韓国は将来、韓国海軍が外洋海軍へ成長するためには、ベトナムに拠点を作る必要があると主張している。
韓国海軍の外洋海軍化のため、ベトナムに常設の拠点確保?
韓国海軍や韓国海洋戦略研究所、韓国海路研究会が共同で主催した「国際海洋力シンポジウム」で、ソウル大学のミン・ギョク教授は「海を通じた貿易に大きく依存した韓国は、より多くの海外拠点を確保する必要があり、韓国が外洋海軍を整備し、これを運用するためには、このような海外拠点の確保が前提条件になる」と指摘し、海外拠点の理想的な候補にベトナムを挙げた。
何故、ベトナムなのかについて教授は、韓国とベトナムの経済的な蜜月関係が深化した事で、現地までの安全な海上輸送路確保が重要になってきた点を考慮したと説明し、韓国とベトナムは戦略的関係を強固にするため、両国海軍はベトナム南部のダナンやカムランの海軍基地を、戦略的拠点化するため共に努力することが可能だと主張した。
このような話は、恐らく昨年、済州島で開催された韓国海軍創設100周年を記念する国際観艦式で発表された「海軍ビジョン2045」の中で、将来、韓国海軍は作戦範囲を「世界のどこでも任務が遂行可能な外洋海軍建設」を謳っており、世界規模で海上交通路の安全確保を進めるということを目標に掲げたことに関連しているのは間違いない。
補足:海軍ビジョン2045では、空母を中心とした機動艦隊を4個編成すると書かれており、一部の韓国メディアは、オホーツク海やベーリング海に機動艦隊を派遣し、新たな貿易ルートとして浮上する北極航路の安全を確保すると報道されている。
韓国が最近、独島級揚陸艦の実質的な3番艦にあたる「大型輸送艦-Ⅱ事業」を推進することを決めたのも、F-35Bを搭載した軽空母を中心とする機動艦隊を編成し、このような海域へ派遣し存在を示すこと狙ったもので、教授の指摘は、このような軍事力によるプレゼンスを行う場合、海外拠点の確保が前提条件だと言っているのだ。
ベトナムは2002年、ロシアから返還されたカムラン湾の海軍基地を特定の国に制限することなく、多くの国に解放する方針を掲げているため、これまで米国やロシア、中国、日本などの艦艇寄港を受け入れた実績がある。
しかし、ミン・ギョク教授が言う海外拠点の確保は、恐らく常設の韓国海軍の拠点=基地を指していると見られる。
これは、不定期な艦艇の燃料補給や乗組員の休息のための寄港なら、多くの国に基本的に解放されているカムラン湾に寄港すれば事足りるはずなのに、カムラン湾以外の港にも言及し、ベトナムと共同で拠点化すると言っているため、ベトナムに常設の韓国海軍だけが利用する基地を確保したいという思惑が見て取れる。
時勢とズレている荒唐無稽な大風呂敷を広げても無意味
このように韓国海軍の外洋海軍化を夢見るのは結構だが、問題は、このような意図の発言が、現在の韓国が置かれた外交状況と一致していないという点だ。
韓国は米国と中国の間で、どちらの陣営なのか「明確な態度の表明」を、これまで継続して拒んできたのに、仮に、F-35Bを搭載した軽空母を中心とする機動艦隊を編成、ベトナムに海外拠点を確保した場合、一体誰に向けて軍事力によるプレゼンスを示すのか謎だ。
ベトナムは南シナ海の「西沙諸島」領有権を巡って中国と対立しており、明確に韓国が中国側についた場合、ベトナムを拠点に韓国海軍が示す軍事力によるプレゼンスは誰に向けられるのか?中国の手先化した韓国の機動艦隊に拠点を提供するほどベトナムも馬鹿ではない。
逆に、米国側についた場合、ベトナムを拠点に韓国海軍が示す軍事力によるプレゼンスは、中国に向けられていると受け取られるため、弾道ミサイル防衛システム「サード」受け入れの二の舞になるのは目に見えている。
このように「米国」か「中国」かを選べない韓国が、なぜベトナムに拠点確保という「藪」を突くのか、外交的にも、政治的にも、メリットが見えない。
