ロッキード・マーティンはインド空軍に提案するF-21をアピールするためインド企業と共同で同機の主翼を製造、政府関係者を招いて完成した主翼を披露=インドでF-21を製造することが可能だと大々的に宣伝した。
参考:Tata-Lockheed Martin JV to Manufacture Fighter Wings in India
インド空軍の戦闘機調達を巡る熱い戦いは始まっており、ロッキード・マーティンはF-21がインド国内で製造できることをアピール
インドは老朽化した旧ソ連製戦闘機MiG-21などを更新するMRCA(Multi-Role Combat Aircraft)プログラムが不発に終わったため、新たに100機以上の戦闘機導入プログラムを立ち上げ欧米やロシアの企業が契約獲得を狙って受注活動を活発に行っているのだが、F-16VのカスタムバージョンF-21を提案しているロッキード・マーティンはインドでF-21の主翼製造に成功したと報じられいる。
まだインド空軍からの受注を獲得していないF-21を主翼を何故インドで製造したのかと思うかもしれないが、これはF-21受注に向けたデモンストレーションの一種だ。
インドのモディ首相は海外からの輸入に依存している自国産業の自立を促すため投資・イノベーションの促進、人材能力の開発強化、知的財産権の保護の3つを柱にした「Make in India/メイク・イン・インディア」プログラムを2014年に発表、インド政府は複雑な法律や規制の排除、官僚的なプロセスの簡素化、政府の透明性や説明責任を高めることで安定したビジネス環境を国内外の企業、投資家、起業家に提供することで将来成長に欠かせない製造産業の発展や国内の雇用機会創出を作り出そうとしている。
勿論、Make in Indiaを推進するインド政府は海外輸入に頼っていた国防調達も「自国企業が開発した国産品」もしくは「海外企業がインド国内で製造した現地生産品」に切り替えることを事実上強制しており、インドに防衛装備品を売り込む海外企業は「現地製造」に対応出来なければインド市場からの退場を余儀なくされるという意味だ。
伝統的な防衛装備品の供給国であるロシアがインドでの現地生産(Su-30MKI、T-90、AK-203など)に積極的なのはMake in Indiaを後押しせざるを得ないためで、空軍が進めている戦闘機導入プログラムに参加を予定している海外企業も競合(F-21、F-15EX、F/A-18E/F、ラファール、タイフーン、グリペンE、MiG-35、Su-35、チェックメイト?)を出し抜いて受注を獲得するため「現地製造」を提案するためのパートナー探しに力を入れている。
ロッキード・マーティンはF-21の現地製造をインド空軍や政府関係者にアピールするためインドのタタと共同で設立したTata-Lockheed Martin Aerostructures Limited(TLMAL)で同機の主翼(プロトタイプ的な位置づけ)を試験的に製造、関係者を招いて完成した主翼が「十分な品質を備えている=TLMALが戦闘機用の主翼を製造できる能力と技術を備えている」とアピールしてF-21の採用を招待した関係者に訴えたのだ。
因みにTLMALはインド空軍がC-130Jを採用した際に提案されたオフセット契約の一部でLMとタタは合弁でC-130Jの尾翼を製造するTLMALを設立、同機の最終組立を行うジョージア州マリエッタの施設にC-130Jの尾翼を独占的に供給(2021年時点で150機分の尾翼を納品)している。
あまり知られていないがインド陸軍からAH-64EとCH-47Fの受注(約30億ドル)を獲得したボーイングは契約額の30%(約10億ドル)を相殺するためAH-64Eの胴体製造をタタと共同で設立したTata Boeing Aerospace Limited(TBAL)に移管、ボーイングのアリゾナ州メサ工場で製造される新造のAH-64Eはインド製の胴体構造物を使用(2021年時点で100機分の胴体構造物を納品)しており、さらにボーイングはTBALに737シリーズの垂直尾翼製造も移管すると今年2月に発表するなどF-15EXやF/A-18E/Fを売り込む足場を固めている。
タイフーンを提案するエアバスもインド空軍から受注した中型戦術輸送機C-295MWをタタを共同で現地製造する予定なので、すでにインド空軍の戦闘機調達を巡る熱い戦いは始まっていると言えるのかもしれない。
関連記事:インド、エアバスの中型戦術輸送機C-295MWを56機調達する計画を承認
※アイキャッチ画像の出典:ロッキード・マーティンが公開したYouTube動画のスクリーンショット F-21
随分昔にUS-2をインドに輸出する話があったなぁ。
その時も現地生産とか言ってたような。
実現していれば維持できたかもしれないのに、残念。
日本のネット民は現地生産に否定的だから輸出なんて100%成功しませんよ
ネット民がリアルの判断決定に影響することは120%ないので考えすぎです
そんな影響力が俺らにあったら、自衛隊の共食い整備撲滅させとるわい
初期の条件が技術提供、現地生産、無条件輸出とか舐めくさった内容で
交渉でそういうの潰していったけど結局は白紙になったんだっけな
まあ飛行艇はニッチすぎて海洋国家以外手を出しにくいわな
舐めてるのは日本では?そう言う考え方が武器の海外輸出で通用しないことをいい加減理解しよう
インドで国産化するなら、ロシア製が一番だけどどうなることやら。
ところで、テジャスはどうしたの?
ボーイングを助けてやって下さい
F-15いれるんならSU-30いれるし。
F/A-18いれるんならSU-30いれるし。
T-7Aいれるんならデジャスをいれる。
無理じゃあね?
いつ自国に対してCAATSAを発動するか分からん国の戦闘機なんてインドは買わんでしょう。どんなに好条件だとしても。
かと言ってカシミールとか考えるとロシアの全面支援は微妙だからアメリカにも適度な距離で付き合っておいてもいいんじゃない?
本命はどれよ、インドのことだから輸入するなら米ロシア仏の構成バランスをとると思うけど
ロシア、フランスはいれたからアメリカのターン
インドは技術提供と国内生産が前提だからそうなるはな。
ここで注目すべき点はインドはF-35に微塵も興味を示さないし米国も売り込んだりはしないって所
F-35は三流国家を米国が制御する為の小道具であって真の独立大国が持つでき兵器ではないのである
アメリカ空軍の主力戦闘機なんだが
そりゃ米国が自分で使う分には問題無いだろうよ
ソフトウェアの頻繁なアップデートが必要なF-35を導入すれば
米国の同意無しに戦争が出来なくなるんだから
従米を良しとしない大国は買わんよ
実績のあるロッキードですらここまでやっても売れない可能性があるわけで、インドを含め日本製航空機の売却先候補からはお高く止まりやがって思われてるのかもしれないな。
そろそろ東側から輸出可能ステルス機が出るので、アメリカにも輸出用劣化版ステルス機が必要かも
インド海軍と違って、インド空軍ってアメリカとそんな仲よくないからなぁ
それもあってアメリカ製戦闘機を導入するっていうイメージが沸かない
インド製のアパッチとは中々