上がるのはただのかっこいい模型
艦上戦闘機といえばF-4 ファントムII。双発機ときまってる。ただ、デカすぎた。
現在の技術を活かせば、ミサイルと共に活躍する物が作れる。
艦上機の主力は、経国+α程度でいい。ロシアも中型機作ると言われてたが・
経国か。
F404が使えたら、もっと良い機体になったのかな?
結構好きな機体なのですが、あまり日本語の資料が見当たらないのが残念です。
F-414って、こんな扱いになったのね。グリペンといいほぼ輸出専用
(高等練習機T-7のエンジンはその旧型のF-404 T-38タロンはJ84)
F/A-18E/F、グリペンE/F、テジャスMK.2、双発版テジャス、KFX
F414搭載戦闘機﹙搭載予定戦闘機﹚って、こんな感じでしたっけ?
F/A-18がこのまま生産終了したら、輸出専用になりそうですね。
しかも、先行き不透明な機体が多い、との不安材料つき。
サクッと決めて実行出来るのは羨ましくもあるな
元々音速航空機には由緒あるお国ではあるけれど(日本より音速機開発早かったよね?)
決めるのは得意でもいつまでたっても実行出来ないからインド時空と言われているわけで
ですよねえ
原子力潜水艦(1番艦の進水から8年経った2017年に2番艦が就役したが、1番艦は浸水でお休み中)、2009年に起工したフランスのKDの通常動力・スコルペヌ型潜水艦は。2019ね末で2番艦の就役をするかって状態、6隻建造予定、主力戦車、スキージャンプ式空母(おそロシアから買ったのではなく、国産のヴィクラント 2009年起工、進水したけど艤装は未だ)、陸軍の国産MBT・・・以下略
米露とも、戦闘機製造会社は、複数ある。ほんとは、2社以上で競ったほうが高度になる場合もある。
ただ。日本はグダグダな会社が有る訳で・・・ 試作ぐらい2社でしてほしい・