韓国は戦闘機KF-16のアップグレード事業で数千億ウォンの被害を受けたとBAEシステムズを訴えたが、韓国の裁判所は原告(韓国政府)の実質的敗訴を言い渡した。
参考: ‘KF-16 개량사업’ 천억 대 예산 날린 정부, 위약금도 못 받아
BAEシステムズを訴えた韓国政府の手を挙げなかった韓国の裁判所
ソウル地裁は先月、韓国政府がBAEシステムズに対し違約金4,325万ドルを請求した訴訟で原告の訴えを「却下」する判断を下し、審理を行うこと無く手続きを終了することになった。
韓国の裁判所が原告の訴えを却下した理由は、韓国政府が署名した契約書は米国の法律適用を受け、米国政府と受諾企業に対する問題は協議をもって解決することが定められており、問題解決の手段を第三者に回付しないことが明記されていたためだ。
要するに韓国の裁判所に本件を裁くことは出来ない=韓国政府が韓国の裁判所に訴訟を起こしたこと自体が間違っているという意味だ。
では、BAEシステムズは韓国政府になぜ訴えられたのか?簡単にまとめておく。

出典:public domain 韓国空軍のKF-16
韓国はKF-16のレーダー換装するアップグレード計画したが予算は1兆8,000億ウォン(約14億ドル)しか確保できなかったため、通常のFMS(対外有償軍事援助)方式で事業を進めれば予算を超過することは目に見えていた。そのため米国にKF-16のアップグレードを依頼する前に、担当企業を選定し価格を交渉しておけば米国もふっかけることが出来ないだろうと考えたのだ。
通常、FMS方式で戦闘機のアップグレードを行えば米国政府が担当企業を選定し必要な費用を算出したあとに手数料を上乗せして相手国に請求する。その代わりに米国政府はアップグレードを行った戦闘機の性能を保証することになっている。
この様な動きに対し米国は「FMS方式と商業方式を同時に進めてはならない」と通達し、さらに「商業方式で確定した金額はFMSには反映されない」と韓国側の意図に釘を刺したが韓国は担当企業の選定を強行してしまった。
韓国政府の求めに応じたのはBAEシステムズとロッキード・マーティンだが、14億ドル程度で134機ものKF-16をアップグレードするのは不可能だと判断したロッキード・マーティンは韓国の希望額を無視した金額で入札に応じたため、約13億ドルで入札したBAEシステムズが勝者に選ばれ、米国との交渉前にも関わらずKF-16をアップグレードを勝手に始めてしまう。
韓国は2機のKF-16を米国に派遣するのでアップグレードを始めるようBAEシステムズに指示したが、まだFMSの契約が締結されていなかったためBAEシステムズは韓国に2機分のアップグレード費用を直接支給してくれるよう要請、韓国は約1,000億ウォンを支払った。
ここで韓国は、米国とFMSの交渉を始めることになる。
既に担当企業と合意し、アップグレード作業も始まっているため米国政府がFMS手数料を上乗せしても17億ドル以内(BAE支給分13億ドル+FMS手数料4億ドル)に収まるだろうと韓国は考えていたが、米国はBAEシステムズがKF-16のアップグレードに不慣れでコスト超過の要因も多いと考え、FMSでアップグレードを行うには約24億ドル(BAE支給分16億ドル+FMS手数料8億ドル)が必要だと韓国に通知した。
韓国は既に国会にも1兆8,000億ウォン(約14億ドル)でKF-16のアップグレードが出来ると報告済みで、メディアに対しても大々的にKF-16のアップグレードを喧伝していたので、突然24億ドルも必要となれば米国からボッタクられたと国民から批判を受けるのは確実で、そうなれば米国の忠告(商業方式で確定した金額はFMSには反映されない)を無視して事業を進めたことがバレる恐れがある。
KF-16のアップグレードは結局、費用が高額になるBAEシステムズとの契約を解除し、ロッキード・マーティンに変更して約19億ドルで進めることになったが、当初予定していた14億ドルを大幅に超過することになり批判を浴びたためBAEシステムズを訴えることにした。