これが民間レベルのシンポジウムでの発言ならまだしも、韓国海軍や、国防部長官や海軍参謀総長経験者が所長を務める韓国海洋戦略研究所が主催するシンポジウムの場での発表内容というのだから、韓国の政治・外交と安全保障の基本政策が一致していないことをよく示している。
一致していないというよりも、情報が古いというべきかもしれない。
そもそも、このような不一致は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が南北首脳会談で合意した「板門店宣言」により、南北の軍事的緊張が一時的に和らいだことで、陸軍重視の国防方針が、空海軍重視=中国や日本を意識したものに変わったことが大きく影響した「海軍ビジョン2045」が元になっている。
最近、北朝鮮は韓国のステルス戦闘機F-35Aの導入や、米韓軍事演習を「板門店宣言」の合意(相手方に対する一切の敵対行為を全面的に中止する)に違反しているとして、文在寅政権に対する批判や、新型弾道ミサイルなど新兵器の試射を連続して行い緊張が高まっており、板門店宣言後に北朝鮮を刺激するという理由で、廃止や規模が縮小されていた対北朝鮮に対する軍事的な投資が、2020年度の国防予算から復活する見込みだ。
それなのに「海軍ビジョン2045」を元に、外洋海軍の運用のため、海外拠点の確保をと言っている時点で、時勢とズレているのだ。
もちろん、目先の状況にとらわれず長期的展望を語るのも一利あるだろうが、あまりに荒唐無稽な大風呂敷を広げても無意味でしかない。
※アイキャッチ画像の出典:public domain 独島級揚陸艦
要するに、今の韓国の政軍関係は最悪で、「最新情勢に即して、統一した国防戦略を立てる事が出来ない」状況に陥っていると推察出来ますね…こりゃ、文政権も退陣へのカウントダウンが始まったって所かな?
韓国人って、現在の国際情勢や韓国の置かれている立場とかには関係なく、「ウリナラ版大日本帝国」に対する強い憧憬があるとしか思えないんですよね。
大日本帝国に事あるごとに噛み付いてくるのも、道徳的価値観とか正義とかを前面に出して隠しては居るけれど、本音の部分では「ウリナラが主でなければならなかったのに従だったから」悔しいだけでしょ。
空母保有にしても外洋艦隊保有にしてもKFXにしてもそういう大国願望があるからやってるとしか思えない。
そういうものはどこの国でも大概あるもんだよ、と言われればそうかも知れないけど、身の丈に合わない高すぎる自尊心は他国を巻き込んでの壮大な死亡フラグにしか見えないんだよなぁ。
そもそも韓国にここまで海洋進出を目指せるように見えない!中国側につくか米国側につくかでかなり変わる、韓国単独でベトナムに海軍基地を作った場合は米中からダブルパンチで潰されるのが目に見えますね。かの計画は難しいと思う。
国防部局は米韓同盟基軸の対中封じ込めの一翼を担う方針なのだろうか。政権のレームダック化を見越して発言し始めたとか。
またライダイハンする気なのかw
韓国海軍創設100周年…??
海外進出する前に朝鮮戦争終わらせろや。まだ休戦状態なのに呑気すぎるだろ
韓国軍基地がベトナムにできたら、その門前にライダイハン像が建立されるかもしれませんね。
ウリも租借地が欲しいニダ以上の知恵があるとも思えない
むしろ、その程度の発想と願望で行動するから各地で問題を起こして嫌われる
その批判を逸らさせようとして一層に「日本の悪事=ウリは可哀想な被害者」を喧伝するという次第……
自由主義陣営か中華陣営かとかいう現実的な話じゃなくて
ブルーウォーターネイビーを自称するには海外拠点ぐらいなきゃなぁ…
でも遠いと維持するのが大変なのでベトナムあたりが距離的に丁度いい程度の考えなのでは?
陣営云々考えるならそもそも反米しときながら空母計画の搭載機がF35Bな時点でチグハグだし
いつものごとくあんな事いいな出来たらいいなっていうお花畑な話な願望でしかなさそう
「ベトナムに韓国海軍遠征拠点を築いてアジアの平和を守るニダー」
と言う夢を韓国が見ました。 と言う記事ですね(笑)
うまい、納得、その通り。