これはアップグレード費用超過の責任を問うものではなく、韓国政府が実施した入札に参加するための保証金を支払っていないことに対する訴えであり、BAEシステムズが悪いという印象を植え付け国民の批判を政府から反らすためのものだ。
韓国が支払いを求めた4,325万ドルは入札保証金であり、KF-16のアップグレードを落札したBAEシステムズが6ヶ月以内に契約内容を履行しなければ没収されることになっているのだが、BAEシステムズは入札保証金を支払わず、入札保証金を支払う覚書だけを提出しただけで済ませている。
恐らく米国との協議すら行っていない状態での入札なので、6ヶ月以内にKF-16のアップグレードに着手できるのか未知数だったためBAEシステムズは入札保証金の支払いを渋り、韓国政府も入札保証金を納めろとは強く言えなかったのだろう。
結局、韓国は約24億ドルものアップグレード費用を米国に要求されたのは、BAEシステムズが韓国と合意した金額(13億ドル)よりも高額な費用を米国に要求したため、BAEシステムズとの契約を破棄せざるを得なかったと主張し、入札保証金を没収するため未収納の4,325万ドルを支払えと訴えたのだ。
韓国もBAEシステムズもそれぞれ言い分があるのだろうが、米国から「FMS方式と商業方式を同時に進めてはならない」と忠告されていたにも関わらず勝手に暴走した責任は韓国側にあるとしか言えない。
今の所、韓国政府が上訴するかは不明だ。
※アイキャッチの出典: Keith Tarrier / stock.adobe.com
あほか
激しく同意!
自分勝手な韓国人だわな
そこらじゅうで嫌われてますね
いつもながらの事ですね。
しかしイギリスも割り込んでくるとはやりますね。
こんなんでテンペストやれるんでしょうか?
責任の鉾先が日本へ向かぬように祈ります。
韓政府「全部日本が悪いニダ!!おのれ日本め!!」←いつもの
勝手な入札に対してはBAEシステムズもアメリカから何かしらの通達があったはずだと思いますが、韓国のやり方は極めて自己中心的で弁解の余地もないですね。
共食い整備の不動機送りつけて改修と関係ない部分まで無料で整備させようとしたウリナラ誇らしい
形式的に訴えただけだよね
政府悪くないけど裁判所に言われちゃったからしゃーない
で逃げ切れる
ムン政権が直接関係したディールではないので、上告しないかも。
それよりミョンバク、パククネ政権の失態として、保守叩きの材料として処理されそう。
その前に「日本より性能が悪いのを放置していおいた」と叩かれるのでは?
アップグレードがなくなるとまでは言わないが、相当遅れることは確実でしょう。
実際にアップグレードするのはLMになったのでBAEとの訴訟は関係ないかと。
訴訟内容も「入札保証金払え」ですし。
既に言ってる人がいる通り「BAEが悪いニダ」という国民向けのポーズ作りでしょう。
>実際にアップグレードするのはLMになった
それもボツ アップグレードなんてないよ
(韓国ニュースではアップグレードは生きてるみたいね)
根拠、ソ-スは色々あるけど、
記事に書かれてる様に13億ドルが24億ドル、韓国のルールでは30%以上の増減が発生した場合には「新規予算」
そんな予算が通ったなんてニュースは無い
24億ドルはBAEで改修を行った場合の値段では?
BAEとの契約を解除してLMにて19億ドルで契約したと記事に書いてありますし
まぁ、どちらにせよ30%以上の増減は発生しますね
最高裁でひっくりかえる気がする
そしたら第2の自称徴用工問題に。
国際法捻じ曲げて平気だから、企業相手なら更にハードル低いでしょうね。
なんで予算内でできる機数で我慢できないのか。
契約とは、なんなのか?
勝手に踊りを踊って、相手に金払え……
K国のスタンダード = 世界のスタンダード
K国の主張は常に正しい…
と思っている妄想K国の勝手な空騒ぎ… 笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑
>「商業方式で確定した金額はFMSには反映されない」と韓国側の意図に釘を刺したが韓国は担当企業の選定を強行してしまった。
約束より、支払う金が惜しくて相手を無視した結果かと。韓国らしさが出ている。
大法院まで上訴し、徴用工の時と同様に異例の判決で楽しませて欲しい。